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これまでのあらすじ
時に西暦1889年、エレクトラはナディアにはじめて自分の過去を語る。13年前、ひとりの男に両親と弟を殺されたと言うのだ。そして、ガーゴイルと彼の組織、ネオ・アトランティスに復讐するためにノーチラス号は作られたのである。しかし、そのノーチラス号は今まさにガーゴイルの罠にはまろうとしていた。
ストーリー
ノーチラス号はケルマディック海溝でガーフィッシュ10隻と対峙していた。次々とガーフィッシュは魚雷を放すが、ノーチラスは防御兵装と見事な操艦でかわし、逆に飛行爆雷と誘導弾で全滅させる。しかし、それはノーチラス号を新兵器の射程に追い込むための作戦であった。飛行戦艦の下部から出てきた巨大な電磁石の電源が入れられると、ノーチラス号はその磁力により上方へ引っ張られてしまう。必死で磁界からの脱出を試みるが、その力はあまりに強く、とうとうノーチラス号は空中へ吊り上げられてしまった。空中戦艦のあまりの大きさに驚く一同。
続いて、ガーゴイルは新兵器「原子振動砲」の使用を命令する。そこから発する特殊な音波により、次々にひびが入っていくノーチラス号。必死に対空兵装で応戦するが、空中戦艦のバリアーを破ることはできない。船体は中破し、ついには主電源である対消滅エンジンも停止してしまう。万事休すか…さすがのノーチラスクルーにもあきらめの色が漂い始めたその時、エレクトラが立ち上がる。『勝つ方法が1つだけあります…自爆するのです』
エレクトラは、この日のために自分たちは生きてきたのだ、と、ガーゴイルもろとも自爆することを進言する。しかし、ネモは答えない。昔のあなたはこんなことを躊躇する人ではなかったのに、ナディアのせいで変わってしまった、とネモに詰め寄るエレクトラ。しかし、三人組は起死回生の策を考えていた。それは、空中戦艦がとどめを刺すために大型誘導弾の射出口を開き、バリアーがなくなる瞬間に、こちらから弾を撃ちこむというもの。その囮として、グラタンは弾が飛び交う空中へ飛び出していった。
弾丸の雨をかいくぐりながら、チャンスを待つグラタン。ナディアはそんな状況に耐えきれず、艦を飛び出すが、逆に光のリングで捉えられてしまう。しかし、空中戦艦がとどめの大型殲滅爆弾を投下しようとしたその時、サンソンの放った徹甲弾が爆弾を撃ちぬき、落下が止まる。その隙を逃さず、最後のミサイルを発射するノーチラス号。爆弾は打ち砕かれ、巨大磁石もろとも大爆発。ナディアもジャンのジェット機に助けられる。しかしグラタンは遠くの空へ吹き飛ばされていったのだった。
ついにガーゴイルの手から逃れたノーチラス号。しかし、もはや反撃のすべはなく、満身創痍のまま海中へと沈んでいく…果たして彼らの運命は。
みどころ
今回は特に伏線の張りかたが上手い。前回おまけのエピソード的に入っていたジャンの『2本目の矢』、ハンソンの液状硬化テクタイトの発明などがこの話に上手く生かされてました。特にテクタイトの膜の方はわかった瞬間なんだか感動しました。そのための発明だったのか…グランディスは怒ってましたが、あの時間で発明を完成させ、気球に塗布したハンソンは間違いなく天才発明家でしょう。
そしてメインの空中戦。とはいえ、空中戦艦に潜水艦ごときが空中戦で勝てるはずもありませんでした。しかし「とどめを刺すために大型誘導弾の射出口を開くはずだ」といっておいて、実はとどめが自由落下するだけの巨大爆弾だったときは度肝を抜かれました。しかもリボルバー式…こういうところにお遊びが入っているのがこのアニメのいいところですな。ちなみにあのリボルバー部分は実は…おっと、この続きは36話を見てください。
そうそう、今回登場したガーゴイルさま自慢の新兵器。「スーパーキャッチ光線」「原子振動砲(企画時の名称は殺人超音波光線砲)」なんてネーミングセンスは彼にしか思いつきませんね。ていうかあれ、ただの大型U字磁石じゃないですか!わざわざN極とS極に塗りわけているこだわりが笑えます。
ちなみに、ネモとの会話の中でガーゴイルが言っていた13年前のチェスとは、ガーゴイルによるクーデターの前日に二人でしていたチェスのこと。ネモが家族写真を撮るために中座し、決着が付くことはなかったようです。
次回予告
ネモ「入りたまえ」
ナディア「ここは…船長室?」
ネモ「そうだ。この部屋をメインブロックから切り離す」
ナディア「えっ!?」
ネモ「君たちは、この船から脱出するんだ。ジャンくん、ナディアとマリーを守ってやってくれ」
ナディア「第22回『裏切りのエレクトラ』。きっと見てね」
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