もうさすがにネタバレしても許されるような気はしますが、一応ネタバレほぼなしレビューです。皆無ではないので、まだオリジナル版すらプレイしていない人は気をつけてください。ファミコレADVもクリアしましたがそちらのレビューはまた別途。
ストーリー
タイトル画面。オリジナル版とはロゴも一部変更されている。
科学ADVの名を世に知らしめ、現在でも未だ大きなブームを巻き起こしているADV「シュタインズ・ゲート」。そのシナリオはそのままに、これまで制作されたアニメーション素材(+今回のための書き下ろしアニメ)を使って、「遊ぶアニメ」として再構成した作品になります。
シナリオ構成はオリジナル版と同じ
そんなわけで、ストーリーはオリジナル版とほとんど変わりません。分岐エンド5つと、トゥルーエンドからなっており、作中で重要な役割を果たす「メール」を送るか送らないかでストーリーが大きく分岐します。
そのようなわけで、ストーリーは相変わらず最高です。yukkun20がオリジナル版をプレイしたのは2010年5月で、その後もアニメや小説やら関連作品やらでずっとこのシリーズに触れていますけど、やはり初代のストーリーの良さには格別のものがありますね。もうこれについては散々語っているのでここでは言いません。プレイしたことない人はプレイした方が人生豊かになるよとしか。
ロボノとのつながりを匂わせるようなシーンも。
ただ、細かいところは修正されています。例えば第6章のまゆりの…とか、FBとM4との関係とか、フェイリスやるか子のルートとかがわかりやすかったでしょうか。修正と言うより、アニメ版の展開に寄せてきた感じで、特に違和感などはありませんでしたね。ただし出番が大幅に削られた4℃ファンは泣いていいよ。
システム
基本的にはオーソドックスなADVです。
特徴的なのはやはりアニメーション素材が使用されているところでしょうか。ノベルゲーでアニメ素材とか、どうせ止め絵とかループアニメとかが表示されるだけなんでしょ?とプレイする前は思っていましたが、そんなことはありませんでした。もちろんそういう場面もなきにしもあらず(文章はト書きがある分、アニメのスピードで話を展開するのは無理ですからね)ですが、「AUTO」にして見ていると、本当にテロップ付きのアニメを見ているような感じでした。
それはいいんですけど、反面ゲーム性がほとんど失われています。オリジナル版と比べると、
- 基本的にいつでもケータイを出し入れできる→決まったタイミングで自動的に表示され、返信を迫られる
- 過去のメール履歴を見られる→過去のメール履歴は見られない
- メールの返信によっては、ケータイの壁紙などのおまけがもらえる→もらえない
という感じで、本当にアニメを見ているのと変わりありません。プレイヤーが能動的に介入できるのは、シナリオ分岐の際にメールを送るかどうかと、メールにどのような返信をするかだけで、それ以外一切介入する余地がありません。これを潔い仕様と取るか、だったらゲームじゃなくてアニメ作品として売ればよくない?と取るかは意見が割れそうです。まあアニメ作品と考えても、40時間以上、要するにアニメで言えば8クール(2年)くらいの尺があるので、それを思えば7800円は破格ですが。
また、アニメになったことで、多くのシーンは状況がよくわかるようになりましたし、また動きがあったことで迫力も増しました。特に萌郁のアパートでのシーンや、岡部が告白するシーンなんかはアニメならではでしたね。他方、アニメ素材を流用しているため、ところどころ作画に難があるところも目についたりして、興をそがれちゃった部分もありました。
新OPはアニメ素材を用いつつ、オリジナル版のテイストも十分
yukkun20としては、やはりhuke氏の素敵な立ち絵が拝めて、また多少なりともゲーム性のあるオリジナル版の方が好みです。しかし、アニメから入った人がプレイするには申し分のない出来だったのは間違いないです。あと、OPムービーも新しく作成されているのはうれしいところ。
キャラクター
今更語ることもないですし、ネタバレになるのでさらっと。
オカリン:オリジナル版をプレイしたときはなんとも思わなかったんですけど、中二病発症していないオカリンを長く見過ぎたせいか、最近オカリンが中二全開だとちょっとこっちも恥ずかしい(///)
まゆり:ゲーム版でのまゆりの台詞がゆっくりに聞こえるのは、アニメ版では尺が足りなくなって早口にならざるを得なかったので、その後の作品では少し早くしゃべるようにしたからって花澤さんが言ってた。
ダル:オカリンが理不尽すぎて、それに文句言わず協力しているダルが聖人に見えてきた。あとセクハラシーンが若干削られてる?
紅莉栖:紅莉栖ってこんなに焼きもち焼く子だったっけ(*´∀`*)…彼女はツンデレの鑑として永遠に残すべきキャラです。
萌郁:アパートでのシーンが激しすぎる(*´Д`)ハァハァ
るか:女性になった世界線でのオカリンのセクハラシーンがやばすぎる(*´Д`)ハァハァ
フェイリス:紅莉栖とまゆりの影に隠れてますけど、彼女もものすごく大きな犠牲を払ってくれた立派な女の子ですよね。
鈴羽:久々にα世界線鈴羽見たけど、こんな明るいキャラだったっけ。あと無限サイクリングはアニメ化されたことでオカリンの死んだような目がリアルになって結構やばかったです。
総評
久々のシュタゲ本編でしたが、あいかわらずの名作で、これほど長く愛されている理由がよくわかるゲームでしたね。アニメ演出は好き好きだと思いますが、とにかくこの物語を知らずに生きているというのは人生の大いなる損失だと思いますので、未プレイの方、特にアニメしか知らない方は、是非この機会にプレイしていただきたいと思います。人生変わるかもですよ。
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