2021-07-17
【ゲーム】OCTOPATH TRAVELER レビュー
なんで発売当時にプレイをためらったのか、後悔するくらいの名作でした。
OCTOPATH TRAVELER
プラットフォーム | Nintendo Switch™ / Steam® / Xbox One / Xbox Game Pass / Windows10 / Epic Games Store | |
ジャンル | RPG | |
価格 |
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公式 | OCTOPATH TRAVELER | SQUARE ENIX | |
プレイ時間 | 1周目:92時間 |
ストーリー
- オルステラ大陸を旅する、生まれた場所も経歴も特技も異なる8人―あなたはその一人となって、世界を自由に巡ります。それぞれの旅の果てに待つものとは―
- ストーリーは8人の主人公によるオムニバス形式になっています。それぞれのストーリーは4章立てですが、ストリー開始→主人公の特技を使ってストーリー進行→ダンジョン攻略→エピローグという感じの繰り返しになっています。ストーリー部分もダンジョン攻略部分も短く、一人一人のストーリーは短編と言って差し支えない長さですが、それでもマンネリな感じは全くなく、主人公ごと、また各章ごとにバラエティーのある話が展開していくので全然飽きませんでした。贖罪、復讐、使命、研究、修行など、旅の目的も八者八様で、きっと感情移入出来る主人公がいると思います。
- 8つのストーリーは完全に独立していて、主人公同士が絡むことはありません。つまりある主人公のストーリー中には、他の主人公は全く登場しません。ただストーリーの途中で、主人公と、その時パーティにいるキャラクターとのチャットが発生して、一緒に旅をしている雰囲気を出していました(ただ発生タイミングが非常に短く、そのタイミングでパーティにいないと発生しない上に、後から見直すことが出来ないので、ここはもう少し気を遣ってもよかったのでは)。
- 8人の話が全員エンディングを迎えた後に、追加エピソードがあります。これは8人のストーリーで軽く張られていた伏線を全て繋いでひとつにするもので、短いながらもすごくよく出来ていました。軽いエピソードだと思っていたサブイベントまで回収されたのはすごかったと思います。
- ただ、テリオンのエピソード(自分の目的のために秘宝を盗むというもの)は上手く扱いきれてない(というか、このゲームのシステムと親和性が低い)感じがしました。テリオンは盗賊で、やっていることも別に義賊ではないので、聖職者であるオフィーリアや、窃盗犯を追っているサイラスが普通に手を貸すのにはちょっと違和感があります。ただその辺はチャットでそれなりに補完されていたので、さほど大きい問題点というわけではありませんでした。全体的にストーリーには大満足してます。
システム
- 街から街へ移動しながら、ダンジョンを探索したりイベントを発生させたりして進んでいく、オーソドックスなRPGです。
- まず目を引くのは独特なグラフィックです。ドット絵を基本にしながら3Dの効果を加えていて、非常に美しい画面を構成しています。また奥行きも表現されているので、物陰に宝箱や隠し通路などが配置できるようになっていて、たんなる2Dゲーにはなっていません。キャラクターは職業ごとに12種類のグラフィックが準備されていたのも地味にすごい。
- それから「フィールドコマンド」というシステムがあります。各主人公はそれぞれ一つの特殊能力を持っており、それをNPCに使うことが出来ます。盗賊のテリオンならNPCの持っているアイテムを「盗む」、剣士のオルベリクなら、NPCに「試合」を挑む(勝つと道を塞いでいるNPCをどかせる)、踊子のプリムロゼならNPCを「誘惑」して、パーティに同行させるなど。一番面白かったのは、NPCのキャラクター設定をのぞけるサイラスの「探る」でしょうか。700人を超えるNPC全員に短い設定が用意されていて、それを見ることが出来ます。若い頃はめっちゃ強かった老人(そういうキャラは「誘惑」で連れ歩くと高い戦闘力を見せてくれます)とか、話しかけるといい人そうなのに実は極悪人とか、秘めた恋心を持っていたり、遠くに離れた町のNPCと知り合いだったり、読んでいるだけで面白いです。
- それからyukkun20大好きのジョブシステムがあります。メインキャラはそれぞれ別のベースジョブに就いており、途中から他のキャラの職+隠し職4つの中から選んで、好きなバトルジョブに就くことが出来ます。しかしそれぞれのキャラは、ベースジョブにちなんだ非常に強力な能力を一つ持っているので、例えばベースジョブが「学者」のサイラスがバトルジョブを「神官」にした場合と、ベースジョブが神官のオフィーリアが「学者」をバトルジョブにした場合とでは、使用感が全く違います。職業も極端な強弱がなく、また同じバトルジョブを複数のキャラが装備することは出来ないので、バランス調整は十分でした。
- 戦闘に勝利すると取得出来るJPというポイントを使って、ジョブを強化することが出来ます。「アビリティ」と呼ばれるコマンドスキルと、「サポートアビリティ」と呼ばれるパッシブスキルを取得出来ます。アビリティはそのジョブに就いていないと使えませんが、サポートアビリティは別のジョブになっても使えます。ただしサポアビは4つしか装備出来ないので、有効な組み合わせを探す楽しみもありました。JPはジョブにではなくキャラに蓄積されるので、有効なアビリティを取るために、使いたくないジョブを使わないといけない、ということが無かったのもよかったです。
- UIもスッキリまとまっていたと思います。先日プレイしたブレデフォⅡと情報量は近いのではないかと思いますが、こちらの方がうまく整理されていたと思います。
キャラクター
- PCキャラは全部で8人です。一人目だけは強制加入ですが、残りの7人は加入させるかどうかも、加入させる順番も自由です(まあ全員加入させた方が絶対面白いですけど)。
- チャットが多少ある以外、キャラクターはそのキャラが主人公のストーリー内での描写が全てなので、キャラ付けは薄めです。しかし、8人とも確たる「信念」を持っていて、命の危機でもそれを曲げようとせず、持ち前の機転と能力で道を切り開いていくので、非常に魅力を感じました。特に宝探しや友情を描いたトレサや、教師として、学者として、人を教え導くとはどういうことかを示し続けたサイラスはお気に入りです。
戦闘
- ランダムエンカウント制です。このゲームは、主人公に選んだキャラの第1章が終わると、基本的にほぼ全てのマップに行くことが出来ます。なので本来は終盤に行くべき、とても出現する敵には太刀打ち出来ないマップに行き、強力な装備品の入った宝箱を回収して無双する、みたいなことも可能です。だからなのかも知れませんが、エンカウント率はそこそこ高めです。ただわりと初期に取得出来るサポートアビリティ「エンカウント半減」があると、ほとんどエンカウントせず進めることも出来るので、そういうのも丁度いいバランスになっていると感じました。
- 戦闘はターン制のコマンドバトルです。ターンごとに敵味方が行動速度(にランダム値を加えた数値)に応じた順番で行動順が回ってきます。「通常攻撃」「アビリティの使用」「防御」「アイテム」などから行動を選択します。
- 余談ですが、戦闘時、主人公達はSDドット絵なのに、敵はリアル調のドット絵なのでその差が面白い(笑)
- 味方の攻撃には、武器6種、属性6種の合計12種の属性が設定されています。敵にはそのうち2~5つ程度の弱点と、シールド値が設定されています。弱点を突く攻撃をするとシールド値が減り、0になると、敵はそのターンと次のターン、シールドブレイク状態になります。シールドブレイク状態だと、敵は行動出来ず、どの属性で攻撃してもダメージが2倍に増加します。
- また味方はターンが回ってくる旅に、BPというポイントが1つずつ加算されます。行動時にBPを最大3つ消費することで、行動の効果(攻撃行動なら与ダメージ、回復行動なら回復量、バフデバフなら継続ターン数)を大きく増加することが出来ます。よって、シールドブレイクとBP消費行動のタイミングを合わせることで、敵のHPをごっそり削ることが出来ます。とはいえそれぞれのキャラが扱える属性は限られていますし、行動順もランダム要素があるので、思った通りにいくとは限りません。攻撃力は低いが多段ヒットするアビリティを持つキャラでシールドを削り、その間にサポートキャラでアタッカーを強化し、ブレイクしたところでアタッカーが全火力を集中して削る、これがうまく決まると本当に気持ちよかったです。前述したとおりエンカウント率も高めですし、RPGとしては1戦闘が長めなのですが、戦闘自体が面白かったので全然だれませんでした。
総評
- レトロゲームが好きな人向けかと思いましたが、ペルソナみたいな戦略性の高いバトルと、美しいグラフィックが楽しめる新しいゲームでした。ストーリーはシンプルですが、8人が全然違う話になっているので、ボリュームも十分でした。結局全てのNPCから全ての持ち物を盗み、全ての情報を探ったりしていて、結局90時間プレイしてしまいました。
- サブエピソードも豊富なのですが、こちらは解決方法が分かりにくいものがいくつかあり、難易度が高かったです。隠しボスも、普通にプレイしているだけだと多分発生条件には気付かないような気がします。yukkun20は攻略本プレイなのでそういうのは気にならないのですが、自力プレイの人は気になるかも。まあ前述のチャット以外、取り返しのつかない要素は控えめです。
- あちこちで言われていることですが、このゲームの楽曲も素晴らしかったです。特にボス戦の曲は本当にテンションが上がって、思わず聞き込んでしまうほどでした。
- そんなわけで、ドット絵が好きな人、戦略性の高いコマンドバトルが好きな人、ジョブと装備の組み合わせをちまちま考えることに喜びを感じる人、NPC大好きな人にお勧めします。
- 隠しボスの攻略法を簡単にまとめたので、こちらもどうぞ。
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23:59 | レビュー > ゲーム > その他のゲーム | OCTOPATH TRAVELER | (2)
>>なんで発売当時にプレイをためらったのか、後悔するくらいの名作でした。
私も yukkun20さんがこのRPGをスルーしたのが意外でしたけど 2018年中間 yukkun20さんは
世界樹をやってますし 軌跡シリーズの消化や ゼノブレイド 黄金のイーラという大作もあったので微妙にプレイする間がなかったと思います
>>主人公同士が絡むことはありません
これもちょっと寂しい気がするけど 昔のRPGにはよくあったんだよな 僕らはテイルズに慣れすぎてるかも
>>たんなる2Dゲーにはなっていません。キャラクターは職業ごとに12種類のグラフィックが準備されていたのも地味にすごい
いまの時代で これほど美しい2Dを作れるのかと驚きでした
>>BP
これをうまくつかって連携するのが楽しかったですね
>>余談ですが、戦闘時、主人公達はSDドット絵なのに、敵はリアル調のドット絵なのでその差が面白い(笑)
最初は巨人かと戦ってるかと思いました
>>ペルソナみたいな戦略性の高いバトルと、美しいグラフィックが楽しめる新しいゲームでした
yukkun20さんのいう通り RPGが好きな人ははまる作品だと思います
しかし このゲームで満足したのなら・・ ドラクエ3のリメイクもぜひご検討ください
次回のレビューは順番的に モン勇→アライズ→黎の軌跡でしょうか やっぱり8月が空きますね
この辺でそろそろ ゴーストオブツシマをやってみてはいかがでしょうか
2021.07.18 11:00 | by sasa
> 微妙にプレイする間がなかったと思います
まあおっしゃるとおりですね。当時プレイした体験版はそこまで刺さらなかった、という理由もあります。
> このゲームで満足したのなら・・ ドラクエ3のリメイクもぜひご検討ください
DQ3Rというか、やっぱりコマンドバトルが好きだと言うことが分かったので、むしろDQ11Sをプレイしようかと本気で考えてます。まあプレイするとしても少し先だと思いますが。
2021.07.18 23:36 | by yukkun20