2021-02-14
【ゲーム】ライザのアトリエ 2~失われた伝承と秘密の妖精~ レビュー
紛れもない正当続編。ところでこのシリーズ名って「秘密シリーズ」でいい?
ライザのアトリエ 2~失われた伝承と秘密の妖精~
プラットフォーム | PlayStation®4, PlayStation®5, Nintendo Switch™, Steam® | |
ジャンル | 錬金術RPG | |
価格 |
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公式 | ライザのアトリエ2 〜失われた伝承と秘密の妖精〜 | |
プレイ時間 | 1周目:67時間(プラチナ) |
ストーリー
- あの夏の冒険から3年。島に残り、子供たちの教師となっていた錬金術少女・ライザは、自身の錬金術に行き詰まりを感じてもいた。そんな夏のある日、王都に留学したタオから来た手紙をきっかけに、彼女も王都へと旅立つ。タオから「王都の近くに錬金術と関係してそうな遺跡がある」と聞いた彼女は、再び心躍る冒険の旅に出る。そしてそこで不思議な生き物と出会うのだった―
- 前作「ライザのアトリエ」の続編と言うことになります。今作は主人公続投ですが、これは長いアトリエシリーズでも始めてのことですね。前作はアトリエシリーズの知名度を一気に高めた作品でしたし、終わり方も続きを匂わせるような展開だったので、正解だったと思います。
- 今回のストーリーですが、前作同様、全体的なストーリーラインはやや大味な感じはあります。初っぱなからオチが見えているような話で、あまり予想外の展開もなく、落ち着くところに落ち着いた感じがありました。あと錬金術が万能技術過ぎて、ストーリー的に詰まるとライザが錬金術を使って超絶解決!という展開が多すぎたのもちょっと残念でした(タオは多少知識で役に立ってましたけど)。ほかのキャラクターの成長ぶりも見たかったですね。
- 遺跡探索というありがちなモチーフでありながら、終盤まで遺跡探索自体が目的、というのは珍しく、要所要所では面白い展開もありました。遺跡にちりばめられた謎はぼんやり流しているだけだと全体像がつかめず(これは好き嫌いあると思いますが)深く読み込んで初めて理解できるようになっていたのもyukkun20好みでした。
- ただ今回キャラクターイベントがあまり…何というか、こっちもライザに頼りっきりな人たちが多いです。錬金術は、自分で壁を乗り越える人を後押ししてあげるくらいでちょうどいいと思うんですよね。今回パティは自分の力で頑張ってたと思いますし、セリはそもそもライザをあまり頼っていませんが、あとの面々(とくにNPCたち)はなぁ。
システム
- 調合について
- 今回は前回のシステムを引き継いでいるので、とっつきやすく感じましたね。通常の調合は基本的にこれまでと同じですが、投入する素材の種類が限定されたのと、投入できる素材の個数制限が緩くなったことで、割と新しいアイテムをガシガシ作っていけます。アイテムリビルドは一度調合したアイテムに追加で素材を入れることで、さらにアイテムを強化することが出来ますが、このときには品質は変化しません。ということは、高品質のアイテムでとりあえず高品質なアイテムを作成し、そこに低品質だけど強力な効果を持ったアイテムを入れてリビルドすることで、簡単に高品質・高効果のアイテムが作れるようになっています。特性の合成もない上に、最強の特性が簡単に手に入るのも○。特に今作は、強力なアイテムを調合していること前提の戦闘バランスなので、システムがわかりやすいのはよいことだと思います。(※ただし、最初から開いているマテリアル環を埋めないとアイテムを完成させられない、という点について説明がなかった気がする。)
- あと錬金術レベルが廃止されました。ライザは前作以降も錬金術の訓練を続けていたという設定なので、錬金術レベルが1に戻るのはおかしいですから、これ自体はよかったと思います。代わりに「アトリエの場所が変わって器具も十分ではないので、慣れるまでできることが限られている」という設定になっていましたね。レシピやスキルは、調合や冒険の過程で手に入るSPというポイントを消費して、ツリーに沿って取得している形式に変わりました。
ただこれまで錬金術レベルは、その時点で採取できる素材と、その時点で調合できるアイテムのバランスをコントロールする役割を持っていましたが、そのコントロールが効かなくなったせいで、「苦労してツリーの先の方にあるレシピを取得したのに、それを調合するための素材を採取できる場所がない!」という悲劇に度々見舞われました。
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- 今回高品質のアイテムは、畑で栽培・採取することになります。このシステム自体はいいんですが、畑がアトリエから結構遠いのが大変でした。しかも植えてから採取までは2日かかるのですが、ベッドで眠る時間は調整できないので、高品質の種を複製する→アトリエから畑に向かう→10カ所手作業で種をまく→アトリエに帰る→朝まで寝る→朝まで寝る→畑に向かう→10カ所手作業で採取、というかなり面倒な作業を繰り返させられることになります。前作ではアトリエ内で完結していたのに、なぜ畑にした…
- といっても前作はシリーズ最高の調合システムでしたが、今作もそれと同じ評価でいいと思います。終盤は品質999のアイテムを作っているだけで楽しく、リアルで数時間アトリエで釜をかき混ぜ続けるのもしょっちゅうでした。
- 遺跡探索について
- 今回の目玉のシステムです。冒険する遺跡には、先人の残したアイテムや思念、構造物などが置いてあり、そこから情報を集めていきます。「探究手帖」を開くと、集めた情報を虫食い穴にはめられるようになっているので、ヒントを元に情報をはめ込んでいきます。きちんとはまると、はまった複数の情報を元にライザが新しい情報を引き出してくれたりして、単純ながらも謎を解いているという興奮を味わうことができました。
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- ただ、遺跡に置かれている情報は最初は見えなくなっており、その遺跡で一定の条件を満たすと見えるようになります。遺跡は3マップ構成なのですが、その条件を満たせるのは大抵2マップ目の終わり頃なので、そこまで行くとまた1マップ目から情報探しを繰り返さないといけません。後述しますが本作は戦闘が冗長で、探索はあまり快適とは言えない状態だったので、このあたりは賛否両論なのは理解できます。ただyukkun20的には、これは演出として十分受け入れられるものだったと思います。
- また情報をコンプリートしても、すべての謎が解けるわけではなく、意図的に謎のままになっている部分もあります。そういう部分をいろいろ考察するのも楽しかったので、個人的にはこのシステムをさらに改良していって、次回作以降に生かしてもらいたいですね。
- その他について
- フィールドでは時間の概念がありますが、あいかわらずあまりうまく使えてないような。今作も時間帯による変化があまりなく、NPCのイベントフラグくらいにしか影響がないです。フラグが出たり消えたりしてうっとうしいので、もういっそのこと時間帯の影響は景色が変わるだけにしてもいいと思う。あと明るいイベント中に土砂降りだったりするとリアルのテンションに影響します。
- ファストトラベルもマジでいい加減にしてほしいレベル。今回もアクセスポイント制なんですけど、ポイントが1マップ1つ(しかも端っこ)なのですごく不便です。おまけにマップは段差や障害物が描かれていないので役に立ちません。特に序盤は、ものすごく広大なフィールドにぽつんと放り出され、だだっ広いのですぐ道に迷うし、どうやってもたどり着けない場所があったり(が、そこにたどり着くのに何かアイテムがいるのか、それとも探し方が悪いのかはわからない)して、序盤は特にフィールド探索が苦痛に感じるレベルでした。中盤以降慣れてくるとまあいいのですが…。ところで前人未踏の遺跡を探索しているのに、フロアに入った時点で地図が完成しているのはどういう理屈なの?今回ばかりはマッピングシステムを導入してもよかったと思います。
- というわけで前作をそのまま引き継いでいるという感じでした。
キャラクター
- PCキャラは全部で7人。今回、パーティ編成でキャラをおけそうな場所が13枠あったのでどうなるんだ…と思いましたが、結局いつもの同じでしたね。今作も全員パーティに入れることが出来、そのうち3人を戦闘メンバー、1人をパートナー(途中で戦闘メンバーと交代可能)、残りの3人は控えになります。今作から前衛後衛もなくなったので、編成は完全に自由です。
- 今回はアトリエらしく善人ばっかりでしたね。パーティももちろん仲がよく(レントが若干やさぐれてましたけど)、前作は悪役ポジション(途中からライバルポジション)だったボオスもすっかりアトリエの水に染まったただのツンデレ野郎になってましたし(笑)クリフォードもCVから裏切りを警戒しましたが、ザ・竹本英史っていう感じの深みのあるおっさんでよかったですね。ただ、イベントがこれまでのような友好度依存ではなく、時間経過で発生するようになったのはちょっと残念だったかな。ただのフラグに何言ってんのと思うかも知れませんが、友好度依存だと、普段から戦闘パーティに入れているキャラはイベントの進行も早かったりして、ちょっとしたリアル感があったんですよね。今回はどのキャラもほぼ同じ速度でイベントが進むのでなんだか味気ない感じがしました。面倒くさい意見ですみません。
- 今回新規加入したパティことパトリツィアはかわいかったですねー。発売前から目をつけていたとおりのかわいさでした。特に誰にも恋愛感情を持たないライザとセリ、ライザしか見てないクラウディア、色恋沙汰に縁がないNPCたちを差し置いて、一人で今作の恋愛成分を補充してくれました。ちょっとツンデレっぽいところもあり、家のために自分を押し殺すけなげさもあり、父親と反目しつつもきちんと尊敬しているお嬢様らしいところもあり、CVも大空直美さんだしで、ライザ1、2の中で一番好きなキャラです。
- ただ今回、ライザが遺跡探索をしているのに、遺跡そのものに対する配慮がないのがちょっと気になりました。まあアトリエの主人公たちは大体遺跡なんて材料採取ポイントとしか思ってないし、冒険をしているうちに解いちゃいけない封印を解くのもお約束なんですが…。今作は、遺跡がなんかやばいもの…というか、3年前にライザたちが苦労して倒した敵を封じていることには、最初から気づけたと思うんですよね。なのに明らかに封印の要っぽい(実際要だった)水晶を、何のためらいもなく破壊して回っている(しかもその動機は、「フィーが元気になったように見える」というだけ)のはちょっと気になりました。その軽率な行動の結果、アンペルさんがいなかったら王都が滅亡しててもおかしくないくらいのピンチを招きましたし。
- あと、せっかく仲間たちとフィーとの関係を時間をかけてしっかり描いたのに、別れの葛藤があっさりしていたのも少し残念な気がしました。それこそ錬金術で超解決策探せば(結果的に見つからなくてもいいので)よかったんじゃないかな…と思う。
戦闘
- シンボルエンカウント制です。今作はレベル差があると敵の方から逃げていきますが、ダンジョン探索中は大抵適正レベルなのであまり意味なし。あとフィールドの解像度が上がった弊害なのですが、キャラと背景の密度が近づいてしまい、敵を見落とすことも多くなった気がします。いい加減エンカウントキャンセルシステム搭載してくれないかなぁ。
- 今回戦闘難易度は高いです。何カ所かそれまでの敵と比べものにならない中ボスがおり、そのたびに装備やアイテムを更新しないとだめだと思います。後述するとおり本作はリアルタイムバトルに近いのですが、基本はあくまでコマンド式なので、ステータス差を戦闘技術でひっくり返すことはできません。
- 今作もウェイトターンバトルですが、コマンド選択中に時間が止まらないため、リアルタイムバトルに近いです。しかも今作は1ターンにやらなければならないことが多く、またターン待ち中もキャラクターの交代や攻撃のガード、アイテムの使用などやることが多くて、非常に忙しいです。なのに最初から解放されているシステムが多く、慣れるまでかなり時間がかかりました。続編だからなのかも知れませんが、チュートリアルがもう少し丁寧でもよかったと思います。
- あと(ボス戦はともかく)雑魚戦が非常に冗長です。戦闘の流れは概ね、戦闘開始→キャラクターたちが走って配置につく→通常攻撃でAPをためる→APを消費してスキルを使い、CCをためる→CCを使ってアイテムを使う→通常攻撃で…、というサイクルになっています。敵のHPも多めですし、前述の通り戦闘は結構忙しいので、だんだん戦闘自体面倒になってきます。ライザのステータスを上げ、強力なアイテムを開発すれば、開幕即爆破でよくなりますが、それができるのは中盤も過ぎたあたりなので、それまではかなり戦闘が冗長に感じました。ちなみにPCたちは、提示された条件を満たすことでスキルを習得するなどして強くなるのですが、提示された条件が戦闘に関するものだったりすると、開幕爆破ではほとんど条件を満たせないので、そういう意味でもシステム同士がちぐはぐな感じがしました。まあアイテムを完全に強化すれば、ライザが爆弾3つ投げるだけで雑魚でもボスでも倒せるので、仲間を強化する必要はほぼありませんけど…。そのせいで、他のキャラ(特に物理キャラ)は完全に割をくってましたね。
- 戦闘時演出がやや長く演出もスキップできないので、リアルタイムバトルのサクサク感が阻害されているのもいつものこと。
総評
- そんなわけで、よいところも欠点も、前作をそのまま承継しているという感じでした。ある意味正当続編。ちょっと愚痴が多くなりましたが、前作もかなりいい作品でしたし、今作も同じくらいは楽しめました。でも続編だから、やっぱり明確な改良点が見たかったのもまた事実。特にアクセスポイントの問題は本当になんとかしてほしいです。演出上の意味もないし、何でかたくなに改善しないのか…。
- それはさておき、結局アトリエシリーズで一番大事なのは調合ですが、今作でもその中毒性は健在です。必要もないのにアトリエにこもって賢者の石を大量に錬成したり、人間の3倍くらいある鉄のゴーレムを一撃で爆殺するやばい爆弾を開発したりしているとあっという間に時間が過ぎていきました。また今作は久しぶりにパティというお気に入りキャラもできたので、そういう意味でもプイレイしていて楽しく、不満点はありますがそれを補ってあまりある魅力もあった作品だと思います。
- 次回はどうなるんですかね。ライザたちの物語は一区切りついたような気もしますが、投げっぱなしになっている伏線もあるので、もしかすると続編あるかな?いずれにせよ楽しみに次回を待とうと思います。
こっちも気合の入ったレビューですね 時間をかけて読ませてもらいましたが 私のレビューと文章・構成とも全然被ってなくてびっくりです
>>ストーリー
ライザ達の成長が見れてよかったです フィーへの母性とか少しずつ大人になってる感じがあって主人公続行だからできる感動です
しかし萌えに媚びていないのはいいのですが 一人くらいライザの太ももに突っ込んでくれないか
>>調合
錬金術レベル廃止でいつもと違うますが 私は逆にレベルが足りないことにいつも絶望するのでやりやすかったです
>>戦闘が単調
スピード感があってよかっただろ
>>パティ
yukkun20さんも発売前からお気に入りのキャラですね 恋愛感情が明確に描かれたのは意外でしたけど 僕はライザはボオスの事
気があるんじゃないのかなと思ってます(あまり考えたくないですが
>>もしかすると続編あるかな?
なんか島でライザが錬金術を教えてるという女の子の話なかった?適当に流したんだけど もしかして次回で弟子ができてるかも・・
それよりそろそろルルアのアトリエは・・
2021.02.15 00:05 | by sasa
> フィーへの母性とか少しずつ大人になってる感じがあって
そうですね。最後フィーがライザに呼びかけるシーンはジーンときました。母性について触れなかったのはsasaさんのレビューとかぶってしまうと思ったからで、sasaさんの意見には同感です。
> 私は逆にレベルが足りないことにいつも絶望するのでやりやすかったです
なるほど、そういう考え方もあるか。yukkun20は大体錬金術レベルの方が早く上がるタイプなので気づきませんでした。
> スピード感があってよかっただろ
個人的にはコマンドバトルにスピード感はいらないと思う。
> 僕はライザはボオスの事気があるんじゃないのかなと思ってます
yukkun20は逆(ボオスがライザに気がある)に感じました。
> そろそろルルアのアトリエは・・
今年中にはやるお。
2021.02.15 01:16 | by yukkun20
文章がちょっと長くて 読むのに疲れます もう少しコンパクトにまとめられないのでしょうか
2021.02.15 11:33 | by sasa
最後の「総評」だけ読めばいいと思うよ。
2021.02.16 00:41 | by yukkun20