2023-08-26
【ゲーム】Fire Emblem Engage レビュー
風花雪月とはまたテイストが違う、FEらしいSRPG。
Fire Emblem Engage
プラットフォーム | Nintendo Switch | |
ジャンル | シミュレーションロールプレイングゲーム | |
価格 | パッケージ版:7,678円(税込) ダウンロード版:7,600円(税込) 限定版:10,978円(税込) |
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公式 | ファイアーエムブレム エンゲージ | Nintendo Switch | 任天堂 | |
プレイ時間 | 1周目:109時間(本編+DLC) |
ストーリー
- かつて神竜との激しい戦いの末封印された「邪竜」。日に日にその復活の兆しが強まるエレオス大陸で、神竜の子である主人公は長き眠りから目覚める。母である神竜の頼みで、かつてともに戦った紋章士が宿る12の指輪を集めるため、主人公は旅に出るのだった―
- ということで、指輪を集めて邪竜と戦うという超王道ど真ん中のストーリーです。前作の風花雪月が仲間同士で戦う、つまり正義対正義という重いシリアスな内容でしたが、今回は明確に正義対悪、光対闇の構造になっているので幾分明るくはなっています。ただやっぱりストーリー的には前作の方が複雑で面白かったですね。大体こういう「敵の復活を防ぐためキーアイテムを集める」系のストーリーって、「キーアイテムを集めながら仲間が増えていく」→「(ほぼ)全部集まったところで敵に大敗し、キーアイテムを全て奪われる」→「ラスボス復活で大ピンチ」→「キーアイテムを超える隠しアイテムで主人公が超強化される」→「大団円」の流れになるのは明らかじゃないですか。今回もそのまんまの流れだったのでちょっと物足りなさを感じました。よく言えば王道、悪く言えばマンネリ。
- ただ風花雪月と違い何周もするタイプのゲームではないので、先が読みやすい展開も一概に悪いというわけではないです。特にSRPGはメインストーリーの合間にやることが多く、ストーリーが複雑だとどこまで進行したかを忘れてついて行けなくなりますからね。そういう意味ではわかりやすいストーリーはよかったと思います。
- 作中で助けてくれる「紋章士」は、過去のFEシリーズの主人公たち(主人公じゃない人もいますが)です。彼らは指輪に宿り、元の世界の記憶も持ちつつ、この世界を救うために戦ってくれるのですが、指輪から紋章士を顕現できる者には逆らえないという枷もあり、時に敵に、時に味方になってハラハラさせてくれました。どのキャラにも非常に強い特殊能力が設定されていて、懐かしいキャラが今作の仲間達とともに暴れてくれるのはうれしい仕様でした。
- 今作も主人公は男女から選択できます。
システム
- オーソドックスなSRPGと同じく、育成パート、ADVパート、シミュレーションパートを繰り返して物語を進めていく構造です。
- 主人公たちは(前作の士官学校に当たる)拠点を持っていて、育成パートはそこで過ごすことになります。育成パートではアイテムを入手したり、クラスチェンジやスキル継承によりキャラを強化したり、鍛錬によって経験値を得たりすることが出来ます。
- 育成はSRPGの要なのですが、今作は前作にも増して不自由でした。クラスチェンジにしろ、スキル取得にしろ、武器の強化にしろコストが高くて気軽に出来ないんですよね。基本的に加入時点から育成方針を決めて、そこに向かってまっすぐ育てても、フリーバトルをよほどこなさない限り目標まで到達できないキャラの方が大衣のではないかと思います。yukkun20も攻略サイトを見ながら育成計画をきっちり立ててプレイしましたけど、目標とする強化が完了したのは3人くらいだったかな。
- またカフェテラスやプールなどで仲間との絆を強めることが出来ます。仲間と絆が深まると支援会話が発生して支援関係がアップし、戦闘時にも隣接しているといろいろボーナスがあったりと相互作用があります。過去作だと支援関係のアップは戦闘中にしか出来ませんでしたが、本作は拠点でも関係を深められるのはよかったですね。ただ主人公と仲間以外にも仲間同士の人間関係もあり、全てをMAXにするのはほぼ不可能ですが…
- フリーバトルでは経験値を理論上無限に稼げますが、難易度ハード以上だとストーリーバトルより数段強い敵しか出てこない上に、途中で撤退できないこともあってなかなか扱いがむずかしかったです。クラシックモードだとフリーバトルでも死亡すればキャラロストなので、yukkun20はフリーバトルをほぼプレイしませんでした。
キャラクター
- ユニットとして使用できるキャラは36人+DLC5人です。前作とほぼ同じですが、今作はルート分岐がなく基本的に加入すると離脱しません。前述の通り育成のコストも高いので、ほとんどのキャラが二軍になってしまうのが悲しいところ。(1マップの出撃人数は11人前後)。
- 支援会話は非常によく出来ていて、キャラクターの生い立ちや過去、信念、好き嫌いや主人公に対する思いなどメインストーリーだけではわからない情報がてんこ盛りです。気に入ったキャラとはぜひ関係を深めてほしいです。
- 仲間は基本的には大陸にある4カ国の王族とその騎士たちで構成されているのですが、どの国もそれぞれの信念を持っています。王子や王女も多いのですが、父王や母王の統治を見ながら自分なりの感覚も磨いていて、皆好感が持てる性格になっていました。騎士たちもどうして忠誠を誓っているのかについてもきちんとバックボーンが設定されていますし、また暇な時間をきちんと鍛錬に当てていることが垣間見えて、やはり魅力的なキャラが多かったです。
- 個人的にはアイビーがお気に入りキャラでした。彼女は邪竜を崇めているイルシオン王国の第一王女で、最初は主人公たちと対立するのですが、最終的には国から捨てられ、自分のしていたことに疑問を抱いて、主人公サイドに投降してきます。そのせいで生まれた国や家族と戦うことになるし、イルシオンに家族を殺された仲間からは冷たい視線を向けられたりして非常に苦労することになります。本人はクールな性格で気にしていないような顔はしているのですが、もちろん平静でいられるはずもなく、心の中は乱れに乱れています。支援会話とかでそういう気持ちを打ち明けてくれたらもう好きになるしかないよね。
- そして支援関係を極めたキャラのうち、たった一人だけ、大切な指輪を贈って深い関係になることが出来ます。yukkun20はセーブ&ロードを駆使して女性全員分を見ましたが(※指輪は男性に送ることも出来ます)、やっぱりアイビーが最高だったぜ。
- 最終戦まで生き残ったキャラには充実した後日談があるのもポイント高いですね。
戦闘
- バトルパートは、FEではお馴染みの、スクエア制シミュレーションになっています。高低差やZOCはありません。3すくみや飛行特攻などが復活していて、往年のFEと同じ感覚でプレイできます。前作にあった武器の消耗要素はなくなり(杖やアイテムは使用回数が設定されていますが)、強力な武器も気軽に使えるようになりました。
- 戦闘は、味方ユニットが全員行動→敵ユニットが全員行動、という、最近は少なくなったオーソドックスなターン制です(yukkun20はこれが好きです)。今作の敵は基本的に数の暴力で殴ってくる上にいい感じに増援も湧いてくるので、先手が取りやすいターン制でもだれることはありませんでした。yukkun20は真ん中の難易度であるハードでプレイしましたが、それでもきちんと育成をしていないと苦戦する難易度でしっかり楽しめました。
- 敵との戦闘は専用のバトル画面に移行して行われるのも過去作通り。アクションはかっこよく、それでいて進行を阻害しない程度に演出がまとめられておりバランスが良かったです。
- 紋章士の指輪は、装備しているだけで紋章士の持つ強力なスキルが使えるようになります。またターン制限がありますが、紋章士をエンゲージして一心同体の状態になり、非常に強力な攻撃を繰り出すことも出来ます。一度エンゲージするとしばらくはエンゲージできなくなるので、マップのどこでエンゲージを切るのか、戦略的な要素としてもいい味を出していました。
- FEらしく、戦闘不能になったキャラはストーリー上も出撃不能になるクラシックモードもありますし、その戦闘で出撃不能になるだけで、ストーリー上も影響のないカジュアルモードもあります。難易度と合わせて選択することで、自分のプレイスタイルに合わせたプレイが可能ですね。
- 戦闘中は次ターンであればいつでもセーブできますし、ターンを巻き戻す、「竜の時水晶」というシステムがあります。なのでクラシックモードでうっかり仲間が死んでしまっても安心です。そんなの邪道、という方は縛ってプレイすることも出来ますし、いいんじゃないでしょうか。1ステージが1時間以上かかることも珍しくなく、終盤で仲間がうっかり死してやり直し…はモチベーションにすごく影響するので、このシステムはあって良かったです。ハード以上の難易度では使用回数制限がありますが、不足することはなかったです。
総評
- ということで、難易度も落とさず(ハード)、クラシックモードで全ステージノーデスクリアしました。全26章+外伝15章+DLC12章とボリュームも十分でした。ただやはりSRPGはキャラを試行錯誤しながら育てていくのも楽しみの一つなので、もう少し育成の自由度を広げてくれれば良かったのではないかと思います。特にクラスチェンジ回りとスキル継承周り。この硬派っぷりがFEだと言われればその通りなのですが。
- とはいえ今回も安定の面白さでした。老舗のシリーズでありながら、こうやって定期的に新作を出してくれるのはありがたいですね。次回作も楽しみにしています。SRPG好きなら是非プレイしましょう。
前作と作風を変えてる感じなんですね
>>ただやっぱりストーリー的には前作の方が複雑で面白かったですね
大人向けから少年漫画になったみたいな? でもこういうシリーズものは それぞれの良さを出せばいいと思います
>>FEらしく、戦闘不能になったキャラはストーリー上も出撃不能になるクラシックモードもありますし
レトロ時代は取り返しつかなかったであろうと考えるとシビアなシステムですよね
>>もちろん平静でいられるはずもなく、心の中は乱れに乱れています。支援会話とかでそういう気持ちを打ち明けてくれたらもう好きになるしかないよね。
建気に見えても内心苦心しているキャラは好きになるのわかります
2023.08.27 09:46 | by sasa
> でもこういうシリーズものは それぞれの良さを出せばいいと思います
そうですね。おんなじだとマンネリになっちゃいますし。
2023.08.28 01:37 | by yukkun20