2013-01-03

【小説】Steins;Gate 変移空間のオクテット① レビュー

電車に乗っている途中に読んだこの小説のレビュー。…これも買ったのは去年なんだからねっ!


Steins;Gate 変移空間のオクテット①

著者:明時士栄
レーベル:富士見ドラゴンブック

あらすじ

本編終了後、岡部倫太郎がたどり着いた世界線「シュタインズゲート」の世界。ある時岡部はリーディングシュタイナーの発動を感知する。それと共に届く1通のメール。それは15年後の自分から届いたDメールだった。この時代でナイトハルトなる人物がIBN5100を入手したことにより、世界中の基幹産業が「萌え」にすり替わったことで世界恐慌が発生し、未来は悲劇的な状況になっているらしい。それを阻止するため、未来の岡部はIBN5100の入手を指示してきたのだ。しかしこの世界線は、これまでのどの世界線とも違う、狂気と理不尽の支配する世界だった。
果たして岡部はIBN5100を手に入れることが出来るのか。そしてナイトハルトは何をしようとしているのか。

感想

通称シュタゲ8bitこと変移空間のオクテットのノベライズです。これがノベライズとかどんな判断だ。と思って読み始めましたけど、なかなか面白かったです。
この小説は1巻ということになっていますが、ゲーム中のシナリオはほぼ全て網羅されています。ただラストシーンのみが変更されていて(岡部がIBN5100を入手する直前、世界線の変動が再び起こり、「機関」によって世界恐慌が発生する世界線へ迷い込んでしまう)、次巻に続く、となっていました。
作者の方はこれがデビュー作のようですけど、癖のない文章で読みやすかったです。ただ芝村節や森岡節に調教されている身としてはちょっとあっさり風味の気もしましたが。なお「光学迷彩ライト」「橋を塞ぐ黒騎士」「特定のアイテムがないと開かない扉」などのゲーム的ギミックをそのまま現実に落とし込んでいるせいで、かなりカオスな展開になっているのが笑えました。あと岡部の空回り感も絶好調で、台詞を脳内再生できるとより楽しめます。
ラボメン達の出番はやや少なめ(特にルカ子とダル)ですが、助手は相変わらずチョロい子です。

「橋田やまゆりだっているのに、どうして私に助けを求めてきたの?」

「それは…」(中略)これは返答を間違えると確実に地雷だぞ……答えは慎重に選ばねば。

「それはお前が、俺の助手だからだ!」

「……はぁ」

 まずい、ため息をつかれた! ちぃ、答えを間違ったか?

「い、いや! つまりだな、俺が頼れるのは、いつだってお前だということだ! どんなときでも俺を支えてくれるのは、紅莉栖、お前しかいないと思っている……!」

「えっ」(中略)「あ、そ、そうなの? ふ~ん。それはこ、光栄というか……悪い気は、しないわねっ」

※179~180ページより引用

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