2021-05-06
学園キノの最新巻7巻が5/8発売予定です。
久しぶりだなー。なんせ前巻読んだのは2012年だからな…
…あれ、これ5巻の感想だ…どうやら2019年に出た6巻をスルーしてしまっていたようです。猛省。
ご存じない方のために説明しますけど、「学園キノ」は、「キノの旅」で知られる時雨沢先生の作品です。一応「キノの旅」のスピンオフと位置づけられていますが、物語上の繋がりはありませんし、何ならキャラも名前とビジュアルが流用されているだけで、性格から何から全く違います。「キノの旅」はちょっとダークなところや風刺的なところの多い作風ですが、「学園キノ」はコメディというかスラップスティックです。大体「謎の美少女ガンファイターライダー・キノ」に変身して、魔物に変わった人間を元に戻すというストーリーなのですが、舞台設定もめちゃくちゃなので、頭を空っぽにして読むのがいいと思います。
なんか書いてるうちに読みたくなってきた。6巻と合わせ買いしよう。
2012-03-09
「学園キノ」5巻のレビューです。他の巻のレビューはこちらからどうぞ。
初版の帯には、「もし高校野球の女子マネージャーが茶子先生の「すぐやる部」を呼んだら」というアオリ文句が書かれています。某ベストセラー本とは関係ありません。ただある意味その通りのストーリーなのですが。
今回で現在までの既刊の感想はひとまず終わりですね。
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- 第8話 もし高校野球の女子マネージャーが茶子先生の「すぐやる部」を呼んだら
最近はすっかり定着した、一巻まるまるの長編です。
あらすじ
日曜だというのに朝から校庭に駆り出された「すぐやる部」の面々。茶子先生によればその日の午後に予定されている野球の試合に出場することが今日の部活動らしい。いつもどおり食事に釣られたキノは、ルールすらおぼつかないのになぜかバツグンのボールコントロールを見せ、ピッチャーを務めることに。
午後になるとやってきたのは学園の野球部。部のレベルアップになればと、野球部のマネージャーが茶子先生に依頼していたのだ。そしていよいよ試合開始。序盤は互角に進んだ試合も、中盤、相手ピッチャー戸津川が精神的に崩れ始めたことをきっかけに、すぐやる部が大量リード。戸津川は責任を感じて凹むが、マネージャーの愛の告白で何とか立ち直る。だがそのマネージャーは実は魔物が変身した姿だった。戸津川は魔物と化すも、そのまま試合は続行。すぐやる部は魔物チームに勝てるのか、そして勘違いした戸津川の恋の行方は!?
感想
個人的にはこのシリーズで一番面白かったです。前半の妙にリアルな練習風景、中盤の白熱したゲーム展開、そして終盤のアストロ球団。次から次へと巻き起こる珍事件に息もつかず最後まで読み切ってしまいました。
「この私が助っ人に入れば、優勝間違いなし!」「やったことあるの?野球」「まさか。でも同じタマを使う運動だから射撃とそっくりでしょ?楽勝よ」「いや、そのりくつはおかしい」
- 第8.5話 かなりピンぼけ
珍しく次回への伏線だけの短いお話。
あらすじ
学園でただ一人、写真愛好会に所属する女学生。偶然遭遇した魔物の襲撃(8話参照)をカメラに収めたけど、帰宅して現像したらそこに写っていたのは木乃が謎の(中略)木乃に変身する姿だった!これってスクープ!?
- その他
今回のあとがきは約8ページと比較的常識的な長さでした。
イラストレーターの黒星センセが、絵描きになったきっかけをコメントしています。まさかセンセが高校球児だったなんて…(笑
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2012-02-23
「学園キノ」4巻のレビューです。他の巻のレビューはこちらからどうぞ。
今回の新キャラはエリアスと沙羅という「すぐやる部」の新入部員です。これも元ネタは忘れていたんですけど、最後まで読んだらさすがに思い出しました。何巻に出て来たキャラだったっけ…
あと今回の感想から少しネタバレ成分減らしてます。
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- 7話
今回もまるまる1巻使った長編です。
あらすじ
最近日本中で人気の13歳の歌手、「アネッテ・原見」。その歌に聞き惚れながらも、微妙な違和感を感じるキノ。それはそうと茶子先生は、新たな「すぐやる部」の活動として、バンドを組んで新人バンドコンテストに出場することを(勝手に)決定。キノもいつもどおり食い物に釣られ、ギター&ボーカルとして参加することに。
いよいよコンサート当日。茶子は新入部員として中学生のエリアスという少年と、沙羅という少女を連れてくる。その頃、舞台裏ではコンサートを中止させようとする何者かが暗躍していた。そんなことはつゆ知らずバンドコンテストはスタートするも、会場を襲撃していた謎の集団が魔物化してしまう。変身して立ち向かうキノ(残りの二人はバンド演奏中)だが、キノは変身1回で1体の魔物しか倒せないため、多勢に無勢の大ピンチに。それを助けたのは、魔物化したエリアスだった。エリアスは元に戻れるのか、コンサートの中止を目論む謎の集団の目的は、そして再び登場の美老婆銃士ヴァヴァア・ザ・スーパーの正体は!?
感想
これまではほとんど無双だったキノの意外な弱点が明らかになった7話でした。アネッテ・原見の秘密はエリアスと沙羅の元ネタを知っていれば容易に分かるので、もし忘れているなら忘れたまま読むことをオススメします。珍しく自作への伏線を残した話でした。まぁ美味しいところはいつもどおりヴァヴァアがもってっちゃったわけだが。
- 6.5話「あるばくだんしょうじょのおはなし」
7話のプロローグに当たるお話です。ティーが長くしゃべるときは物語が大きく動くとき。
- その他
今回もあとがき25ページ。しかも浅野真澄さんが登場するとは思わんかった。
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2012-02-15
「学園キノ」3巻のレビューです。今回から1巻まるまるを使った長編スタイルにシフトしています。新キャラも出て来ますけど今作はゲストキャラクターですね。
新キャラ「イーニッド」はキノの旅3巻「終わってしまった話」に出て来た海賊の少女ですね。正直忘れていました。こんなキャラだったかなぁ。3巻とか読んだの何年前なんだよ。
ちなみに1巻/2巻のレビューもしています。
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- 5.5話「チャコズ・レポート」
いきなり実在の政治家がほぼフルネームで出てくるんですけど、よくこれ通ったな…
話自体は6話のプロローグです。正義の味方が地球外生命体と好き勝手戦っていても、政治家はそれをスルーするわけにいかないという悲しい世界の理が描かれた問題作。
- 6話
ここからは6章を使って1つのストーリーが展開します。
アメリカからやってきたちょっとアニメオタクの転校生、イーニッド。茶子先生は次のすぐやる部の活動として、イーニッドに日本のいいところを紹介する、という活動を提案。乗り気でなかったキノも、部費で各地の名物を食べまくれるという話を聞いて快く参加。秋葉原を観光する一同を、影から見つめるあやしい男たち。彼らはイーニッドを狙う一団だったが、罠にはまり魔物化。いつもの3人は変身して迎撃に向かうが、今回の魔物は妙に賢く苦戦してしまう。しかし戦いに巻き込まれたイーニッドの勇気ある活躍と、三者三様の全力バトルで見事に勝利。彼女は幼い頃から命を狙われており、それから逃れるために日本に来たのだった。無事犯人を捕まえ問題が解決したことで、イーニッドは学園を立つ。キノたちは空港に駆けつけ、たくさんのプレゼントを渡してイーニッドに別れを告げたのだった。
今回はサモエド仮面かっこよかったなぁ。ティーが出てくるまでの間に限られますけど。ティーでオチを付けるためだけに必要以上にかっこいいシーンが多かったんだなきっと。あと入浴シーンがあるんですけど、挿絵の1枚もないにも拘わらず「不自然な湯気」が文章中にちりばめられているのに笑いました。「DVDにおいて全て外れます」って書いてあるけど、DVDいつ出るんだよ!
- その他
あとがき30ページ。この人どうなってるんだ。あと武器の描写についての作者ならではのこだわりが描かれています。確かに「アリソン」とかでも指や手の動きを細かく描写してたもんなぁ。
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2012-02-07
「学園キノ」の2巻レビューです。※1巻はこちら。
表紙のイラストかっこいいですね。帯には「読破者は…シズを白い目で見る確率が約2倍から4倍高くなります」という警告が。今作で初めてシズことサモエド仮面のイラストが出てくるんですけど、うん、やっぱり変態だわ。
以下ネタバレ。
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- 第4話「茶子の爆弾物語」
というわけで今回も新キャラ登場。といっても今回は生徒ではなく英語教師の茶子先生。茶子先生はいきなり犬山が気に入り頬ずりしたり、ちょっと変わった先生だった。そんな中でまたも生徒が魔物に変身。ワンワン刑事の協力を得ながら魔物を追いつめるキノ。相変わらず邪魔にしかならないサモエド仮面。しかしそこに現れた謎の少女を見た途端、サモエド仮面は壮絶なトラウマを呼び起こされ恐慌状態に。キノはその隙に見事魔物を倒したのだった。ワンワン刑事が気に入り頬ずりを連発する子の少女の正体は?
この話までが主要人物紹介かな。いよいよ次の話からストーリーが動き出します。あと劇中劇で出て来たファンタジー物語がなかなかに面白そうなんですけど。
- 第5話「千の鉄砲を持つ少女」
今日も元気な茶子先生は、「すぐやる部」を創設、静、木乃、犬山を無理矢理部員にしてしまう。そんな部活動の最初の活動は、今度の文化祭で演劇を発表すること。木乃は乗り気ではなかったものの、茶子先生がみせた高級レストランのチケットに釣られ協力を約束してしまう。早速公開稽古をすることに。劇は静の才能、犬山のライバル心、木乃の食い気のおかげで概ねうまく進んだが、終盤で魔物が乱入。変身した木乃たちは、観客のパニックを防ぐため、劇の演出の一部のように見せるアドリブでうまくこの場を乗り切ったのだった。
魔物との戦いでチケットは灰になってしまい、学校の屋上で豚まんをかじるすぐやる部の面々。そこで茶子先生から「みんなとワイワイやるのが夢だった」と打ち明けられ、こんなのもちょっといいなと思う木乃だった。
- 第0話「エルメス大地に立つ」
木乃がいつも持っている、しゃべるストラップ「エルメス」。エルメスと木乃の出会いの物語。「正義の味方になって、学園を救ってみませんか?」「頭大丈夫?―どこに頭があるのか知らないけど」
- 番外編「とある静ととあるサモエド仮面のとある夏のとある一日」
静…というかサモエド仮面の日常の一こま。迷子になった犬を探す少女を見つけた静は…
こうやると急にサモエド仮面がいい人に見えるから困る。
- その他
いつもどおりものすごい長いあとがきあります。
ところで作者のPNのモデルになった「けいいち」って、「ああっ女神さまっ」の主人公「森里螢一」だよね多分。バイク出るし。
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2012-01-28
最近になって、「学園キノ」を読み始めました。
「学園キノ」は、時雨沢恵一先生の代表作である「キノの旅 the beautiful world」のパロディ作品です。一応設定上は「キノの旅」の134巻(宇宙編・第2部)の続きという建前になっていますが、これももちろんネタで、「キノの旅」のキャラクターだけを使った「おバカ全開のアホ話」(あとがきより)になっています。
「キノの旅」はストーリー的に笑いをはさむところはあるものの、基本的にはシリアス調で話が進み、人が死んだり殺されたり、重要な決定を迫られたり、答えのでない問題を問いかけたりと重めの話が多いんですが、こちらは完全に作者の趣味が大暴走した、シリアスの欠片もない展開になっています。そのギャップについて行けず、1巻を買って読んでから5年ほど放置していたんですが、最近黒星紅白(表紙や口絵を書いているイラストレーター。サモンナイトのキャラデザの人)分が足りていないので、久しぶりに読み返してみました。
以下ネタバレ。
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- 第1話「キノ颯爽登場!」
木乃はどこにでもいる高校一年生の少女。だけどその正体は、人の心の闇に取り付く魔物と戦う、「謎の美少女ガンファイターライダー・キノ(通称「謎のキノ」)」。しゃべるストラップ「エルメス」と一緒に、今日も今日とて魔物退治。そして彼女とちょっといい雰囲気の美形先輩・静。
ところが突然現れた「純白の正義の騎士・サモエド仮面」の乱入で魔物には逃げられてしまう。「あの変態、どこの誰よ?」
…なんかあらすじを書いているだけで変になりそうだ。
- 第2話「気になるあいつは転校生だワン!」
新しくクラスにやってきた変な転校生「犬山・ワンワン・陸太郎(本名)」。編入するなり木乃にまとわりつくため、あっという間に木乃から嫌われることに。木乃以外のクラスメートには人気のある彼だが、なぜか静にだけは激しい敵意を見せる。
そんな中魔物が出現。木乃も変身して後を追う。今回もサモエド仮面の邪魔が入るかと思われたが、助っ人として現れた「ワンワン刑事」。ワンワン刑事がサモエド仮面を抑えておいてくれたおかげで事件は無事解決。高い戦闘力を持つ頼れる男だが、なぜかサモエド仮面にだけは激しい殺意を見せている。彼の正体は?
作者自身が作者として作中の地の文に登場し、絶対の権限を持つはずなのに登場人物に瞬殺されるシーンが見物。
- 第3話「夏休みはロマンスと火薬の香り」
夏休み、北海道の祖母の家に帰省した木乃。ところがなぜか静と犬山もこっそり同行し、家に上がり込む。祖母の計らいでどちらが木乃の婿にふさわしいか勝負することに。ちなみにどっちも木乃に興味はないのだが、互いに対する対抗心から勝負(クイズ大会)を受けることに。
しかしまたもや空気を読まない魔物が登場。偶然駆けつけたサモエド仮面とワンワン刑事と共に魔物と戦うが、今回の敵は牛乳を毎日飲んでいるのでやたら強い。「タイトルに名前が入っている主役が、こんなにも弱いなんて…」とキノが諦めかけたところに、謎の「美老婆銃士・ヴァヴァア・ザ・スーパー」が助けに現れ、いちご牛乳の圧倒的な強さで敵を蹴散らす。そして「もっと強くなって、世界の人々の安らぎを守れ」と言い残して去っていった。
翌朝、静と犬山は自らの力不足を感じ、木乃の祖母に挨拶をして旅立ったのだった。
キノが「もっと強くなりたい…」と涙まで流すのに、オチはヴァヴァア無双。いいのか。
- その他
時雨沢作品ではおなじみの無駄に充実した「あとがき」。今回も各話ごとのあとがきと文庫本全体のあとがきで4本収録されています。ホント作者はこの作品が好きなんだなぁ。
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