2021-07-25
【ゲーム】モンスターを倒して強い剣や鎧を手にしなさい。死んでも諦めずに強くなりなさい。勇者隊が魔王を倒すその日を信じています。 レビュー
体験版から大きくシステムが変更されたのは本当よかったと思います。
モンスターを倒して強い剣や鎧を手にしなさい。死んでも諦めずに強くなりなさい。勇者隊が魔王を倒すその日を信じています。
プラットフォーム | Nintendo Switch | |
ジャンル | 腕試し・ダンジョンRPG | |
価格 | パッケージ 5,436円(税込 5,980円) ダウンロード 4,982円(税込 5,480円) |
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公式 | 【モン勇】『モンスターを倒して強い剣や鎧を手にしなさい。死んでも諦めずに強くなりなさい。勇者隊が魔王を倒すその日を信じています。』公式サイト|Nintendo Switch™ | |
プレイ時間 | 24時間 |
ストーリー
- 妖精の女王により、妖精の国「ティル・ナ・バルク」へ招かれた冒険者たち。国に現れた迷宮ユグ・ドランに救う七つの魔王に奪われた妖精界の「七つの秘宝」を取り戻すため、冒険者達は迷宮へ挑んでいく―
- ということで、「デモンゲイズ」「蒼き翼のシュバリエ」などDRPGを多く開発しているエクスペリエンスの新作DRPGです。今作はキャラデザもSDキャラになりましたし、世界観も剣と魔法なので、ゆるーい雰囲気かと思いきや、タイトル通り中身は硬派なDRPGになっています。
- ただ、ストーリーはまあなんというか、お飾りです。いや、最近ガレ魔女とかをプレイしたので感覚が狂ってるのかもしれませんが、ものすごく薄味でした。本作はウィザードリィを意識しているのでこれは意図的だとは思うんですが、登場するキャラが妖精王エターニアとブタのチュッケだけ(あと+α)とは。展開自体もオーソドックスなものでした(まあこの登場人物で奇想天外な話の転がし方は無理だと思います)。
あとエクスペリエンスはその独特な世界観が特徴だと思うのですが、今回は固有名詞がほぼ北欧神話そのまんまだったのはちょっと残念でした。 - とはいえ、DRPGのストーリーは元々飾りだとyukkun20は思っているのでので、これが致命的というわけではないです。
システム
- 上記の通りシナリオはほとんどなく、基本的には迷宮に潜って探索し、拠点に戻って回復する、の繰り返しです。ウィザードリィ以来の古式ゆかしいシステムですね。
- 今回パーティにユニークキャラはおらず、全員キャラメイクをしていくことになります。キャラは「名前」「ビジュアル」「職業」「ボーナスポイントの割り振り」などを自由に設定することが出来ます。初期のボーナスポイント量だけはあとから変更出来ませんが、それ以外はあとからペナルティなく何度でも変更することが出来ます。昨日まで前衛で盾役をしていたキャラを、今日から後衛の魔法使いとして運用することも余裕です。
- キャラクターの強さは、レベルで決まる能力値(初期ボーナスポイント+レベルアップごとにもらえるボーナスポイントは自由に割り振れる)と装備、それにスキルで決まります。後述の通りレベルは自由にあげるというわけには行かないので、装備とスキルの強化も大事なポイントです。
装備にはレベルの概念があり、装備した状態でキャラクターが経験値を得ることで、共に成長していきます。ただこのゲームは迷宮をクリアする度に装備の更新が必要になるのですが、経験値は新しい装備に引き継ぎ出来ないのが残念でした。装備にはレベルの上限があり、強い装備は上限も高いのですが、とても上限までレベルを上げることは出来ないくらいの上限が設定されていたりしたので、なんかもったいない気がしました。ただこのゲームはいくつか経験値稼ぎポイントがあり、そこで多少稼げば装備を限界まで強化しなくても問題なくエンディングまで辿り着けるので、初期値が優秀な装備が手に入ったら、一時的に弱くなるとしてもとっとと乗り換えるのがいいと思います。
スキルはスキルポイントを消費して取得します。このゲームはダンジョンごとにレベルキャップがあり、それ以上の経験値は切り捨てられるのですが、スキルポイントにはキャップがないので、レベルキャップに達してもなおボスが倒せない人へ救済措置になっていました、
- 特徴的なシステムとしては、評価システムがあります。これは、ダンジョンをクリアするごとに、エターニアが勇者隊の活躍をS~Dの5段階で評価してくれるというものです。評価基準は「ダンジョンクリア時のパーティ平均レベル」「ダンジョンボスを倒したターン数」「マップの完成度」になっています。体験版では「マップの完成度」の代わりに「全滅回数」となっており、1回でも全滅するともう最高評価は獲れないというかなり厳しい仕組みになっていました。(とはいえ、このゲームは迷宮内のどこでもセーブが出来るので、やろうと思えば無理なく出来ます)このゲームは全滅するとキャラのHP/MPがわずかに上昇する救済措置があるので、タイトル通り死にながら鍛えるのも一つのプレイスタイルだと思うのですが、体験版のシステムはそれとかみ合っていなかったので、変更されてよかったと思います。キャラのレベルも任意で下げられるようになりましたし(上げるのは元々任意)、評価が気に入らない場合は再挑戦も出来るようになりましたので、大分ハードルは下がったのではないかと。
- 迷宮はオーソドックスな3Dダンジョンです。迷宮内にもあまり複雑な仕組みはなく、一方通行、鍵付扉、ダメージ床、毒床、転移床、隠し扉、落とし穴などわりとよく見られる感じになっています。DRPGなのに完全シンボルエンカウントなのが珍しいくらいでしょうか(これについては後述)。
- 迷宮では、当初は全体フロアのどこにいるかしか表示されません(難易度によっては、ごく周辺のみのマップが表示される)。迷宮内で「地図の虫」というアイテムを取得することで、通常通りマッピングが出来るようになります(オートマッピングです)。マッピングはDRPGの醍醐味の一つだと思うので、ここは賛否両論かも知れません。
キャラクター
- エターニアとチュッケしかいないので語れることは少ないのですが…とりあえず女王様の露出が気になるところです(そこかよ
- チュッケもよくわからないキャラでしたね。ところでエターニアが勇者隊をもてなしたいとブタ料理をごちそうしてくれるイベントがあるのですが、その後チュッケのところに戻ると↓の台詞を吐かれるんですが…疑惑!
- キャラグラの幅が少ないのが気になりました。しかも絵柄も特徴的なのでちょっと人を選ぶかも。せめてカラバリだけでも今の倍くらいあれば…。キャラグラはそのうち追加されるようなので、それを待つのも手かな。
戦闘
- 完全シンボルエンカウント方式です。敵の出現位置は固定されており、プレイヤーが部屋に入るまでは動かない敵も多く、また扉を開けたところに敵が!みたいな不意のエンカウントも少ないため、エンカウント面でのストレスは低めです(ただランダムで移動する敵がうっとうしい動きをするのも事実ですが…)
- 敵はかなり強めに設定されている感じがしました。スキルをガンガン使って戦闘しないとすぐ全滅するのですが、スキルはMPを消費し、迷宮内でMPを回復する手段は乏しいため、基本的には行けるところまで全力で行って、死者が出たかMPが尽きたら即帰還、という感じになると思います。死亡したキャラを蘇生させる手段もほぼないですし。これだけ聞くとかなりハードそうですが、
- 迷宮内ではどこでもセーブ出来る
- 迷宮内でも戦闘中でも、帰還アイテムを使用することで失敗することなく拠点に帰還出来る
- 地図の虫を手に入れているとオートパイロットが使用出来るようになるが、これは落とし穴やワープ、階段などきちんと考慮した上で通常の移動速度よりも素早く移動出来るため、再突入時に前回の脱出地点まで戻るのも余裕
- 戦闘中2ターンに1回ノーコストで使用出来る「クランスキル」を使用することで、被ダメージやMP消費を大幅に軽減出来る
- ボス戦は短期決戦なのでMPの心配は(ほとんど)いらない
- 戦闘中でもソフトリセットが使える(オートセーブ制なので、戦闘の少し前に戻れる)
など、きちんと調整がなされているので安心です。それでもしょっちゅう全滅してはリセットしてましたけど…
- 戦闘はターン制のコマンドバトルで、ターンごとに敵味方が速度の順に行動します。戦闘は通常戦闘と高速戦闘があり、高速戦闘なら1ターンを一瞬で終わらせられるのでストレスフリーです。ログも保存されるので、突然死した場合も死亡原因が特定出来るようになっています。
- ボスもなかなかに強敵で、かつ特殊行動が多いため、それに合わせた編制やスキル構成が必要になります。前述の評価の仕様から、火力優先にせざるを得ませんし、レベルを上げて物理で殴るというわけにも行かないので、最適解を探すために試行錯誤を何度かすることになるでしょう。そういうのが好きな人には面白いと思いますし、嫌いな人にはちょっとだるいかも知れません。まあ騎士と僧侶を入れて、あとの4人は物魔のアタッカーをボスに合わせてバランスよく入れれば大体どうにかなるでしょう。
総評
- ストーリーは下、戦闘は中、システムは上という感じだったでしょうか。とにかく死にながら対策を探すというコンセプトをうまくシステムに落とし込めていたと思います。ただ全体のシステムは過去作に比べるとかなり単純化されており、間口を広げようとしたんだと思いますが、その一方で評価システムにより縛りプレイを半ば強制され、レベルを上げて安定して戦えるようになってからボスに挑むという初心者向けのプレイがしにくくなっています。そういう意味で全体的にきちんとかみ合っていない感じがしました。
- とはいえ最高評価をとるのはさほど難しくはないですし(パッチで難易度がかなり緩和されました)、評価を無視するとドロップアイテムの質が下がるため一概に楽になるわけでもありませんので、評価にはこだわって進めるのがいいのではないでしょうか。
- ラスボスを倒すとレベルキャップが外れて99までレベル上げられるようになるのですが、クリア後ダンジョンがあるわけではないため、やり込み要素もありません(レベル30~35あたりで倒せるラスボスが最強の敵)。そういう意味で、いつものエクスペリエンスゲーを期待すると肩透かしかも知れません。他方でシステムは非常に分かりやすくよく出来ているので、DRPGの入り口としておすすめ…とまでは言えないんだよな。決められたリソースを管理しながら進めるのが好きな中級者向けのゲームだったと思います。
- あと細かい点ですけど、音楽がちょっとひどかったのが気になりました。たまにいい曲流れてきたと思ったら過去作の流用だったりして。それとフォントの選択もあまりに変というか…。全体的に低予算ゲームの香りがしますね。とはいえエクスペリエンスのシステムに載せているので、そういう意味ではクオリティが低いということではありません。さらっとDRPGをプレイしたい方にはおすすめ出来ます。クリアまで25時間ほどですし。
- 後日、yukkun20がクリアした時のパーティも紹介する予定です(中盤までのパーティは↓をどうぞ)
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