2021-02-11
【ゲーム】英雄伝説 創の軌跡 レビュー
空FC始めてから6年半、ようやくここまで来ました。…生きている間にこのシリーズが完結しますように(現在折り返し地点らしいので)
英雄伝説 創の軌跡
プラットフォーム | PlayStation®4 | |
ジャンル | ストーリーRPG | |
価格 | 通常版 : 7,800円(税抜) 限定版 : 10,800円(税抜) DL通常版:7,590円(税込) デジタルデラックス版:11,000円(税込) |
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公式 | 英雄伝説 創の軌跡 (はじまりのきせき) | 公式サイト – Falcom | |
プレイ時間 | 1周目:81時間(ノーマル) 2周目:69時間(ナイトメア) |
ストーリー
- リィンたちの活躍により、帝国全土を巻き込んだ黄昏は食い止められた。帝国の体制が崩壊したことで、2年間帝国の属州として冬の時代を過ごしていたクロスベルは、再び自治州として再独立を果たすことになった。しかしその当日、特務支援課のロイドたちが見守る中開催された再独立調印式は、投獄されていたはずの前クロスベル総督ルーファスの襲撃により蹂躙された。ルーファスは自治州としての独立ではなく、クロスベル独立国の樹立と、クロスベルによる大陸西部の統一を宣言し、それを阻止しようとしたロイドたちを一蹴する。一方、帝国でも、新婚旅行に出かけたオリヴァルト皇子とシェラザード妃が行方不明になるという事件が発生していた。そして「新帝国解放戦線」を名乗る正体不明の男《C》からの犯行声明が出される。クロスベルのため再び立ち上がるロイドたち特務支援課、密かにオリヴァルト捜索の任につくリィンたち新旧Ⅶ組、そして何らかの目的を持って動き出す《C》一行。三者三様の戦いは、やがて一つの大きな流れへ収束するのだった―
- ということで、軌跡シリーズの最新作です。過去4作に渡って描かれてきた「閃の軌跡」が前作で完結し、本作は閃のエピローグであるとともに、次回から始まる「黎の軌跡」のプロローグとも言える物語になっています。それでいて、碧の軌跡以来ほのめかされていたものの、明確に描かれなかった「クロスベル再独立」がしっかりと描かれる、これまでのファンにはたまらない作品になっています。ストーリー的にもきちんと一作で完結しているのは久しぶりですね(空3rd以来か)。
- 相変わらずストーリーは最高でした。今回は3つのルートを切り替えながら進めていくオムニバス形式になっているため、一つ一つのストーリーは短めです。しかしどのルートもきちんと起承転結や謎解きのあるストーリーになっていて、みんなに見せ場があり、冗長な感じもなく駆け足でもなく、とても面白かったです。あと台詞回しがこれまで以上に洗練された感じがしました(気のせいかもですが)。
- また本作では、メインストーリーと独立した「真・夢幻回廊」があります。ここではストーリーの進行とは(概ね)無関係に、各ルートのキャラや、メインストーリーではPCにならないサブキャラたちを仲間に加えて、ランダムダンジョンを攻略し、強力なクオーツ(パラメーターを上げたりアーツ(術)を使えるようになるアイテム)や装備品を集めて、好きなキャラをとことん強くすることができます。今作は50人以上がパーティに入り、その中で好きなキャラでパーティを組めるというのは思った以上に楽しかったです。また夢幻回廊ではそれ以外にも、ミニゲームを楽しんだり、閃の軌跡Ⅳと創の軌跡の間に何が起きていたかを描くエピソードを見たり、また次回作の予告編(のようなもの)を見たりと、お楽しみも満載です。正直130時間のうち40時間くらいは夢幻回廊にこもってたくらいです。
- 今回ストーリーは一本道ですが、夢幻回廊の最深部にはもう一つのエンディングとも言うべき展開が待ち受けています。是非プレイしてみてください。これまで謎に包まれていた少女キーアの出自に迫る、いい話でした。
- しかし今回もというべきか、結社についての話はほとんど進展しませんでしたね。今回も伏線張るだけだったなぁ。ゲームのパッケージ(上のスプラッシュ画面と同じ)に描かれている女性が結社のトップなんですけど、こんな風に3本の光を束ねているところ見せられたら、そりゃメインストーリーにがっつり絡んでくると期待するじゃないですか…!まさか3本の光は3つのストーリーの比喩ですらなかったとはorz。しかも次回舞台になるであろう共和国とは不可侵の約束をしてしまったので、次回作でもほとんど結社は絡んでこないんだろうなぁ…。これ本当に決着がつくのでしょうか。
システム
- 基本的なシステムは前作までと同様で、前作をプレイした人はそのまま違和感なくプレイできると思います。
- いつも言っていますが、声優も豪華だしイベントの質も高いので、パートボイスなのは残念です。とはいえ今回はキャラクターの見せ場はきちんとボイスが入っていたように思いますので、不満は大分減りました。また夢幻回廊では、これまであまり絡みのなかったキャラ同士や、意外な共通点を持つキャラ同士の会話が充実していて非常に楽しめました。ああこういうやりとりいかにもしそう…という感じでしたね。
- 相変わらず人物図鑑やモンスター図鑑、レシピ、釣り、カードゲーム、書籍集め、好感度上げなどコンプリート要素が満載なので、そういうのをちまちま集めるのが好きなyukkun20のような人にはたまらない仕様です。ただ参戦人数が増えたせいで、「VM」(カードゲーム)と「ポムっと!」(落ちものゲーム)の対戦人数がすごいことになっていて、コンプするのは大変でした。基本的にどっちも対戦相手による大きな差はないですからね。一戦一戦が短いのがまだ救いですけど。
- いつでもセーブは本当にすばらしいです。長丁場のRPGだからこそ、短い時間でもプレイしやすいこういうのは大事にしてほしいです。またログをいつでも見直せるのも、普通にありがたい。
キャラクター
- PCキャラは全部で51人と、過去最多だった前作よりさらに10人以上増えています(ちなみにパーティにいるが戦闘には参加しないキャラがあと2人)。本編のラスボス戦に挑めるキャラだけで41人おり、残りはゲストという扱いですが、ゲストキャラは本編では参戦しないだけで出番はきちんとあるので(まあ厳密にはない人もいますけど)、今作をプレイしただけでも、好きなキャラはできると思います。どのキャラも概ね過去作の能力を引き継いでいるので、これまでのシリーズをプレイしていればキャラの把握は余裕だと思います、他方でこれまでのシリーズをプレイしていないと、キャラの特性がつかみづらく苦労するのではないかと思います。せめてキャラクターの大まかな傾向が何らかの形でまとめられてたらよかったんじゃないかなと思います。例えばサラ先生は普通に運用すると中途半端な感じは否めないんですが、装備とクオーツをきちんと整えて回避型にすれば無双できますし。
- 51人は設定上の強さにも結構差があるのですが、設定的に最強格のキャラは、きちんとそれに応じた能力が付与されていて、「設定上は最強なのに仲間になったら弱くてがっかり」というのも少なかったと思います。
- また今作から新たに登場したキャラが3人いますが、3人ともこれまでいなかったタイプのキャラでした。その出自故、ほかのキャラとは少し距離を置いていましたが、その3人(+《C》)は非常に仲がよく、ストーリー的にはシビアでありながら明るい雰囲気で進んだのもよかったです。でもそこに加入したデュバリィさんはなじむの早すぎませんかね…?
- 今回は主人公が3人いるからか、いつものような好感度システムはありません。しかし、しかーし!夢幻回廊内のミニゲームで、女性陣とバナナボートに乗ったり、仲良くカクテルを飲んだ大人のデートをできるようになりました!しかもデートイベントはPSVR対応なのですが、どのモデリングもすごくよくできていて、ほんとこの時代に生きててよかった、(ろくに使ってないけど)PSVR持っててよかったと思わされる出来でしたね。
- ただ、そのミニゲームにはデュバリィさん(yukkun20お気に入りキャラ)も登場するのに、女性陣の中で彼女だけデートイベントがなかったことは絶許。幸い彼女は結社関係者で次回作以降も出番がありそうなので、ファルコムさんほんとマジよく考えて。
- 今回はモブキャラの数は少し少なめでしたが、いつも通り膨大なセリフ差分が用意されていて、ストーリーが進むたびにすべてのキャラに話しかけたくなります(し、話しかけました)。
バトル
- シンボルエンカウント制。フィールドも広めで敵の密度も薄いので、戦闘を避けるのも容易ですし、不意打ちで有利に戦闘開始するのも難しくないので、総じてストレスはたまりにくいですね。ただ2周目向けに完全にエンカウントを避けられるアイテムはあってもいいと思いますが。
- 戦闘画面も基本は変わっていません。行動順が回ってきた順番に、「移動」「攻撃」「アーツ」「道具」などのコマンドを選択して戦います。選んだコマンドによって次の行動順が回ってくるまでの時間も変わる、変則的なコマンド制+ターン制です。戦闘に参加できるのは4人で、2人ずつペアを組んで戦います。その他1~3人は控えメンバーで、途中で交代が可能。
- 攻撃には、威力が低く射程も狭いが連発しやすい「通常攻撃」、威力が高く射程もほぼ無制限だが発動まで時間がかかり、回復しにくいEPを消費する「アーツ」(テイルズでいうと術)、威力が高く即時発動するがCPを消費する「クラフト」、CPを全消費するが極めて威力が高く、ターンに関係なく割り込んで使用できる「Sクラフト」を使い分けて戦います。その他クリティカルが出た攻撃に「追撃」したり、追撃によって貯まったBPを消費することで、行動を消費せずに全員に有利な効果を付与できる「オーダー」や、高火力の攻撃が出来る「ラッシュ」「バースト」などの連係攻撃を繰り出すこともできます。また今作からヴァリアントレイジという、敵に大ダメージを与えたり味方を回復させたりしながらBPを回収できるシステムも搭載されたので、一層派手な戦闘を楽しむことができます。
- 今作から、発動しようとしている術が敵にどの程度効果的なのかが一目でわかるようになったのはありがたいですね。これまではいちいち敵のステータス画面を開かなければ確認できませんでしたが、今作はターゲッティングだけで表示されるので効率的に戦えます。
- 今回のクオーツシステムは前作とほぼ同じです。パーティ人数が増えましたが、マスタークォーツも増え、同じような性能のマスタークォーツも出てきたので、取り合いは大分減ったような気がします(ただ戦略上重要な「イージス」と同じようなマスタークォーツがもう1個くらいほしいところ)。ただ今作はロストアーツによるステータス変化が大きい割に、非常に手に入りにくいため、結局その取り合いで阿鼻叫喚でしたけどね。
総評
- いつも通り、王道ファンタジーのお手本のような作品で、文句なしの名作です。ストーリー、バトル、キャラクターというRPG3大要素(あくまで私見です)にほとんど不満がなく、それでいてそれらがシステム的にもうまく結合されています。ストーリーは深みがありながらもわかりやすいですし、バトルは爽快感があり、キャラクターには深く感情移入ができ、描写も濃厚と、素晴らしいゲームですね。このシリーズはずっと大きな不満はないのですが、それでも少しずついろんなところが改善されて言ってるのも素晴らしいことだと思います。
- トロコンの難易度は最近の作品の中では若干高いでしょうか。「ポムっと!」の難易度が高いのと、1500回が作業になるくらいかな。とくに「ポムっと!」は苦手な人は本当に苦手だと思うので、そろそろ救済措置用意してあげてもいいかと思います。
- あとゲーム本編とは関係ないんですが、限定版についてきた、軌跡シリーズのボーカル曲集めっちゃよかった。特に閃以降の曲はどれもしびれました。最近までずーっとヘビロテしてます。特に閃ⅡのED「I’ll remember you」と、創のOP「NO END NO WORLD」は最高すぎる。これだけで限定版は買う価値があると思いますよ。
- ちなみにyukkun20の夢幻回廊攻略パーティは…
- リィン…言わずと知れた超火力。徹底的にクリティカル率とクリティカルダメージを上昇させておけば、ボスだろうと一発でガタガタにできます。神気合一での火力底上げと強力なSクラで、ステ以上に強い。
- ノエル…yukkun20お気に入りキャラの一人。碧以来の参戦で入れないはずがない。エンブレムとカレイドを装備させ、開幕にSクラをぶっ飛ばして敵を一掃すると同時にセピスを荒稼ぎするのが仕事。今作で常時不足しがちなセピスを量産できる、縁の下の力持ち。ちなみに火力も普通に高い。
- エマ…俺の嫁。物理火力エース(STR6000)のリィンよりもさらに火力の高いアーツ火力(ATS6912)と、徹底的に詠唱時間を短縮したことで、詠唱の必要なアーツ使いなのにリィンよりもさらに回転が速いというよくわからない存在。Sクラは完全反射付与なので攻守ともに隙がない。
- サラ…俺の嫁2。クォーツと装備品で驚異の物理回避100%&アーツ回避100%。つまり敵の必中攻撃以外は当たりません。回避特化はほかのキャラでもできるのですが、サラ先生は特化できるキャラの中でも射程が長いため、敵の攻撃を回避するとほぼ確実にカウンターを打てるところが強み。高難易度になればなるほど輝く。
- しかしこれで一段落しましたね。実は閃Ⅰから、敵味方のSクラカットインをすべて保存しているんですけど、これそろそろ整理して世に出そうかな。今作は隠しカットイン(特定のタイミングや、特定の衣装を着てないと見られないカットイン)も多かったので探すの大変だったんですよ…。
いつもより気合の入ったレビューに驚いた
>>「クロスベル再独立」がしっかりと描かれる
零から順に追っていた人は感傷深いでしょうね 特務支援課の苦労を考えると泣きます
ただ最後のロイドのスピーチは聞きたかった!
>>今回は3つのルートを切り替えながら進めていくオムニバス形式
もともと群像劇が好きなので これを軌跡でやった面白くないはずがない・・
確かにサブイベントや絆イベントがないので短く感じますね
>>結社
ここまで引っ張るということは恐らく結社の目的は 軌跡シリーズの結末にも繋がる重大なものなんでしょうか
以前から考えてるゼムリア大陸仮想空間説・・なんだか現実味を帯びてきているような気がします
>>キャラクター
新キャラはあの3人だけですが C組本当よかった あの4人が今作で終わるのはもったいないので次回作でも出てほしい
というかなんでC組の夏休みだけないんだよ・・
>>デュバディ
彼女はチョロすぎて逆に一人にしぼりこめないのでは・・私はそろそろレンにもロマンスがないかなと思ってます
空組で相手いないのこの子だけだぞ
>>王道ファンタジーのお手本のような作品
そうですね次回からなんだか作風を大きく変えるようでどうなるかわかりませんが・・
というかスクショこれだけ?本当はもっと撮ってるのでは
2021.02.12 12:31 | by sasa
sasaさんにそう言っていただけると一日かけて書いたかいがあります(大げさな表現があります
> もともと群像劇が好きなので これを軌跡でやった面白くないはずがない・・
ですよねー。群像劇としても秀逸な出来でした。
> なんでC組の夏休みだけないんだよ・・
ナイスネーミングwでもその場合、プレイヤーは誰になるんですかねぇ。Cでもスウィンでもいまいちしっくりこない…
> 私はそろそろレンにもロマンスがないかなと思ってます
レンは次回作以降での出演がほぼ内定してますし、そちらで…ということでしょうか。
> というかスクショこれだけ?本当はもっと撮ってるのでは
まあ数百枚は撮ってますけど、厳選して、ということで…
2021.02.13 01:06 | by yukkun20
知ってると思うけど Cルートは新人のライターさんが脚本してるんだって
なんというかキャラクターのセリフ回しがいつもと違うようなきがしてましたが・・
そいうえば スウィン ナーディアへの報酬の話はどうなったのでしょうか
彼 無一文ですよね? 表向きはCは大犯罪者なので 口座なんて残ってないはずでは
2021.06.05 17:44 | by sasa
> 彼 無一文ですよね?
記憶が曖昧ですが、確かどこかに隠し財産があるって序盤にCが言ってたような気がします。
2021.06.05 21:04 | by yukkun20
今作でイリアを敵にする必要あったのかなという疑問はありますけど
クロスベルやリーシャをもう一度 掘り下げるには仕方なかったのかなと
納得はしないけどね 第一一番洗脳という類に屈しない人なんじゃないかと
2021.08.11 21:48 | by sasa