2021-03-28
【小説】サモンナイトU:X ―響界戦争― レビュー
サモンナイトの最終章が始まってから早8年弱。完結を見届けることが出来て本当に良かった!電子書籍化もされたので、これから読まれる方も安心ですよ!
サモンナイトU:X ―響界戦争―
著者:都月景
レーベル:JUMP J BOOKS
価格:900円(税別)
あらすじ
「狂った界の意志」と化した界のエルゴたちの攻撃は激しさを増す。制錬者として共闘するレイとミコトの激しい抵抗に、界のエルゴたちは怒りの姿―界竜と化すことを決意する。しかし界竜が顕現したその時、行方不明になっていたシャリマが戦場に姿を現し、レイを冥土堕竜に変化させて界竜たちを攻撃させる。メイメイの術でなんとか冥土堕竜を一晩封印することに成功し、痛手を負った界竜たちもひとまず引き揚げていった。
そして翌日。最終決戦が再び幕を開ける。ハヤトたちは異世界からの侵略者たちは大規模な送還術により追い返し、界竜と冥土堕竜をぶつけ合わせ、レイを救出する隙をうかがう。クレスメントに執着するメルギトスと戦う超律者たち、誓約者としての力を分割して承継したハヤトたち、島を守るため、全ての魔剣を承継し、核識となった抜剣者、世界で起きている人間と召喚獣の争いを止めて回る越響者たち。しかしシャリマの悪意は、その全てを飲み込もうとしていた―
レビュー
SRPG「サモンナイト」のゲーム中で描かれなかった時代(4と5の間)を描く、U:Xシリーズも今回で最終回です。そして作者の方も明言なさっているとおり、サモンナイトの物語も、これで完結を迎えたことになります。ゲームが発売されてから20年、小説が始まってから8年、あっという間でした。
前巻までは、これまでシリーズに登場したキャラたちが総出演しにぎやかな感じでありながらどこか悲劇を予感させる雰囲気でしたが、今回はレイとミコト、4人の勇者たち、そして彼らを取り巻く世界の謎に近いキャラたちがよってたかってハッピーエンドに持っていくという、怒濤の展開でした。オルドレイクやメルギトスの内面も深く描かれて、彼らにすら救済が与えられたのは都月先生らしい展開だなーと思いました。そしてU:Xの話はもちろん、これまで都月先生が書かれた他の小説や短編やCDドラマなどの伏線も回収し、SN6やセイクリッドブレイズ(ですよね?)みたいな直接関係ない作品も絡めつつ、この世界線では勇者ではない他の主人公たちの見せ場も十分にあって(唯一出番すらなかったアルカは泣いていい)、本当に大満足の最終回でした。yukkun20の推しのパッフェルさんは…でしたけど、それもまた彼女の長い旅路を考えれば、十分受け入れられるものでした。うっ、涙が…
そういえば以前SN5のプレイ日記に、MNさんという方が「千眼の竜って○○○が至竜になった存在な気がする」とコメントくださっていましたが、その慧眼に脱帽です。
yukkun20がサモンナイトに触れたのは、ゲームショップでSN2を偶然見かけ、飯塚先生のパッケ絵に一目ぼれして衝動買いしたのがきっかけなのですが、それから約20年、こんなに長い間楽しませていただいて感謝しかないです。都月先生がリィンバウムという世界について深い設定をきちんとしてくださっていて、そしてその設定を小説という形で表に出すことを許してくださったバンナムなど関係者の方々のご尽力あってのものだとおもいます。ありがとうございました。Twitterで都月先生や、当時のスタッフの方と繋がれたのもうれしかったです。まだ先生が、最終巻に関する質問企画を用意してくださるみたいなので、それも楽しみに待ちたいと思います。
あとうちの人物図鑑も鋭意更新していきますので、合わせてよろしくお願いいたします。それでは、最新ハードでシリーズがリメイクされることを願いつつ…(ベタ移植でもいいのでSteamとかには来ないのかしら。スクショが撮影出来るだけでも再プレイのモチベーションが出るんだけど…)
>>ハッピーエンドに持っていくという、怒濤の展開でした
サモンナイトはもしかしたら 主人公サイドが負けるのではないかとハラハラしますよね
敵サイドに仲間の結束力を引っ掻き回される展開が多いというか
それでも苦難を乗り越えてる熱い物語は魅力的でした 完結は寂しいですが
近年しれっと終わったり続くのかもよくわからなくなってるシリーズが多い中
はっきり終わりだと区切りをつけられたのはいいことかもしれませんね
2021.03.29 12:46 | by sasa
そうですね。特にこういう作品は大人の事情でどうにもこうにもならなくなることも多いですし、きちんとゴールにたどり着いてくださったのはほんとうにありがたいです。でもしれっと復活してくださっても、それはそれでOK。
2021.03.30 01:32 | by yukkun20