2014-11-18
黒星紅白先生(飯塚武史先生)の画集が来春発売予定って帯に書いてあったよ!前作も買ってるから超楽しみだよ!でも前作から12年たってると知って軽くショックだよ!
それはさておき毎年恒例のキノの旅最新刊です。病院の待ち時間であっさり読了。
キノの旅XVIII the Beautiful World
著者:時雨沢恵一
レーベル:電撃文庫
価格:550円(税別)
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レビュー
全巻は新聞連載の総集編のような感じでしたが、今回から再び書き下ろしに戻っています(2編だけは出典あり)。
18巻に収録されているのは、キノがメインの「牛の国」「草原の話」「スポーツの国」「税金の国」「主食の国」「チョコレートの話」「お金の国」「私の戦争」「キノの旅の国」、シズがメインの「遺産の国」、師匠がメインの「止まった国」、キノ、フォト、シズが登場する「復讐の国」でした。しかし口絵に描かれているフルート(狙撃銃の名前)ゴツイな…キノが持っているとギャグにしか見えません。これを立射で200メートル先の的に当てるとかすごすぎ。
面白かったのは「お金の国」ですかね。お金を稼いで豊かになることではなく、お金を稼ぐこと自体が目的になってしまった国の人々を描いた、風刺のよく聞いた一編でした。どんだけ悲惨なオチが待っているのかとちょっと期待しながら読んだんですが、まさかの展開でちょっとびっくり。それから観光資源とその観光資源に縛られてしまった人たちの悲哀を描いた「遺産の国」かな。これ日本でも同じようなことを考えて悩んでいる人はいるんでしょうね。旅行・観光好きな身としてはちょっとばかし反省。
「キノの旅の国」はいきなりはっちゃけ展開だったので「だれだこれは!?」になりましたけど、オチが秀逸。実際の映画もこうやって原作からかけ離れていくんだなぁ…そういえばキノの旅は一度アニメ化されていますが、時雨沢先生はどう思っているのかちょっと気になる。
恒例のあとがきは「頭のいい人には見えないあとがき」でした。僕はもちろん頭がいいので見えなかった―と言いたいところですが、いつもの習慣ですぐに気付いてしまったのでちょっと複雑。でもシリーズはまだ続くそうですので、来年の19巻を楽しみに待ちたいと思います。
「この国では、どうしてこんなにもチョコレートが食べられているんですか?」
「そりゃあ、もちろん主食だからだよ!たくさん採れて、栄養がたっぷりあって、体にもいい。食べない理由がないよね?」
※第四話「主食の国」99ページより引用
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2014-10-05
本日は縮小更新です。
- 絶対絶望少女は3章終盤なのですが、セーブポイントがないイベントがかなり長く続いた挙句ゲームオーバーになったお…(リトライすれば直前からやり直せるんですが、リトライ禁止プレイをしているもので…)素直にジェノサイダーを頼るべきでした。反省。
- WA2はいよいよラスダンとその前のダンジョンを残すのみとなりました。隠しボスとか入れるとまだまだプレイできるけど、どうしようかな…トロフィーもないし、戦闘が結構たるいので、普通に終わりにするかも。
- TOS-Rは3週目に入りました。2週目をずっとハードモードでプレイするとアンノウンモードが登場するのですが、無事条件を満たせたようでよかったです。3週目でトロフィーコンプできるはずだけど、隠しダンジョン、闘技場、モンスターコンプなどさらなる苦行が…
それはそうと、今年もキノの旅の季節になりました。最新刊18巻が10/10に発売予定です。
今回はずいぶんハイコントラストな表紙ですねー。そしてキノの顔もますます美白になりました。
それから、先日第1巻のレビューをした、「軍師 黒田官兵衛伝」の2巻が10/29に発売予定です。
→【コミック】軍師 黒田官兵衛伝① レビュー | Y.A.S.
こちらも要チェックですよー。
2013-12-06
久々の時雨沢成分補充!ということで毎年恒例のキノの旅最新刊です。今回はちょっと厚め。理由は後ほど。
キノの旅XVII the Beautiful World
著者:時雨沢恵一
レーベル:電撃文庫
価格:630円(税別)
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レビュー
今回は2013年4月から、各地の地方紙で連載されていた話が主として収録されています。良い子も読んでいる新聞連載だけあってさすがに流血騒ぎとかは控えめにされていましたが、その分ほかの話ではっちゃけている感じでした。
17巻に収録されているのは、キノがメインの「旅人達の話」「自然破壊の国」「時計の国」「左利きの国」「割れた国」「貧乏旅行の国」「恋愛禁止の国」「料理の国」「広告の国」「鉄道の国」「旅の終わり」「神のいない国」「私達の国」、シズがメインの「渡す国」、師匠がメインの「遊んでいる国」「楽園の話」、誰がメインでもない「ファッションの国」の17編でした。短編が多めとはいえいつもの倍ありますね。本も既刊より分厚いです。
一番面白かったのはやっぱり「鉄道の国」かな。ほぼオチは予想どおりだったんですけど、人が人のために働ける動機付けは何かということを考えさせられましたね。あとは新聞連載で大人しくしていたキノの反動が思いっきりあふれてしまった「神のいない国」かな。キノの暴れっぷりを隠蓑にさりげなくホラーを突っ込まれると恐怖が2倍ということに気づいた。
そして最後の「渡す国」。これまでシズがどれほど苦労をしてきたかを知っているだけに、彼の最後の決断には心を打たれました。今回は脇役だったフォトもいい味出しているんだこれが。
あとは恒例のあとがきで、「学園キノ」についてもまだまだ執筆するつもりであるということが聞けて嬉しかったです。
あなたが誰かの手を握って
暖かく感じているとき
その誰かは冷たく感じている
※口絵イラストより引用
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2012-11-08
今年もキノの旅のシーズンがやってきましたね。毎年こうやってコンスタントに作品が出せるのはすごいなぁ。
今回も若干のネタバレ感想です。
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今回はキノがメインの「転がっている国」「死人達の国」「飲酒運転の国」「血液型の国」「恋文の国」,シズがメインの「育てる国」,フォトがメインの「見えない真実」「残されたもの」,キノ・師匠・シズが登場する「昼と夜がある国」の9編でした。
今回はいつにもまして風刺的な話が多かったですね。一番面白かったのは,国を捨てた男性が故郷に向けて送った恋文を巡る騒動を描いた「恋文の国」でした。最近ネットでもこういう話を見るけど,結局一番恐ろしいのは死んだ人じゃなくて今生きている人だということですね。
あと「死人達の国」は話自体が結構ホラーだったけど,むしろエルメスの方が怖かった。そういえばあまりに異常すぎて逆にスルーしてたんですけど,エルメスっていったい何者なんでしょうか。なんでモトラドなのにしゃべれるのか,確かなんの説明もされてないですよね?
それからまさか再登場すると思わなかったフォトの話。「見えない真実」は時雨沢先生らしい話でよかった。登場人物達がみんな他の人のことを大事に考えていて,お互いが幸福になろうと懸命に努力していて,そして奇跡は起きなかったけどみんなが少し幸せにになれた,そんな話。「残されたもの」もストレートに写真の持つ力を描いたいい話でした。思い出を形にすべき時というのはあるんですよね。
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2011-10-16
「夢のまた夢」を読むつもりだったのですが、それより前に買っていた「キノの旅〈15〉」を読んでいなかったことを思いだしたのでそちらを先に片付けることにしました。
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15巻はこれまでの前日談・後日談を回収するような話が多かったですね。「マニアの国」「フォトの日々」とか。確かにキノがああいう隠し武器を持っているのはちょっと違和感でしたのでなんかスッキリしました。フォトはもうでてこないものと思っていたので、彼女が幸せになっていて良かったです。
あと「ジャーナリストの国」は、最初読んだときはキノの国にそんな風習あったっけ?とか、キノにしては復讐の仕方が執拗なのはなぜ?とか疑問に思ったんですが、もう一度読み直して大事な事(キノが旅に出た理由)を思い出しました。そりゃキノも怒るわ。
ちなみに僕はキノの旅の話の中では自業自得系の物語が好きです。大砲を撃ったらそのまま自爆して国ごと滅んじゃった話とか。
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