2020-05-30
【ゲーム】英雄伝説 閃の軌跡IV ~THE END OF SAGA~ レビュー
ようやく軌跡シリーズを発売直後にプレイできる身になりました!
英雄伝説 閃の軌跡IV
プラットフォーム | PlayStation®4 | |
ジャンル | ストーリーRPG | |
価格 | 通常版 : 7,800円(税抜) 永久保存版 : 11,800円(税抜) DL通常版:7,334円(税込) デジタルデラックス版:11,000円(税込) |
|
公式 | 英雄伝説 閃の軌跡IV -THE END OF SAGA- | 公式サイト – Falcom | |
プレイ時間 | 1周目:124時間(ノーマル) 2周目:33時間(ナイトメア) |
ストーリー
- 大陸制覇の準備を着々と進める帝国。帝国を蝕む黄昏の呪いが大陸全土に広がることを懸念するリィンたちは必死にそれに抗おうとするが、戦いに敗れ、大切な仲間を失い、リィン自身も捕われの身となってしまう。なんとか戦場を離脱した新旧Ⅶ組の面々は意気消沈するが、彼の教え子であるユウナの言葉に立ち直り、リィンを取り戻して黄昏を食い止めるため、再び立ち上がる。果たして彼らはリィンを助け出し、大陸全土を巻き込む悲劇を食い止めることが出来るのだろうか―
- ということで、軌跡シリーズの最新作です。過去3作に渡って描かれてきた「閃の軌跡」の物語の完結編として、またそれ以前のシリーズの総まとめとして位置づけられた本作は、これまでの伏線の多くを回収し、過去作に登場したメインキャラクターのほぼ全員が登場する、まさに集大成とも言える作品でした。ストーリーも(トゥルーエンドまで行けば)これまでの苦労全てが報われるハッピーエンドになっているので、シリーズファンも安心です。
- 今回もストーリーは最高でした。序盤はリィンを取り戻すため、新Ⅶ組が前作でリィンから学んだ教えを旨に帝国各地をめぐり、リィンを取り戻してからは、世界大戦へ流れていくこの世界をなんとか食い止めようと抗う新旧Ⅶ組の活躍がしっかり描かれていました。その分ボリュームも過去最大でしたが…。前作では新米教師として学生たちを導く立場だったリィンも、今回は騒動の当事者として、そして新旧Ⅶ組の重心として、少し違う立場から仲間たちを引っ張っていく存在になっていて、Ⅰからその成長を見守っていたファンとしては感慨深い物がありました。
- そして過去作に登場したキャラクターたちがこれでもかと登場するのも、シリーズファンにはたまりません。半端ない人数が登場するのですが、それぞれにそれなりの見せ場が与えられていて、過去作の冒険が全てこのエピソードに繋がっていることを感じました。
- 今回はノーマルエンドの他に、トゥルーエンドが用意されています。ノーマルエンドは…なんですが、トゥルーはその印象を吹き飛ばすくらい幸福感に溢れたエンディングで、ご都合主義と言えばそれまでなんですけど、yukkun20としては満足のいく内容でしたね。
- ただ、いつものことなんですが、全ての元凶になっている結社と決着が持ち越しになってしまったのが気になりますね。今回人材という意味では結社もそれなりのダメージを受けたと思うんですけど、カンパネルラやマリアベル、シャーリィ、セドリックと言った結社のヘイト集め担当が全員ノーダメで逃げちゃったからな…。特にセドリックは社会的にも責任を取るべき立場にいるはずで(実際彼が逃げたおかげでその後の政局も相当混乱している)、かなり引っかかるものを感じました。いい結社メンバーは死んだメンバーだけ。しかもエンディング後の隠しイベントで、結社の盟主が全部予想通りみたいなこと言ってるし…。
システム
- 基本的なシステムは前作までと同様で、前作をプレイした人はそのまま違和感なくプレイできると思います。
- 前作でも言いましたが、声優も豪華だしイベントの質も高いので、パートボイスなのは残念です。特に主人公以外のボイスはあるのに、主人公のボイスだけないシーンが結構多いのは気になりますね。サブイベントも抱負なのでフルボイスは大変だと思いますが、せめてメインだけでもフルボイスにしてほしい。でもストーリーが進んでモブキャラの台詞が変化するときちんと教えてくれる仕様になっているのは◎。
- 相変わらず人物図鑑やモンスター図鑑、レシピ、釣り、カードゲーム、書籍集め、好感度上げなどコンプリート要素が満載なので、そういうのをちまちま集めるのが好きなyukkun20のような人にはたまらない仕様です。零の軌跡でプレイできた落ち物ゲーム「ポムっと!」もプレイできますよ!
- いつでもセーブは本当にすばらしいです。長丁場のRPGだからこそ、短い時間でもプレイしやすいこういうのは大事にしてほしいです。
キャラクター
- PCキャラは全部で39人と過去最多です(というかRPG界でも最多ではなかろうか)。本編のラスボス戦に挑めるのは16人で、残りはゲストという扱いですが、ゲストの中でもほぼストーリー全体で参加しているキャラもいますし、スポットで参戦するだけのキャラもいて、扱いには差がありますね。これだけいると、各キャラの特性を把握するのも一苦労…と言いたいところですが、メインの16人とはもう長い付き合いで、どういうキャラかはよく分かっているので、苦労はあまりありませんでした。
- 39人は設定上の強さにも結構差があるのですが、設定的に最強格のキャラは、きちんとそれに応じた能力が付与されていて、「設定上は最強なのに仲間になったら弱くてがっかり」というのも少なかったと思います。前作はパーティの自由度がやや低めでしたが、今回はプレイヤーが慣れたことを想定しているのか自由度も大きいので、好きなキャラを好きに使えると思いますよ。
- 今回も女性キャラとの好感度イベントが用意されていますが、前作と違って各キャラとかなり深い関係になることが出来ますね。反面、11股すると、ある程度深い仲になった女性10人をフラないといけないので、ちょっと心が痛いな…。いつもどおり今作も委員長ことエマと、サラ教官の2人でエンディングを迎えました。トワ先輩も捨てがたかったけど…。あとデュバリィさん、明らかにリィンに惚れてると思うんだけど、なんで彼女のエンディングはないんじゃい!
- 過去作のメインキャラのみならず、閃の軌跡シリーズに登場したモブキャラも多くが続投していて、懐かしい気持ちになれます。ワールドマップも広くモブキャラの数も多い上に、いつも通り膨大なセリフ差分が用意されていて、ストーリーが進むたびにすべてのキャラに話しかけたくなります(し、話しかけました)。
バトル
- シンボルエンカウント制。フィールドも広めで敵の密度も薄いので、戦闘を避けるのも容易ですし、不意打ちで有利に戦闘開始するのも難しくないので、総じてストレスはたまりにくいですね。ただ2周目向けに完全にエンカウントを避けられるアイテムはあってもいいと思いますが。
- 戦闘画面も基本は変わっていません。行動順が回ってきた順番に、「移動」「攻撃」「アーツ」「道具」などのコマンドを選択して戦います。選んだコマンドによって次の行動順が回ってくるまでの時間も変わる、変則的なコマンド制+ターン制です。戦闘に参加できるのは4人で、2人ずつペアを組んで戦います。その他1~3人は控えメンバーで、途中で交代が可能。
- 攻撃には、威力が低く射程も狭いが連発しやすい「通常攻撃」、威力が高く射程もほぼ無制限だが発動まで時間がかかり、回復しにくいEPを消費する「アーツ」(テイルズでいうと術)、威力が高く即時発動するがCPを消費する「クラフト」、CPを全消費するが極めて威力が高く、ターンに関係なく割り込んで使用できる「Sクラフト」を使い分けて戦います。その他クリティカルが出た攻撃に「追撃」したり、追撃によって貯まったポイントを消費することで、行動を消費せずに全員に有利な効果を付与できる「オーダー」や、高火力の攻撃が出来る「ラッシュ」「バースト」などの連係攻撃を繰り出すこともできます。
- 今作も、「バーストゲージ」システムは続投しています。ゲージは攻撃を当てると減っていき、0煮なると敵がバースト状態になります。バースト状態だと、全ての攻撃がクリティカルになる、次の行動順が大幅に遅くなり、さらに行動不能など、かなりこちらに有利な効果が発生します。前作ではこれがあまりに協力で、一度バーストを起こすとそのまま押し切れることも多かったのですが、今回はバランス調整がなされてそこまで強くはなくなりましたね。なので若干爽快感は落ちているかも知れません。まあアッシュの即死攻撃が強過ぎるので、雑魚戦はそれを使えば問題ありませんけど。
- 今回のクオーツシステムは前作とほぼ同じです。パーティ人数が増えすぎて、マスタークォーツの取り合いで阿鼻叫喚になるかと思いましたが、今回からメインマスタークォーツは取り合いですが、サブマスタークォーツは無制限に装備できるようになったので、前作より帰って楽になりました。まあせめて2個ずつ入手できればよかったですけど。
総評
- いつも通り、王道ファンタジーのお手本のような作品で、文句なしの名作です。ストーリー、バトル、キャラクターというRPG3大要素(あくまで私見です)にほとんど不満がなく、それでいてそれらがシステム的にもうまく結合されています。登場人物も多いですが散漫になっておらず、それぞれのキャラがそれぞれの立場で、それぞれの意思を持って行動しているのがよく分かる物語になっていました。
- トロコンの難易度はいつも通りくらいだと思います。攻略サイトか攻略本があれば問題なし。ポムっと!は苦手な人はちょっと苦戦するかも…
>PCキャラは全部で39人と過去最多です(というかRPG界でも最多ではなかろうか)
1993年に、ロマサガ2という、仲間総数260人はいた、お化けゲームが、ありましてねえ…w。
2020.05.30 21:46 | by Ivan
そういえば幻想水滸伝とかもあるか。上には上がいるなぁ。
2020.05.30 23:53 | by yukkun20
今までの軌跡はこのゲームのためにあったんじゃないかと思うRPGでした
過去の主要人物も登場しますが 基本7組は空気にならず バランスがとれたシナリオでした
しかしこれで軌跡シリーズは 半分くらいとは物語の壮大さを感じます
ただ前から言ってますけど 僕としてはリィンに思入れがありすぎて 次回作からの主人公変更を
受け入れられるのか心配です
2020.05.30 22:06 | by sasa
リィンはこの先も重要なポジションにいるはずですが、リィンの物語がメインで描かれる可能性は低いでしょうね。yukkun20もリィン好きでしたね。今作でも早く助け出して上げたいというモチベーションが普通に持てましたし、奥義伝承イベントは燃えた。
2020.05.30 23:54 | by yukkun20
まあ7組の物語は綺麗に終わった感はあるんだけど
帝国の黒い歴史は全部呪いでしたじゃなくて ちゃんと向き合ってほしかったよな
空の軌跡からやった人 これどう思ったんだろう ハーメルの悲劇とレーヴェの覚悟がうやむやにされた
キレたんじゃないだろうか
僕は閃からやったから気にならないけど 空からやってたら 酷い後付けだと非難したかもしれません
2021.08.03 19:31 | by sasa
なるほど。確かにあれだと全て運命ってことになっちゃいますもんね。yukkun20はこういう筋立てはあまり気にならない方なんですが、確かに気になる人はなるかも。ただ、「結社は実は運命に抗うために暗躍してたんだ、だから実はいい人なんだ」的な展開は勘弁してほしいところ。
2021.08.04 00:41 | by yukkun20