2019-11-21
【ゲーム】ライザのアトリエ~常闇の女王と秘密の隠れ家~ レビュー
太ももだけじゃないよ!
ライザのアトリエ~常闇の女王と秘密の隠れ家~
プラットフォーム | PlayStation®4, Nintendo Switch™, Steam® | |
ジャンル | 錬金術RPG | |
価格 | 【PS4】 通常版 希望小売価格 8,580円 ほか |
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公式 | ライザのアトリエ 〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜 | |
プレイ時間 | 1周目:52時間(プラチナ) |
ストーリー
- 湖に浮かぶクーケン島。そのラーゼンボーデン村で暮らすごく普通の少女・ライザと幼馴染のレント・タオは新たな刺激を求めて毎日を楽しく過ごしていました。ある日、村の禁を破って初めて村の外に出た3人は、そこで外から来た同じくらいの年の少女・クラウディアと、彼女を探しに来た謎の旅人・アンペルとリラに出会います。ライザはクラウディアとすぐ仲良くなり、またこれまで見たこともないアンペルの力―錬金術に惹かれ、彼に弟子入りします。レントとタオもそれぞれ自分の夢を叶えるための一歩を踏み出した頃、村には重大な危機が密かに忍び寄っていました―
- 前々作の「リディー&スールのアトリエ」で不思議シリーズが完結し、前作の「ネルケと伝説の錬金術師たち」はお祭りゲーだったので、久しぶりの新シリーズということになります。
- 今回のストーリーですが、評価は迷うところですね。正直なところ、やや雑なところもあります。(以下割と深めのネタバレがあるので反転)まず今回の敵は、かつてこの地に存在した古王国を滅亡させた魔物です。普段魔物は異界にいるので接触することはないんですが、いろんな事情で異界との門が不安定な状態になっていて、まもなく大軍が押し寄せてきそうな状態になっています。それを食い止める方法はただ一つ。こちらから打って出て敵の女王を倒すのだ!…いやいやいやいや。かつての高度文明の軍隊ですら全滅した相手を奇襲で倒すって無理だよな!?
- それからライザが強過ぎるのが気になります。今作はこれまでの作品と違い、作中で経過する時間は「ひと夏」です。これまでの作品は大体数年の物語だったので、最終的に主人公が超強化されるのはまあいいんですけど、今回は錬金術について全く知らない(しかもソフィやフィリスのように目立つ素質もない)少女が、わずかひと夏で、王宮勤めをしていた凄腕の錬金術士を越えるまでに成長し、軍隊でも倒せなかった魔物を倒す訳ですから、ちょっと突飛な感じが拭えません。
- じゃあストーリーがダメだったかと言われると、そんなことはないと断言できます。そういった点をカバーできるくらいの勢いがあります。最初は島の対岸でのささやかな冒険だったのが、次第に行動範囲を広げていき、世界の謎に触れ、最後は故郷に回帰するという流れが爽やかな冒険譚として描かれていて、結構引き込まれました。yukkun20は前述したようなストーリー矛盾が割と気になるタイプなのですが、今回はそれでも許してしまえそうなくらい、先の冒険に対するわくわく感がありましたね。未知の錬金術という新しい力にわくわくするライザに感情移入が出来た気がします。
システム
- 調合について
- アトリエシリーズと言えば調合。今作もシステムをがらっと変えてきました。これまでの調合だと、強力なアイテムを作るためには、高い品質、強力な効果、調合時の品質を上げるための+αを兼ね備えた素材探しから始めなければならず、またそれをうまく組み合わせないと目当ての品が作れなくて、楽しい反面極めるのにはかなり苦労させられました。
- しかし今回は、錬金が通常の調合と、アイテムリビルドに分けられました。通常の調合は基本的にこれまでと同じですが、投入する素材の種類が限定されたのと、投入できる素材の個数制限が緩くなったことで、割と新しいアイテムをガシガシ作っていけます。アイテムリビルドは一度調合したアイテムに追加で素材を入れることで、さらにアイテムを強化することが出来ますが、このときには品質は変化しません。ということは、高品質のアイテムでとりあえず高品質なアイテムを作成し、そこに低品質だけど強力な効果を持ったアイテムを入れてリビルドすることで、簡単に高品質・高効果のアイテムが作れるようになったわけです。
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- また、アイテムの複製が簡単にできるようになったこと、複製できない素材アイテムも採取地調合で簡単に大量に手に入れられるようになったこと、これらの機能がアトリエに集約されたことで、ひたすらアトリエで調合に没頭することが出来るようになりました。
- そんなわけで、正直アーランド以降の調合システムの中では一番好きです。
- その他について
- フィールドでは時間の概念がありますが、あいかわらずあまりうまく使えてないような。今作は時間帯による変化があまりなく、NPCのイベントフラグくらいにしか影響がないです。フラグが出たり消えたりしてうっとうしいので、もういっそのこと時間帯の影響は景色が変わるだけにしてもいいと思う。
- あと、リディスルの時に街のグラフィックを散々批判しましたが、今作でいきなりレベルが上がっていてびっくりしました。相変わらず人口が少なすぎて町が過疎っぽいのは気になりますが(ただ今回は舞台が都市ではなく村なので許せるレベル)、背景の美しさやその演出についてはかなり良かったです。そりゃメーカーもフォトモード(キャラを自由に配置してスクリーンショットを撮影できる機能)付けるわ。
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- ファストトラベルはリディスルより大分改善されましたが、まだ使いにくい。今回もアクセスポイント制なんですけど、どこからでも飛べるアクセスポイントと、アクセスポイント同士でしか飛べないアクセスポイントの2種類が存在し、しかもそれぞれの距離が微妙に離れていたりして、移動にストレスを感じることが多かったです(アクセスポイントから離れた場所にしか出てこないNPCとかもいるし)。ここはもうちょっと改善して欲しいところ。
- あと細かい点ですが、過去作恒例だった図鑑のフレーバーテキストや、サウンドテストのスタッフコメントなど、読み応えのあったコンテンツが削られてしまったのは残念。確かにあれは作成コストの割にリターンが薄そうだから真っ先に削られたのも理解できるけど…
- 全体としてみれば、大きな不満点はなく、次回以降改良してくれれば万事OK、という感じでした。
キャラクター
- PCキャラは全部で6人。今作は全員パーティに入れることが出来、そのうち3人を戦闘メンバーにします。今回はキャラにより前衛と後衛が別れていますが、キャラ性能にはそれほど大きな差がないので、わりと好きな組み合わせで戦えます。前衛3人とかでも問題ないレベル。
- 今回はアトリエにしては珍しく、悪役的なキャラが登場します。その反動か、パーティメンバーの中が非常にいいです。ケンカになる場面もほとんどなく(DLCの追加エピソードくらいでしょうか)、師匠に当たるアンペルとリラも強い目的意識を持ったキャラでありながら、一歩引いたところからライザたちの冒険を見守っている感じが出ていて、全体的にいい雰囲気の中で冒険を楽しむことが出来ました。
- 他方悪役キャラも、中盤まではやりたい放題でなかなかにヘイトを集めるのですが、途中で主人公たちとも和解し、行動原理も大きく変化します。その変化の過程も十分説得力を持って描かれているので、終盤ではプレイヤーも「パーティには加わらないけど重要な仲間」として見られるようになりました。
- 今作はライザのキャラクターが発売前から注目されていましたが、キャラゲーになっていなかったのは特筆すべき所でしょう。確かにライザは肉感的なキャラクターとして描かれていますが、作中ではその点に注目させられることはありません。性格的にも、割とオーソドックスなおてんば少女として描かれていて、極端なキャラ付けがされておらず、万人に好感を持ってもらえるキャラに仕上がっていたと思います。これは他のキャラも同じで、どのキャラも若干控えめな味付けになっていましたが、全体としてはうまくバランスが取れていたと思います。
- ただ、NPC立ちも味付けが薄めで、しかもボイスがないため、こちらは没個性的になっていたのは残念。一応今回はクエストが自動生成ではなく、NPCを中心としたストーリー仕立てになっているんですけど、これも淡泊なのであまり印象に残りませんでした。
- あと今作もパメラさんらしきキャラを確認できる(ただし名前は「パミラ」)んですけど、なんでボイスがないんじゃい!登場フラグ立てるのすごい大変なのに…谷井さーん!
戦闘
- シンボルエンカウント制です。今作も敵はこちらを認識するとレベル差があっても襲いかかってくるのでちょっと面倒なことも。そろそろエンカウントキャンセルシステムが欲しい。
- 戦闘難易度は低めだと思います。というより、調合システムのおかげで装備やアイテムのインフレスピードが速く、敵のインフレがついてこれていません。上記の通り調合を極めるのは比較的簡単なんですが、極めてもそれをぶつける相手はいませんね。DLCでもあまり強い敵は追加されませんでした(まあyukkun20はアトリエシリーズに強敵の存在は期待していないので特に不満はないです)。
- ただ、これは意図的なものかもしれません。戦闘システムもこれまでと比べると大きく変わってるからです。これまでアトリエは、ウェイトターンバトルが基本でした。今回も基本はそうなんですが、それよりリアルタイムバトルに近くなっています。つまり、ウェイトターンでありながら、コマンド選択中に時間が止まりません。ウェイトターンが回ってきた時点で、攻撃、アイテム、スキルの中から行動を選ぶのですが、その選択中もガンガン敵は動いてきます。3人パーティですが、仲間も自動で行動します(操作キャラはいつでも切り替え可能)。相変わらずチュートリアルがあっさり風味なので、戦闘に慣れるまでに時間がかなりかかりました。そういった事情から、戦闘の難易度を落としているのかも知れません。
- ただいつもどおり戦闘時演出がやや長く演出もスキップできないので、リアルタイムバトルのサクサク感が阻害されている気もします。このあたりはそろそろ演出OFFできるようにして欲しいところ。
- これまではアイテム係=最強でしたが、今回はアイテムの使用制限が結構きついため、物理型のキャラも十分活躍できるバランスになっています。そういう意味でパーティ編成の自由度も高いです。yukkun20は難易度HARDでプレイし、防具だけまじめに調合(↓)してあとは割と適当装備でしたが、問題なくトロコンまでたどり着けました。
総評
- システムが新しくなったにもかかわらず出来が良く、ストーリーは最高とまでは言えないものの牽引力のある魅力的な話に仕上がっており、アトリエシリーズの復権を感じさせる良作でした。yukkun20がプレイを再開した黄昏シリーズ以降の作品を評価すると、アーシャ≧ネルケ>ライザ>エスロジ>その他というところでしょうか。
- ただ今回はぐっとはまれるキャラはいませんでしたね。ライザもクラウディアもかわいいのですが、前述の通り味付けが薄めなので、ものすごくはまるという感じではなかったです。ここも次回作に期待かな。
- この作品が新たなシリーズの1作目になるのか、それともこれで完結なのかは分かりませんが、次回作にも期待したいと思います。DLCとか見ると、連作になりそうな感じですが果たして…
- DLC追加エピソード「常夏の女王と秘密の隠れ家」は1回だけある戦闘が非常に厳しいです。島で採取できるアイテムを使って、ルフトを調合しましょう。ルフトは敵の弱点を突けるので、それをライザに投げさせまくれば勝てます。
>>FF10は生と死の世界を敢えてあやふやにしている部分があります。例え死んでしまったとしても、現世への想いが強ければ今の世界に留まれるという世界設計です。(なのでシーモアと何度も戦闘する)
そういう設定があったのですね そうなるとキャラクターの死は 少し緊迫感が薄れるでしょうが結局現世に止まれる保証がないのなら同じでしょう
>>・ずっとこのままみんなで旅をしていたい。
・エンディングなんてどうでもいい
それくらい魅力的なキャラクター達
キャラクターはティーダとユウナしか知りませんが少し興味がでましたね 来年時間があけばFF10やってみてもいいかもしれません
2019.11.22 23:17 | by sasa
リディスルの時は 次回作の出来によっては アトリエシリーズを見限るようなことを言っていたような気がしますが
これなら次回作も期待できるのではないでしょうか
レビューを見て思ったのが同じゲームでもやはり私とyukkun20さんでは 感想の書き方が違うという所でしょうか
>>確かにライザは肉感的なキャラクターとして描かれていますが、作中ではその点に注目させられることはありません
アンペルさんは大人だし レントやタオやらは身近すぎて ライザを異性として見ていないようなきがしました
>>パーティメンバーの中が非常にいいです
そうですね しかし今回はキャラクターがおとなしすぎたかなと思います リアーネ(朝 昼 晩 妹のことを妄想する変態)はさすがにやりすぎでしたけど
もう少し面白いやついてもよかったかな
次回作は黄昏4作目なのか ライザの続きなのか(ところでこれ何シリーズって言えばいいんだろう)
わかりませんが楽しみにしておきましょう
2019.11.23 22:13 | by sasa
yukkun20の中ではネルケとライザで完全に持ち直した感があります。次回作も買います。
> ライザを異性として見ていないようなきがしました
全く恋愛っぽい流れになりませんでしたね。ははーん、これはボオスが…と思いきやボオスもアウトオブ眼中だったという。ツーかレントやタオはクラウディアにも恋愛感情持ってないっぽいしちょっと心配になるレベル。
> 今回はキャラクターがおとなしすぎたかなと思います
そうですね。過去作に比べると珍しい仕様でした。
> ところでこれ何シリーズって言えばいいんだろう
自分の中では秘密シリーズにしてます。すでに次回作も始動しているようなので期待。
2019.11.23 23:15 | by yukkun20