2019-12-26
昨日に引き続き、BD-BOX特典小説のレビューです。今回はAmazonでの購入特典です。ジントもラフィールも出ませんけど面白かった!
星界の断章-観光-
著者:森岡浩之
価格:非売品
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表紙など
残念ながら挿絵はありません。
あらすじ
ハイド伯爵家の家宰となったサムソンは、密かに惑星マーティンの異質な生態系から来る食文化に期待していた。しかしいつまで経っても食事の機会は訪れない。業を煮やしたサムソンは、自らマーティンの生物の培養用細胞片を採取しようと考える。領民政府から地上に降りる許可を取り付けるため、サムソンは一計を案じるのだが―
感想
18ページほどの短い小説ですが、サムソンが食事に燃やす異常な熱意が明らかになるいい話でした。サムソンが主役の断章は食事がらみばっかりだな(笑)
サムソンは、将来農場経営をする時の参考にするために家宰を引き受けたと本編では言われていましたけど、今回は真の目的が明らかになりましたね。まあ大方の予想通りだったわけだが。多分真の目的:ジントへの同情:将来設計の参考=80:15:5くらいだなこれは。
そのほか、家宰と領主代行の関係とか、クランドン市の詳細情報とか、設定に触れる部分もあり、新しいアーヴ語や新しい登場人物も出てきたので、こちらも事典を更新するのが楽しみですね。そしてルティモンドはやっぱり…
「先住生物は尊敬と愛の対象で、食欲を向けるべきではありません。そう、猫のように」
スォッシュは純白の猫を買っており、溺愛していた。
「ええ。もちろん、わかりますとも」サムソンは嘘をついた。
※5~6ページより引用
しかしアニメイト購入特典の「星界の断章 過疎」を読めないのは痛い。ネットオークションか何かで放流されるのを待つか、それとももう4万円払うか…。
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2019-12-25
星界BD-BOX届きました!まだBD自体は視聴していませんが、特典が豪華すぎて感動してます…ガイドブックもビジュアルブックもファンなら垂涎の出来です。つーか全ての星界ファンは買うべき。そのうちレビューもします。
しかし!今日は森岡先生の書き下ろし短編のレビューをさせていただきます。久々の森岡先生の断章、もう期待通りの、いえ、期待以上の出来でした!これ読めただけで4万出したかいがあるわ…というのは大袈裟でも何でもないです。
星界の断章-継承-
著者:森岡浩之
価格:非売品
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表紙など
口絵イラストはおなじみ赤井孝美先生による、ジントとスポール(ペネージュさんではなく、本作に登場する修技館の生徒。初登場)です。残念ながら白黒ですが…むしろ最後に出てきた「花の妖精か女神のよう」なラフィールをイラスト化すべきだったんじゃないの!(笑)
あらすじ
主計修技館に入学したジントのもとに、ある日修技館館長に呼び出される。そこに待っていたのは、つい先日まで共に冒険をしていた帝国王女にして列翼翔士・ラフィールだった。彼女は皇帝陛下の名代として、初代ハイド伯爵―すなわちジントの父親の処刑が確認されたことを告げる。ジントは事態の説明を受けるため、ラフィールと共に帝宮にある情報局へ向かった。その道すがら、ジントは今ハイド伯爵位を継承すべきか否かについて考え始めるのだが―
感想
てっきりジントとスポールとの舌戦が繰り広げられるのかと思ってましたが、まさかスポールが最初の3ページと最後の2ページしか登場しないとは(笑)すっかり騙されました。フルネームすら登場しない(しかも名ばかり貴族なのでペネージュさんとの縁もない)ので彼についてあまり語ることはないですね。
今回は星界の設定的な面白さがありました。貴族位を承継するとはどういうことなのか、また帝国は敵陣深くにあるハイド伯国の政治情勢をどのようにして知ったのか、また襲爵の条件を満たしていない者が襲爵するにはどうすればいいのかなど、色々勉強になりましたね。これは事典の編纂がはかどりそうです。
またジントの内心がかなり深く描かれた作品だとも言えます。ジントはマーティンの大地と人々を愛していながら、故郷に戻れば人々の憎しみを受けることもわかっていて、ハイド伯爵を継承すべきかどうかについて深く葛藤しています。しかし最後は、ラフィールから教えてもらった諸侯の心得や、自分の父親がなにを考えて帝国と取引をしたのかに思い至ったりしたことなどから、きちんと自分の運命を選び取っていくんですよね。そういう意味で、彼が少年から青年に変わる過渡期を描いた素晴らしい作品だと思いました。
あと言うまでもなく殿下は(文章だけですが)美しいですね…。ラフィールはジントの本当の気持ちを理解することは出来ないし、自分でそれが出来ていないことを自覚してもいるんですが、それでいてジントに共感しようとすることはやめようとしません。結局ジントの背中を押してくれるのは彼女なんですよね。今回もしっかり存在感を放ってました(なおスポールとの絡みはありません)。次の台詞は世の中を渡っていく上で大事にしたい台詞です。
「別に逃げてもいいじゃないか」(中略)
「アブリアルの口からそんな言葉を聞くなんて思いもしなかったよ」
「われらはそこまで頑迷じゃない。必要なら逃げる。それは恥じゃない。逃げねばならないときに逃げないことこそ恥であろ」
※29ページより引用
2019年を、こんな素晴らしい小説で締めくくれることに感謝したいと思います。最近はあまり小説読みませんけど、やはり星界は自分にとって本当に特別な作品だと思い知らされました。
しかもAmazonでの店舗特典「星界の断章 観光」もこれから読めるんだよなぁ。あー楽しみ。
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2019-07-26
まさか森岡先生がらみのニュースを2日連続でご紹介できる日が来るとは…星界シリーズのアニメ化20周年を記念して、これまでの映像化+ラジオドラマ化されている作品全てを詰めこんだBD-BOXの発売が決まりました!あれ…僕泣いてる…?
気になる中身ですが…
- TVアニメ「星界の紋章」「星界の戦旗」「星界の戦旗II」「星界の紋章 特別編」「星界の戦旗 特別篇」「星界の戦旗II 特別篇」
- OVA「星界の断章 誕生」「星界の戦旗III」
- 封入特典
- 星界のガイドブック
- 星界のビジュアルブック
- 短編小説『星界の断章 継承』※新規書き下ろし
- ラジオドラマ
- 星界の紋章 ラジオドラマ第1話~第9話
- 星界の戦旗 ラジオドラマ第1話~第9話
- 星界の戦旗Ⅱ ラジオドラマ第1話~第6話
- 星界の戦旗Ⅲ ラジオドラマ第1話~第12話
- 星界の戦旗Ⅳ ラジオドラマ第1話~第12話 ※初収録
- 星界の断章 ラジオドラマ第1話~第10話
- 新規収録キャスト&スタッフコメンタリー
- 星界の紋章 第2話 「星たちの眷属」
出演者:川澄綾子(ラフィール役)、長岡康史(監督)、森岡浩之(原作)
- 星界の戦旗 第1話 「再会」
出演者:川澄綾子(ラフィール役)、長岡康史(監督)、森岡浩之(原作)
- 星界の戦旗Ⅱ 第1話 「狩人作戦」
出演者:川澄綾子(ラフィール役)、長岡康史(監督)、森岡浩之(原作)
- 星界の戦旗Ⅲ 第1話 「めぐりあう星たち」
出演者:川澄綾子(ラフィール役)、長岡康史(監督)、森岡浩之(原作)
- 再収録キャスト&スタッフコメンタリー
-
- 星界の紋章 特別編 (2005年版)
出演者:今井由香(ジント役)、川澄綾子(ラフィール役)、長岡康史(監督)
- 星界の戦旗 特別篇 (2005年版)
出演者:今井由香(ジント役)、川澄綾子(ラフィール役)、長岡康史(監督)、岩田幹宏(プロデューサー)
- 星界の戦旗Ⅱ 特別篇 (2005年版)
出演者:今井由香(ジント役)、川澄綾子(ラフィール役)、長岡康史(監督)、岩田幹宏(プロデューサー)、森岡浩之(原作)
- 星界の戦旗Ⅲ 第1話 (2005年版)
出演者:今井由香(ジント役)、川澄綾子(ラフィール役)、清水香里(エクリュア役)、長岡康史(監督)
- 星界の戦旗Ⅲ 第2話 (2005年版)
出演者:今井由香(ジント役)、川澄綾子(ラフィール役)、長岡康史(監督)、森岡浩之(原作)
なんだこれは…豪華すぎるだろ。DVD-BOXもCDドラマも当然持っているyukkun20ですが、ここまでされたらもう何も言えない。森岡先生ありがとう。長岡監督ありがとう。川澄さんと今井さんありがとう。
なお特典小説「継承」の試読が出来ますよ。またもやスポールの毒牙が…w
価格は40000円。なかなかのお値段ですけど小説60冊分の価値はありますよね!yukkun20はどうしようかな…
法人特典
- 【A-on STORE(バンダイナムコアーツ公式ショップ)】 新規録り下ろしドラマCD
『星界の断章 離合』~ラクファカール陥落の日~
「星界の戦旗Ⅴ」のエピソードが描かれた「星界の断章 離合」を新規録り下ろしのドラマCDとして初収録!
出演:川澄綾子(ラフィール役) 他
- 【Amazon.co.jp】原作者 森岡浩之 書き下ろし小説「星界の断章 調理(仮)」
[あらすじ]
ハイド伯国の地上世界マルティーニュには、地球起源とは異なる生態系があった。
料理道楽の、伯国家宰サムソン・ボルジュ=ティルサル・ティルースは、マルティーニュ原産の生物を調理しようと試みるが……。
- 【アニメイト】原作者 森岡浩之 書き下ろし小説「星界の断章 商会(仮)」
[あらすじ]
セールナイ商会の経営は、戦時下ということもあって順調だった。
しかし、たったひとりの操舵士が辞めてしまう。
補充の見込みもなく、途方に暮れる商会にハイド伯爵家から連絡が届く。
代表フェブダクペ・セールナイは悩むが……。
3つ買おうかどうしようか悩むー!(割とマジで)あ、Amazonは既に予約済みです。
しかし森岡先生今年は働き過ぎではないでしょうか。コメンタリーでお声を拝聴できるのを楽しみにしております。そして新作断章は言うまでもなく!ファンサイトとしてやはり3作とも抑えておきたいところなんだよなー。
ところで「離合」にはラフィールの出番は無いはずですが…
2014-04-22
星界特設サイトですが、断章3関係の更新が完了しました。
帝国星界軍案内所”銀河の星”
ちょこまかちょこまか空いた時間に更新はしていたのですが、これで次回作の発表があるまで更新はないかな。
次の星界関係のイベントは、5/9発売予定のコミックス「星界の紋章2」ですね。たぶんないでしょうけど、何か森岡先生のコメントが聞けたらいいなぁ。もしくは関西で!サイン会とか!
2014-04-09
星界の断章3「来遊」の時系列がよくわからなくなったので、簡易まとめ。
ネタバレそのものなので注意。
2014-03-11 戦旗読本を読み直して若干修正
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- 帝国暦前98年
ビボースが平面宇宙航行理論を完成。「興味深い理論を手に入れた」と騒ぐ。
船王アブリアル・ドゥムイ、委員会を編成。
- ???
都市船アブリアル、マアト・カー・ラーと接触。(この時点ではユアノンの可能性に気づいているので、帝国暦前98年以降。また次の寄港地がヘルー・ネブーだったので、ラ・ゲルシスマに向かう前)
- ???
都市船アブリアル、マアト・カー・ラーをイルト・スィア星系の惑星アペド軌道上まで曳航。
その後、ユアノンの回収に向かい、8つ目のユアノンを入手。
- 帝国暦前97年
委員会、ビボースの理論に問題がないことを船王に報告。ドゥムイ、理論の実用化を決断。
ビボース含めアーヴのほとんどは反対するが、ドゥムイは次の次の寄港地で資源採取と並行して実験を行うことを決定。
ラ・ゲルシスマへ向かう。
- ???
ロビート・ボイガ、誕生。
- ???
都市船アブリアル、ラ・ゲルシスマに寄航。交易後、次の寄港地である泊地四七へ移動。
この頃、船王アブリアル・ラムステューム即位。
- 帝国暦前52年
泊地四七に投錨、門を開く実験の開始
- ???(ラ・ゲルシスマ寄航から約半世紀後。通信速度から考えると、早くても帝国暦前44年以降)
ラ・ゲルシスマから宇宙船が飛来しているとの情報が入る。ラムステューム、乗員の収容をボイガに指示。
- ???(ラ・ゲルシスマからの通信が届いて約7年後。つまり早くても帝国暦前37年以降)
スネーシュ・フルーリア、高加速交通艇の建造を提案。
- ???(フルーリアの提案から7ヶ月後)
スロール872採掘基地で事故発生。救難艇が建造されるきっかけになる。
- ???(フルーリアの提案から約3年後。つまり早くても帝国暦前34年以降)
ラ・エディ・ポイ・ベブナの収容に成功。
- ???
エディ、委員会の助言役として頼りにされるようになる。
- ???
エディ、ドゥムイ委員会理論部会委員として正式に登用される。
- 帝国暦前19年
門を開く実験に成功。
- ???
ボイガ、ドゥムイ委員会から退任。
船王アブリアル・ドゥネー即位。
3個目の門が開かれる。
- 帝国暦前3年
最初の平面宇宙航行船セルドーが門をくぐり、帰還
ドゥネー、エディにエディリュアの姓を授ける。
- ???(有人実験成功から1年未満)
エディ、死亡。のちのクラベール・ソスに葬られる。
- 帝国暦前2年
平面宇宙側から門を開くことに成功。
- 帝国暦1年
建国帝ドゥネーが帝国の創建と帝国暦開始を宣言。
疑問
ラ・ゲルシスマと泊地四七は8.1光年離れているが、加速限界が現在の技術でも0.1光速程度(「出奔」参照)だとすると、80年以上はかかる計算。しかし長くとも40年程度で移動している。エディに至っては長くても30年程度(おそらく約20年)で移動している。
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2014-03-27
断章3を読み返しながら、辞書の編纂を始めています。再録作品が多いのですぐ終わるかな~と思っていたのですが、初出の時のぼくの仕事が結構いい加減だったせいで、抜けや漏れが頻発しており、それをとりつくろうのが大変です。
とりあえずまだ途中なのでどこからもリンクを貼っていませんが、このエントリだけにリンクしておきます。
星界の断章III更新分
最近の作品(戦旗5からかな?)から、ルビ(ふりがな)でも大文字と小文字が区別できるようになったのはありがたいです(これまでは区別できなかった)。そのせいでこれまで悩んでいたいくつかの単語にはっきりした回答が示されたのはありがたいです。修正面倒くさいけど…
3/29に渋谷でサイン会をしてくださるらしいんですよねー。なんで!関西には!きてくれないの!ヽ(`Д´)ノウワァァァン!!
※申し込みは終わっていますが一応リンクを。→【文教堂書店】森岡浩之先生サイン会
2014-03-22
更新が不安定で申し訳ありません。連休は再び帝都に出張しておりました。東京駅前にある八重洲ブックセンターでゲットしたのでレビューを。
星界の断章III
著者:森岡浩之
レーベル:ハヤカワ文庫
価格:620円
あらすじ
これまでに発表された短編6編+書き下ろし1編のオムニバス形式です。当サイトでも感想を書いているものもあるので、そちらも併せてどうぞ。
帯には「シリーズ累計190万部突破!星界の逸話第3弾 アブリアル(皇族)、スポール(貴族)、エクリュア(士族)。そのとき何が彼らをそうさせたか?/明かされる30番目の氏族の話、書き下ろし短篇「来遊」収録」とありました。
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野営
→【小説】星界の断章 野営~ドゥサーニュの場合~ レビュー | Y.A.S.
→【小説】星界の断章 野営~ペネージュの場合 レビュー | Y.A.S.
→【小説】星界の断章 野営~ノールの場合 レビュー | Y.A.S.
出奔
優秀な姉・ラフィールとくらべて劣等感を感じる弟・ドゥヒール。彼は家出をしようと思い立ち、叔母・ラムリューヌの船に密航する。ところが隠れていた区画ごと、謎の船に積み込まれてしまう。その船は平面宇宙航行能力を持っていないにもかかわらず、8.1光年離れたクテス星系へ向かうという。帝国を捨てたというアーヴたちの行く末は…
介入
ベリサリア星系は窮地に陥っていた。50年前にスーメイ人と交わした契約に従い、惑星モメンタの引き渡しを迫られていたのだ。そんな中、新たに星系を訪れたのは帝国創建を知らせに来たアーヴ艦隊だった。一介の公務員に過ぎないアルコ・アウゴは、急遽アーヴ艦隊との交渉役に任じられるのだが…
誘引
翔士修技生としての訓練を終え、列翼翔士に任じられた若き日のクファディス。彼は同期であり友人でもある、スポール一族のフェリーグからいっしょに交易に出るよう誘いを受ける。交易に興味のなかったクファディスはその誘いに悩み、そのせいで家族との関係も微妙になってしまうのだが、最後にはその誘いを受けることに決めた。しかし翌日それをフェリーグに告げたところ、思いもよらない返事が返ってきて―
海嘯
→【小説】星界の断章「海嘯」 レビュー | Y.A.S.
離合(「岐路」から改題)
→【小説】星界の断章「岐路」 レビュー | Y.A.S.
来遊
帝国創建前の時代。平面宇宙航法を研究するドゥムイ委員会の次席書記・ロビート・ボイガは、委員会への参加を希望して遠くの星系からやってきた地上人・エディの世話係となる。ついに平面宇宙航法が確立したとき、ボイガは帝国からエディにある贈り物を携えてきたのだが―
感想
収録作品については予想が外れてしまいましたが、初出が同人誌だったことから収録は絶望的かと思われていた「誘引」が収録されたのはうれしい誤算でした。これは本当にこれまで全く読んだことがない作品でしたので…今回の作品はいろんな人がひどい目に遭うという話が多いように思いますけど、一番ひどい目に遭ったのはやはり不幸体質ことセスピーさんだったというオチ。「誘引」の結びにある
フェリーグに限らず、ありとあらゆるスポールと関わりなく軍務を終えられますように―セスピーは心から願った。
という言葉がこれほどむなしく響くとは。
そのほかの作品についてですが、初出時から大きく変更されているのは「離合」ですね。タイトルも変わっていますが、ノールの音痴がだれ譲りか、というエピソードが追加されています。本編では父親譲りということになっていたのですが、「岐路」では遺伝子提供者のコンサ譲りとも取れる記載があったのでちょっと気になってたんですよね。すっきりしました。
「来遊」は帝国成立直前についてかなり濃いエピソードが書かれているので、年表の作りがいがありそうです。でもエディが30番目の氏族の創設者になったというのはこれまでの情報と完全に矛盾するんだよなぁ…。「帝国暦42年、アーヴたちは地上人が同胞に加わることを許容した」という記載の「アーヴ」が、「遺伝子的なアーヴである子を持つ地上世界出身のアーヴ」と解釈すれば何とか…ただちょっと無理がありすぎるかも。エディも遺伝子的なアーヴの子を持つことを禁止されているわけではなさそうですし。
なお断章なので、メインキャラはほぼ出てきません。殿下?出てきますけど台詞は10個もないのであきらめてください。ジント?誰だっけそれ。
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2014-03-21
「星界の断章3」買いました。ざっと読んだので気づいたところだけメモ。感想は近日中に。更新もがんばります。
- 収録されているのは「野営」「出奔」「介入」「海嘯」「離合」(岐路)に、書き下ろしの「来遊」、同人誌に掲載された「誘引」
超外伝は掲載されず。
- 野営について
- 「ガイタソール子爵」のルビは修正された。リュトレーの家姓は修正されず。
- 誘引について
- まさかのクファディスさんが主役。ペネージュさんでないスポールにいいように振り回される話。その他クファディス一族が結構登場。
- 「帝国歴」の誤字あり(ここに限ったことではないが)
- 海嘯について
- 年代計算が合わないこと、惑星改造期間の記載に齟齬が見られることは修正されなかった
- 離合について
- 掲載時の「岐路」からタイトルが変更された。正直僕も「岐路」という題はどうかと思っていたので、これは良変更だと思う
- ノールの歌に関するエピソード(246ページ)が追加された
- 来遊について
- 平面宇宙航法の開発に寄与し、その功績をもって、地上人で初めてアーヴとなった人の話。
- いくつか疑問点あり
- 素直に読むと、ラムステュームの次の船王がドゥネーっぽいが、二人は祖母孫の関係なので、一代飛んでいるような気がする
- 帝国暦42年に3人の地上人がアーヴに加わることを許容したという「戦旗読本」の記載と矛盾する
- 「帝国暦前」のルビは「バイ・ルエコト」だったような…
2014-03-17
今日はちょっと忙しかったのでざっくりした更新で申し訳ないです。
今月後半はいろいろチェックしておくべき書籍が相次いで発売されますねぇ。
3/20の星界シリーズ最新刊「星界の断章3」ももちろんですが…
同じく3/20にはみずしな先生の「いとしのムーコ」最新刊に、新連載「たばたちゃん派」のコミックス…
ケロロ軍曹最新25巻が3/26に…
翌3/27には「テイルズオブTV」待望の第2巻が発売になります。
最近あまり漫画を買っていなかったので、この怒濤のラッシュには期待大ですね。問題は全部僕が感想を書いているシリーズだということで…
特にテイルズオブTVの元ネタ集はきちんとやりたいのでがんばろうと思います。
2014-03-09
再来週の連休に急遽東京に行かねばならなくなったのですが、連休初日ということもあってホテルが満室です。今日も一日ネットの海をさまよい、どうにかへんぴなところにあるホテルを押さえてはいるのですが…明日もキャンセルが出ることを期待してちょっと探してみようかなぁ。カプセルホテルは空いてましたが、僕やや閉所恐怖症気味なのであれはちょっと…なお今回は観光する暇がほとんどないので全くテンションが上がりません。しかも3/21って↓発売日の翌日じゃん…また感想書けないし…
それはさておき、「星界の断章3」の話題です。ようやくAmazonさんでも画像が公開され、大きな表紙イラストが閲覧できるようになりましたね。
予想通りの3人のイラストですね。ペネージュさんの頭環も翼のないタイプで安心いたしました。森岡先生、赤井先生、疑ってすいません。しかし毎朝髪を結うのにかなりの時間をかけるペネージュさんですが、訓練中でもサボっていないのはさすがです。
ノールさんは敬礼ポーズではありませんでしたね。ぼくの知る限りノールさんが表紙を飾ったのは、断章2とオーディオドラマCDブック、マスターガイドブック、戦旗DVD-BOXくらいだと思うんですけど、その中でもピカイチのかわいいイラストです。
ドゥサーニュ殿下は設定では濃紺の髪ということになっていますけど、アニメ版に準拠して比較的明るい紫色になっているようです。
しかしこうやって見ると星界軍は髪型に比較的寛容なんですねぇ。よく考えると、無重力下で長い髪を垂らしておくのは結構大変なんじゃないかと思うのですが…いや、経験ないんで単なる想像でしかありませんけど。
公式サイトでは、さらにあらすじが追加されています。
修技館はアーヴの初等学校にあたる。多くのアーヴは、軍士か交易者か、あるいは両方の人生を経験するのだが、いずれにせよ、修技館で学ぶ技術が必要になる。そこでは伝統的に、訓練生へ、とある行事が実施されていた。緊急事態への対応の差異を、皇族、貴族、士族の立場からそれぞれ描いた「野営」、そして「野営」の舞台となった惑星にまつわる、古き地上人とアーヴの関わりを語った、書き下ろし「来遊」等全7篇収録。
※公式サイトより引用
書き下ろしはクラベール・ソス(ラクファカールの有人惑星)に関する話かな…?でもあの惑星は一から作られた人工惑星なので、元々の住民はいないはず。「古き地上人」が何者か気になりますね。そして修技館は初等学校ではないと(以下略