2023-02-19
【ゲーム】モノクロームメビウス 刻ノ代贖 レビュー
システム的にはややこなれていない部分があるものの、ストーリーの良さがすべてをカバーしている名作。
モノクロームメビウス 刻ノ代贖
プラットフォーム | PlayStation 5 / PlayStation 4 / Steam | |
ジャンル | RPG | |
価格 | 各8,580円(税抜価格 7,800円) | |
公式 | モノクロームメビウス 刻ノ代贖 公式サイト|アクアプラス | |
プレイ時間 | 1周目:55時間(トロコン) |
ストーリー
- 大国ヤマトの辺境エンナカムイで母と妹と暮らす青年・オシュトルは、ある日里に迷い込んだ一人の少女・シューニャに出会う。シューニャはオシュトルのことを知っており、しかも幼い頃死んだと思われたオシュトルの父、パシュパクルの娘だという。彼女に父の面影を見たオシュトルは、生き別れとなった父を探すシューニャのため、彼女の故郷、アーヴァ=シュランを目指すことになる―
- アクアプラスの人気シリーズ「うたわれるもの」で、第2作「偽りの仮面」の前日譚を描いた物語です。第2作で重要な役割を演じたヤマトの右近衛大将オシュトルが、いかにして武を磨き、帝の信を得てその地位へ就いたのかが描かれています。
- ストーリー的には文句のつけようがなかったですね。笑いあり、シリアスあり、どんでん返しありとエンターテイメントにふさわしい内容になっていました。それだけでなく、オシュトルの立身出世や宿命のようなものが非常に濃厚に、説得力を持って描かれていました。同じ師に師事したミカヅチやムネチカとの熱い友情は見ていて本当にかっこよかったですし、妹を守り、父を超えんと修行に励み、めざましい活躍を遂げて人々や帝の信頼を得ながらも、若者特有の熱さで突っ走るオシュトルの物語は見ていて面白かったです。
- しかしシリアス一辺倒ではなく、一向に加わる謎のぬいぐるみ・ハルを中心にコミカルなシーンも多く、そこのバランスはさすがうたわれるものといった感じでした。4人の丁々発止の掛け合いもすばらしい。
- また、「偽りの仮面」「二人の白皇」につながる細かい伏線が丁寧にはりめぐらされていながら後付け感がなく、前日譚としても申し分のない出来だったと思います。ウコンとサコン誕生秘話や、ネコネとミカヅチの微妙な関係、仮面の出自、ムネチカの家系、アンジュがオシュトルになついている理由などなど。それ以外にも細かい伏線が見え隠れして、他作品をプレイしていればより楽しめると思います。
- ただマロロとオシュトルにこんな深い関係があったのはちょっと意外でしたね。過去作でそれをうかがわせる場面あったっけ。
- 物語は一応きちんと完結していますが、最後にめちゃくちゃでかい謎をぶちまけて終わったので、これは続編があるってことですかね。楽しみにして待とうと思います。
システム
- オーソロックスにフラグを立てながら進めるRPGです。
- フィールドや街は3Dで描かれていて、自由に動き回ることが出来ます。グラフィックは緻密とは言いがたい出来ですが、雰囲気を壊さないクオリティは保っているので、気になるほどではありません。過去作で出てきた場所もチラチラ見えたりして、特に帝都歩きは楽しかったです。
- 当初システムはやや古くさい感じがあったそうですが、その後のアプデで改善されています。yukkun20はアプデ前をプレイしていませんが、ファストトラベルの仕様がやや不自由なくらいで特に古くさい感じは受けませんでした。
- 敵を倒したりフィールドで拾ったりした素材を使って、ハル(前述の謎のぬいぐるみ)の便利な機能を解放したり、装備品を強化したりするシステムもあります。これもザコ戦を積極的にこなせば素材集めに奔走しなくても必要なものは大体集まるようになっていましたし、レベルの低い敵はフィールドアクションで倒せる(ドロップは通常戦闘で倒した場合と同じ寮が手に入る)システムなのでテンポはよかったですね。
- ゲームクリア後は、おなじみのギャラリー鑑賞や音楽鑑賞、キャストメッセージもあるのが嬉しいところ。
キャラクター
- メインキャラクターは、オシュトル、シューニャ、ムネチカ、ミカヅチの4名です。
- この4人、過去作ではあんまりなれ合っている感じではなかったので、若い頃はどんな感じだったのかなーと思ってましたが、むちゃくちゃ仲ええな。特にミカヅチはオシュトルへの劣等感から絶対一度は闇落ちするんじゃないかと思って見ていたんですが、そんなことはなく、まさに好敵手と書いて「とも」と読むを地で行く関係でした。これを見ると、「二人の白皇」でオシュトルの正体を知った時のことが違って見えますね。確かにこの関係なら、自分が知らないところでオシュトルが…というのはミカヅチにとってなかなか受け入れられなかったのは分かる気がします。
- シューニャはこの中で唯一続編に登場しないキャラなので、もしかして…とこわごわしながら最後までプレイしていたんですが、ひとまず懸念が外れて安心です。ただ彼女の出自にはまだまだ大きな秘密がありそうですね。次回作で明らかになるのを楽しみにしています。育ちのせいが微妙に殺伐としたところはありましたが、天真爛漫でパーティのムードメーカーとして、また皆の妹として愛されるキャラでしたね。皆口さんの声がたまらんのじゃ。
- そしてムネチカ。過去作ではめちゃくちゃ堅苦しいしゃべり方をする彼女ですが、若い頃は普通の女の子っぽい…いや、女の子っぽくなろうとしていたのが微笑ましいですね。ミカヅチやハルには散々いじられ倒されていましたが。特にトカラでの一件は泣いていいよ。
- オシュトルたちの師匠で、八柱将のディコトマ、めっちゃかっこいいんだよな…。まさに理想のオヤジという感じで、弟子たちから深く慕われているのも納得の人格者でした。物語の展開上ああなるのは仕方ないんですけど、もっと長く見ていたかったです。
- そのほかおしゃまなネコネ、相変わらず傍若無人なアンジュ、ご隠居姿が板に付いている帝、若い頃はなかなかとがっていたホノカなど、よく知っているキャラのこれまで見たことがない姿が見られたのもよかったです。
- 今回もオシュトル、ウコン、ハルと一人三役だった利根健太郎さん、お疲れ様でした。
戦闘
- 戦闘はシンボルエンカウントです。フィールドアタックを当てることで、有利に戦闘を始めることが出来ますし、また極端にレベルの低い相手はそのまま戦闘に入らず倒すことも可能です。
- 戦闘は、三重の円環の上をキャラクターが時計回りに移動し、指定の場所に到達したキャラクターから行動が可能になる、アクティブタイムバトルです(軌跡シリーズやアトリエシリーズと似たような感じ)。ただし内側の円ほど1周にかかる時間が短い=行動回数が増えます。敵を倒したり、気絶しているところに攻撃を当てたりすると、内側の環に射る敵を外にはじき出して自身が内側の環に入れます。敵も同じようなことができるので、長期戦ではうまく内側の環に入り込むのがポイントになります。
- また行動によって気力が一定以上溜まると、強力な奥義を使うことが出来ます。4人の奥義はどれも戦局を一変させる力を秘めているので、うまく当てていきたいですね。カットインも格好いいんだよな…
総評
- 正直発売前はシステムの荒さが見えていたりして、ちょっと心配でもあったのですが、プレイしてみれば素晴らしいゲームでしたね。「偽りの仮面」「二人の白皇」のファンなら絶対プレイすべき作品だと思います。表情パターンが少なかったり、フィールドがやや見づらかったり、モブグラフィックが半端だったりと気になるところがなくはなかったのですが、いつも言っているとおりRPGで大切なのは「ストーリー」「バトル」「キャラクター」で、その3つは不満のない出来だったので、評価としてはかなり高いです。アクアプラス…SRPGだけだと思いきや恐ろしい子!
- ただ最後の最後ででかい謎を残してしまったので、早く次回作が見たいですね。
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20:28 | レビュー > ゲーム > うたわれるものシリーズ | モノクロームメビウス | (4)
お疲れ様でした
実は僕この作品はプレイしていないのですが良質なRPGなようですね
シリアスとコミカルのメリハリがついてますよね うたわれシリーズは
>>若者特有の暑さで突っ走るオシュトルの物語は見ていて面白かったです。
偽り仮面ではどっしり構えていたオシュトルも初めからそうではなく色んな経験積んできたってことですよね
>>また、「偽りの仮面」「二人の白皇」につながる細かい複線が丁寧に改修されていて、前日譚としても申し分のない出来だったと思います
世の中には前日談を嫌う人もいますが 過去が掘り下げれることで観方が変わるのが好きです
ヤマトのキャラクターは過去に色々あったのだろうと思わせる描写はありましたがこうして形として出すのはうれしいですね
>>「ストーリー」「バトル」「キャラクター」
yukkun20さんのゲーム 最大原則になってるよな
2023.02.19 21:56 | by sasa (@qzcn82k7xcp8pe3)
リリース直後はいろいろ言われていましたが、大きな問題はアプデで改善されたので現在は名作と言っていいと思います。中身もまさにうたわれという感じで、無理のあるつじつま合わせもなく、サブキャラも魅力的でした。sasaさんにもおすすめしておきますよー。
> yukkun20さんのゲーム 最大原則になってるよな
システムやUIの悪さはプレイしている時は気にはなるんですけど、ゲームから離れてしばらく立つと印象が薄くなるんですよね。
2023.02.19 23:50 | by yukkun20
そういえば結局ホグワーツはプレイしないんですね PS5の性能を生かしたゲームってこういうのだと思うのですが
好みの問題なのでしょうか
2023.02.20 19:47 | by sasa (@qzcn82k7xcp8pe3)
ハリポタ未履修者にはちょっとハードルが…
2023.02.20 23:25 | by yukkun20