2021-01-30
【ゲーム】ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団 レビュー
あと軽く1週間はかかると思ってたのに、終盤怒濤のエレベーターラッシュのおかげで2日で終わったー!
ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団
プラットフォーム | PlayStation® Vita、PlayStation®4 | |
ジャンル | RPG | |
価格 | PSV通常版/DL版:6,200円(+税) PSV限定版:8,200円(+税) PS4通常版/DL版:7,200円(+税) PS4限定版:9,200円(+税) |
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公式 | ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団 | 日本一ソフトウェア | |
プレイ時間 | ノーマルエンド:94時間 トゥルーエンド:+32時間 |
ストーリー
- 探索助手募集の貼り紙を見て、とある貴族の屋敷―ガレリア宮にやってきた少女・ユリィカ。彼女は同じく貴族に使える魔女・マダム・マルタと協力して、屋敷の地下に広がる謎めいた迷宮を探索することになる。一度行くと生きては帰れない広大な地下迷宮に向かうのは、彼女に取り憑く謎の存在・コウレイトウと、魔女の力で生み出された人形兵たち。果たして迷宮はなんのために存在するのか、そしてそこにある宝物とは―?
- ということで、日本一ソフトウェアの名作DRPG「ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団」の続編がついに出ました!といっても前作との話の繋がりはほとんどないので、これからプレイしても大丈夫な内容になっています。
- 前作もストーリーについては手放しで褒めましたけど、今作もストーリーの素晴らしさについては文句のつけようがないです。シナリオライターの泉達也氏の名前はしっかり覚えました。今作は前作に比べるとストーリーはわかりやすくなっていて、よりyukkun20好みになりました。今回は中盤でそれまでのストーリーと全く違う話が始まり、完全にプレイヤーは置いてけぼりになるのですが、進めるうちに二つの話がしっかりと結びつき、グランドフィナーレに向けて転がっていく様は圧巻でした。これからプレイする人はネタバレを見ない方が断然面白いですよ。ストーリーアーカイブが搭載されましたが、プレイ後に改めてみると、そこかしこに伏線が張り巡らされていて驚きました。
- 序盤は、主人公のユリィカも、途中で登場する魔女のナチルも、あんまり好きになれない感じのキャラ立てがされています。でも彼女たちが次第に仲良くなっていき、あれ、今回シナリオ結構ほのぼのじゃん…!と思った瞬間にあのバッドエンド。そして意味の分からない場面切り替え。しかし話を進めていくうちに、ナチル…なんていい子なんや!とどんどん彼女に肩入れをしたくなります。彼女もものすごい辛い人生を送っていて、それでも懸命に生きて、そしてまたも悲劇展開。しかしそこからの大逆転、ユリィカけなげすぎる…!からのトゥルーエンドの大団円は涙なくしては見られませんでした。DRPG界隈ではもちろん、RPG界隈全体で見ても、トップレベルのシナリオでした。
システム
- 紙芝居で進んでいくシナリオ部分と、ダンジョンの探索パートを繰り返して進んでいく、最近ではオーソドックスになったDRPGスタイルです。しかし前作同様、特徴的なシステムがいくつかあります。
- まず、パーティ人数はなんと最大で40人です。とはいえ戦闘に参加するのはそのうち15人で、残りの25人はバックアップ(戦闘要員の能力を上げたり、敵に狙われやすく/にくくしたりする)。15人は最大5つのチーム(カヴン)を作り、戦闘時の行動はこのカヴン単位で行います(なので、1ターンにすごく時間がかかることはありません)。
- カヴンを組むには、結魂書というアイテムが必要です。このアイテムにより、1パーティの人数制限や、パラメーター補正、使用できるドナム(術のこと)が決まってきます。基本的に所属人数は多い方が有利ですが、少ない結魂書はパラメーター補正が大きかったりと色々特色があります。パーティ編成をうんうん悩んでいるだけで面白いですよ。
- 作成できるキャラは全部で24種類。それぞれに12~24パターンのデザインが用意されていて、さらに名前、あだ名、性格(パラメーター補正に影響)、声、成長タイプなど好きに決めることが出来ます。どの職も光るものを持っているので、好きなように育てたらいいと言いたいところですが、転職があるにもかかわらず、初期職の影響がかなりでかいため、育成は計画的にした方がいいかもしれません。もっとも、序盤には全く気にする必要はないです(中盤で育成環境が整ってから作り直せばいいので)。
- ちなみにyukkun20のパーティーですが、アステルアーシェ*2(ドナム要員)、ワンダーヴィアンデ&シノマシラ(スタン&火力要員)、アステルアーシェ*2(ドナム要員)、ピアフォートレス*3(ガード要員)、ラピッドラプター*2&ゴシックグラトニア(先制要員)でした。全員6回程度転生しているのでアニマ(転生の度に増える数値。成長率に影響する)は99です。
- マップはオートマッピングです。あまり複雑な仕掛けはないですが、単調にならないようなギミックは多くあり、あまり飽きることはなかったですね。他にも迷宮の壁を壊せる「壁壊し」(鍵の意味は!?)、パーティを組んだり、迷宮で回復したり、キャリーオーバー(戦闘報酬を受け取らず次の戦闘まで持ち越すことで、ボーナスが付くシステム)したり、壁を壊したりするその全てに影響する「リィンフォース」という数値など、既存のDRPGとの差別化も十分でした。
- ただ、中盤でランダムダンジョンが出てくるのですが、ちょっと冗長だった気がします。もちろんランダムダンジョンもスパイスとしてはいいのですが、DRPGの楽しみの一つはマッピングなので、マッピングの意味がないランダムダンジョンが長く続くとちょっと悲しい。幸いアプデで短くなりましたが…
- それと、ラスダンについて述べないわけにはいきません。本作はノーマルエンドのあとに、グラン・カテドラルというランダムダンジョンがあります。エクストラダンジョンとはいえ、クリアしないとトゥルーエンドを見られない上に、作中の伏線のいくつかがよく分からないまま終わってしまいます。従ってプレイするしかない…のですが、なんと全部で3651層というケタ違いのボリュームを誇ります。ちなみに上で長い長い言ってる中盤のランダムダンジョンは200階もないです。文字通り桁が違う。
なおセーブポイントは、365層毎にある固定のポイントと、探索中にランダムで登場するポイントしかありません。それ以外の場所で脱出したり全滅したりすると、セーブポイントからやり直しです。幸い中断は可能ですが、中断データは再開すると消滅するので、これには頼れません。クラウドを使えばいい?実は中断セーブには時々再開できなくなるという恐ろしいバグが…(アプデで修正されたのですが、実はアプデ後も時折起こります。yukkun20も一度やられて100層くらい巻き戻されました)。れまたランダムで登場するエレベーターというワープポイントを見つければ、一気に50~300階層くらい飛ばせるので、基本的にこれを探して進めていく運ゲーです。
なのに事故死が結構あります。扉を開けたら強敵が出て逃げられず撲殺、壁を破壊しながら襲ってくるほぼ勝てないモンスターに捕まり敗死、ターンオーバー(一定時間後にダンジョンの一部が消滅する現象。一定時間というのが短めで、発生領域の中心付近にいると脱出できないことが多い)に巻き込まれ行方不明死、巻き込まれずに済んだものの階段へ続く道が崩落し、やむなく飛び降りたら墜落死、うっかり落とし穴にはまって墜落死、ビバーク(20ターン動けない代わりに体力を回復するコマンド)中に敵に襲われ頓死などなど…。
- ただ、このダンジョンが長い理由は分かります。ストーリーの必然性があるからです。プレイしている時は、この半分でも長いわ…と思ってプレイしてましたが、クリアしてみれば結構適量だったのでは?という気もしています(実際、トロコン率は14.5%くらいなので、難易度としては並です)。ただこれがあるせいで、これまでDRPG経験がない方に,最初のDRPGとして勧めるのは躊躇を覚えます。多分、「エレベーターの出現率を少し上げる」「フロアの広さをもう少し狭くする」「匙(敵が出現しなくなるアイテム)を店売りにする」のうち1つでも調整入れば、大分プレイしやすくなりそうです。
- あともう一つ、このゲームにも、指定されたアイテムを集めて報酬をもらういわゆるクエストシステムがあります。が、集めるよう指定されるアイテムはほとんどがダンジョンに落ちているランダムアイテムです。「ランダム」というのは、落ちている場所ももちろんですが、取得できるアイテムの種類もランダムという意味ですです。ちなみに一つのダンジョンに落ちている可能性があるアイテムは20種類なので、散々探し回っても関係ないアイテムばかり拾い、目的の物が一つも見つからないことがあります。そんなアイテム10個も探させるな!お前だよチョコドングリ!(なお関係ないアイテムは売るくらいしか使い道がないので、徒労感半端ない)
キャラクター
- 今作は前作に比べると登場人物は多かったですね。ストーリーは前半はユリィカ、中盤はナチル、終盤は…の視点で進んでいくのですが、それぞれに考えさせられるシーンがあり、終盤ではどのキャラも好きになっていました。特にマダム・マルタについては特筆すべきものがあります。ゲーム界にこんな魅力的なばあちゃんがいたでしょうか。まさかばあちゃんに感情移入する日が来るとは。
- それ以外にも口が悪いのになぜか憎めないペリコ、未来のために自分の運命を犠牲にした巫女のウールー、ナチルと共に戦う、ソサエティに所属する魔女達、ナチルに無条件の愛を注ぐ母のニーナなど、魅力的なキャラがいっぱいでした。まあここに挙げたキャラは死亡シーンも多いですが…
- 声優さんは全然知らない方がほとんどでしたが、演技は素晴らしかったです。特にナチルは感情の起伏が大きかったのにすごくうまく演じられていました。魔女ノ旅団を呼び出すところなんかかっこよすぎる。
戦闘
- シンボルエンカウント方式です。迷宮なので敵を避けづらいところもあり、また扉の向こうは見えないので、不意のエンカウントも多く、早く進みたいときにはちょっと苛つくこともありましたが、敵から身を隠ししたりするスキルも結構あるので、それほどストレスはたまりません。
- 戦闘時は前記の通り5つのカヴンをコントロールして戦います。前作は戦闘ログの量がかなり多く、テンポが悪かったですが、今回は必要最小限のログにすればさくさく進みます。また経験値稼ぎも比較的容易になったので、キャラクター育成も楽になったのではないでしょうか(ただし経験値ガッポリGはマジいい加減にしろ。ドロップ率あり得ないだろ)。yukkun20もノーマルエンド後、育成のために10時間くらいはダンジョンにこもってました。
- ボスはだいぶ強弱に差がありますが、時折異常に強いボスがいます。一応難易度設定もあるのですが、最低難易度にしても育成必死なので、レベル上げが嫌いだとちょっと辛いかも知れません。でも育成すれば無双ですし、どの難易度でもトロフィーは問題なく取得できるので、DRPGが苦手な方にも挑戦してほしいです。最終盤は装備によるパラメーター補正がでかすぎて、素のパラメーターとかどうでも良くなったりしますが…。なんか段々ディスガイアに近づいてきてる?
総評
- そんなわけで、ラストダンジョンを無視すれば、文句なしの名作です。ラストダンジョンは人によって大きく評価が分かれるところですかね。個人的に終わってみればそんなに悪くなかったのですが、2800~2900層あたりはエレベーターが全然出なかったので、そこをプレイしている時だけは辛かったです。
- しかし本当にストーリーは素晴らしいですし、迷宮探索も楽しいので、DRPG好きには強くおすすめしたいです。特にルフ魔女を楽しめたのであれば、これをプレイしないのはありえないです。
- yukkun20は、もし次回作が出れば、予約して買います。でもその前に、そろそろ魔女シリーズをまとめた設定資料集出して…
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23:57 | レビュー > ゲーム > その他のゲーム | ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団 | (6)
ゲームの感想にシステム面をここまで細かく説明する必要はありません
読み手はあなたがこのゲームのどこかよかったか悪かったか知りたいだけなので
僕なんか書きたいことをかなりはっしょってるけど 他人にはどうでもいいことだろうし
2021.01.31 12:44 | by sasa
主語でかいなぁ。システムもゲームの善し悪しを決める要素の一つだと思いますが。
2021.01.31 18:24 | by yukkun20
大変丁寧なレビューだと感じましたよ。
書き手の主観による感想は勿論大切ですが、システム面やゲーム性の俯瞰的な評価も、その作品の購入を迷っている読み手にとっては有益な情報です。
今後の記事も楽しみにしております。
2021.02.23 21:40 | by 名無し
わざわざご丁寧にありがとうございます。
2021.02.24 00:55 | by yukkun20
>>3651層というケタ違いのボリュームを誇ります
この記事では書ききれない苦労があったと思いますがよくやりとげましたね
不思議なダンジョンでも聞いたことない階層です….
2023.06.28 00:12 | by sasa
あれは今でも結構トラウマですね。それでもプレイするだけの価値のあるストーリーだったのは間違いないです。
2023.06.28 00:13 | by yukkun20