Crest Of
The Stars
A to Z
■ 星界の戦旗IV追加分

 □ あ行
アーヴ Abh
.皇族、貴族、士族の総称。
全部で2500万人ほど。そのうち大部分は士族で、貴族は20万人ほど。
子弟に対する遺伝子改造の義務を負う。
.ホモ・サピエンスから遺伝子改造によって生み出された変異人類。語源は「あま」であり、宇宙あるいは海の種族を意味する。
1.と区別するため「遺伝的な」「生まれながらの」アーヴ、とも呼ばれる。
地上人に対し自らについて語ることが少ないため、多くの誤解も生まれている。
【身体】
 青系統の髪。美形(アーヴにしては平凡、と言えば地上人でも1000人集めれば対抗できるくらい、という意味)で性別の区別がつきにくいことも多い。
 15歳くらいまでは人間と同じように加齢(成長)、それから25年ほどをかけて10歳分ほど外見が年をとる(成熟)。その後は死ぬまで老けない。
 しかし、脳細胞は再生しないため不死ではない。年をとるにしたがって眠る時間が長くなり、知性が破壊される前に脳の呼吸領野が機能停止することで死亡する。寿命は200〜250年。
 骨格と循環器系の特性によりかなりの高加速(20標準重力以上)にも耐えられる。
 例外なく絶対音感を持つ。
 27000箇所の塩基配列が指定されており、それにより先天性疾患の防止と、種としての同一性の保持を行っている。そのため、誕生から2000年近く経つ今でも基本的な遺伝子組成は変わっていない。
【出生】
 自然受胎出産は危険が伴う(2%程度の確率で重大な先天性疾患が発生する)ため、人工子宮で受胎・育成されるのが普通。したがって一卵性双生児は極めて珍しい。また、遺伝的な地上人との間で子供が生まれる可能性はほとんどなく、生まれたとしても先天的な欠陥を負っている。
 血縁ではなく家風を重視するため、遺伝子提供者の性別などにはこだわらないが(ただし動物を用いるのは禁止)、普通は自分と愛する者の遺伝子を掛け合わせる。
 子供に遺伝要素を教えられるのは親だけ。遺伝記録は公開されているが、未成年者の閲覧には親の許可を要するし、遺伝子提供者に確認することは失礼だとされている。
【性格】
 「アーヴ、その性、傲慢にして無謀」。
 自分の誇りを大事にする。
 人質を取られたとしても相手の要求を飲むことは決してない。
 誰が建造したものであれ空間にあるものは自分たちのものだという感覚があるが、地上世界の資源は地上の民のものだという認識があり、むやみに奪うことを嫌う。
 星界軍の艦艇に仲間と共に葬られることは最高の栄誉であると考えている者が多い。
 真摯に戦うことが、殺す相手への礼儀と考えている。
 戦時には乗員を艦の部品とみなす傾向がある。
【家族】
 恋は激しく短いものが多いので結婚という制度はない。
 したがって、親は一人しかおらず、親子の性別により父の娘フリューム・ローラン母の息子フルーク・サーランなどと呼ばれる。
 20歳になるか翔士に叙任されれば成人と認められる。また、翔士、交易者、親としての生き方を経験することで一人前だといわれる。
 他家の内部事情には関わらないのが常識。
【文化】
 自然な1日がない空間が生活の場であるため、時間帯によって挨拶を使い分ける習慣がない。
 宗教は持たず、霊の存在も解決済みの問題として否定しているが、何か不可知なものへの恐怖は心の奥底に残っている。また冗談の種にするくらいには心霊という概念に親しんでいる。宗教的なものを感じさせる行事も多い。
 弔いの晩餐など、独自の習慣も多い。
 武器携行の習慣はない。
【名前】
 アーヴの名前は以下の要素・順番で構成される。
 ・氏姓フィーズ
 ・姓称号サペーヌ
 ・初代当主の名(生格)。姓称号と合わせて家姓と呼ぶ。
 ・称号(貴族、皇族のみ)
 ・個人名
【教育】
 幼い頃の初等教育はもっぱら親が行い、家風の継承に勤めると共に、読み書き等を教える。軍士は休暇を取り、領地のある親は代官を雇うのが普通。
【衣服】
 性差がない。つなぎを着るのが普通で、他に貴族の正装としての長衣などがある。基本的に首の上と手首の先以外は露出しない。
【住居】
 たいてい人工環境の中にあり、屋外も屋内も区別がない。雨も好きな時間、好きな場所に降らせることが出来る。
【食生活】
 薄味を好む。料理の見た目にも最大限の注意を払うのが特徴。
 素材は肉(鶏肉、子羊肉など)、野菜(南瓜、玉蜀黍とうもろこしなど)、魚介類(貝、海亀、鱒、海老など)、小麦、果物(桃、柑橘類、梨など)、香辛料・調味料(醤油など)など。
 料理法は羹、碗物、吸い物、澄し汁ルベス、麭包み、香辛料煮込み、香味焼き、炙り肉アピュリル、生(野菜など)など。
 飲み物は珈琲、桃果汁、柑橘果汁、葡萄果汁、紅茶、緑茶、林檎酒、麦酒、発泡米酒、混合酒、蜜酒、林檎火酒、白酒など。血液中の主成分を片っ端から分解していくので、酒を飲んでもほろ酔いにとどまり、泥酔することはない。
【歴史】
 元々は軌道都市で都市予算の半分をつぎ込んで生み出された人工生命体。人の遺伝子改造によって作り出され、人と区別するために青い髪を与えられた。また、独自の思考は持たされているものの、宿命遺伝子により自由や独立といった概念は有さないように造られていた。
 最初に作られたのは30体、うち1体は訓練過程で失われたが、残りの29体は植民地開発のため可住化の可能性が高い外宇宙の星系に派遣された。彼ら29体は黎明の乗り手と呼ばれた。
 探査船は出発後しばらくしてユアノンを発見、捕獲に成功し、母船をユアノン推進に改造。無限の軌道を得た彼らは母都市との訣別を決意し、深宇宙で独立を宣言。 その後船を近くの恒星系につけ、母船であった探査船をより大きな都市船アブリアルに改造した。
 改装による居住区の拡張に伴い、急激な人口爆発が発生。一人の親から子供が生まれるという特異な家族形態から、人口が増えても各成員は極めて強固な先祖意識を捨てなかった。このような意識を共有する、同じ黎明の乗り手を先祖にいただくグループは氏族と呼ばれるようになった。
 都市船時代、職業訓練は徒弟制度によって行われた。多くの乗り手は自分の子供を徒弟にすることを望んだため、都市船内の部門は氏族と同義になった。また、自分の子供たちのうちもっとも優秀な者を選んで後任とするのが一般的だったため、各部門の長は実質的に世襲となり、黎明の乗り手の直系と認識されるようになった。
 各部門は基本的に平等だったが、船の航法をつかさどる航法氏族だけは別格で、その長は船王と呼ばれていた。彼らは帝国創建後、皇族を形成するようになる。
 やがて巨大な都市船を運用するようになったアーヴだが、母都市の派遣した懲罰隊を恐れて自衛するようになり、ついには自分たちの故郷である母都市を殲滅してしまう。しかし、空間に散逸する母都市の残骸を目にした彼らは、自分たちが故郷を愛していたことに気付き、母都市の文化の守護者として生きることを種族としての目的にする。また、母都市を滅ぼしたという罪を忘れないために、青い髪を遺伝子に刻み付けるようになる。同時に、自らをアーヴと名乗るようになり、以降宇宙をさすらう武装商人となる。
 大放浪時代のアーヴが主に扱うものは人類社会の情報であった。その時代、彼らは半径一光世紀に広がった人類社会をつなぐか細い、唯一の糸であった。同時に、都市船内部でもアーヴどうし、氏族単位の財産を交換することによる交易が行われていた。
 やがて交易により人類社会の科学の精髄を演習したアーヴは平面宇宙航行理論を確立。それによって可能になりうる恒星間戦争を防ぐためにその理論を武力で独占することを決定、帝国を創建した。
 詳しい歴史は→
アーヴによる人類帝国フリューバル・グレール・ゴル・バーリ

了解信号アーガ・フェショト
命令了解を伝える泡間通信。

家紋アージュ agh
貴族、士族が有する、家を象徴する紋章。他家の家紋を批判することは皇族にすら許されない無礼だと考えられている。

青い鬘をかぶっている
ハニア連邦で用いられることわざ。惑星表面より宇宙船や軌道施設などで暮らすことを好む者を罵っていう言葉。転じて、宇宙で生活することの多い連邦職員についても用いられる。また、精神に異常を来たしていることのたとえ。語源はアーヴの髪が青いことから。

アカッド
ケマル星系に属する巨大な気体惑星。資材採掘場や工場が集まる多数の衛星や軌道工廠を有し、星系を軍需星系たらしめている。

アトスリュア・スューヌ=アトス・フェブダーシュ男爵リューフ・フェブダク・ロイ
 Atosryac ssynéc atosr lymh faibdacr Lauïc
スルーフの娘でクロワールの妹。遺伝子提供者はコセール。
ラフィールやユースの上官として働く。
【容姿】
 後ろで束ねた青みがかった銀色の髪。豹のような黄玉色の瞳。光沢のある眉。朱色の唇。
【性格】
 父親譲りの饒舌。むしゃくしゃしたときは革製の砂袋を殴るのが癖。
【嗜好】
 林檎酒が好き。
【経歴】
 ・帝国暦906年頃 ラクファカールで誕生
 ・時期不明(上記の後すぐ) フェブダーシュ男爵領へ移住
 ・時期不明 父や兄と帝都へ移住
 ・帝国暦955年頃 フェブダーシュ男爵に叙爵
 ・帝国暦955年 ヴォベイルネー鎮守府所属突撃分艦隊ラトゥーシュ第1058突撃戦隊第一突撃隊司令に着任。階級は百翔長
 ・帝国暦958年頃 千翔長に昇格。第一蹂躙戦隊司令官に着任

アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・アブリアル伯爵ドリュー・アブリアルサル・ラマージュ
アーヴによる人類帝国第27代皇帝。元クリューヴ王。ドゥビュースの母で100歳近い。孫娘のラフィールのことを気に入っている。
【容姿】
 長いはなだ色の髪。琥珀の色を帯びた眼に赤褐色の虹彩。ラフィールに良く似た美貌。象牙色の手。薄紅色を基調とした長衣。皇帝杖。

アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・ウェムダイス子爵ベール・ウェムダイサル・ドゥヒール
ドゥビュースの息子でラフィールの4歳下の弟。
【容姿】
 藍色髪。漆黒の瞳。美少女といっても通りそうな面差し。
【嗜好】
 好きなものは熱い桃果汁。
【経歴】
 ・帝国暦940年(0歳) 誕生
 ・帝国暦956年(16歳) 修技館入学
 ・帝国暦959年(19歳) 修技館卒業
 ・同年(19歳) 列翼翔士に叙任。カイソーフ次席通信士に着任

アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・パリューニュ子爵ベール・パリュン・ラフィール
 Ablïarsec néïc dubreuscr boerh parhynr Lamhirh
本編のヒロイン。クリューヴ王ドゥビュースの第一王女。遺伝子提供者はレクシュ。
兵籍番号は01-00-0937684(952年当時)・01-00-093768(958年当時)。
名前は珠玉ラーフ星霧ヒールからとってドゥビュースが名付けた。
【容姿】
 黝く長い髪。淡い小麦色をした卵型の顔。ぱっちりした印象的な目に黒瑪瑙のような闇色の瞳で眦は高い。長い睫。細いがくっきりと優美な眉。小造りで繊麗な鼻。優美な曲線を描く鼻梁。ふっくらとした唇。アブリアルにしては小さ目の耳。切れる寸前まで張った琴線を爪弾いたような、清冽な声。真珠の光沢と色を持ち、光の加減で紅玉色にも見える菱形の空識覚器官。冴々とした美貌。細面。明るい小麦色できめこまやかな肌。均整の取れたからだ。その遺伝子は自然結合のままで、手が加えられていない。
【性格】
 本質的には素直で嘘をつくのが下手。耳が小さいのをいくらか引け目に感じている。
【嗜好】
 好きなものは温かくして檸檬を浮かべた桃果汁。酒なら蜜酒の林檎火酒割り(と彼女が主張するもの)。林檎酒は余り好きではない。嫌いなものは地上戦。
【特技】
 射撃。いつでもどこでも熟睡できること。
【経歴】
 ・帝国暦936年(0歳) 誕生
 ・帝国暦949年(13歳) 修技館入学
 ・帝国暦952年(16歳) 修技館卒業。翔士修技生としてゴースロスに配属
 ・同年(16歳) 列翼翔士に叙任。艦橋勤務を行う
 ・帝国暦953年(17歳) 後衛翔士に昇格
 ・帝国暦954年頃(上記の1年半後) 前衛翔士に昇格。ドゥネー星界軍大学入学
 ・帝国暦955年(上記の半年後)(19歳) ドゥネー星界軍大学卒業。
 ・同年(19歳)十翔長に昇格。バースロイル艦長に着任
 ・同年(19歳)アプティック門沖会戦
 ・同年(19歳) アプティック伯国領主代行に着任
 ・同年(上記の約半月後)(19歳) アプティック伯国領主代行を離任
 ・帝国暦957年(21歳) ロブナス伯国領主代行に着任
 ・帝国暦957年頃 副百翔長に昇進
 ・帝国暦958年頃 星界軍の休暇を取る
 ・帝国暦958年(22歳) フリーコヴ艦長に着任

アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・クリューヴ王ラルス・クリュブ・ドゥビュース
 Ablïarsec néïc dubreuscr larth clybr Dubeusec
クリューヴ王家の当主。ラマージュの息子でラフィールの父。階級は予備役准提督(952年当時)。十翔長の時にプラキアと出会う。
【容姿】
 青灰色の髪。
【性格】
 一族の中では例外的に穏やかな性格。出生の秘密があったほうが子供の人格は豊かになると信じている。懐古趣味あり。
【経歴】
 ・時期不明(16歳) 修技館入学
 ・時期不明 退役。階級は提督
 ・帝国暦935年 プレアーヴの乗った宇宙船を発見
 ・帝国暦936年頃 クリューヴ王に
 ・帝国暦956年頃 現役復帰
 ・時期不明 淡雪第二艦隊司令長官に着任。階級は大提督

アブリアル・ネイ=ラムサール・バルケー王ラルス・バルケール・ドゥサーニュ
 Ablïarsec néïc lamsar larth barcoer Dusanh
帝国皇太子にして帝国艦隊司令長官。ドゥサーニュより3か月年下。ラフィールより年上(もしくは同じ年)の息子がいる。
【容姿】
 腰の辺りまで垂れた濃紺の髪。尖った耳。新雪のように白い顔。
【性格】
 ケネーシュ曰く『度しがたい性格』。
【経歴】
 ・帝国暦945年 ハイド星系制圧
 ・帝国暦955年 幻炎艦隊司令長官兼幻炎第三艦隊司令長官に着任
 ・同年 狩人艦隊司令長官に着任
 ・帝国暦959年 双棘艦隊司令長官に着任

綾取り
マイラル星系の機動酒保街ドー・スリュク内にある喫茶店。酒保街内の古ぼけた一郭にある。

アルボフ
帝国暦959年当時のフリーコヴ砲術士。腕のいい砲術士。階級は前衛翔士。
一砲術士として生涯を終えることを望み、十翔長への昇進を二度辞退している。

戦列艦アレーク alaicec
機雷を大量(30基〜100基程度)に積みこみ、敵に浴びせかける軍艦。通常空間戦では巡察艦の敵ではないが、平面宇宙では最強。質量は巡察艦の約3倍。多数の防御用火器を備えてはいるが、基本的には輸送船と変わらない。通常空間戦では機雷の変わりに反物質弾を搭載することもある。
通常の従士に加え掌雷従士たちも多数乗り込んでいるため、乗員数も多い。そのため居住区は非常に広く、平時なら子供の乗艦も認められている。操舵も容易なため、操舵を担当するのは次席航法士。

輸送艦イサーズ
兵員・兵器等を輸送するための軍艦。定員は1500〜2000人ほど。平時なら子供の乗艦も認められている。
軌道上の安全確保が十分でない場合に、物資の代わりに娯楽施設などを搭載し、機動酒保街の代用とすることもある。

凝集光砲ヴォークラーニュ bhoclanh
凝集光を用いた大口径の砲。護衛艦の主戦兵器として用いられる。。突撃艦・襲撃艦にも搭載されるが、非力なため艦艇撃破用というよりは防御弾幕用。軌道施設の防御用火器としても使われる。

ヴォーニュ
959年当時のカイソーフ先任通信士。女性。階級は前衛翔士。宮廷序列は士族。出世に興味なし。三歳の頃から戦列艦テールケスで育った。
【容姿】
 露草色の髪。枯茶色の瞳。

エイドリアン
おそらく959年当時のフリーコヴ軍匠従士。エイドリアン班を率いている。

エクリュア・ウェフ=トリュズ・ノール
 Aicryac ïémh tlyzr Naurh
アーヴの女性。有能な砲術士。バースロイルで砲術士として活躍したあと、ソバーシュの指名でフリーコヴに乗りこみ、航法士となった。初めて会った同世代の地上人であるジントに興味を持っている。
【容姿】
 柔らかそうな空色の髪。空色の眉。
【性格】
 立ち居振舞いは物静か。基本的には無口、無表情。だが、実は口が悪く、音痴でスピード狂。音痴なのは父親譲りで、本人もそのことには気付いている。
【嗜好】
 好きなものは林檎の香りをつけた紅茶。時空分離時に現れる虹を眺めること。年老いるから猫が嫌い。
【経歴】
 ・帝国暦933年(0歳) バルケー王国の平面宇宙航行中の交易船で誕生
 ・帝国暦938年(5歳) エクリュア館に猫と共に送られる
 ・帝国暦948年頃 曾々々祖父が永眠
 ・帝国暦955年(22歳) バースロイル次席翔士に着任。階級は列翼翔士
 ・同年(22歳) 後衛翔士に昇進
 ・帝国暦958年頃 前衛翔士に昇進
 ・帝国暦958年頃 フリーコヴ航法士に着任
 ・帝国暦958年(25歳) 十翔長に昇進。フリーコヴ副長兼航法士に就任

エルカウ
双棘第二四艦隊旗艦のカウ級巡察艦。

親の葬式に人事官が来る
ハニア連邦で用いられることわざ。不幸が重なることのたとえ。人事官が個人宅を訪れるのは、移民に選抜されたことを通知する時ぐらいであることから。

 □ か行
カイソーフ
双棘第一三艦隊打撃分艦隊グデルス所属のソーフ級戦列艦。戦争が始まってから建造されたので、本来託児所として使われる空間は艤装段階で翔士用食堂に改装されている。翔士全員で食事をするのが習慣。艦長はベルソート百翔長。
【組織】
 艦長 ベルソート百翔長
 副長 クローボス十翔長
 先任砲術士 カズヴ十翔長
 先任航法士
 次席航法士
 先任通信士 ヴォーニュ前衛翔士
 次席通信士 アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・ウェムダイス子爵・ドゥヒール列翼翔士
【経歴】
 ・帝国暦959年 双棘第一三艦隊打撃分艦隊グデルスへ配属
 ・同年 艦隊再編成に伴い雪晶艦隊へ配属

カウ級巡察艦レスィー
星界軍の巡察艦の一つ。955年当時〜959年当時の最新鋭巡察艦。

拡大アルコント共和国
ノヴァシチリア条約に列なる星間国家の一つ。全宇宙で4番目の国力を有する。星系間の均質性を測ろうとしているが、成功していない。主星系のアルコントが人口でも政治・経済・文化における重要性でも突出しているので、かろうじて国家体制を維持している状態。とはいえ、他の国家に比べれば星間交流も盛んで、強力な官僚機構が星系を結びつけているため、均一性は最も高い。

カズヴ
帝国暦959年当時のカイソーフ先任砲術士。階級は十翔長。

ガフトノーシュ
星界軍総旗艦にして皇帝御座艦。艦隊旗艦仕様の巡察艦の司令座に翡翠の玉座を据えたもの。司令長官室が皇帝の居室となっている。実戦に赴くことを想定しているため、常に最新鋭の巡察艦を当てるのが伝統。現在はカウ級巡察艦。

短艇カリーク
.巡察艦等に搭載されている小型艇。軍士の搬送や艦同士の連絡に用いられる。
乗客用座席は1枚の陶質結晶板に弾力素材を張りつけ、安全帯を装備したもので、加速時には寝台となる。艇指揮は手のあいている飛翔科翔士が務める。
重力制御機関はない。通常加速は4標準重力。
.ゴースロスに搭載されている50人乗り級の短艇一号艇。
操舵士席、副操舵士席、居住区画を備える。操舵室は乳白色の壁から成る球形で、床だけが平面。各操舵士席の前面に表示画面が一つずつある。
ラフィールがジントをデルクトゥー宇宙港に迎えに行くために使用した。

衛生艦ガリュミア
傷病者の治療、搬送を行う星界軍の軍艦。

エルコン星系
おそらく双棘作戦で星界軍が制圧した無人星系。近傍に星界軍の泊地があり、機雷工場等が展開されている。

ケマル星系キーヨース・ケマラル
人民主権星系連合体に属する星系。恒星ケマルが第二惑星メンデレス、いくつもの衛星を引きつれた巨大気体惑星アカッドを含む多数の惑星を擁している。大規模な長射程時空機動爆雷の工場があり、材料も自給可能。巨大な建艦厰もある、人民主権星系連合体最大の(そしてほとんど唯一の)軍需星系。

ソクラテス星系
おそらく人民主権星系連合領に位置する星系。双棘作戦で星界軍に制圧され、ケマル門沖会戦における第一蹂躙戦隊の戦隊根拠地となった。

マイラル星系キーヨース・マイララル
人類統合体に属する星系。ハニア連邦、拡大アルコント共和国にほど近い、統合体領の辺境に位置する。
かつては三国間の貿易の中心地として栄えていたが、959年に双棘作戦によって星界軍に制圧され、星界軍の兵站基地となった。
人類統合体に属していた時は大量の物資をさばくため、人工惑星が建設されていたが、星界軍侵攻に伴い自壊させられた。


クテール級輸送艦イサーズ
戦列艦とほぼ同等の大きさを持つ、星界軍の輸送艦。もともとは偵察分艦隊に随伴するための小型輸送艦で、機動力が高く、護衛艦並の武装も備えている。

グデルス
双棘第一三艦隊所属打撃分艦隊。艦隊の主力。
【組織】
 司令部
 戦列艦 カイソーフ

グノムボシュ
帝国暦959年当時のフリーコヴ伝令。階級は列翼翔士。夢は提督になること。帝国暦941年頃誕生。

雪晶作戦クファゼート・ギュクネル
帝国暦959年に星界軍が行った作戦。
実施部隊は双棘艦隊の一部が再編成された雪晶艦隊。指揮官はコトポニー星界軍元帥。

狩人作戦クファゼート・ブレグ
帝国暦955年に星界軍が行った作戦。幻炎作戦によって人類統合体中央部から分断された統合体の領域(狩人戦域)を戡定することを目的とする、幻炎作戦の残務処理。
実施部隊は狩人艦隊。指揮官は帝国艦隊司令長官アブリアル・ネイ=ラムサール・バルケー王・ドゥサーニュ帝国元帥。脱出を図った残存艦隊と星界軍がサルクス門沖で衝突したが、残存艦隊の降伏により事実上終了。会戦当初に奪取された領域に加え、新たな領域も確保した。

双棘作戦クファゼート・ボルペル
帝国暦959年に星界軍が行った作戦。ラスィース王国とスュルグゼーデ王国の間に獲得した新領土から天川門群中心円までを制圧することで人類統合体と拡大アルコント共和国を分離。同時にバルケー王国を発起点として人類統合体と人民主権星系連合体の勢力境界線を打通し、中心円に至る。これにより人類統合体を孤立させることを目的としている。
実施部隊は双棘艦隊。指揮官は帝国艦隊司令長官アブリアル・ネイ=ラムサール・バルケー王・ドゥサーニュ帝国元帥。ただし、遠く離れた戦線を同時に維持するため、皇太子は予備戦力と共にラクファカールにとどまり、実際の指揮は二人の副司令長官が執っている。

幻炎作戦クファゼート・レニブ cfazaitec rainibr
帝国暦955年に星界軍が行った作戦。ケイシュ193門とスィーヴ882門を含む人類統合体領域を三ヵ国連合本部から切り離すことを企図している。
スュルグゼーデ王国のビスケース伯国より進発、アプティック、ミスケルなどの星系をつなぐように攻略して、主補給線を開設、さらに主補給線周辺の星系も制圧して、防衛線を敷く。最終的には、ラスィース王国のウェーレ公国まで打通する、というもの。
実施部隊は幻炎艦隊。指揮官は帝国艦隊司令長官アブリアル・ネイ=ラムサール・バルケー王・ドゥサーニュ帝国元帥。アプティック門沖で星界軍150分艦隊相当と三ヵ国連合軍155〜185分艦隊相当の戦いとなったが、星界軍が勝利。同年作戦は成功裏のうちに終結し、人類統合体の4分の1に当たる星系を切り離した。

旗艦グラーガ glagac
艦隊・分艦隊・戦隊等の指揮を取る最上級指揮官の座乗艦。(隊では嚮導艦と呼ばれる。)

星界軍総旗艦グラーガ・グラーガラク/星界軍総旗艦グラーガ・グラーガル
皇帝御座艦ガフトノーシュのこと。

戦隊旗艦グラーガ・ソブ
戦隊の旗艦。自らも戦闘に参加し、司令部の規模も小さいので、通常艦と変わらない。

艦隊旗艦グラーガ・ビューラル
艦隊の旗艦。分艦隊旗艦用の巡察艦に大規模な改装を施したもの。六隻の連絡艇を搭載し、司令座艦橋、会議室等の部局を治め、司令部要員の居住区を備えるため、機雷を十二基納める広大な空間をすべて司令部設備に当てている。
司令座艦橋にある司令座の背後には帝国旗、艦隊司令長官の出身家の紋章旗(左)、艦隊の紋章旗(右)が三角形に配置されている。

分艦隊旗艦グラーガ・ヤドビューラル
分艦隊の旗艦。司令部設置のため、専用の巡察艦が量産されている。

司令長官グラハレル公室
艦隊司令長官の執務室。主に会議に使用されるため、幕僚全員が入れるよう広い空間がとってある。床には毛足の長い絨毯が引かれ、黒檀の大型会議用机が設置されている。
司令長官用の椅子は艦隊司令長官職の象徴である三頸竜の刺繍が施されており、その後ろには帝国旗、艦隊旗、司令長官の出身家の紋章旗が配置される。

端末腕環クリューノ creunoc
アーヴや国民なら誰でも持っている、左手首に装着する装備品。家の家格に合わせた色の思考結晶が取り付けられていて、識別電波紋や個人情報、口座情報がしこんである。
かなりの多機能で、情報検索、身分証明、情報処理、信用取引、熱源探知、娯楽提供、簡易通訳、音楽演奏、現在地確認、電子機器の遠隔操作、思考結晶への接続、敵味方識別信号の発信、照明、計時などを行える。1光秒以内の距離にいて、相手の端末腕環の番号を知っていれば通話も可能。軌道都市の住民の出身地である弧状列島で生み出された文化についての情報が初期状態で書きこんである。ちなみにスルーフのはただの時計。
使用には起動が必要。入浴・就寝時にははずす。
帝国標準のものは地上世界ではめったにお目にかかれないもの。

グリンシア
フリーコヴの初代監督。地上世界出身の女性。従士からの叩き上げ。
【嗜好】
 酒と冗談が嫌い。
【経歴】
 ・帝国暦958年頃 フリーコヴ監督に着任。階級は軍匠十翔長

伝令クレリア
襲撃艦以上の艦に置かれている艦橋要員。主任務は短艇の操舵。襲撃艦においては次席砲術士兼次席通信士兼次席航法士のことであり、要するに雑用係。

クローボス
帝国暦959年当時のカイソーフ副長。

クロルコヴ
突撃分艦隊ボスル第一蹂躙戦隊所属のコーヴ級襲撃艦。艦長はボムデール副百翔長。

使節庁ゲーク・スコファリメール
宰相府に属し、敵国の内定を調査する官庁。

ケールコヴ
突撃分艦隊ボスル第一蹂躙戦隊所属のコーヴ級襲撃艦。

蜜酒ケテク
蜂蜜を水で割って発酵させたお酒。

蜜酒ケテク林檎火酒レルテル割り
ラフィールが好きなお酒。攪拌棒を蜜酒に浸し、それで林檎火酒をかき混ぜたもの。

コーヴ級襲撃艦ソーパイ
襲撃艦の最初の艦級。
【組織】
 艦長
 砲術士(副長と兼任のことも)
 航法士(副長と兼任のことも)
 通信士
 監督
 ┗軍匠従士
 書記
 伝令
  総員30名弱
【攻撃兵装】
 艦首電磁投射砲 4門
 艦尾電磁投射砲 2門
 可動凝集光砲 第一群〜第八群
【防御兵装】
 防御磁場
【最大速度】
 約0.02光速
【最大加速】
 約44標準重力(外部補助機関が必要)
【重力制御機関】
 最大約34標準重力相当の人工重力の発生が可能
【艦載艇】
 短艇(二人乗り型)
【紋章】
 有毒竜コーヴ

コトポニー Cotponic
.根源29氏族の一つ。語源は「ほとほり
【都市船時代】
 核融合炉を担当した氏族。ただ、ユアノンを手に入れてからはその役割は補助的なものになった。
【特徴】
 果断で、心に逡巡があろうとも決して表に出さないため指揮官向き。交易に出るよりも軍士であることを好む。
 また、人文科学や芸術の面で功績を残したものも多い。『コトポニーは決断に時間をかけないので、余った時間を思索に費やしている』と信じられている。行動に無駄な時間をかける人間を嫌う。
【宗家】
 ダショール大公爵家。
【家紋】
 十字。根源氏族中でもっとも無愛想と名高い。3秒で適当な線を、直角に交わらせることだけを念頭において配置したと噂されている。そのため、線分の比率の評判は(コトポニー以外には)悪い。
【家徴】
 コトポニーの鮮血の唇ピュール・シュリラ・コトポニールと呼ばれる毒々しいまでに紅い唇。
.アーヴ女性。
【容姿】
 鮮血色の唇。濃紺の眉。
【経歴】
 ・帝国暦959年 幻炎第四艦隊司令長官に着任。階級は大提督。宮廷序列は帝国侯爵・公女
 ・帝国暦959年 双棘艦隊副司令長官に着任。階級は星界軍元帥。宮廷序列は帝国公爵・公女
 ・同年 双棘新領土方面艦隊長官兼双棘艦隊第一三艦隊司令長官に着任
 ・同年 雪晶艦隊司令長官に着任
【家紋】
 黒地に銀十字。

 □ さ行
儀仗従士サーシュ・イダル
警衛従士や空挺従士から選ばれた、礼式と警備を専門とする従士の精鋭。身体検査などを行う。独特な歩行法を拾得している。

掌雷従士サーシュ・サテュト
機雷を管理する従士。戦列艦に乗っている者が多い。

軍匠従士サーシュ・スケム
整備を担当する従士。

警衛従士サーシュ・レートフェク
警備、捕虜の監視や艦内報知を行う従士。大型艦では艦橋にも配置されている。艦隊司令部には大量におかれている。

空挺従士サーシュ・ワケール
おそらく地上戦を行う従士。

探り針
ラクファカールの第7022特設工廠にある料理店。星界軍御用達の名店。

サンカウ
星界軍のカウ級巡察艦。幻炎艦隊総旗艦兼第三艦隊旗艦。双棘艦隊総旗艦。

シドリュア・ボルジュ=シド・シーズ
955年〜959年当時の帝国宰相。アファレーシュ伯国の惑星セーバ出身の地上人男性。一代貴族。959年没。
【性格】
 息抜きという概念をあまり重視せず、益体もない時間を過ごすことを許さない傾向がある。
【嗜好】
 趣味は花壇を丹精すること。

シドリュア・ボルジュ=シド・セール
シドリュア・ボルジュ=シド・シーズの息子。アーヴ男性。准提督(959年当時)。
【容姿】
 青褐色の髪。

シャイカウ
双棘第一三艦隊旗艦のカウ級巡察艦。

シュトゥーコヴ
突撃分艦隊ボスル所属第一蹂躙戦隊旗艦のコーヴ級襲撃艦。

司令長官室シル・グラハレル
艦隊旗艦に備えられる、司令長官の私室。星界軍においては戦場で軍士が期待できるもののうち最も広く豪華な空間。

人民主権星系連合体
星間国家の一つ。星間国家の中では最も国力が低い。遺伝子調整は合法。
地上世界が全てと考えているため、各星系が大きな権限を持ち、軍隊すら各星系が自前のものを有している。ただし、惑星間共通語は存在する。
連合体正規軍は加盟諸星系軍の集合体。防衛艦や高出力の凝集光砲を多数運用していることが特徴。

鶴擂身スニュフ・ルル
鶴のすり身。

防御磁場スネセーブ
軍艦の防御兵装。反陽子流の速度を減じることができるが、受けすぎると消滅する。通常物質は防げない。

核融合弾スピュート
電磁投射砲から発射される弾丸。自動追尾機能があるため凝集光や反陽子流よりも命中力に優れ、威力も高い。ただ、初速に比べて機関出力が低いため、大幅な針路変更は不可能。

皇帝スピュネージュ speunaigh
アーヴによる人類帝国の軍事・政治双方の最高統括指揮者。常にアブリアル伯爵の称号を帯びる。
帝国の統合の基礎は軍事力であり、皇帝はそれを把握しなければならない、という思想のもと、世襲と星界軍における階級により選出される。すなわち、八王家に生まれた者のうち、同世代でもっとも早く帝国元帥になったものが皇太子となり、次の皇太子が決まった時点で登極する。その時点での皇帝は譲位し、上皇になる。
虚言できぬ存在として人類社会に知られている。
現皇帝はクリューヴ王家出身のラマージュ。

スポール Seuaurh/Spaurh
根源29氏族の一つ。主機関子の末裔。アブリアルに続く格式を誇る大族。語源は「すばる
【都市船時代】
 本務はエンジンの担当だが、技術系諸氏族を統べる立場にもあった氏族。実質上その族長は副船王として君臨した。
【特徴】
 一族の500人以上が爵位を有する大族。傍系でもスポールの姓を名乗ることが多い。
 帝国史を通してアブリアルとは仲が悪く、一部ではお互いへの憎悪を遺伝子に刻み込むと信じられている。スポール曰く、『淑やかなスポールとがさつなアブリアルは反りがあわない』、アブリアル曰く、『性格のいいアブリアルと陰険なスポールは反りがあわない』。しかしその一方、皇族をからかうことを生き甲斐にしているので、帝室に対する忠誠には疑いの余地がない。
 彼らの行動は一見支離滅裂に見えるが、最後には辻褄があってしまう。
 人の上に立つことが好きなだけでなく、上手いのも特徴で、諸侯や指揮官に向いている。星界軍では『スポールの率いる艦隊に配属されるのは幸福、ただし直属の上司に持つのは不幸、部下に持つのは災厄』といわれている。
【宗家】
 レトパーニュ大公爵家。
【家紋】
 金色の鴉(金色烏ガサルス)。
【家徴】
 スポールの紅瞳キレーフ・ピアナ・スポルと呼ばれる赤色巨星のように暗い紅色の虹彩。

飛行具スリュール
無重力下での移動に使用する道具。地上人向け。

硝子霧セニュール・セラ
凝集光を分散させるための防御用兵器。かなりの濃度がないと役に立たないので、移動の激しい艦隊戦などでは役に立たない。

突撃戦隊ソーヴ・アシャル
突撃艦を中心とした戦隊。戦闘の最終局面で敵を串刺しにする槍。機雷に弱いため、護衛戦隊を先行させるのが普通。

第一蹂躙戦隊ソーヴ・ディレール・カースナ
.星界軍で最初に編成された蹂躙戦隊。初代司令官はアトスリュア・スューヌ=アトス・フェブダーシュ男爵・ロイ千翔長。初代旗艦はリュームコヴ。
【組織】
 司令部
 ┣司令官 アトスリュア・スューヌ=アトス・フェブダーシュ男爵・ロイ千翔長
 ┣先任参謀 セムレーシュ百翔長
 ┗次席参謀
 旗艦 襲撃艦 リュームコヴ
 襲撃艦 フリーコヴ
 襲撃艦 バートコヴ
 襲撃艦 スィールコヴ
 襲撃艦 カーンコヴ
 襲撃艦 スルムコヴ
 襲撃艦 6隻
【経歴】
 ・帝国暦958年頃 司令部のみ設置
 ・帝国暦958年 編成
 ・同年 ハイド門沖演習
 ・同年 解散。再編成
【紋章】
 有毒竜コーヴに数字の一をあしらったもの。
.双棘第24艦隊突撃分艦隊ボスル所属の蹂躙戦隊。司令官はアトスリュア・スューヌ=アトス・フェブダーシュ男爵・ロイ。旗艦はシュトゥーコヴ。隊員は200人以上。1.が再編成されたもの。
アトスリュアが独断で決めた様々な伝統がある。第一に、宴での敬礼禁止。第二に、料理で遊ぶことの禁止。第三に、諸侯が戦隊にいるときは、機会があればみんなに奢る。
【組織】
 司令部
 ┣司令官 アトスリュア・スューヌ=アトス・フェブダーシュ男爵・ロイ千翔長
 ┗先任参謀 ソバーシュ・ウェフ=ドール・ユース
 旗艦 襲撃艦 シュトゥーコヴ
 襲撃艦 フリーコヴ
 襲撃艦 マルスコヴ
 襲撃艦 ケールコヴ
 襲撃艦 ナーコヴ
 襲撃館 クロルコヴ
 襲撃艦 パーンコヴ
 襲撃艦 タークコヴ
 襲撃艦 2隻以上(おそらく4隻)
【経歴】
 ・帝国暦959年 ケマル門沖の戦い パーンコヴ、タークコヴ爆散
 ・同年 ケマル門制圧戦
 ・同年 ケマル星系建艦厰群撃滅戦

護衛戦隊ソーヴ・メスゲール/護衛戦隊ソーヴ・メスゲル
護衛艦を中心とした戦隊。敵からの機雷を防ぐ盾。

偵察戦隊ソーヴ・ワセム

エルコン門
平面宇宙側ではおそらく人民主権星系連合体領、通常宇宙側ではエルコン星系に位置する門。

ケマル門ソード・ケマラル
通常宇宙側ではケマル星系に位置する門。959年に門沖で戦いが行われた。

マイラル門ソード・マイララル
平面宇宙側では人類統合体の辺境、通常宇宙側ではマイラル星系の内惑星系に位置する門。双棘作戦により星界軍に制圧された。

ソーフ級戦列艦アレーク
星界軍の戦列艦の一つ。
【組織】
 艦長
 副長
 先任砲術士
 先任航法士
 次席航法士
 先任通信士
 次席通信士

公園甲板ゾク・デウル
輸送艦等の甲板を公園に改装したもの。所詮まがい物ということで地上世界出身者には評判が悪い。

参事官ソドニ
使節庁などに置かれている事務官。おそらく職員を統制しつつ、長官を補佐するのが役目。

 □ た行
タークコヴ
突撃分艦隊ボスル第一蹂躙戦隊所属のコーヴ級襲撃艦。ケマル門沖の戦いで敵巡察艦に撃破された。

長射程時空機動爆雷サテュス・ゴール・ホーカ
人民主権星系連合体で主に用いられる無人兵器。小型艦艇の航続力に匹敵する射程を持つが、無人のため融通性がなく、通常空間では通常の機雷より鈍重。そのため扱いづらく、星界軍では用いられていない。

燕亭
マイラル星系に展開された軌道酒保街ドー・スリュクにある宿泊施設。賭博場まで歩いて1分。ベルソートが利用していた。

絨毯芝ティクレーヴ
遺伝子改造で生み出された背の低い草。小さな花も咲かせる。踏みつけても枯れることはなく、花も数十分で新しいものが咲くという丈夫な植物。

葡萄果汁ティル・ムレム
葡萄のジュース。

ティン・クイハン
959年当時のハニア連邦大使。ハニア連邦の諸星系が帝国の支配下に入ることを提案した。交換条件はいくつかの重要星系の諸侯に連邦の有力者を任じること、無人の居住可能惑星を一つ提供すること、服属星系を防衛することの三点。
ハニア連邦の帝国侵攻に伴い外交官特権を剥奪された。

テールケス
星界軍の戦列艦。ヴォーニュの育った艦。帝国暦959年当時にはもう存在していない。

伴奏壇デルボーニュ
歌声に合わせて伴奏を流し、歌声を電気的に増幅する機械。

ドー・スリュク
マイラル星系に展開された機動酒保街。

トクルル
双棘第一三艦隊所属の連絡艦。おそらく本部戦隊所属。

砲術士トラーキア/砲術士トラキア
射撃・戦術分析を担当する軍士。巡察艦等では通常宇宙や時空泡内での操艦も担当する。

ケマル門沖の戦いトラーショス・ウェク・ソーダル・ケマラル
帝国暦959年に双棘第二四艦隊と人民主権星系連合との間で行われた戦い。人民主権星系連合体にとっては初めての本格戦闘。
星界軍に有利に進行、星界軍は恒星、門、内惑星系を押さえ、敵建艦厰群を破壊した。

 □ な行
武装侍従ナーケブリア/侍従ナーケブリア
皇帝などの身辺警護等を行う侍従。凝集光銃で武装している。

ナーコヴ
突撃分艦隊ボスル第一蹂躙戦隊所属のコーヴ級襲撃艦。

 □ は行
アーヴの挽歌バール・キコス
アーヴの最後を締めくくるために歌われる挽歌。

パーンコヴ
突撃分艦隊ボスル第一蹂躙船体所属のコーヴ級襲撃艦。ケマル門沖の戦いで機雷により爆散した。

乳脂菓バゾール
食べ物。

バトクテル
双棘第二四艦隊所属のクテール輸送艦。ケマル星系で娯楽施設として用いられていた。船内には長さ10ウェスダージュ(=1km)、幅2ウェスダージュ(=200m)ほどの公園甲板が五層設けられている。甲板のうち3つはいくつかに区切られており、残りの2つ(第四公園甲板を含む)は区切りがない。第四公園甲板は湖畔の間と呼ばれている。

ハニアことわざ事典
ハニア連邦で用いられることわざについての事典。ミンツィン社刊。

ハニア連邦
現存する星間国家の一つ。全宇宙で三番目の国力を有する。
元は人類世界で始めて平面宇宙航法を確立したスーメイ星系。増大する人口の生活空間を確保するため、植民や移住により勢力を拡大しており、他国を統合したことはない。したがって国中にはスーメイの独特な論理が行き渡っており、外部からの干渉を嫌う。自足している星系も多い。
四ヵ国連合の一員だったが、開戦理由を人類統合体が捏造したことを知ると、中立を宣言してしまい、帝都強襲にも加わらなかった。
軍の規模はまずまず、情報収集力も高いが、装備は旧式で指揮系統にも問題があるため、総力戦となれば自国防衛もままならないと帝国は見積もっている。
【食生活】
料理の評価は高いが、酒はろくなものがないと帝国では言われている。

バロズ
帝国暦959年当時の使節庁参事官。

勅封命令ビソゼール・キムナ
.最高機密に関する通信。内容は皇帝の端末腕環で暗号化され、記憶片に収められる。その後、箱に入れて皇帝自身が封印し、発送される。暗号は極めて限られた者(翔士に叙任された皇族や艦隊司令長官、艦隊参謀長など、銀河で100人以下)の端末腕環にしか解読できない。さらに解く際には所持者自身が端末腕環をはめて暗証文を唱えなければならず、また内容は読了後直ちに破棄しなければならないなど、制約も多い。
.帝国暦959年にコトポニー双棘第一三艦隊司令長官に対し送付されたもの。ハニア連邦への進駐と連邦軍の武装解除の手順について艦隊としての準備研究に当たることというのが内容。艦隊参謀長と皇族の翔士には閲覧権があり、実際に参謀長とドゥヒールは閲覧を許されている。

雪晶艦隊ビュール・ギュクネル
雪晶作戦の実施部隊。司令長官はコトポニー星界軍元帥。旧双棘第一一〜第一四艦隊の大部分を再編成したもので、司令部は旧双棘第一三艦隊司令部が横滑りしている。
【組織】
 司令部
 ┗司令長官 コトポニー星界軍元帥
 旗艦 巡察艦 シャイカウ
 打撃分艦隊 グデルス
【経歴】
 ・帝国暦959年 編成

双棘艦隊ビュール・ボルペル
双棘作戦の実施部隊。司令長官はアブリアル・ネイ=ラムサール・バルケー王・ドゥサーニュ帝国元帥。総旗艦は巡察艦サンカウ。
【組織】
 司令部
 ┣司令長官 アブリアル・ネイ=ラムサール・バルケー王・ドゥサーニュ帝国元帥(皇太子)
 ┗副司令長官
  ┣新領土方面艦隊司令長官 コトポニー星界軍元帥
  ┗バルケー王国方面艦隊 レケーフ星界軍元帥
 旗艦 巡察艦 サンカウ
 双棘第一艦隊
 双棘第一五艦隊
 新領土方面艦隊
 ┣双棘第一一艦隊(先鋒部隊)
 ┣双棘第一二艦隊
 ┣双棘第一三艦隊(中核部隊)
 ┗双棘第一四艦隊
 バルケー王国方面艦隊
 ┣双棘第二一〜第二三艦隊
 ┣双棘第ニ四艦隊
 ┗双棘第二五艦隊
【経歴】
 ・帝国暦959年 編成
 ・同年 双棘第一一〜第一四のほとんどがマイラル星系に集結。雪晶艦隊として再編成される
【艦隊旗】
 二本の交差する棘。各艦隊の艦隊旗はその上に図案化された艦隊番号が組み合わされている。

双棘第二四艦隊ビュール・マトロゴナ・ボルペル
双棘艦隊(バルケー王国方面)所属。旗艦は巡察艦エルカウ。
【組織】
 司令部
 旗艦 巡察艦 エルカウ
 突撃分艦隊 ボスル
【経歴】
 ・帝国暦959年 ケマル門沖の戦い
 ・同年 ケマル門制圧戦

双棘第二五艦隊ビュール・マトロジュタ・ボルペル
双棘艦隊(バルケー王国方面)後方警備部隊。前線からラクファカールまでの進撃路を防衛している。

双棘第一一艦隊ビュール・ロキュトナ・ボルペル
双棘艦隊(新領土方面艦隊)先鋒部隊。

双棘第一四艦隊ビュール・ロゴナ・ボルペル
双棘艦隊(新領土方面艦隊)所属。拡大アルコント共和国に備えている。

双棘第一三艦隊ビュール・ロビナ・ボルペル
双棘艦隊(新領土方面艦隊)中核部隊。旗艦は巡察艦シャイカウ。
【組織】
 司令部
 ┗司令長官 コトポニー星界軍元帥
 旗艦 巡察艦 シャイカウ
 打撃分艦隊 グデルス

皇族ファサンゼール fasanzœrh
建国帝ドゥネーの兄弟や子女の子孫であり、アブリアルの氏姓と帝位継承権を有する一族。八つの王家に分けられる。
軍役に就き飛翔科翔士になる義務を負う。列翼翔士に叙任後、一年で後衛翔士、一年半で前衛翔士になり、自動的にドゥネー星界軍大学に進学、半年後十翔長になる。(通常軍大学進学には4年半の軍役が必要だが、特例として認められている)
退役までにひとかどの位階を得て、有事の際には軍の一翼を担うことが全員に求められている。そのため、出世は権利ではなく義務。
また上官が不当な圧力を受けることがないよう、上官に不条理な批判を加えるのは厳に慎むよう教えられている。

ファラムンシュ・ウェフ=ルサム・ラザス
952年〜959年当時の帝国元帥にして軍令長官。男性。階級は帝国元帥(959年当時)。
【容姿】
 編んで、肩から前に垂らしている青灰色の髪。髪をいじるのは気分を害している証拠。

ブラーシュ
959年当時の帝国宰相。前任者のシドリュア死後、使節庁長官から昇任した。

フリーコヴ
.星界軍第一蹂躙戦隊所属のコーヴ級襲撃艦。初代艦長はソバーシュ・ウェフ=ドール・ユース副百翔長。
【組織】
 艦長 ソバーシュ・ウェフ=ドール・ユース副百翔長
 副長兼砲術士 イドリア十翔長
 航法士 エクリュア・ウェフ=トリュズ・ノール前衛翔士
 通信士 ヤテーシュ後衛翔士
 監督 グリンシア軍匠十翔長
 ┗軍匠従士 エイドリアン
 書記 ディレール主計前衛翔士
【歴史】
 ・帝国暦958年頃 就役
 ・帝国暦958年 練習艦隊に配属。慣熟航行
 ・同年 第一蹂躙戦隊に配属
 ・同年 ハイド門沖演習
 ・同年 再編成
.双棘第二四艦隊突撃分艦隊ボスル第一蹂躙戦隊所属のコーヴ級襲撃艦。艦長はアブリアル・ネイ=ドゥブレスク・パリューニュ子爵・ラフィール副百翔長。1.が再編成されたもの。
【組織】
 艦長 アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・パリューニュ子爵・ラフィール副百翔長
 副長兼航法士 エクリュア・ウェフ=トリュズ・ノール十翔長
 砲術士 アルボフ前衛翔士
 通信士 ヤテーシュ後衛翔士
 監督 グリンシア軍匠十翔長
 書記 リン・スューヌ=ロク・ハイド伯爵・ジント主計前衛翔士
 伝令 グノムボシュ列翼翔士
【歴史】
 ・帝国暦958年 再編成
 ・同年 双棘第24艦隊突撃分艦隊ボスル第一蹂躙戦隊へ配属
 ・同年 ケマル門沖の戦い
 ・同年 ケマル門制圧戦
 ・同年 ケマル星系建艦厰群撃滅戦

アーヴによる人類帝国フリューバル・グレール・ゴル・バーリ Frybarec Gloer Gor Bari
1500以上の有人星系(半数以上はアーヴが開発した星系)と20000以上の半有人星系を支配する帝国。略してアーヴ帝国バール・フリューバル帝国フリューバルとも呼ばれる。帝都はアブリアル伯国のラクファカール。国歌は「我ら、ともに永遠を抱かん」。元首は皇帝。
妙な露悪趣味があり、地上の民には無慈悲と見られたがっているようだが、内乱には遠慮なく介入する。空間、恒星、無人惑星はおしなべてアーヴのものという方針を採っている。
【人口】
 アーヴ2500万人、国民約10億人、領民9000億人。
 帝国創建時はアーヴ27万2904人。(当時の人類の人口は1000億以上)
【組織】
 皇帝を頂点とする帝政+貴族制。理念なく存立し、多様な人類社会をアーヴによって統合することにのみ専念する。そのため地上のことには干渉しないのが原則で、星系政府に要求するのは惑星間航行が可能な宇宙船の建造禁止と帝国星界軍の募集事務所の設置のみで、これを超えた要求を領民政府は拒否できる。臣民に対しても忠誠を期待することはしない。
 官僚府も存在するが、そこに属する官僚のほとんどは地上世界出身者。
【外交】
 他国と外交官を交換し、外交官特権を尊重しているが、外交自体は全く重視していない。
 戦争においては情容赦なく、自身が滅亡するか、敵国の星間航行能力を奪い、星系単位で帝国に編入する以外に決着の方法はない。その苛烈さのため、皇帝2人と皇太子7人を含む多くの帝国の貴顕が戦死している。
 もっとも、星間国家でない限り帝国の大切な領土として扱うので、無意味に荒廃することを嫌う。そのため星間航行能力を失った星系の空間を封鎖するなどして降伏させ、降伏せずに飢餓が始まった場合も貸付などを行い援助するのが普通。
 やられたら10倍にしてやり返す、というのが行動原理。いかなる脅迫にも屈することなく、脅迫した者はそのほとんどが死に、生き延びても不幸な人生を送ることになる。
【産業】
 他国船が領内星系に立ち入ることを禁じているが、七つの貿易港を指定して経済交流は行っている。
【言語】
 公用語はアーヴ標準語。文字はアース。
【文化】
 →アーヴ
【単位系】
 地球以来のCGS単位系。標準年=365日、標準日=24時間、標準時間=60分、標準分=60秒。
 長さの基本単位はダージュ(=cm)、質量の基本単位はボー(=g)。この基本単位系に倍数を表す接頭辞をつけて用いる。以下参照。
規模接頭辞長さ質量
1020ドリアル1000兆km100兆t
10161000億km100億t
1012ゼサ1000万km100万t
1081000km100t
104ウェス100m10kg
1
1cm1g
10-4シェス1μm(=1000分の1mm)0.1mg
10-8ソワフ1Å(オングストローム)0.01μg
10-12コス10Y(ユカワ)
10-16ペタ0.001Y
 もっとも、光秒(=約300セダージュ)、光年(=約95トダージュ)などの単位も利用するので、ゼサダージュ以上の単位はあまり使わない。また、プランク長とプランク重(プランク定数h=6.6261×10-34を基礎にする単位)を基本とした微小単位系もある。
 平面宇宙では特殊な長さ単位が使われる。天浬ケドレル(1セボーの質量で、完全移動状態をとる時空泡が1秒間に進む距離)と天節ディグル(時空泡内時間で1時間に1天浬進める速度)である。
【歴史】
 帝国建設に乗り出すにあたり、その根幹が最初に置かれた分野は交易であった。
 最初に大きな権益を得たのは船長職を世襲していたアブリアル一族である。アブリアルの長が皇帝となり、全ての平面宇宙航行船を所有することになった。さらに、8つの門も独占し、その利用に使用料を科した。
 ・帝国暦前1200年くらい 原アーヴ誕生
 ・帝国暦前1173年(離脱暦1年) 独立を宣言。
 ・時期不明 探査船を近くの恒星系につけ、都市船に改造
 ・時期不明 アース成立
 ・時期不明 母都市を滅ぼす。大放浪時代に
 ・帝国暦前157年 「複合時空のエネルギー平衡についてのタリスマン図」入手
 ・帝国暦前120年頃 都市船アブリアルで事故発生。航行日誌を消失
 ・帝国暦前98年 ビボースが平面宇宙航行理論を完成。船王に報告
 ・時期不明 マアト・カー・ラーと接触
 ・帝国暦前52年頃 一星系に投錨、門を開く実験の開始
 ・帝国暦前19年 門を開くことに成功。
 ・帝国暦前3年 最初の平面宇宙航行船セルドーが門をくぐり、帰還
 ・帝国暦前2年 平面宇宙側から門を開く実験の実施
 ・帝国暦1年 建国帝ドゥネーが帝国の創建と帝国暦開始を宣言。帝国時代に
 ・同年 初代皇帝即位式。国章が八頸竜に
 ・時期不明 3つの星系を征服。3つの主要氏族(恐らくエスレル、ニューシュ、スポール)の長が領主として封じられる
 ・帝国暦42年(以下2項との前後関係は不明) 3人の地上人がアーヴに
 ・時期不明 5つ目の星系を征服
 ・時期不明 平面宇宙の先客に気付く
 ・帝国暦685年頃 太陽系に近い門の発見
 ・帝国暦750年頃 星界軍における最後の乗員反乱勃発
 ・帝国暦812年 セクティア連邦併合
 ・帝国暦852年より前 シャシャイン戦役
 ・帝国暦905年 カミンテール戦役終結
 ・帝国暦940年 対帝国軍事組織、四ヵ国連合結成
 ・帝国暦945年 ハイド星系征服
 ・帝国暦952年 イトゥーム533領域でゴースロスが撃沈される
 ・同年 スファグノーフ侯国、人類統合体により占領
 ・同年 四ヵ国連合と開戦
 ・同年 スファグノーフ門沖会戦で勝利。スファグノーフ侯国再占領
 ・同年 ラクファカール防衛戦に辛勝
 ・同年 イリーシュ王国の3分の2、三ヵ国連合により占領
 ・同年 スカレーシュ門沖会戦
 ・帝国暦955年 幻炎作戦
 ・同年 狩人作戦
 ・帝国暦957年頃 淡雪作戦
 ・帝国暦959年 双棘作戦
 ・同年 雪晶作戦
 ・同年 ハニア連邦がクリューヴ王国に侵攻
疑問:マアト・カー・ラーとの接触時に100万近くいたアーヴが帝国創建時には30万以下になったのはなぜ?
 ・前120年頃の事故による大量死
 ・アメニイの推定違い

連絡艇ペリア pairriac
大型艦等に搭載されている小型艦載艇。平面宇宙航行用の操舵装置と通常空間航行用の制御籠手の両方を用いて操舵する。艦隊旗艦には六隻搭載される。
【外観】
 操舵室、気閘室、洗面所、仮眠室あり。内壁は乳白色。座席下には物入れがある。
 非武装。
【特殊機能】
 平面宇宙航行機能を備えており、時空泡間の通信や緊急脱出などに用いられる。
 自動操縦機能あり。
 補給は埠頭補給が普通だが、燃料槽からの直接補給も可。
 管制の協力なしに離陸できるよう、着床脚の切り離しも可。
 着陸機能はなく、緊急着陸時には船体を切り離すしかない。その後、残った着陸莢部分の上部に4枚の羽が出現し、減速する。

ベルソート
帝国暦959年当時のカイソーフ艦長。階級は百翔長。翔士全員で食事をとるという習慣を発案し、部下に押し付けている。戦隊司令官になるのが目標。帝国創設以前にスポールの別れた一族の出身。
【容姿】
 藍鉄色の髪。

防衛艦ボーリア
時空泡発生機関を持たない、通常空間戦に特化した軍艦。星界軍にはほとんど配備されていないが、人民主権星系連合体は多数運用している。電磁投射砲を搭載した者は重防衛艦と呼ばれる。重防衛艦の装備は襲撃艦相当だが、時空泡発生機関がない分機動力で上回る。

機雷ホクサス工場
機雷生産を行う可動工場。前線が帝都から遠く離れた場合に用いられる。

ボスル
双棘第ニ四艦隊所属の突撃分艦隊。
【組織】
 司令部
 第一蹂躙戦隊
 突撃戦隊 4個以上
【経歴】
 ・帝国暦959年 ケマル門沖の戦い
 ・同年 ケマル門制圧戦

ボムデール
959年当時のクロルコヴ艦長。階級は副百翔長。


 □ ま行
マルスコヴ
突撃分艦隊ボスル第一蹂躙戦隊所属コーヴ級襲撃艦。

ミンツィン社
出版社。『ハニアことわざ事典』などを発行している。


天川門群中心円ムージュ・ソードラク・エルークファ
平面宇宙の中心領域。単に中心円ムージュとも。

メンデレス
ケマル星系の第二惑星。比較的早い段階で星界軍に制圧された。

 □ や行
ヤテーシュ
フリーコヴの初代通信士。階級は後衛翔士。夢は男爵に叙爵されること。

揺籃から墓場まで同じ地面の上を歩いていく
ハニア連邦で用いられることわざ。生涯を同じ惑星上ですごすことが幸福の必要条件であるという考え方から、幸福な人生のたとえ。

 □ ら行
三頸竜ラーシュ・ビハレル
艦隊司令長官職の象徴。

星界軍ラブール laburec
帝国の正規軍。帝国の軍事力を担うと同時に、平時には政治、行政の大部分を動かす、帝国そのものともいえる組織。現在は、飛翔科と特殊兵科である主計科、空挺科、軍医科、技術科、警衛科、法務科、看護科、軍匠科、造兵科、造船科、造機科、光子科、航路科、軍楽科の15科、および掌兵科や薬剤科などの術科から成る。
階級のみによって上下関係が律せられる。
募集は主に地上の募集事務所でなされ、領民は自由意思により従軍できる。徴兵がされることはないが、他人の従軍意思を妨害する行為は禁じられている。
確たる理由もなく他者へ戦闘を挑む無法者はおらず、戦不戦の選択権を握った時に、確実に勝てない戦いを始めるものもいない、というのが公式見解。非戦闘員を戦闘に巻き込むことを嫌う。
演習や戦闘の後の饗宴では羽目を外すのが伝統。
やる気がない翔士を排除し、指揮官の部下掌握能力を把握するため、部下の転属願いを上司が握りつぶすことは出来ない。転属願いは人事局で処理されることになる。
従士・翔士には給料が支払われる。ただし領地を持つ翔士は無給。
星間船を住居とみなすアーヴが中心となって構成されているため、平時は戦列艦、輸送艦についてのみ育児をしながらの勤務も認められている。
部隊が孤立した場合はその場の最高指揮官が皇帝陛下の名代として指揮を執る。
自分たちのやり方に拘るため、他人が造ったものを兵站系に組み込むことはない。
【歴史】
 帝国創設前後の主力は一人から三人くらいが乗りこんだ高機動ユニットであり、その操縦士兼指揮士が翔士である。当時は四機で菱形に並ぶ編成が基本であり、先頭に位置する指揮官が前衛翔士、後尾を固める次席指揮官が後衛翔士、左右の操縦士が列翼翔士と呼ばれていた。この編隊は二機ずつに分かれることもあったが、その場合は前衛・後衛翔士がそれぞれ一人の列翼翔士を率いた。
 さらに、この編隊二つに指揮官ユニットとその同僚機を加えた10機がより上級の戦闘ユニットを作ったので、指揮官は十翔長と呼ばれた。
 都市船アブリアルがアーヴの領土の全てであったときには、戦闘ユニットは全部合わせて100〜200機ほどであった。そのため、やや不正確ながら総指揮官を百翔長と呼び、その補佐役として数人の副百翔長が置かれていた。
 やがて、星界軍の膨張に従い、より上級の階級として千翔長が設置された。この頃になると機数と階級の関係はあいまいになってくる。
 帝国創設後、アーヴは数隻の母艦を運用するようになり、統率者として提督が任命された。
 帝国の膨張と共に母艦も増え、提督の補佐として分艦隊を率いる准提督が置かれるようになった。
 そのうち、宇宙船技術の進歩により高機動ユニットは廃れ、大型艦艇が主力化、大砲巨艦主義の実現を迎えるに従い、百翔長以下の呼称は完全に階級名となり、職責との関係を喪失した。
 提督の膨張がさらに続き、複数の艦隊が組織されるようになると、より上位の階級が必要となり、大提督、元帥が置かれた。
 同時期、星界軍では十分に対応できない地上戦のために地上軍が置かれることになる。それまでの元帥は星界軍元帥となり、地上軍の統率者として地上軍元帥が置かれた。そして、その両者の上位者として帝国元帥が置かれる。
 しかし、地上軍が中心となり帝国史上最大のものとなった反乱「ジムリュアの乱」が発生。帝国は苦労して鎮圧した後、直ちに地上軍を解体した。これ以降、地上軍は空挺科となり、一兵科として各鎮守府や艦隊に所属することになった。
 地上軍元帥の職分は廃止されたが、空挺元帥という階級は残り、星界軍元帥もまた階級として残る。さらに、各科の地位向上に伴って、主計元帥、軍医元帥、技術元帥などの階級が登場するのである。
同:帝国星界軍ルエ・ラブール

王子ラルトソー/王子ラルソ
王の息子。

リン・スューヌ・ロク・ハイド伯爵ドリュー・ハイダル・ジント
 Linn ssynec raucr dreuc haïder Ghintec
本編の主人公。ロック・リンと鉱山技師だった母の間に生まれた息子。地上人のアーヴ男性。信条は「人間関係ははじめが肝腎」。マルティーニュ語、デルクトゥー語、アーヴ語を話せる。代々の長老派基督教会の信徒だが神は信じていない。射撃は全くダメ。軍籍番号は21-17-839951(958年当時)。
【容姿】
 茶髪。典型的な都市の青年。どことなく頼りなさそうでひよわな感じ。
【性格】
 素直。気が弱い。
【嗜好】
 子供時代はメロン・オー・シューが好きだった。
【経歴】
 ・帝国暦935年(着陸暦164年) 誕生
 ・帝国暦945年(着陸暦172年第1季84日)(10歳) 父親の叙爵によりハイド伯爵公子に
 ・同年(10歳) デルクトゥーに留学。アーヴ言語文化学院入学
 ・帝国暦952年(17歳) アーヴ言語文化学院卒業
 ・同年(17歳) 主計修技館入学
 ・帝国暦954年(19歳) 父の死によりハイド伯爵に叙爵
 ・帝国暦955年(20歳) 主計修技館卒業。主計修技生に
 ・同年(20歳) 主計列翼翔士に叙任。
 ・同年(20歳) バースロイル書記に着任
 ・同年(20歳) アプティック伯国領主副代行に着任
 ・同年(上記の半月後)(20歳) アプティック伯国領主副代行離任
 ・帝国暦957年頃 主計後衛翔士に昇進
 ・帝国暦957年(22歳) ロブナス伯国領主代行に着任
 ・帝国暦958年頃 星界軍の休暇をとる
 ・帝国暦958年(23歳) マルティーニュ領民政府と条約締結
 ・同年(23歳) 主計前衛翔士に昇進
 ・同年(23歳) フリーコヴ書記に着任

帝国葬祭殿ルエ・イベイ
ラクファカールにある帝国最大の葬祭殿。皇族と特に勅許を受けた者だけが使用できるが、皇族でも葬儀がここで行われるとは限らない。。

帝国旗ルエ・グラー
帝国国章ガフトノーシュが描かれた旗。

帝国宰相ルエ・ボーシフ
帝国官僚機構の頂点に位置する官僚。貴族としての待遇を与えられ、退官後には男爵(めざましい功績を立てれば子爵)に叙爵される。歴代の中でも生まれながらのアーヴは少ない。955年当時はシドリュア・ボルジュ=シド・シーズ。959年に没し、使節庁長官のブラーシュが昇任した。

皇帝御座艦ルエ・リュール
星界軍総旗艦ガフトノーシュのこと。

反陽子砲ルニュージュ lunygh
.突撃艦の主戦兵器。反物質をぶつけることで目標を対消滅させる。当たり所によっては巨艦を一撃で葬ることも可能。ほぼ無反動。
.巡察艦の攻撃兵装。突撃艦のものに比べると火力に劣る。威力が中途半端なので、新型の巡察艦には設置されていない。

レケーフ
アーヴ。宮中序列は帝国公爵。
【経歴】
 ・帝国暦955年 幻炎第五艦隊司令長官に着任。階級は星界軍元帥。
 ・帝国暦959年 双棘艦隊副司令長官に着任
 ・同年 双棘艦隊バルケー王国方面艦隊司令長官に着任。

給糧艦レブボニア
星界軍の軍艦。補給艦の中でも主に食料を搭載するもの。

林檎火酒レルテル
アーヴが飲む酒。リンゴを発酵させ、蒸留したブランデーと思われる。

次席通信士ロイ・ドロキア
大型艦等における第二位通信士。戦列艦などに置かれる。

次席航法士ロイ・リルビガ
大型艦等における第二位航法士。戦列艦などに置かれる。操舵の容易な戦列艦等では操舵を担当する。

葡萄酒ロルテク
アーヴが飲む葡萄で作った酒。

 □ わ行
侍従長ワス・ベイケブレール/侍従長ワス・ベイケブレル
王家などに仕える侍従たちの長。子供たちの躾なども担当する。

湖畔の間ワペス・グロニル・ビテュム
クテール級輸送艦バトクテルに備えられた公園甲板の一つ、第四公園甲板ゾク・デウル・ゴナの通称。池と絨毯芝に覆われた部分から成り、芝の部分は疎らに木が植えられている。天井と壁面は幻影塗装で、抜けるような青空の下、広大な湖畔に佇んでいるかのような錯覚を与えるようになっている。鳥など本物の生き物もいる。

使節庁長官ワロズ・ゲーカル・スコファリメール
使節庁の長。

軍令長官ワロズ・リュアゾン
軍令本部の長。952年〜959年当時はファラムンシュ・ウェフ=ルサム・ラザス帝国元帥。