2022-06-26
【ゲーム】Xenoblade Definitive Edition レビュー
このレベルのRPGが10年前に出ていたことに驚愕。3にも期待しかない。
Xenoblade Definitive Edition
プラットフォーム | Nintendo Switch | |
ジャンル | コンピュータRPG | |
価格 |
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公式 | Xenoblade Definitive Edition(ゼノブレイド ディフィニティブ・エディション) | Nintendo Switch | 任天堂 | |
プレイ時間 | 1周目:98時間(本編クリアまで) つながる未来:+14時間 |
ストーリー
- かつてこの世界にいたのは巨神と機神の二柱だけであった。二神は激しい争いの末に骸となり、その身体の上には豊かな生命が育まれていた。巨神の上にあるコロニー9で暮らす少年・シュルクは、幼なじみのラインやフィオルンと共に、研究に明け暮れる日々を送っていた。しかしそんな日々は、機神界からやってきた機神兵がコロニー9を襲った時に終わりを告げる。かつて村の英雄・ダンバンが振るったモナドという剣で機神兵を退けたものの、その襲撃でフィオルンは命を落としてしまう。シュルクはフィオルンの敵討ちのため、また機神界が巨神界を襲う理由を知るため、ラインと共に旅立つのだった―
- 王道に分類される物語ですね。故郷が襲われて大切な人が命を落とし、復讐のために旅立って戦っていくうちに世界を巻き込む問題に巻き込まれ、現れた真の黒幕に立ち向かう…というストーリーです。しかし世界観の異質さや、終盤に始まるSF展開、そしてスケールの大きなエンディングなど、この作品ならではの特色が盛り込まれていて、全く陳腐な感じはありませんでした。それでいて設定があふれて話が分かりにくいということもなく、安心して見ていられます。
- 広漠とした世界に2体の巨神がいて、人々はその上で生活しているという非常に特殊な世界が舞台ですけど、世界の広大さと有限性がうまく表現されています。遠景に見える機神の姿とかの壮麗さはなかなかのものです。フィールドもきわめて広大かつ美麗。もとはWiiのゲームなので、リマスター化されているとはいえ2022年現在の最新のゲームの美しさには及びませんが、全く妥協を感じません。遙か彼方まで続くフィールドを走り続けるだけで楽しい。ワープシステムが充実していたり、移動中もアイテムが拾えたりランドマークという景色が美しい場所で経験値がもらえたりと、フィールド探索も飽きさせない工夫が満載です。うろうろしていると強力なモンスターに絡まれてボコボコにされるのもまた楽しい。時間帯の要素もあるんですけど、時間は自由に切り替えられるのでそこでストレスを感じることはないです。
- ただフィールドの割りにワープポイントが少なく、移動にかなりの時間を費やさなければならない場面も多い(メインストーリーでは気になるレベルではありませんが、サブクエストをこなそうとするとかなり大変です)ので、そこはもう少し改善してほしかったかも。各マップにあと2つか3つ増やすだけでも大分違うと思うんです。それでもロード時間が非常に短いのでイライラは少なめでした。
- また今作には、本編の1年後の世界を描いた「つながる未来」というエピソードが追加されています。メリアとシュルクが、新たなフィールドを旅しながら、メリアの故郷を取り戻すというストーリーになっています。このエピソードは本編をクリアしなくてもプレイできる(本編のデータも引き継がない)ので、Wii版や3DS版(以下まとめて「オリジナル版」といいます。)を最近プレイしていて、もう1回本編をプレイするのは…という方にも優しいですね(ボリュームは控えめなので、フルプライスと釣り合うかはまた別問題ですが…)
システム
- システム的にはオーソドックなRPGですが、上記の通りフィールド探索が楽しめるようになっています。フィールドには時々場違いなモンスターも徘徊しているんですが、抜け道を使ったり忍び歩きを使ったりして見つからないように気をつけて突破し、その向こうに絶景ポイントが広がっていた時はたまりません。経験値ももらえて一石二鳥。
- メインストーリーもかなりボリュームがありますが、それにプラスしてサブクエストが400以上準備されています。数は多いのですがよくあるお使いクエストがほとんどで、やや飽きが来るのもまた事実。しかしながらクエストをクリアすることでNPCたちの人間関係が変化し、それが「キズナグラム」という人間関係相関図にダイレクトに反映され、知り合いの知り合いが知り合いみたいな感じでだんだん愛着が湧いてきます。
- クエスト自体も自動生成っぽいものは少なく、アイテム集めにしろモンスター退治にしろ依頼してくるNPCなりの事情があって始まりますし、終わるとそれが別のサブクエストのトリガーになったりして、行く末が気になる作りになっていました。
- オリジナル版では、サブクエストに必要な特定のNPCを探そうとすると、そのキズナグラムからその人物を捜し、そこにある補足情報から居場所を特定するという作業が必要になるんですが、キズナグラムが五十音順などの並び替えが出来ないので非常に面倒くさく、しかも補足情報もかなり大雑把なのですごく大変でした。しかしリマスターに伴い、目的のNPCがどのマップにいるか、現在の時間帯に活動しているか(※NPCたちは概ね昼か夜のどちらかしかマップ上で活動せず、夕方(もしくは明け方)になると自宅へ戻っていく)がすぐ分かるようになり、さらにそのNPCがいるマップに行くと、NPCの元へ向かうための最短ルートが表示されるようになったので非常に楽になりました。このルートガイドが非常によく出来ていて、フィールドの高低差をきちんと織り込んだルートが表示され、「このルート崖で通れないじゃん!」という低性能のカーナビみたいな事態も起こりませんでした。
- 「つながる未来」ではサブクエストは少なめで、その代わり各地に散らばるノポン族を集めるというイベントが用意されています。見つけたノポン族は戦闘でも助けてくれるのですが、フィールドでも全員連なって付いてくるので結構笑える。あと味方にも2人ノポン族がいるので、紛れて困る(笑)
- 収集用素も充実しています。モンスター図鑑やアイテム図鑑こそ無いものの、フィールドやクエストの報酬、NPCとの交換で大量のアイテムが手に入りますし、その説明文もなかなか凝っています。また武器防具は装備するとグラフィックが変わる(見た目も入手した装備の中から自由に変更できる)ので好きな格好で楽しめます。オリジナル版はアイテムの所持可能数が非常に少なく、どのアイテムを売るか残すかでかなり時間を取られるという欠点もありましたが、リマスターでほぼ上限が撤廃されたのでこちらも安心。
キャラクター
- オリジナル版のかなり大きな問題点として、キャラクターの顔グラが特徴的すぎる(バタ臭い)…という問題がありました(それだけにゼノブレ2のキャラデザには驚かされたものです)。しかしリマスターの時にメインキャラのグラフィックは一新され、今時のスマートでアニメ調の感じに一新されました。(Wiiや3DS版を未プレイの方は、「ゼノブレイド 比較」とかでググるといいよ)
- メインキャラは7人。それぞれのキャラ立てがうまくいっており、それぞれに見せ場があります。オリジナル版よりもさらにイベントシーンの演出が強化され、殺陣のシーンの迫力はかなりのものです(これまでにyukkun20がプレイしたゲームの中でもかなり上位)。ストーリー自体には裏切りやどんでん返しがありますけど、PCたちはみんなとても仲が良く、がっちりとした信頼関係で結ばれているので、自然に応援していきたくなります。思春期の若者らしい、切ない恋の行方もストーリーを邪魔しない程度に織り込まれています。
- PC同士にも人間関係が設定されており、それを上げることでキズナトークという二人の会話を発生させることが出来ます。これも新たな事実や秘められた気持ちが明らかになったりして、目が話せません。人間関係を上げるのがやや手間なのと、ボイスがないのがちょっと残念です。「つながる未来」でもほぼ同じ「ナカマトーク」というのがありますが、こちらはフルボイスで、好感度システムもないので気軽に楽しめて良かったですね。
- 個人的にはオリジナル版と同じく、「メリア」を推したいですね。彼女はハイエンターという種族の皇太子ですが、ハイエンターの父とホムス(人間のような種族)の母の間に生まれた混血児なので、彼女が皇太子であることを快く思わない勢力もあって、順風満帆な人生というわけではありません。彼女も戦いの中で大切な仲間をなくしたり、自分が思いを寄せていたシュルクの心がフィオルンに向いているのを見て身を引いたりとつらいこともたくさんあるんですが、健気なところがいいんですよね。「つながる未来」は彼女が主人公のスピンオフと言っていい作品で、エンディング後の彼女の活躍を見届けることが出来たので満足です。え?年齢が88歳?…ハイエンターの寿命はホムスの5倍だから問題ない!
- また本編では、パーティに同行している動機付けがいまいち弱く、マスコットキャラ的なポジションにいた「リキ」ですが、「つながる未来」では、彼の子供たちが登場し、その子供たちの口から、リキのエピソードが語られるというのもいい演出でしたね。仲間たちのことを「おとも」と言いつつも、心の中では強く信頼していることが分かるエピソードも多く、全く登場しないにもかかわらず彼の株がぐっと上がりました。
戦闘
- 戦闘は、フィールド画面との完全シームレスを実現しています。今では珍しくなくなりました(もっとも、うまく扱っているソフトはまだ少ないですが)が、当時これを実装し、かつうまく扱っているという事は賞賛に値すると思います。
- 戦闘では、敵の近くにキャラを立たせるだけで、オートで攻撃をしてくれます。プレイヤーは、必殺技(アーツ)の発動時にコマンドを入力するのが仕事です。最初は今までプレイしたことがないシステムに戸惑いましたが、だんだんはまっていきます。
- うまく戦闘を運ぶのに必要なのがヘイトです。このゲームは敵に攻撃を当てたり味方を回復したりするとヘイトが溜まり、敵はヘイトが高いキャラを狙って攻撃してきます。敵の火力は高く、普通のキャラが攻撃を受けると雑魚相手でもすぐ死ぬため、まずはタンク役のキャラにヘイトを稼がせ、敵の攻撃をそちらに向けます。その隙にアタッカーが攻撃をするわけです。例えば主人公のシュルクのアーツには、敵の側面や背面から攻撃すると有利な特殊効果が付いたりするんですけど、敵の回頭速度はメチャクチャ速いので、移動だけでは側面は背後は取れません。仲間にヘイトをかせいでもらってそちらをターゲッティングしている間に回り込むわけです。ヘイトを調節したり、コンボで敵を転倒させたり、攻撃を外してテンションが下がった仲間を励ましたり、戦闘に参加する3人の連携攻撃(パーティアタック)を出したりと、やることがかなり多いので、通常攻撃はオートでちょうどいいですね。
- キャラはそれぞれが得意な役回りがあり、物理攻撃役、魔法攻撃役、盾役、回復役とバランスが取れていて、しかもどのキャラクタを操作しても楽しめます。基本的にこのゲームはダメージをガンガン受けることが前提のバランスなので、回復役の操作も全然退屈しません。
- 主人公のシュルクは未来を見る能力を持っており、敵が致命的な攻撃を仕掛けてくるのを事前に察知することが出来ます。そしてそれに自ら、あるいはその情報を伝えた仲間に対処してもらうことで、結果を変更することが出来ます。シュルクの未来視はストーリー中でも大きな役割を持っているのですが、それをうまくゲームシステムに落とし込んでいたのはよかったと思います。
- 敵はレベルが決まっていて、レベルが離れるとほとんど攻撃が当たらなくなるので、プレイヤーのテクニックだけでごり押しすることは出来ません。レベル上げは必須になりますが、戦闘勝利時はもちろん、ランドマーク発見、サブクエストクリアなどでもどんどん経験値が入るので、まったく苦になりません。普通に進めるだけでクリア直前でレベル80くらいにはなります(最高レベルは99)。またモンスターは必ず宝箱を落とすので、それも戦闘を作業にしない要因になっています。上級者モードに自由に切り替えることが出来、上級者モードでは自分のキャラのレベルを自由に変更できるので、サブイベントは漏らさずプレイしたいけど、ボス戦の緊張感も大事にしたい、という人にも安心です。
- あっさりゲームオーバーになることも多いのですが、直前のランドマークに戻されるだけで、アイテムもお金もなくなりません。だからと言って緊張感が削がれることはありません。フィールドをうろつく強力な雑魚・ボスモンスターに挑んでなんどぶっ飛ばされたり、ひょいっと柵を跳び越えたら奈落が広がっていて墜落死とか普通にありますから。でもそれがいい。オートセーブもあるし、ゲームオーバーになってもわざわざロードしなくていいので、こまめなセーブは不要です。これで世界にどっぷりつかっている思考を中断しなくていいって訳なんですよ。
総評
- オリジナル版も、キャラグラフィックのとがり具合と、サブクエストが面倒くさいということくらいしか欠点のない名作でしたが、その欠点が解消された以上面白くないわけがないです。ゼノブレ2と奥の方で話がつながってますので、2を楽しんで3も購入しようと思っている方はぜひプレイしてみてください(sasaさんに何度もお勧めされるまでプレイしなかったyukkun20がいうことじゃないですが…)。
- 「つながる未来」は、多少話が中途半端な所で終わったのですが、これは3につながる物語だということだと思います。2の真のヒロイン・ニア様と、1の影のヒロインメリア嬢が(多分)登場するゼノブレ3、みんなプレイしようぜ!
お疲れ様でした 私はオリジナルをプレイしてませんので 純粋に楽しめました
>>それでいて設定があふれて話が分かりにくいということもなく、安心して見ていられます
専門用語が多いですがわかりやすいストーリーでした
>>キズナグラム
これ本当にやったんか・・さすがです
yukkun20さんはメリア推しだったんですね・・ 彼女は失うものが多かったですが
シュルクやタルコがいて本当によかったです
>>マスコットキャラ的なポジションにいた「リキ」ですが、「つながる未来」では、彼の子供たちが登場し、その子供たちの口から、リキのエピソードが語られるというのもいい演出でしたね
キノとネネはつながる未来だけの登場ですが どちらも可愛くてよかったなと思います
これあまり実感がないのですが シュルクとメリアの声優さんは10年ぶりに二人を演じたことになるんですよね?
あまりに自然な演技でびっくりしました
しかし yukkun20さんだいたいプレイしているゲームは消化して3まで一カ月あまりましたね
ここはさくっとクリアまでいけるゲームをやりませんか
2022.06.26 19:09 | by sasa (@qzcn82k7xcp8pe3)
> 専門用語が多いですがわかりやすいストーリーでした
ですね。よく出来ていたと思います。
> これ本当にやったんか・・さすがです
プレイアワードの「トライアル」だけでもコンプしようと思って頑張りました。意外とネット上に情報がないんだよな…
> yukkun20さんはメリア推しだったんですね・・
オリジナル版でかわいかったのはメリアだけだったから(ゲフンゲフン
タルコとのエピソードは涙なくしては見られませんでした。つながる未来のEDはマジ感動した。タルコ、3に登場する可能性あるよな。
> シュルクとメリアの声優さんは10年ぶりに二人を演じたことになるんですよね?
シュルクは2でも登場してますけどメリアはそうでしょうね。二人とも全く違和感がなくて驚きました。
> ここはさくっとクリアまでいけるゲームをやりませんか
自分でもそう思ってるんですけど、いいゲームが見つからないんだよな…「幻想少女大戦」をプレイしつつ、テイフェスの更新したりペーパークラフト作ったりしながらすごそうかな…
2022.06.27 21:29 | by yukkun20