2013-03-12
【小説】Steins;Gate 変移空間のオクテット② レビュー
とても処女作とは思えない名ノベライズでした。オクテットプレイした人は是非読むべき。
著者:明時士栄
レーベル:富士見ドラゴンブック
価格:714円
あらすじ
岡部がIBN5100を入手する直前、突如世界線変動が起こったかと思うと、そこにはIBN5100はなく、代わりに未来からやって来た鈴羽がいた。この世界線では、IBN5100は既に「機関」の手に渡っており、機関の敵と認定された岡部は失踪。2025年にようやく橋田と連絡を取り、その後に起こる世界恐慌を止めるため、岡部の指示に従って鈴羽が現在の秋葉原にやってきたというのだ。そしてその「機関」とは、岡部の妄想に頻繁に登場するあの「機関」らしい。にわかに信じがたい状況ながら、今日一日に起きた不可解な出来事から納得せざるを得ない岡部。IBN5100を取り戻すため、自分一人で戦おうとする岡部だが、彼の危機を知ったラボメンたちが、岡部の妄想通りの特殊能力を引っさげて次々に協力する。そしてついに「機関」に対抗する一大作戦が幕を開ける。この世界線で起こる怪異の正体は。IBN5100は無事取り戻せるのか、そして機関の刺客「黄昏の人形遣い」の正体は―
感想
いやーおもしろかった。まさかこういう形で風呂敷をたたむとは思いませんでした。ゲームではやや説明不足だった、オクテットにおけるカオヘとシュタゲのつながりを1巻かけてきっちり描いていたのはお見事でした。またシュタゲ小説に新たな名作が加わりましたね。ラボメンたちの厚い友情と、妄想が実現化した世界でノリノリの岡部↓(とダル)が話を存分に盛り上げてくれました。まゆりの特殊能力にはフイタ。
そしてなんと言っても素晴らしかったのは、β世界線の助手(オカリンと出会って数日しか経っていない)とオカリンとの関係が目に見える形で一歩前進したことですね。これは原作で登場した台詞を非常にうまくつなげていて感動しました。オカリンやる時はやるじゃん。何の話か気になる人は141ページの挿絵を見ればいいんじゃないのかな。ただネタバレなしで読んだ方が衝撃はでかいと思います。
巻末にはおまけで1巻・2巻双方に収録された挿絵のラフスケッチが掲載されています。
「うそ、あの化け物を一撃で?」
「清心斬魔流が操るのは浄化の力だ。穢れに塗れた黄昏騎士団にとっては、まさに天敵ということだな!」
……はっ、いつの間にやら俺が”解説者”っぽいポジションになっている!(中略)
「漆原るか……剣術の使い手だとは聞いてたけど、まさかこれほどだったなんて……」
ゴクリと鈴羽が息を呑む。しっかりしろ鈴羽、おまえまで背景キャラっぽくなってきているぞ!
※112~114ページより引用
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