2015-09-27
【コミック】風雲児たち/風雲児たち 幕末編 レビュー
他に取り上げるべきネタが沢山あるような気がしますが、とにかく今日はこれをお伝えしたい。
風雲児たち/風雲児たち 幕末編
著者:みなもと太郎
レーベル:リイド社SPコミックス
価格:463円~
あらすじ
幕末という激動の時代を駆け抜けた風雲児たち。その活躍を描くためには、話を関ヶ原の戦いまで遡らなければならない…というのをマジでやってしまった歴史漫画です。なんと1979年から連載をしているというのに、現在ようやく「幕末」と言える時代に入った辺り(日米和親条約が結ばれ、勝海舟が渡米した頃)という超長期連載です。
レビュー
最近コンビニで立ち読みするようになり、あまりのおもしろさにそのうち第1巻から読みたいな…と思ってました。すると先日、僕がお世話になっている電子書籍サイトで、全巻50%オフのキャンペーンをしていたので、一気に全巻購入し、旅行中ずっと読みふけっていました。
何が面白いかというと、本当に「歴史の流れ」が分かるところだと思います。
たとえば、明治維新に主導的な役割を果たした薩長土肥。この4藩が全て江戸から遠いところにあるのは偶然でもなんでもなく、関ヶ原の合戦で負けた武将が追いやられた土地、つまり反幕府の意識が元々強いところなわけです。家康もそれは分かっていたので、あの手この手でそういう大名が反逆しないようにし、それはもちろん一定程度成功するわけですが、時代が降るに従って、諸外国からの圧力も高まり、それにあわせてそういった外様の権力も高まっていくわけです。
諸外国と言っても、元々江戸幕府は鎖国政策をしていた訳で、当初はヨーロッパ=オランダです。杉田玄白が解体新書をオランダ語から翻訳し、田沼意次の蝦夷地開拓によりロシア人と接触し、松平定信の寛政の改革や井伊直弼の安政の大獄での揺り戻しがあり、漂流民たちを通じて次第に諸外国の様子が見えてきて、黒船来航でついに開国に至る、そういう大きな流れに時に飲み込まれ、時に抗い、時に流れを自ら作っていく、そういう人々の群像劇が生き生きと描かれていて、面白いなんてもんじゃなかったです。
また保科正之、林子平、大黒屋光太夫、高野長英など、歴史の教科書ではほとんど扱われない(が幕末を語る上で欠かせない)人達に、何巻もかけてスポットライトが当てられていたり、田沼意次やシーボルトなど、よく知られている人物の知られざるエピソードに触れていたり、と色々勉強になりました。これ学級文庫に置くべき書籍だと思うのですがね…
で、なんでこのレビューを今日書いたかというと、9/30まで、ebookjapanさんで、風雲児たち第1巻と、幕末編第1巻の無料立ち読みキャンペーンをしているからです!
皆さん是非読んでみて下さい。幕末編の方が取っつきやすくていいと思いますので、まずはそちらから。面白かったら買いましょう。