2014-02-09
【小説】マージナル・オペレーション 04 レビュー
既にだいぶ前に最終巻(5巻)が出ているというのに今さら。
マージナル・オペレーション 04
著者:芝村裕吏
レーベル:星海社FICTIONS
価格:1250円
あらすじ
2000人の少年少女兵を率いるアラタは、ミャンマー北部の国境地帯で、ミャンマー軍に雇われて中国軍と戦っていた。子供たちを養うために、子供たちに命を懸けさせることに矛盾を感じるアラタ。しかしそんな矛盾を押し流すように現実は進んでいく。アラタの指揮は水際だったものだったが、ついに中国は正規軍である人民解放軍と投入し、豊富な兵器であっという間に戦局を硬直状態に戻してしまう。先の戦いで精神を病んでしまったソフィアの治療、懐かしい女性との再会、そして思春期まっただ中のジブリールとの関係。問題は山積みながらも、一つずつ解決していこうとするアラタ。敵の作戦意図を挫くための強襲作戦の成功後、ついに中国軍の本格的な進行が幕を開ける。
感想
今回は戦争物というよりはその合間にアラタたちが何をやっているか、という話がメインですね。廃村を前線基地にして子供たちを訓練したり、友軍のはずのベトナム軍の蛮行に怒って勝手に追い払ったり、スポンサー様のご機嫌伺いしたり。もちろんフィクションだと思うんだけど、単に「戦争に勝てばいいよね」という話になっていないところにリアリティがあります。アラタは戦争をどう上手に終わらせるかを常に考えて動いているのが面白いし、単純な英雄譚にならなくて面白いんです。
そして言うまでもなく今回はジブリール大活躍です。主にヒロイン的な意味で。アラタがいくら何でも色恋沙汰に鈍すぎるので逆にジブリールの方がかわいそうになってきました。ジブリールが不機嫌だから一緒に食事をしてあげてくれとほかの子供たちに頼まれて、なんとかジブリールを誘ったものの、なぜかほかの女の子にも同席を勧め、そして内心で
ジブリールは心優しい子なので、まあきっとサキにも優しくするだろう。サキがいれば変な雰囲気にもならないだろうし、これは僕の作戦勝ちというものだな。
※263ページより引用
なんて思っているヤツは石を投げられて当然です(もちろんジブリールの機嫌は直りませんでした)。
次巻はついに最終巻ですね。既に入手はしているので、来週までに読もうと思います。
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