2014-03-05
【小説】マージナル・オペレーション 05 レビュー
ようやく最終巻まで到達。次回作もすでに購入していますが、読むのはいつになることやら。
マージナル・オペレーション 05
著者:芝村裕吏
レーベル:星海社FICTIONS
価格:1250円
あらすじ
アラタたちに煮え湯を飲まされ続けた中国軍は、ついに4万規模の陸軍をミャンマー国境に派兵。アラタは敵が大軍であることに着目し、輸送路を攻撃し敵を食料切れで撤退に追い込もうとする。それと同時にスポンサーに資金援助を求める。当初はアラタたちを強化することで中国に本気を出させ、ミャンマー軍を戦争に引っ張り出すことで中国の戦力をそごうと考えていたスポンサーたちはそれに協力するが、やがてミャンマー軍が中国軍を恐れて停戦交渉を始めると、あっさりと手を引いてしまう。
そんな中でもアラタが率いる少年兵は中国軍へ連戦連勝。逆恨みしたキシモトによる襲撃もあっさりと退ける。そんなアラタの悩みは、スポンサーが逃げてしまったせいで子供達の生活を維持できなくなるかもしれないということ。ミャンマー軍の裏切りを防ぎ、中国軍の南下を阻止し、ついでに再就職を保証してもらうため、ついに最後の戦いが幕を開ける―
感想
というわけでいよいよ最終巻になりました。前回鍛えに鍛えた子供たちを、アラタが見事なオペレーションで導きながら連勝を重ねていくところは、ややご都合主義的な展開(味方側の損耗が極端に少ない)ながらもおもしろく読めました。今回も登場人物たちがそれぞれの思惑に従って動いていて、結果的に敵になったり味方になったりと人間関係がめまぐるしく変わるのが楽しかったですね。最終的にこの戦いが元で、中国の評価が下がり、世界の勢力関係が大きく変化した、というオチ(つまり架空戦記なわけですが)もすっと飲み込めたように思います。そういえば最後に名前が出てくるイーヴァ・クロダはガン・ブラッド・デイズに登場したキャラですね。
そしてすっかり忘れられた(訳ではないのですが)ソフィに代わり、今回もジブリールのかわいさはとどまるところを知りません。ようやくアラタもジブリールの気持ちに真剣に向き合うようになってくれて一安心でした。今回はカラーイラストが3枚ありますけど、そのすべてに絡んでいるというヒロインぶり。特に序盤の少しすねたジブリールがよかったです。
「ジブリール」
「……なに?」
目が点になった。ジブリールは恥ずかしそうに目をそらした。
「なんでしょうか」
「あ、ああ、そうか、言い間違いか、ははは」
(中略)
「タメ口を、きいてみたかっただけです。すみません。もう絶対一生しません」
※46~47ページより引用
というわけで、派手なドンパチはなく、戦闘描写は淡々と進められる感じでしたけど、オペレーターが少年兵を操って戦うという変わった視点での戦記として楽しめました。コミカライズもされているようなので、興味のある方は一度目を通して見てはいかがでしょうか。
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