2014-10-13
【ゲーム】ワイルドアームズ 2nd イグニッション レビュー
ようやく「シャリーのアトリエ」を始めることができました。
それというのもWA2が終わったから。僕はなぜか複数のゲームが同時期に終了することが多いんですが、多分それはエンディングに近づけば近づくほどプレイのスピードが遅くなることが原因だな。
ワイルドアームズ 2nd イグニッション
ジャンル:RPG
価格:617円(税込。ゲームアーカイブス版)
公式:ワイルドアームズ 2nd イグニッション | ソフトウェアカタログ | プレイステーション® オフィシャルサイト
以下ネタバレあり!
ストーリー
かつてファルガイアを焔で包み込んだ魔神「ロードブレイザー」…英雄『剣の聖女』は、彼女の持つ剣『アガートラーム』の力をふるい、自分の命と引き換えに災厄を封じ込め、ファルガイアを救った。
それから長い月日が流れたファルガイアに、再び危機が迫った。テロリスト集団『オデッサ』がファルガイアの覇権を手にするため各地で動き出したのだ。その脅威に対抗するため、『ARMS』と呼ばれる特殊部隊が組織される。主人公アシュレーはそのメンバーの一人に選ばれ、ARMS結成の記念式典に出席するのだが、そこでアシュレーはオデッサの事件に巻き込まれ、仲間を失ってしまう。しかし、それはさらなる戦いの日々への幕開けに過ぎなかった―
ワイルドアームズの中でも評判が高い王道ストーリーは、確かに熱く、特にラストバトルの演出は感動ものでした。しかし、僕の肌には合わなかった―というのが正直なところです。やっぱり今のゲームにに慣れちゃったからなのか、ボイスもなく、ドット絵も荒く、イベント演出も控えめ(他のゲームと比較してというわけではなく、時代のせい)なので、いまいち感情移入できませんでした。一つ一つのエピソードは悪くないんですよ。でも最後まで自分の心を盛り上げきれませんでした。これは合う合わないの次元の話なのでお許しを。敵キャラがわりとあっさり風味なのもちょっと気になった(WAの敵キャラはしつこいのが特色なので)。
システム
この後のシリーズを特色付ける「サーチシステム」(次の目的地の情報を得たうえで、フィールドマップの該当箇所をサーチすると目的地に入れるようになるシステム。一種のフラグ管理)「エンカウントキャンセル」(エンカウントしてから一定期間に特定のボタンを押すと戦闘をスルーできる)などのシリーズおなじみのシステムがしっかり搭載されていて、他のRPGとの差別化がうまくできています。
また、OPの曲は素晴らしいですね。特に1曲目のほう。2曲目も悪くはないんですが、ムービーは場面転換を織り込みすぎで目が滑る。
しかし時代なのか、攻略の難易度はかなり高いです。ダンジョンの謎解きも意外にレベルが高く、ひらめかないと延々はまる恐れも。サブイベントはノーヒントだったりすることも多く、発生のフラグを立てるのも一苦労。攻略サイトがない時代、みんなどうやってクリアしていたのかすごく気になります。しかし理不尽な謎はほとんどありませんでした。エンカウントキャンセルもあるので、謎解きに集中できるのもよいところ。
また、モンスターカード集めや隠しボス撃破、ミーディアム収集などやりこみ要素も多分にあります。アイテム無限増殖バグがゲームアーカイブス版では修正されてしまったので、レベル上げはちょっと大変かもしれませんが…
その他、フィールドマップがタウンの位置しか表示されないので使いにくい、ナビゲーター(次の目的地を教えてくれる機能)の説明が抽象的すぎて役に立たないことが多い、町によってはARM屋がないことがある(ARM屋がないと、主人公のスキル使用回数が回復しない)、ヴァレリアシャトーが頻繁に訪れる割に無駄に広く、移動が面倒くさい、セーブがタウンかダンジョン内にあるセーブポイントでしかできない(特にフィールドでできないのは面倒くさい)など、昔のゲームにありがちな問題点も一通りあります。これも時代だからあまり批判するのはおかしいんですけど。
キャラクター
主人公パーティのメンバーはどれも複雑な背景を抱えていて、それぞれが「英雄」とは何かということを考えているので(マリアベルはちょっと別ですけど)それぞれ深みのあるキャラに仕上がっています。半面、仲間同士のイベントが少ないように感じ、かなり後半まで仲間意識が持てませんでした(僕が持ててないだけで、キャラクターたちは持てていたようですが)。各キャラのパーティ外とのキャラクターとの絡みは充実しているため、余計そう感じました。
あと、とあるキャラの裏切り(と単純には言いづらいが)があるんですけど、そのキャラは最初からかなり胡散臭く、こいつ絶対裏切るだろ…と思いながらプレイしていたのですが、全くそんなこともなく、杞憂だったか…と安心したタイミングでいきなり裏切るので、逆の意味でびっくりしました。それ以外はあまりサプライズはなく、王道物語を安心して追えたという感じです。
敵サイドもキャラは立っているうえに、それなりの信念があってやっていることはわかるんですが、中盤であっさり主人公に壊滅させられ、復活を遂げるのかと思いきや普通に全滅したのでちょっと拍子抜け。その後登場する「敵」は、敵というより自然災害に近いものなので、主義主張がぶつかり合うわけでもなく熱さが足らないなーという感じ。ロードブレイザーもあれだけ伏線はってる割に中盤以降全然出てこないしさぁ。
戦闘
これまた時代なのですが、非常にテンポが悪いです。戦闘自体のテンポもさることながら、演出がかなり長いうえにスキップできないのが致命的です。おかげで雑魚戦がかなりの苦痛。ラッキーカードを惜しまず使ってボス戦で経験値を稼ぎ、雑魚戦はなるべくキャンセルしていきたいところなんですが、仲間にいるティムが敵にとどめを刺すことによって技を増やしていくタイプなので、そういうわけにもいかず。ここがこのゲーム一番の難所でした。
ボスはかなり強さにばらつきがありますが、序盤~中盤と、ラスダンのボスが強かったです。特に序盤~中盤はパーティが強化されていない割に敵の火力が高く、ティム(術士)は一発で死ぬことも日常茶飯事。しかし戦闘不能を回復させるスキルは数が少なく(というよりまともな回復役は一人しかいない)、回復アイテムも希少なため、初見ではあっさりやられることも結構ありました。しかも最近のRPGのお約束「ボス戦前にセーブポイント」がない!軒並み「ボス戦後にセーブポイント出現」なので、結構つらいです(一応戦闘を最初からやり直すアイテムはある(ただし有限)のですが、レベル不足で勝てない場合はやり直しても勝てませんからね)ので。一度説いたダンジョンの謎解きをもう一回するのは苦痛なのだよ。こういうこと言うと、ゆとり乙って言われるんだけど。ちなみに中盤以降はカノンのビートイングラムとアシュレーのフルフラットでどうにでもなります。
総評
決して駄作ではないものの、今プレイするのはつらいなぁ…というのが正直な感想です。しかし、メインストーリーは決して悪くないので、演出を今風にし、戦闘をテンポよくすれば普通にもう一回プレイしてもよいと思うくらいのレベルには達していました。主題歌や音楽、キャラクターなどは秀逸でしたし。つまりリメイクキボンヌということだ。
クリアまでは37時間でした。隠しボスは全スルーしたのにこのボリュームとは、さすがディスク2枚組というべきか。