*Y.A.S.*

ストーリー

ヒーローに憧れ、友人の弓川クロスと共に結成したチーム「中野シンフォニーズ」のハッカーとして活動する少年・高岡ポロン。ある日彼は、街で偶然出会った少女が軍に追われていることを知り、助けの手を差し伸べる。彼女は世界を終末から救うため、敵の目をかいくぐってある男を捜していた。ポロンはモモに協力する中で、何者かの干渉により特別な能力に目覚めるのだった―

健気で、助けてあげたいと思わせてくれるヒロインでしたね。

というわけで、科学ADVシリーズの最新作ですね。完全新作としてはロボノ以来でしょうか。初報があったのが2015年3月ということで7年ほど待ちましたが、ストーリー的には結構満足のいくものだったと思います。

ただ日常パートの割合が薄く、突然大事件に巻き込まれ、ほぼその勢いのまま最後まで突っ走るので、シュタゲのような日常と非日常の落差から来る恐怖感みたいなのは少なめでした。終盤の展開にご都合主義な部分が多かったのも気になります（特に「災厄」周りと、メテオハックと、第11章）。ただ、世界シミュレーション仮説をモチーフにしたメタ的要素たっぷりのストーリー展開は大変yukkun20好みのものでした。ポロンたちが作中で感じた葛藤は、現実世界に生きる自分たちも同じレベルで抱くはずのもので、感情移入しやすかったです。

漫画的な演出もスピード感が出ていて良かったです

ポロンの能力はシュタゲのタイムリープマシンの焼き直しだと思いますが、それなりに差別化が出来ていたと思います。というか物語設定的には多分、オカリンの戦いを見ていた「観測者」が、それをヒントに、さらに改良した能力を与えた、と解釈するといいのかもしれませんね。

システム

基本的にはオーソドックスなADVです。主人公ポロンは「セーブ＆ロード」という能力を持っており、任意のタイミングで状況をセーブし、またロードすることが出来るのですが、セーブはともかく、ロードはプレイヤーがさせる形になっていて、それによりストーリーが分岐するというシステムになっています。

ゲーム上のセーブ画面と、ポロンのセーブ能力は一元化されています。作中のセーブ時間と、現実のセーブ時間の見分けが付きにくいのはちょっとマイナスかも

分岐ポイントは思ったより多く（展開が多少変わるだけで大筋が変わらない分岐も結構ある）、見つけるのは結構大変だと思います。yukkun20は攻略サイトを参考にして進めましたが、いくつか分岐を見逃していたことにクリア後気づきました。シュタゲのシステムに似ていますが、世界設定上、プレイヤーが直接介入している感があっていい演出だったと思います。

また科学ADVでおなじみの用語集もあります。またおまけでライフゲームがプレイできるようになっています。

キャラクター

正直なところ、この作品が発表された時はキャラクターに魅力を感じなかったのですが、プレイを始めるとその魅力にやられてしまいました。ポロンは思春期特有の万能感に支配された少年ですけど、決して愚かでも無謀でもなく、それでいて見ず知らずの人のために自然に手を貸せる気持ちのいい男でした。彼を取り巻くヒロインのモモ、友人のクロスやウインドも、そんなポロンを支え、励まし、どんなピンチでも見捨てようとしない、気の置けない仲間達でした。あとノンノかわいい。

フードファイターかな？？

また個人的に気に入ったのは、サイバー対策室室長のカオルですね。ハッカーを主人公に据えた物語で警察官なんて敵役に決まっていると思うんですが、彼はそんなところはなく、警察官としての正義を貫きつつ、必要であれば組織や国家にも立ち向かう気概を持っている男で、それでいて一介のハッカーに過ぎないポロンたちの事を認め、必要であればその作戦に乗っかることも出来る素晴らしい大人でしたね。

まああとはやっぱりあの人ですかね。登場する可能性は高いと思ってましたが、まさかアマデウスとして登場するとは思っていませんでした。というかSG世界線でアマデウスはどういう扱いなんだったっけ…その他ダルやフラウもこの世界で活動していることが分かる演出もあって嬉しかったですね。

懐かしい名前がありますね

総評

ということで、さすがにシュタゲには及びませんでしたが、すごく科学ADVらしい物語でした。ネット上では賛否両論の今作ですが、yukkun20は結構好きです。ただ各キャラの掘り下げが少なかったのも事実なので、これから派生作品とか出てくると嬉しいなぁ。またこれまでの作品と今作との関係も気になるところですね。

普通に考えると、過去作と今作は直接はつながっていない気がします。

さて、千代丸スタジオの次回作はどうなるのかなぁ。シュタゲゼロ エリートも待っていますが、今さら感もしてきたので、完全新作でもいいなぁ。

最後に汎用性の高そうな婦警さんの画像でも。

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