2012-12-02
Yukkun20's Association Secrète
2012-12-02
最近連続して作品を出している芝村裕吏氏の小説「ガン・ブラッド・デイズ」を読みました。これ発行部数が少ないのか一般の本屋ではまず見かけないんですよね…電撃ゲーム文庫なのに。ただ理由は分かる。
※ゲーム一言日記
時に西暦2025年。アメリカ地方新聞の記者イーヴァは、オルトロスという企業による独裁政権が築かれた日本に民主主義秩序を回復させるために派遣された米軍「セイバー」に同行していた。軍の話によれば、既に日本は制空権を失っており、上陸にはなんの問題も無い…ということだったが、突如飛来した大量のミサイルにより部隊は壊滅、イーヴァは生き残りとともに、オルトロスと戦う反政府組織「日本解放戦線」に拘束された。
日本解放戦線はイーヴァがジャーナリストと知ると身柄を解放し、取材の許可を与える。日本解放戦線によれば、オルトロスは選挙により選ばれたものの暴走し、圧政を敷いているのだという。少年兵のナミや郁男、名目的なリーダーの立場にある桜子と友好を深めていくイーヴァ。
しかし、ある時再び乗機が撃墜され、重傷を負った上に今度はオルトロスに拘束される。手当をしてくれたのは、オルトロスを支配する速長家の次男裕次郎だった。彼によれば、現在の政府は正当な政府であり、日本解放戦線は選挙に負けて暴徒化したテロリストに過ぎないらしい。どちらが真実なのかイーヴァには分からなかったが、なぜか裕次郎には惹かれるものがあった。しかしそれを危惧した裕次郎の妹いすずにより、半ば強制的に米軍の元に送り届けられることになる。
無事基地へ戻ったイーヴァだったが、テロリストに協力した容疑で逮捕されてしまう。厳しい取り調べを受け、アメリカ軍が日本解放戦線の真実を情報封鎖していることを知る。日本解放戦線が基地を襲撃した際に、それに乗じて再び日本解放戦線に身を寄せるが、そこに正体不明の通称「ゾンビ」と言われる謎の生命体が現れた。
感想
まずこの作品についてですが、ブラウザゲー「ガン・ブラッド・デイズ」を元にしたものです。といっても僕はゲームの方は詳しく知らないのでスルーします。
この小説は舞台設定の紹介というところですかね。上のあらすじを見てもらえば分かるとおり、セイバー、オルトロス、日本解放戦線それぞれの主義主張や、メインキャラクター達の人となりを軽く説明している作品です。これを読めばゲームがより楽しいかもねという感じ。
芝村氏の地の文でぐいぐい読ませる作風は健在なので、単発で読んでもそれなりに楽しめます。氏の作品にしては珍しく、世界観がわりと普通です。いわゆる近代戦争物。ですがあくまでゲームのおまけなのでそう割り切った方がよいでしょう。
主人公のイーヴァがめんどくさい女だというのが印象に残る作品でした。
23:19 | レビュー > 小説 > 芝村作品 | ガン・ブラッド・デイズ | (0)
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