ら行
光繊維束
ガラスやプラスチックの細い繊維でできている、光を通す通信ケーブル。光ファイバー。
真珠
カルシウムの結晶が貝の体内においてたんぱく質で接合され多層化することで形成される生体鉱物。そのたんぱく質に含まれる色素の種類や含有量によりさまざまな色彩をもつ。
ライサ
アーヴ女性。スポール・アロン=セクパト・レトパーニュ大公爵・ペネージュの訓練生時代の同級生。
イリーシュ門沖会戦
おそらく952年のラクファカール防衛戦において行われた会戦のひとつ。星界軍は甚大な損害を受け、クファディス・ウェフ=エスピール・セスピーの姉も戦死している。
クリューヴ門沖会戦
959年にクリューヴ門沖で行われた、近衛艦隊(8個分艦隊)と四ヵ国連合艦隊(200個分艦隊相当以上。人類統合体平和維持軍が約8割、人民主権星系連合体と拡大アルコント共和国が約1割ずつ、ハニア連邦が2隻)との会戦。
圧倒的な戦力差をもって四ヵ国連合軍が勝利したが、不死鳥作戦のための時間を稼ぐという星界軍の戦略目標は達成された。
サルクス門沖会戦
956年にサルクス門沖で行われた、狩人第二一艦隊(43個分艦隊)と人類統合体平和維持軍サライ方面艦隊(推定戦闘力は狩人第二一艦隊の半分以下)との会戦。戦闘開始前にサライ方面艦隊が降伏し、星界軍の勝利で終結した。
スカレーシュ門沖会戦
952年にスカレーシュ門沖で行われた会戦。
スファグノーフ門沖会戦
952年にスファグノーフ門沖で行われた、トライフ艦隊(7個分艦隊・約2100隻)と人類統合体平和維持軍A派遣艦隊(約900隻)との会戦。帝国と四ヵ国連合の間で起きた大戦初の本格的会戦。
布陣的には人類統合体が有利だったが、圧倒的な戦力差のため星界軍が勝利。A派遣艦隊は降伏して鹵獲された27隻を残して航行不能になった。
バハメリ門沖会戦
969年にバハメリ門沖で行われた、霹靂艦隊及び人民主権星系連合体軍(レディ一〇〇)との会戦。
星界軍による予想戦力比はほぼ互角だったが、星界軍が勝利し、人民主権星系連合体軍は全て降伏した。
ロブナス門沖会戦
956年にロブナス門沖で行われた、狩人第一艦隊所属の巡察艦部隊(6個戦隊・33隻)と人類統合体平和維持軍サライ方面艦隊(約40個分艦隊)との会戦。星界軍はロブナス門から移民を脱出させる時間を稼ぐために門を防衛すること、人類統合体軍は門を制圧することを目的に交戦。
戦力で圧倒する統合体軍が勝利し、星界軍所属の33隻のうち26隻が完全撃破。しかし星界軍の目的は達成された。
ラウギューシュ
大気圏突入が可能な民間輸送船。ラフィールがロブナスIIへの移動に利用した。
ラ・エディ・ポイ・ベブナ
ドゥムイ委員会に参加するため、ラ・ゲルシスマから泊地四七にやってきた地上人男性。名前の「ラ」は冠詞で、「ボイ・ベブナ」は渾名のようなもの。自称エディ。
土の下に埋めてほしいという遺言を残したため、ロビート・ボイガにより後のクラベール・ソスに葬られた。
【性格】
自分の身の周りのことに気を遣わない。壁に覚え書きをする習慣がある。
【経歴】
・時期不明 泊地四七に到達
・時期不明 ドゥムイ委員会理論部会委員に着任
・帝国暦前3年 アブリアル・ドゥムイによりエディリュアの氏姓を授けられ、地上世界出身者として初めてのアーヴになる
・帝国暦前2年頃 死亡
無名酒保街
機動酒保街のうち、まだ名前が付けられていないもの。
機動酒保街
→軌道酒保街
軌道酒保街
帝国艦船の乗組員のため、軌道上に設置される軍営の休養施設。
ラクファカール
アブリアル伯国にある、アーヴによる人類帝国の帝都で、人類社会最大の都市。さしわたし300セダージュ(=30万km)とかなり巨大で、そのため人口密度が人類宇宙の都市で最も低い。おおむね鎌のような形状をして、恒星アブリアルから6ゼサダージュ(=6000万km)の軌道をめぐっている。
一つの惑星ではなく、帝宮、王宮、諸侯の帝都城館、士族や国民の集合邸宅、空間庭園、商店館、星界軍施設、建艦厰といった人口惑星の集合体。それぞれがある程度機動力を有し、自動的に衝突を回避している。そのため市内を軍艦や大型船で高速移動することはできず、急ぐ時は小型の交通艇が用いられている。帝国では星間船を建造する能力のある施設はここにしかない。
豊かな貴族は帝都にとどまっている限り、年に一度は饗宴を催すのを義務と心得、さほど豊かでないものも費用を出し合って饗宴を開いているので、毎日のようにどこかで饗宴が開かれている。
アーヴの都、混沌の都、竜の頸の付け根、八門の都、帝国の揺籃、陥ちざるもの、愛の都、故郷とも呼ばれる。
不死鳥作戦時には、高加速を長時間維持できない大半の建造物は可能な限り武装してその場所に留まり、帝宮を含め高機動力を有する建造物はクリューヴ門とバルケー門の間に布陣して、第2次ラクファカール防衛戦に加わった。四ヵ国連合艦隊侵入後は帝国の乳房と共に自爆し、艦隊に多大な犠牲を強いて消滅した。
ラクファカール・セラ
ラクファカール防衛戦
ケイシュ193門からのスファグノーフ侵攻を陽動とした上で、スィーヴ882門からイリーシュ門へ侵攻して来た四ヵ国連合軍120個分艦隊相当と、帝国艦隊司令長官アブリアル・ネイ=ラムサール・バルケー王・ドゥサーニュ率いる星界軍140個分艦隊との間で行われた会戦。
帝国側が一応の撃退に成功した。
ラ・ゲルシスマ
アブリアル伯国から通常宇宙経由で8.1光年の距離にある有人星系。アーヴが、大放浪時代(前98年から前52年の間)に交易のため訪れた最後の星系。
クテス星系と同一の星系かもしれない。
【人口】
約500万人弱(アーヴとの交易時)。
ラジェイ山
ラジェイ島の中心部にある山。
ラジェイ島
惑星ロブナスII唯一の有人島。惑星でもっとも大きな島。海洋性で温暖な気候。
南端、島の1割ほどが管理区で、行政庁を始めとする諸施設、刑務官たちの住宅、商店、公園、非常に美しい砂浜、海港と港務部庁舎(3階建ての瀟酒な建物)、宿舎などがある。
その他の場所は矯正区で、男性が収容される東部矯正区、不妊処置を受けた男女が収容される中央矯正区、女性が収容される西部矯正区に分けられている。
商業複合体
商店街か。
金剛石
ダイヤモンド。その硬度からこの名で呼ばれる。
ラトゥーシュ
ヴォベイルネー鎮守府所属の突撃分艦隊。
【経歴】
・帝国暦955年 編成。3ヶ月の合同訓練後、アプティック星系で哨戒任務に当たる
・同年 アプティック防衛艦隊に編入
ラナ・ファズン
ロブナス矯正施設の女性刑務官。配給隊責任者。
探査機械
肉眼や空識覚器官で探知出来ない物を発見するための装置。
ラフィール
→アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・パリューニュ子爵・ラフィール
星界軍
帝国の正規軍。帝国の軍事力を担うと同時に、平時には政治、行政の大部分を動かす、帝国そのものともいえる組織。帝国星界軍とも。
【組織】
飛翔科と特殊兵科である主計科、空挺科、軍医科、技術科、警衛科、法務科、看護科、軍匠科、造兵科、造船科、造機科、光子科、航路科、軍楽科の15科、および掌兵科や薬剤科などの術科から成る。
現在の艦艇数は、突撃艦以上の戦闘艦だけでも約7万8000。構成人員は約1330万人。そのうち空挺科が最大で1000万人いるが、そのほとんどは地上世界出身者。
上下関係は階級のみによって律せられ、宮中序列を持ち込むことは許されていない。
募集は主に地上の募集事務所でなされ、領民は自由意思により従軍できる。徴兵がされることはないが、他人の従軍意思を妨害する行為は禁じられている。退役も基本的には自由。ただアーヴの場合、交易者として生きることを選択した場合でも、しばらくは予備役で過ごし十翔長を目指すのが、分別ある嗜みとされている。
従士・翔士には給料が支払われ、退役時には恩給も出る。ただし皇族や領地を持つ翔士は無給。
部隊が孤立した場合はその場の最高指揮官が皇帝陛下の名代として指揮を執る。
【特色】
確たる理由もなく他者へ戦闘を挑む無法者はおらず、戦不戦の選択権を握った時に、確実に勝てない戦いを始めるものもいない、というのが公式見解。非戦闘員を戦闘に巻き込むことを嫌う。
演習や戦闘の後の饗宴では羽目を外す、部下を選ぶことができる、愛し合う二人が同じ部署を希望した場合、それを最大限に考慮する、守勢の際はともかく、ひとたび攻勢に出るや圧倒的な戦力で相手を叩きのめすなどの伝統がある。
やる気がない翔士を排除し、指揮官の部下掌握能力を把握するため、部下の転属願いを上司が握りつぶすことは出来ない。転属願いは人事局で処理されることになる。
星間船を住居とみなすアーヴが中心となって構成されているため、平時は戦列艦、輸送艦についてのみ育児をしながらの勤務も認められている。
自分たちのやり方に拘るため、他人が造ったものを兵站系に組み込むことはない。
【歴史】
帝国創設前後の主力は一人から三人くらいが乗りこんだ高機動ユニットであり、その操縦士兼指揮士を翔士と呼んだ。当時は四機で菱形に並ぶ編成が基本であり、先頭に位置する指揮官が前衛翔士、後尾を固める次席指揮官が後衛翔士、左右の操縦士が列翼翔士と呼ばれていた。この編隊は二機ずつに分かれることもあったが、その場合は前衛・後衛翔士がそれぞれ一人の列翼翔士を率いた。
さらに、この編隊二つに指揮官ユニットとその同僚機を加えた10機がより上級の戦闘ユニットを作ったので、指揮官は十翔長と呼ばれた。
都市船アブリアルがアーヴの領土の全てであったときには、戦闘ユニットは全部合わせて100〜200機ほどであった。そのため、やや不正確ながら総指揮官を百翔長と呼び、その補佐役として数人の副百翔長が置かれていた。
やがて、星界軍の膨張に従い、より上級の階級として千翔長が設置された。この頃になると機数と階級の関係はあいまいになってくる。
帝国創設後、アーヴは数隻の母艦を運用するようになり、統率者として提督が任命された。
帝国の膨張と共に母艦も増え、提督の補佐として分艦隊を率いる准提督が置かれるようになった。
そのうち、宇宙船技術の進歩により高機動ユニットは廃れ、大型艦艇が主力化、大砲巨艦主義の実現を迎えるに従い、百翔長以下の呼称は完全に階級名となり、職責との関係を喪失した。
帝国の膨張がさらに続き、複数の艦隊が組織されるようになると、より上位の階級が必要となり、大提督、元帥が置かれた。
同時期、星界軍では十分に対応できない地上戦のために地上軍が置かれることになる。それまでの元帥は星界軍元帥となり、地上軍の統率者として地上軍元帥が置かれた。そして、その両者の上位者として帝国元帥が置かれた。
しかし、地上軍が中心となり、帝国史上最大の反乱「ジムリュアの乱」が発生。帝国は苦労して鎮圧した後、直ちに地上軍を解体。これ以降、地上軍は空挺科となり、一兵科として各鎮守府や艦隊に所属することになった。
地上軍元帥の職分は廃止されたが、空挺元帥として階級は残り、また星界軍元帥の階級も残された。さらに、各科の地位向上に伴って、主計元帥、軍医元帥、技術元帥などの階級が登場し、現在に至っている。
ラ・マカルスル
ラ・ゲルシスマが、ラ・エディ・ポイ・ベブナを泊地四七に送り届けるために発射した宇宙船。元の形状は涙滴型だったと思われるが、星間物質との衝突で表面は痘痕だらけになっている。減速能力がないため、乗員はアーヴにより救出された。
ラマシュディ
ルーヌ・ビーガ市警察の巡査部長(952年当時)。
ラムケーム Lamcœmec
根源29氏族の一つ。語源は「鬼
【都市船時代】
培養工場で食肉の生産を行っていた氏族。
【特徴】
明朗快活で楽天家。雑な性格で緻密な作業には向かない。軍士としてより交易者としての活躍が目立ち、富裕で名高い。
もてなし上手でお祭り好き。素晴らしい饗宴の開催に氏族のプライドをかけている。
あまり髪が伸びない体質。
【宗家】
シュテュール大公爵家。
【家紋】
泉。
【家徴】
ラムケームの冠
ラ・ラティプ
ラ・ゲルシスマの第四惑星。星系唯一の有人惑星。
サロスと同一の惑星かもしれない。
【文化】
科学技術文明をかろうじて維持している程度で、源泉粒子を失い、星系内移動にすら苦労している(前98年頃当時)。
ララ・ベイ・シャンガル
955年当時のロブナスII西部矯正区代表。中年にさしかかったあたりの女性。女性囚人を引きつれて星系外へ移住した。
ラリューシュ Larych
根源29氏族の一つ。語源は「翼
【都市船時代】
第三工場で搭載艇の製造・開発を担当していた氏族。凝集光砲やミサイルなど兵器の一部も彼らが担当した。大放浪時代が終わってもしばらくは兵器工業を担い、帝国最古の建艦廠ゴクロールの建設の中心ともなった。帝国安定後は兵器産業から手を引き、平凡な軍士や交易者としていきることを選んだ。
【特徴】
各方面でまんべんなく活躍する。また、時に技術革新に足跡を残す。機雷や凝集光砲の開発の中心となり、星界軍の大艦巨砲主義を決定的にした。
【宗家】
ムルカーシュ大公爵家。
【家紋】
人魚。
【家徴】
ラリューシュの紋章
王
八王家の当主。地位は形式的なもので、領主との支配関係はない。
主な仕事は門の管理と、皇帝の名代となることと、種々の儀式をこなすこと。古くは門を管理して通行料を徴収していたが、現在ではその役目は形骸化している。王宮に住み、そこを離れるのは公務に限られる。
王子
王の息子。
王家
→八王家
王女
王の娘。
王宮
八王家がそれぞれアブリアル伯国に有する軌道城館。多くの人工惑星を引き連れて、各王家の管理する門の近くで恒星アブリアルを巡っている。元々要塞としての機能と役割が与えられている。
クリューヴ王宮
クリューヴ王家の王宮。恒星アブリアルを巡る軌道上にある人口惑星。帝都とはやや距離があり、再接近時でも星系内航行船で2日程度かかる。5万人が生活できる空間があり、現在の人口は1万人ほど。四季の苑があり、生態系や気温がそれぞれの季節に合わせて調整されている。猫たちの餐堂、庭園形式の食堂、森林の間もある。外壁は壮麗に飾り付けられ、アーヴ達の視覚と空識覚を楽しませている。
第2次ラクファカール防衛戦では要塞化され、クリューヴ王宮要塞となった。
クリューヴ王宮要塞
第2次ラクファカール防衛戦のため、要塞化されたクリューヴ王宮。指揮官は、帝都防衛団クリューヴ王宮要塞司令長官アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・上皇・ラメーム。四ヵ国連合軍の攻撃により爆散した。
【組織】
司令部
┣司令長官 アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・上皇・ラメーム
┗参謀長
┣通信参謀 (男爵)
┗探査参謀
クリューヴ王宮要塞
┗付属守備隊 3個
┗王宮要塞付属機動要塞 数百
┣第一九号要塞
┗第四二六号要塞
バルケー王宮
バルケー王家の王宮。アブリアル伯国のバルケー門に寄り添うように位置する。
不死鳥作戦時は要塞化されたが、不死鳥第六艦隊脱出後に放棄され、四ヵ国連合艦隊がバルケー門に近づくのに合わせて自爆した。
遺伝子提供者
親が子供を作るときに、遺伝子を提供した者。
藍藻植物
ラフィールが鈍い人間の例えとして用いるものその1。
修技館生活規則集
修技館における礼儀作法などを集めた規則集。入学生は入学前に内容を記憶しておくことが望ましいとされているが、使い勝手は悪い。兵科ごとに存在すると思われる。
馬上試合
無重力空間でやるふたり遊び。
ルールは以下の通り。右手に棒を持ち、ふたりの左手首を弾性紐でつなぐ。そして、ひざを曲げて足の裏を合わせ、思いっきり膝を伸ばす。紐が伸びきって縮み始め、相手とすれ違う瞬間に相手の棒をはじき落とせば勝ち。
燻腿
アーヴ料理。前菜。かきつばたの花をかたどったりする。
リニューク Lineucec
根源29氏族の一つ。語源は「張
【都市船時代】
初期には推進剤や核融合燃料の管理、後期には法の運用と調整を担当した氏族。
【特徴】
幼い頃から心理学と討論術を叩きこまれるため交渉術に長けている。そのため交易者として大成するものも少なくない。
【宗家】
サンダテューシュ大公爵家。
【家紋】
蟹。
【家徴】
リニュークの額
領地
帝国が支配する、皇族や貴族が封じられた場所。通常、一星系を指す。有人惑星を有するものを邦国、有さないものを所領と呼ぶ。所領の方が邦国よりも圧倒的に多い。
男爵領
よくよくの緊急性が認められない限り、領主の承認を得ずして領地に属する天体、特に有人惑星を攻撃することは許されない。
麻痺銃
地上世界の警官の標準装備。撃たれると全身の筋肉が硬直し、失神する。近接して撃てば殺すことも出来る。
軍令本部
戦況分析等を行う組織。最上級指揮官は軍令長官。ここから発せられる命令は勅命に等しい効力を有する。
結晶陶質
宇宙船の外殻等に利用される物質。
士族
皇族、貴族以外のアーヴ。準貴族。一等勲爵士、二等勲爵士、三等勲爵士、四等勲爵士、五等勲爵士の宮中序列を有する者も多い。国民から叙されるのが普通だが、例外的に領民から叙される者も存在する。翔士は自動的に、従士は長年勤めることによって叙される。
フェブダーシュ男爵領
イリーシュ王国に属する星系。青い恒星フェブダーシュと二つの気体惑星、それに無数の岩屑から成る。平面宇宙側ではケイシュ193門とスファグノーフ侯国の間に位置する。隣の城館まで幾日もかかる田舎。恒星に間近い軌道で反物質燃料工場が、その外に燃料槽小惑星が、さらにその外に男爵館と門が巡っている。月に二度ほど定期連絡船が来る。
【人口】
50人ほど。そのうちアーヴは2人。(952年当時)
【産業】
特に資源となるものはないが、反物質燃料の製造で男爵家は収入を得ている。
【交通】
四隻の星系内航行船(水素運搬船、連絡船2隻、フェブダーシュの淑女号)。空間戦闘能力はない。
【文化】
年に二回防災訓練が行われる。
【単位系】
フェブダーシュ男爵領暦が使われている。
フェブダーシュ男爵館
フェブダーシュ男爵が所有する重力制御機関搭載型の軌道城館。フェブダーシュ門と同じ軌道を巡っている。
ひずんだ六角形の形をしており、そこから突き出る長い腕の先に宇宙港(立方体)が設置されている。三層構造で、生活区画や事務区画、倉庫、水耕農園(2階)、培養牧場(2階・3階)などに分割されている。寝室は2階。隠居区画は3階。
アトスリュア・スューヌ=アトス・前フェブダーシュ男爵・スルーフが設計したもので、設計者は思考結晶に対し最上級命令を発することが出来る。
第一九号要塞
帝都防衛団クリューヴ王宮要塞付属守備隊に所属する機動要塞。元々はクリューヴ王宮に付属する倉庫の一つだったが、不死鳥作戦時に電磁投射砲が据えられて要塞化された。第2次ラクファカール防衛戦で全弾撃ち尽くし、要員が脱出した後に敵艦に体当たりを仕掛けたが、撃破された。
第四二六号要塞
帝都防衛団クリューヴ王宮要塞付属守備隊に所属する機動要塞。第2次ラクファカール防衛戦で機雷の直撃を受けて爆散し、要員は防衛戦における最初の犠牲者となった。
フェブダーシュ男爵家
フェブダーシュ男爵領の領主。
【歴史】
・帝国暦906年頃(男爵領暦1年) 創設。初代男爵はアトスリュア技術元帥
・時期不明 アトスリュア・スューヌ=アトス・前フェブダーシュ男爵・スルーフ、第二代男爵に叙爵
・帝国暦932年頃 アトスリュア・スューヌ=アトス・フェブダーシュ男爵・クロワール、第三代男爵に叙爵
・帝国暦952年(男爵領暦136年) クロワール死亡
・帝国暦955年以前 アトスリュア・スューヌ=アトス・フェブダーシュ男爵・ロイ、第四代男爵に叙爵
グレベーシュ男爵家
コリュア一族に属する男爵家。初代当主はコリュア・ウェフ=エピーナル・レクゼク。毎年男爵領の創設記念日には、コリュア館に莫大な贈り物を届けている。
白椿
勅禁湯殿の一つ。一面が雪に覆われており、望めば雪を降らせることもできる。
炭素結晶
小惑星の牽引からロープまで広く使われる繊維。
領民
→領民
領民代表
→領民代表
航法野
生まれながらのアーヴにのみ存在する脳の領域。大脳の前頭葉に位置する。空識覚からの情報を再構成することで四次元時空を直感的に把握できる。肉眼に依らず空間を把握したり、宇宙船操舵時に無意識で軌道計算をすることが可能。
リン・ジント
→リン・スューヌ=ロク・ハイド伯爵・ジント
リン・スューヌ=ロク・ハイド伯爵
本編の主人公。ロック・リンと鉱山技師だった母の間に生まれた地上人男性。マルティーニュ語、デルクトゥー語、アーヴ語、リクパルを話せる。射撃は全くダメ。軍籍番号は21-17-839951(958年当時)。
【容姿】
茶髪。典型的な都市の青年。どことなく頼りなさそうでひよわな感じ。
【性格】
素直。気が弱い。信条は「人間関係ははじめが肝腎」。代々の長老派基督教会の信徒だが神は信じていない。貴族らしからぬ貧乏性。
【嗜好】
子供時代はメロン・オー・シューが好きだった。
【経歴】
・帝国暦935年(着陸暦164年)(0歳) 誕生
・帝国暦945年(着陸暦172年第1季84日)(10歳) 父の叙爵によりハイド伯爵公子に
・同年(10歳) デルクトゥー留学。アーヴ言語文化学院入学
・帝国暦952年(17歳) アーヴ言語文化学院卒業
・同年(17歳) 主計修技館入学
・帝国暦954年頃 父の死によりハイド伯爵に叙爵
・帝国暦955年(20歳) 主計修技館卒業。主計修技生に
・同年(20歳) 主計列翼翔士に叙任
・同年(20歳) バースロイル書記に着任
・同年(20歳) アプティック伯国領主副代行に着任
・同年(上記の半月後)(20歳) アプティック伯国領主副代行離任
・帝国暦956年頃 主計後衛翔士に昇進
・帝国暦956年(21歳) ロブナス伯国領主代行に着任
・同年 星界軍の休暇をとる
・帝国暦958年(23歳) マルティーニュ領民政府と条約締結
・帝国暦959年頃 休暇を終え、軍に復帰。主計前衛翔士に昇進
・帝国暦959年(24歳) フリーコヴ書記に着任
・同年 ガフトノーシュ・ドゥラド書記に着任
・同年 主計十翔長に緊急昇進
・時期不明 練習艦隊司令長官付副官に着任。階級は主計千翔長
・帝国暦969年 霹靂艦隊司令長官付副官に着任
リン・スューヌ=ロク・ハイド伯爵
リン・スューヌ=ロク・ハイド伯爵公子
→リン・スューヌ=ロク・ハイド伯爵・ジント
リンダ・ナルン
林檎酒
飲み物。セムリューシュ伯国のものが有名。
船渠
船の修繕のための施設。ドック。
ルー Ruc
根源29氏族の一つ。語源は「角
【都市船時代】
通信、交易相手との初期交渉、電子機器をはじめとする精密機械の整備などを担当した氏族。帝国時代初期には外交官を輩出したが、人類全体の水準から言えば外交下手であった。
帝国初期までの存在感はアブリアル、スポールに次ぐほどだったが、帝国が安定期に入ると目立たなくなっていった。
【特徴】
家風は融通無碍で、つかみどころのない人物が多いとされる。
諸侯が少なく、容易に姓を変えるため、目立たない存在。
【宗家】
ハテューシュ大公爵家。
【家紋】
撫子。
【家徴】
ルーの鼻
第一二七埠頭
ヴォベイルネー鎮守府の埠頭の一つ。二代目バースロイルが就役前に係留されていた。
揚げ山羊肉の果実あんかけ
クファディス・ウェフ=エスピール・セスピーが大好きな料理。
副長
中型艦以上における次席指揮官。
ルーヌ・ビーガ
クラスビュールのローハウ州に属する市。市街を中心に半径3000ウェスダージュ(=300km)にわたって広がる広い都市。ほとんどが農地で、人口の8割が小さな集落や孤立した人家に散らばっている。市警察があり、管理官は選挙で選ばれる。
船団長
船団の借主。
船団長席
船橋に設置されている、船団長のための席。
ルー・ブレーシュ
前120年頃のアーヴ女性。アブリアル・ムイセーヌ、カリュー・エレークとは連合学校時代の同級生。三期生。
国歌
帝国国歌のこと。
皇帝杖
皇帝が持つ杖。帝位、及び人類最大の軍事力を統率することの象徴。帝国宝物の一つで代々受け継がれてきたが、959年のクリューヴ門沖会戦でガフトノーシュが爆散した際に失われ、新しいものが作製された。
帝国暦
帝国成立を元年、1標準年を1年とする暦。
帝国伯爵
一代貴族の一つ。
皇女
皇帝の娘。
帝国軍
星界軍のこと。
帝宮
機動帝宮
ガフトノーシュ(3.)の別称。
帝国宰相
帝国官僚機構の頂点に位置する官僚。貴族としての待遇を与えられ、退官後には男爵(めざましい功績を立てれば子爵)に叙爵される。歴代の中でも生まれながらのアーヴは少ない。955年当時はシドリュア・ボルジュ=シド・シーズ。959年に没し、使節庁長官のブラーシュが昇任した。
帝国法
帝国法。明文あり。領民は守る必要がないが、アーヴ、国民、領民政府は守る必要があり、違反すると帝都の法廷で裁かれる。また、領民といえどもアーヴが被害者になった場合はこれに基づいて裁かれる。貴族と帝国の関係については慣習によることが多く、載せられていないことが多い。また、問題のある法律をなかったことにすることもある。
作中で確認できる内容は以下の通り。
・アーヴの定義
・成人年齢の定義(20歳)
・貴族が家臣や領民を見捨てることの禁止
・アーヴの子弟に対する遺伝子調整義務
・人身売買禁止
・領民政府による帝国の関知しない移民の受け入れ禁止
・遺伝的なアーヴが領民になることの禁止
・艦艇強奪罪
・不敬罪
・誘拐罪(被害者が存命なら親告罪)
以下は明文法がない内容
・星間船の私有禁止
帝国星界軍
→略:星界軍
帝国の乳房
恒星アブリアルを取り巻く人類宇宙最大の反物質燃料製造工場。グーハル大公爵家によって管理され、工場長はトリーシュ氏から任命される。現在でもトリーシュ氏により拡張が継続されている。幅500ウェスダージュ(=50km)の帯状の構造物が丸い籠のように恒星をくるみこみ、その上に縦方向に直線加速器が一対ずつ並んだ構造。製造した反物質燃料は、無人の燃料槽小惑星や機動燃料槽などによりラクファカールへ運搬される。
第2次ラクファカール防衛戦では四ヵ国連合艦隊による接収の対象となっていたが、その前に自爆した。
帝国男爵
一代貴族の一つ。
皇帝御座艦
星界軍総旗艦ガフトノーシュのこと。儀礼的な意味が大きいが、帝都が戦場になりそうなときは皇帝が乗りこみ、近衛艦隊を率いて戦う。したがって、その時々の最新鋭の巡察艦を当てるのが習わし。958年当時はカウ級巡察艦。
帝国公爵
一代貴族の一つ。
帝国国民
国民のこと。
帝国侯爵
一代貴族の一つ。
上皇会議
8人の上皇により構成される、皇族たる翔士の昇進・査問・賞罰を司る機関。その査問は一般の翔士に対するものよりも厳しく、任務に失敗すれば容赦のない処分が待っている。また皇族翔士の周辺の人事権も有しており、軍務の間に腹心が得られるよう、多様な人材を配置している。
強襲輸送艦
大気圏に突入する機能を持った空挺部隊用の兵員輸送艦。海上ならどこでも着水できる。潜水能力もある。
ルティモンド
とある動物(猫)の肉を使ったダクフォーの煮込み料理。
反陽子砲
ルルケズ
ヴォベイルネー鎮守府の有人惑星。軍士たちの休養場所となっている。星界軍の提供する健全な娯楽と、星界軍でない者が提供する健全でない娯楽を楽しめる。
アーヴのための娯楽施設は軌道上にあるため、もっぱら利用者は地上世界出身の従士や翔士。
冷凍野菜
ラフィールが鈍い人間のたとえとして用いるものその2。
レイフ・エリクスン
太陽系起源のユアノン推進式恒星間移民船。
居住地の調査、選定、入植を任務として出発(アーヴたちが太陽系に戻る前)。乗組員は酸素を大量に含む大気を有する星への入植にこだわり、出発から数世代後にG型の恒星を回る青い惑星に入植。恒星にハイド、惑星にマーティンと名付けた。
入植後は記念碑的な意味合いで軌道上に繋留されていたが、着陸暦172年第1季57日に推進源だったユアノンを平面宇宙側から探査船ムークルソージュに開かれ、爆散した。
初代船長はハイド。入植時の船長はマーティンで、星系名と惑星名は2人の名前から命名された。
レイリー散乱
光の波長に比べて寸法が十分小さな粒子による光の散乱。空が青く見えるのもこの現象。
想人
想い人、恋人。結婚制度を持たない生まれながらのアーヴが用いる言葉。
※おそらく男性の場合は想人
客船
旅客などを運搬する宇宙船。
兵員用輸送艦
兵員用輸送艦
真っ白
真っ白な猫の毛並みのこと。
位階
星界軍における階級。上から順に帝国元帥、元帥、大提督、提督、准提督、千翔長、百翔長、副百翔長、十翔長、前衛翔士、後衛翔士、列翼翔士の翔士十二階と、最先任従士長、先任従士長、従士長、一等従士、二等従士、三等従士、四等従士、一等錬兵、二等錬兵の従士九階(錬兵が従士に含まれるのかは判然としない)。飛翔科の場合、元帥は星界軍元帥と呼ばれる。飛翔科翔士以外の兵科に属する場合、位階の前(アーヴ語だと後)に兵科名をつける(例:主計列翼翔士
ウルーブ侯国
スキール王国に属する星系。
ウルーブ侯国
967年より前に、星界軍とおそらく四カ国連合軍との間で行われた攻防戦。
エルカーシュ侯国
有人惑星ロワムガムを有する星系。
スファグノーフ侯国
イリーシュ王国に属する星系。恒星スファグノーフに、有人惑星クラスビュールを含む7つの惑星を有する。星界軍の通信艦隊スファグノーフ基地がある。
【歴史】
・帝国暦648年 スファグノーフ子爵領創設。初代子爵はソスィエ・ウェフ=サイラル・ダグレー
・帝国暦729年11月29日(入植暦0年1月1日) 三代子爵ソスィエ・ウェフ=サイラル・エトレーの代に入植開始
・帝国暦729年頃 スファグノーフ伯国に。初代伯爵はエトレー
・入植暦93年 人口一億人突破。スファグノーフ侯国に
・帝国暦952年 人類統合体により占領
・同年 星界軍が空間領域を再占領
ダルマプ侯国
ラスィース王国とスュルグゼーデ王国に挟まれた領域に位置する星系。人類統合体に属する。主惑星は有人惑星ダルマプIV。ダルマプIVは双子惑星といってもいいほどの大きな衛星を有する。元はダルマプ星系と呼ばれていたが、955年、幻炎作戦により帝国に占領されてダルマプ侯国となり、有人惑星はセーバ、衛星はムティローヴと名付けられた。現在はアーヴの幕営地となっており、将来的に恒久的な軍事拠点にすることも検討されている。
スファグノーフ侯爵家
スファグノーフ侯国の領主。ソスィエ氏に列なる。私兵スファグノーフ侯国警固隊を有する。お金持ち。
【歴史】
・帝国暦648年 スファグノーフ子爵家創設。初代子爵ソスィエ・ウェフ=サイラル・ダグレー叙爵
・帝国暦700年頃 第二代子爵ソスィエ・ウェフ=サイラル・ディスクレー叙爵
・帝国暦729年頃 第三代子爵ソスィエ・ウェフ=サイラル・エトレー叙爵
・帝国暦729年頃 スファグノーフ伯爵家に。初代伯爵はエトレー
・入植暦93年 人口一億人突破。スファグノーフ侯国に
・帝国暦952年 全員が人類統合体の捕虜に
・同年 スポール准提督により解放
【家紋】
銀の枝と蝸牛
レクシュ・ウェフ=ローベル・グレーリア
レクシュ・ウェフ=ローベル・プラキアの姪。不死鳥作戦の際に配置を失い、伝手をたどってラフィールの艦にやってきた。
【容姿】
黝い髪。黄金色の虹彩。レクシュ・ウェフ=ローベル・プラキアと面差しがとてもよく似ており、ラフィールともどことなく似ている。
【経歴】
・帝国暦959年頃 翔士修技生として近衛艦隊に配属
・帝国暦959年 不死鳥作戦に伴い、近衛艦隊を離任
・同年 列翼翔士に緊急昇進
・同年 ガフトノーシュ・ドゥラド通信士に着任
・同年 ガフトノーシュ・ドゥラド通信士を離任
・帝国暦969年 霹靂艦隊作戦参謀に着任。階級は十翔長
レクシュ・ウェフ=ローベル・プラキア Laicch üémh lobér Placïac
巡察艦ゴースロスの初代艦長。アーヴ女性。ドゥビュースのかつての想人でラフィールの遺伝子提供者。レクシュ・ウェフ=ローベル・グレーリアの叔母。星界軍の中でも優秀な翔士といわれている。
列翼翔士のときにドゥビュースに出会った。
ちなみにレクシュはローフに連なる家。
【容姿】
眉と肩で切りそろえた青鈍色の髪。黄金を湛えたような虹彩に黒い瞳孔。青鈍色の眉。容貌はラフィールにどことなく似通っている。
【経歴】
・帝国暦936年 十翔長に昇進。突撃艦長に着任
・時期不明 百翔長に昇進
・帝国暦952年 ゴースロス艦長に着任。一等勲爵士に叙爵
・同年 人類統合体との交戦により乗艦爆散、戦死
アプティック防衛艦隊
幻炎作戦における主戦場アプティック星系防衛のために編成された臨時艦隊。司令長官はビボース・アロン=ネレム・公子・ネレース提督。旗艦はスカーカウ。12個分艦隊。
主力艦隊到着までのアプティック星系防衛を任され、多大の犠牲を出しながらも任務を完遂した。
【組織】
司令部
┣司令長官 ビボース・アロン=ネレム・公子・ネレース提督
┃┗副官
┗参謀長 ビボース・アロン=ネレム・公子・ネフェー千翔長
┣補給参謀
┣機関参謀
┗通信参謀
旗艦 巡察艦 スカーカウ
突撃分艦隊 ラトゥーシュ
突撃分艦隊 他6個
偵察分艦隊 2個
補給分艦隊 2個
打撃分艦隊 1個
【経歴】
・帝国暦955年 編成
・同年 アプティック門防衛戦
・同年 解散
ウェーレ公国
ラスィース王国に属する有人星系。
エストート公国
イリーシュ王国に属する有人星系。
ガムヴ公国
有人星系。
セスファール公国
有人星系。実在するかは不明。
ラポーク公国
有人惑星レーシュを有する星系。
レケーフ
アーヴ。宮中序列は帝国公爵(955年当時)。
【経歴】
・帝国暦955年 幻炎第五艦隊司令長官に着任。階級は星界軍元帥
・帝国暦959年 双棘艦隊副司令長官に着任
・同年 双棘艦隊バルケー王国方面艦隊司令長官に着任
・帝国暦959年 帝国元帥に緊急昇進
・帝国暦969年より前 軍政長官に着任
司令座
司令官の座席。
レジステ
恐らく戯曲家。作品に「ケビンとクシャトリア」。
巡察艦
通常空間戦における主力艦。操舵は航法士が担当するが、戦闘時は砲術士に委ねられることが多い。質量は約1000セボー(=10万t)。6隻で戦隊を組む。半個戦隊時空泡は鉄壁といわれる。
主戦兵器は電磁投射砲。凝集光砲と反陽子砲も搭載しているが、本来的には対機雷用で、突撃艦級ならともかく巡察艦級には太刀打ちできない。機雷も有するが、これは防御用のものではなく艦艇撃破のためのもの。
時空泡発生機関は艦橋の下に設置され、共通の球体壁で頑丈に守られている。
内部に余裕があるため、便乗者のために居住区が広くとられている。
列翼翔士
→列翼翔士
レディ一〇〇
霹靂第三艦隊がフアンボ星系に駐屯中、バハメリ門からウェスコー王国方面に向けて発進した大規模な時空泡群に付された仮称。人民主権星系連合体軍のみで構成された艦隊で、その戦力の9割近くが動員されている。バハメリ門沖会戦で霹靂艦隊と交戦。霹靂第一艦隊の突破により、レディ一〇一とレディ一〇二に分断された。
レディ一〇二
レディ一〇〇が霹靂第一艦隊により2つに分けられた後、霹靂艦隊から見て左側の集団に付された仮称。霹靂艦隊に包囲されたレディ一〇一の救援を試みたが、失敗。バハメリ方面に撤退中、第一・一艦隊、第一・二艦隊及び霹靂第一艦隊の攻撃を受け、降伏した。
幻炎
→幻炎作戦
貨客船
貨物や旅客を運搬する平面航行宇宙船。
レペス Rœpœss
根源29氏族の一つ。主整備子の末裔。語源は「房
【都市船時代】
出産以外の医療や保健衛生をつかさどった氏族。イーデフと協力関係にあった。
【特徴】
「名もなきアブリアル」と呼ばれる最初の伝説的な船王を殺した(正確にはそのための薬剤を調合した)アーヴの子孫として知られる。その際使用された皮下注射器は家宝として伝えられている。さらに、この注射器は原アーヴの母都市で作られて現在にまで伝わる数少ないものの一つである。
感情を面にあらわすことをめったにしない。ものに動じず、並みの人間なら逡巡することも、必要とあらば躊躇う素振りさえ見せない。しかし、一旦怒ると手が付けられなくなる。
【宗家】
ファリヘー大公爵家。ファリヘー大公国には帝国最大の医療研究教育機関がある。
【家紋】
毒蛇。
【家徴】
レペスの指
ノヴ・キンシャス攻略戦
969年にノヴ・キンシャス門で行われた、霹靂艦隊と四カ国連合軍(ハニア連邦軍(4割程度)と人民主権星系連合体軍(6割程度)との合同軍)との会戦。星界軍の推定によれば戦力比は10:8。ハニア連合軍は早期に撤退したため、残された人民主権星系連合体軍を星界軍が迂回挟撃し、人民主権星系連合体軍は降伏した。
バハメリ攻略戦
969年にバハメリ門で行われた、霹靂艦隊とバハメリ防衛軍(ハニア連邦軍(8割程度)と人民主権星系連合体軍(2割程度)との合同軍)との会戦。敵艦隊の2倍以上の戦力を有する星界軍が勝利し、バハメリ防衛軍は降伏した。
林檎火酒
アーヴが飲む酒。リンゴを発酵させ、蒸留したブランデーと思われる。
階級章
軍衣の胸に付いている、星界軍における階級を示すもの。辺を曲線で形作った二等辺三角形。銀色の縁取りの中に銀色のガフトノーシュが配置されている。地色は兵科を表し(赤(緋)は飛翔科、緑は軍匠科、白は主計科)、線や星が階級を示す(修技生は無地)。
連絡管
個隊に属する艦艇を連結する通路。内部は六角形の空間になっている。
連絡筒
艚口と与圧区画と接続する通路。
領主副代行
領主代行の補佐役。
姿勢制御機関
宇宙船の姿勢制御や微移動等を行うための機関。
ロイル級突撃艦
星界軍の突撃艦の一つ。
【乗員】
艦長
先任翔士
次席翔士
書記
┣司厨従士
┣経理従士
┗衛生従士
監督
┣従士長
┗従士 11名
当直要員は飛翔科翔士3人の三交代制。
【攻撃兵装】
反陽子砲
可動連装凝集光砲
【防御兵装】
防御磁場
【特殊機関】
重力制御装置
【艦載艇】
短艇
救命莢 十数個
【紋章】
似我蜂
艚口
連絡艇等の開閉扉。
フェブダーシュの淑女
アトスリュア・スューヌ=アトス・フェブダーシュ男爵・クロワールが私有する乗用艇。アーヴ専用機。フェブダーシュ男爵領唯一の武装艇。
アーヴであることを忘れないよう、1日に一度はこの船を駆るのがクロワールの日課。
【型番】
ダテーフ造船所製のセグノー947型。
【攻撃兵装】
レンガーフ40艦載凝集光銃特別仕様 二挺
惑乱の淑女
ロース級巡察艦
星界軍の巡察艦の一つ。952年当時の最新鋭艦。艦橋は半円形で床は二段になっており、外側が一段低くなっている。高い部分は艦長階床と呼ばれ、平面宇宙図が投影される。
【乗員】
艦長
副官兼先任航法士
監督
書記
先任砲術士
先任通信士
航法士
他艦橋要員5名
乗員約220名
当直要員は4名。
【外観】
全長12.82ウェスダージュ(=1282m)
【攻撃兵装】
・電磁投射砲 6門(艦首4門、艦尾2門)
・機動時空爆雷 10基
・可動凝集光砲
・可動反陽子砲
【防御兵装】
・外殻(結晶陶質)
・内殻(重金属)
・防御磁場
【特殊機関】
・重力制御装置
【搭載艇】
・短艇 艦載数不明(2つ以上)
・連絡艇 複座型
【艦章旗】
有翼竜
ローフ Lomh
根源29氏族の一つ。語源は「氏
【都市船時代】
電気系統の保守作業を担当する氏族。発電機やモーターの整備、船内の照明に関する仕事なども手がけていた。
【特徴】
生真面目さではアブリアル並とさえ言われるが、冷静沈着にして果断で、優秀な軍士を輩出しており、典型的な提督といえばローフの出身と思われほど。一方で、交易者としては今一つセンスにかけ、『艦長としては最高、船長としては最低』といわれる。
武功により諸侯となったものも多いが、その邦国に繁栄しているものは珍しい。
技術氏族であったことから科学者も多く、平面宇宙航行技術の工学的応用に大きく貢献した。
宗家以外はローフを名乗らない。
【宗家】
ゲンダウ大公爵家。
【家紋】
炎。
【家徴】
ローフの金瞳
檸檬
レモン。
ローフ・ライギア
前120年頃のアーヴ女性。
【嗜好】
演説をするのが好き。演説の際に机の上に乗るクセがある。
寒い
アーヴの間では絶対3度の真空を形容する言葉。
ローマセル
ドゥビュースとレクシュ・ウェフ=ローベル・プラキアが交易のために借りていた小型交易船。935年頃プレアーヴたちの探査船を発見した。
建艦廠
宇宙船の建造を行う施設。帝国では、時空泡発生機関を製造できるのはラクファカールにある五大建艦廠(レスポー、ベートゥール、ヴォービノート、スュール、ゴクローシュ)のみ。
訓練甲板には建造する艦の模型があり、宿舎兼訓練施設になっている。
ゴクローシュ建艦廠
五大建艦廠の一つ。
ベートゥール建艦廠
五大建艦廠の一つ。いくつもの球が重なり、巨大な管を触手のようにうごめかせているように見える。ロース級巡察艦の建造などを担当しており、955年頃からカウ級巡察艦の竣工に入った。コーヴ級襲撃艦も生産される予定。ラクファカール陥落後はリムセズ泊地に展開している。
ロセーシュ Losaich
根源29氏族の一つ。語源は「奎
【都市船時代】
都市船内部の通信網を保守管理していた氏族。また船内設備の配置についても大きな発言力を持ち、しばしば大規模な内装工事の指揮を執った。交易好きとしても知られる。
【特徴】
信念に忠実だが、その余り強引な面もある。また、他人の気持ちを忖度することに注意を払わないので図々しいと思われるきらいがある。
帝国創設後は軍士としてよりも交易者としての活躍が目立ち、交渉によって邦国を一つ獲得したこともある。
ロセーシュに関わると不幸になる、と一部のアーヴたちは頑なに信じている。
【宗家】
ビデール大公爵家。
【家紋】
白鳥が多い。
【家徴】
ロセーシュの目
ロセーシュ・セーダ
予備役翔士
現役を外れて通常は他の仕事に就いているが、召集命令を受けた場合には部隊に参加する義務をもつ軍士。現役よりはゆっくりだが昇進もするし、現役復帰も容易。
真の翔士
飛翔科翔士のこと。
星界軍翔士
翔士のこと。
官記
軍人の辞令。軍政長官の名で交付される。
ロック・リン Rock Lynn
ジントの父親。アーヴ艦隊のマーティン来襲時に政府主席だった。その対応を一任され、対宇宙兵器のコードを渡すことと引き替えに、帝国貴族に叙され、リン・スューヌ=ロク・ハイド伯爵・ローシュになった。三ヵ国連合侵攻時に処刑された。
【経歴】
・時期不明 ハイド星系議会議員に就任
・時期不明 ハイド星系政府主席に就任
・着陸暦172年(帝国暦945年)第1季84日 ハイド伯爵に叙爵
・帝国暦952年 処刑
軌道要塞
小惑星などを改造した軍事要塞。門の側に設置されていることが多い。
通信基地
通信艦隊の基地。
捕虜収容所
戦争によって捕虜となった者を、その故郷がまだ帝国に併合されていない場合に待機させる場所。領民政府に対し武装蜂起した人々なども収容される。一旦収容されても、帝国臣民として帝国領内であれば自由に移住できる。ただし通常の移民同様、移住先の領民政府の許可も必要。
955年現在、14の地上世界が指定されている。初めの1年は生活費が支給されるが、その後は普通の地上世界と同じく自活する。治安維持や大規模施設の建築などは全て帝国負担のため税金がない。代わりに政治的自由もない。中心産業は開拓。最初は帝国が総督府を通じて統治しているが、援助なしにやっていけるようになれば帝国は手を引き、捕虜収容所の指定も解かれ、領民政府に統治が引き継がれる。
その性格上問題が起こりやすいため、いくらか厳しめの刑法が施行されている。(ある標準的な捕虜収容所では、全ての犯罪の最高刑は死刑。詐欺は10年以上の重労働刑、殺人は25年以上の重労働刑、執行猶予という概念はない。)
ロビート Lobitec
根源29氏族の一つ。語源は「虚
【都市船時代】
船の運行上必要な様々な雑務をこなした氏族。都市船の応急処置も担当した。マンパワーを必要とするため、人口は最大だった。帝国創建後も繁栄を続け、軍士の供給に貢献した。
【特徴】
家風は平凡。どのような仕事でもそつなくこなすので重宝される。軍士としては指揮官よりも参謀や副官などのスタッフ向き。歴史に名を残したものはあまりいないが、大事業の成功した経緯を調べればたいていこの一族のものが関わっている。
【宗家】
マンブース大公爵家。
【家紋】
百足。
【家徴】
ロビートの髪
ロビート・ボイガ
帝国創建前後のアーヴ。ラ・エディ・ポイ・ベブナの収容後はその生活の面倒を見ることになった。
【経歴】
・時期不明 ドゥムイ委員会書記部に配属
・時期不明 書記部次席書記に昇進
・帝国暦前19年から3年の間 委員会を退任。恋をし、子供をもうける
ジムリュアの乱
帝国史上最大の反乱。地上世界出身者が大半を占める地上軍が中心となり、帝政の廃止を求めて起こした。帝国は散々な苦労の末に鎮圧、直ちに地上軍を解体した。ジムリュアとは首謀者であるジムリュア・ボルジュ=フルク・フルーシュ(リンダ・ナルン)のこと。
【歴史】
・時期不明 革命軍を組織
・時期不明 対アルハミド星間帝国戦中に蜂起
・時期不明 帝都の帝宮・王宮・門の全てと艦艇の3割弱を掌握
・時期不明 帝都の残存兵力が非戦闘員と共にスキール門から退去。帝都を完全に制圧
・時期不明 人類連邦創建。ジムリュアが暫定大統領に就任
・時期不明 革命軍対レトパーニュ大公国戦。革命軍は戦力の半分を失う
・時期不明 星界軍が帝都奪還
・時期不明 革命軍解散
ロブナスII
ロブナス伯国唯一の有人惑星。ほとんどが海に覆われており、陸地はわずかな島のみ。そのうち最大のものがラジェイ島で、唯一人が住んでいる。
もともとは惑星改造に失敗した星で、海ばかりの上、地質が不安定なため、人類統合体の矯正施設惑星として利用されていた。
【人口】
120万人(957年当時)。うち刑務官、職員、非職員が2万(非職員は1867人)。西部矯正区に10万。
【組織】
最高責任者は中央政府任命による行政長官。
【産業】
刑務所管理。自給できるのは水と塩のみ。
【単位系】
自転周期11.8標準時間、公転周期417.8標準日。
表面重力1.87標準重力。
ロブナス輸送隊
956年にロブナスIIへの援助物資を送るために編成された輸送隊。司令はガボート百翔長。旗艦は強襲輸送艦ダークセス。
【組織】
司令部
┗司令 ガボート百翔長
旗艦 強襲輸送艦 ダークセス
輸送艦 2隻
ロブナス洋
惑星ロブナスIIを覆う海。
ロベルト・ロペス
「地球に生きた幻獣たち」の著者。
葡萄酒
アーヴが飲む葡萄で作った酒。
近衛艦隊
- 帝都が戦場になりそうな時に皇帝が率いる直属部隊。平時には儀式に用いられることもある。司令長官は皇帝が、参謀長は軍令長官が兼ねる。伝令は置いていないが、実戦に臨む時には退役翔士が召集されて充足される。ヴォー・セトゥーシュ、コン・セトゥーシュ、スル・セトゥーシュ、ロク・セトゥーシュ、フェク・セトゥーシュ、リュト・セトゥーシュ、ドル・セトゥーシュ、ミュス・セトゥーシュの8個の近衛分艦隊で構成される。分艦隊名の全てに雷
( が付くため、雷たち( の別名で呼ばれる。 - 959年に帝都防衛のため召集された1.。司令長官はアブリアル・ネイ=ドゥブレスク・アブリアル伯爵・ラマージュ。旗艦は星界軍総旗艦ガフトノーシュ。
【組織】
司令部
┣司令長官 アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・アブリアル伯爵・ラマージュ
┃┗司令部直属 近衛阻塞戦隊 6個
┗参謀長 ファラムンシュ・ウェフ=ルサム・ラザス帝国元帥
┣探査参謀
┗航法参謀
旗艦 巡察艦 ガフトノーシュ
┣直轄艦 巡察艦 バイカウ
┗直轄艦 巡察艦 オートカウ
近衛分艦隊 ヴォー・セトゥーシュ
近衛分艦隊 コン・セトゥーシュ
近衛分艦隊 スル・セトゥーシュ
近衛分艦隊 ロク・セトゥーシュ
近衛分艦隊 フェク・セトゥーシュ
近衛分艦隊 リュト・セトゥーシュ
近衛分艦隊 ドル・セトゥーシュ
近衛分艦隊 ミュス・セトゥーシュ
【歴史】
・帝国暦959年 編成
・同年 クリューヴ門沖会戦で壊滅 - 969年当時の1.。ラクファカール・セラという別称がある。
ロワムガム
エルカーシュ侯国の歴史ある有人惑星。
連絡艦
平面宇宙航行機能を有する軍艦。小型貨客船のような構造をしている。情報と共に貴賓や伝令使を運ぶことを想定しているので、衛生設備の完備した客室が12あり、ささやかな談笑室も備えられている。平面宇宙の偵察にも用いられる。イリーシュ門-スファグノーフ門なら3ヶ月程度で移動可能。
情報連結
思考結晶を接続することで行う情報通信。1光秒以上離れると行えない。
近衛隊
帝宮の警備の担当者。