2018-09-10
【ゲーム】英雄伝説 閃の軌跡 I:改 -Thors Military Academy 1204- レビュー
JRPGをプレイする楽しさを教えてくれます。
英雄伝説 閃の軌跡 I:改 -Thors Military Academy 1204-
プラットフォーム | PlayStation®4 | |
ジャンル | ストーリーRPG | |
価格 | 3,980円 | |
公式 | 英雄伝説 閃の軌跡 I:改 -Thors Military Academy 1204- | |
プレイ時間 | 1周目:80時間(ノーマル) 2周目:21時間(ナイトメア) |
ストーリー
- ゼムリア大陸における二大国の一つ、エレボニア帝国では、伝統的な政治体制を守ろうとする「貴族派」と、平民出身の宰相オズボーンを中心とする「革新派」の対立が次第に高まりつつあった。そんな中、いずれの派閥にも属さない帝国皇子・オリヴァルトは、帝都近郊にある伝統的な士官学校「トールズ士官学校」において、才能ある若者達を集めた特科クラス「Ⅶ組」を立ち上げる。
- 自らの出自を知らないまま、シュヴァルツァー男爵家の養子として育てられた青年・リィンは、この春、トールズ士官学院の門をくぐり、Ⅶ組に所属することになる。大貴族の子女、大企業の跡取り、外国からの留学生など、個性的な面々が集められたⅦ組の生徒は、特別なカリキュラムを通じ、時に対立し、時に協力しながら学生生活を送っていく。しかし、帝国のうねりは、否応なく彼らを飲み込もうとしていた…
- ということで、軌跡シリーズの最新作です。リベール王国を舞台にした空の軌跡3部作、クロスベル自治州を舞台とした零/碧の軌跡に続くシリーズになっています。舞台は一新されていますが、時系列的には零/碧の軌跡とほぼ同じ時期が描かれており、事件もリンクしていますので、そちらもプレイしておくと二倍楽しめると思います。
- 今回もストーリーが良かったですねぇ。リィンたちは士官学校の学生として、月の前半は学校内で授業を受けたり青春イベントをこなしたり、生徒会のお手伝いをしながら過ごします。後半は特別実習という名目で帝国の各地を巡り、そこで住民達からの依頼をこなしながら、帝国が直面している問題を観察し、時には介入して解決をしていくことになります。全体的に明るいトーンで話は進みますが、緊迫感のある場面ももちろんあり、バランスが非常に良く取れていたと思います。また、帝国各地をめぐる旅は、本当に架空世界を旅行しているような気分になる演出が随所に盛り込まれていて良かったです。思うにリベールもクロスベルも基本は徒歩移動だったのですが、今回は鉄道で移動するのでスケールの広さを感じますね。
- ストーリーは、かなり中途半端なところで終わります。まさか最後に主人公が叫んでエンディングとか予想もしませんでした。かなり大量の伏線も張り巡らされたままになっていますので、Ⅱは絶対プレイすべきですね。今回もラスボスの正体には驚かされっぱなしでしたけど、でも多分今回のラスボスはシリーズ通じてのラスボスじゃないんでしょう。そういう意味ではカタルシスは得られにくいかもしれません(もっとも、それが欠点にならないほどストーリーが練ってありますが)正体を隠しているキャラ、正体は明らかになっているものの目的を隠しているキャラも結構いそうなので、この先が楽しみです。
システム
- 今回からフィールドがドットではなくポリゴンになりました。キャラクターのモデリングも可愛いですし、シリーズおなじみの緻密な背景は健在でした。
- 今回からパートボイスになってしまったのは残念なところ。しかも同じイベントの中で声のあるキャラとないキャラがあるのは頂けません(というか主人公だけ声がないパートすらあるのはどうにかならんのか)。せめてメインだけでもフルボイスにしてほしかったですね。声優陣も非常にレベルが高かったのでもったいない。
- 前作でも言いましたが、フィールドでもショートカットキーで、必要なデータベース(クエスト一覧、モンスター図鑑、人物図鑑、料理レシピ、釣り図鑑、書籍など)にアクセスできるところや、いつでもセーブができる仕様は本当にいいですね。セーブポイントを限定する仕様に何か意味があるのかと最近は思うようになってきました。
- あいかわらず会話ログ機能自体がないのは残念。また今回はギャラリーもないため、作中の印象的なスチル絵を見直せなくなったのも残念でした。
- あと特筆すべき点として、高速スキップモードがあります。これはイベント&フィールド移動を2倍速で、戦闘は4倍速で進められるという代物。2周目の高速プレイに非常に役立ち、プラチナも楽々でした。
- その他、ストーリーの展開に合わせてタイトル画面が変わったり、各地へのショートカットが充実して徒歩で歩き回らなくても良くなったりと細かい点まで気を使っている感じがしました。
キャラクター
- PCキャラは全部で13人。うち2人は中盤で加入、2人はゲスト加入です。さらに特別実習中はクラスが班分けでバラバラになるので、基本的には4~7人パーティとなります。主人公だけは固定ですが、その他のメンバーは上手い具合にローテーションしていくので、1周目はいろんなキャラを使いやすくなっています。これだけキャラクターがいるのに、それぞれの見せ場がきちんと心得られていて、どのキャラクターも非常に心に残る感じになっていました。
- 彼らは士官学院のクラスメートなので、最初はお互い面識がなく、また貴族と平民の対立などの影響もあったりして、関係は円満とは言えません。リィンはクラスの重心として、人間関係を取り持ち、時にはなだめ、時には煽りながら、自然とクラスの中心になっていく姿がじっくりと描かれていて、見ていて気持ちのいい主人公でしたね。彼も出生の秘密があるみたいなんですけど、それはⅡ以降ということで。
- プレイ前はツンデレで中の人がほっちゃんのアリサが気に入ってましたが、実際にプレイしてみると、エマがよかったですね。委員長!お下げ!眼鏡!結局1周目はエマエンドでした。そして2周目はサラ教官エンドだったという…P5をプレイしても好きなキャラが千早とべっきぃなので、yukkun20はお姉さん風のキャラと、女教師キャラに弱いみたいです。でもまだ恋人関係になった!というレベルではなかったので、こちらもⅡ以降に期待。
- 相変わらずモブキャラたちのセリフもしっかりしていて、それぞれにドラマ性を感じます。というかもうモブキャラじゃなくてサブキャラといっても過言ではないのでは。1章の間に3~4回台詞が変わるので、そのたびに話しかけてしまいました。各PCにも、モブの中にライバルや因縁のあるキャラがいたりして、よくありがちな「主人公を中心とした人間関係しか見えない」ということもありませんでした。
バトル
- シンボルエンカウント制。不意打ちを取るにはやや手間がかかりますが、慣れればなんと言うことはないです。オートバトルはなくなりましたが、今回は1周目ノーマルでも割と戦闘バランスがシビアなのと、高速スキップモードがあるのであまり気になりませんでしたね。フィールドも広めで敵の密度も薄いので、戦闘を避けるのも容易でした。
- 今回戦闘画面もマス目状のフィールドではなく普通のフィールドになりましたが、基本は変わっていません。行動順が回ってきた順番に、「移動」「攻撃」「アーツ」「アイテム」などのコマンドを選択して戦います。選んだコマンドによって次の行動順が回ってくるまでの時間も変わる、変則的なコマンド制+ターン制です。
- 攻撃には、威力が低く射程も狭いが連発しやすい「通常攻撃」、威力が高く射程もほぼ無制限だが発動まで時間がかかり、回復しにくいEPを消費する「アーツ」(テイルズでいうと術)、威力が高く即時発動するがCPを消費する「クラフト」、CPを全消費するが極めて威力が高く、ターンに関係なく割り込んで使用できる「Sクラフト」を使い分けて戦います。特にアーツは発動までに時間がかかり、その間に敵が動いてしまったり、あるいは詠唱をキャンセルする技を使われたりといいアクセントになっています。その他敵の弱点を突くことで「追撃」したり、追撃によって貯まったポイントを消費することで「ラッシュ」「バースト」などの連係攻撃を繰り出すこともできます。
- 今回はクオーツシステムが変わり、術を覚えるクォーツと、ステータスを上げるクォーツが完全に分離されました。一応キャラクターはステータスが偏ってくるので得意な戦術は決まってきますが、クォーツの選択である程度育成の自由度は確保されています。この辺りは前作とほぼ同じですね。ただ、メンバーの入れ替わりが多く、そのたびにレアクォーツが外されてしまうのには困りました。レアクォーツが貴重な1周目はともかく、2周目以降ほとんどのキャラはレアクォーツで固めることになるので、再加入の度に着け直さないといけないのがかなり手間です。せめて自動取り外しをON/OFF出来るようにしてほしかったところ。
- 戦闘バランス的には、過去作に比べると低めです。敵も強くなりましたが、それよりも味方のインフレの方が強いので相対的に敵が弱くなりました。特に今作はこれまでと状態異常の扱いが代わり、ボスなどにも通りやすくなっています。時に遅延(敵のターンが回ってくる速度を下げる)が非常に強く、大抵のボスにも通る上に、リィンが初期に取得するクラフトが範囲攻撃でなおかつ強い遅延がかかるという強力な技なので、基本的に遅延ゲーでしたね。
総評
- いつも通り、がっつりした王道ファンタジーを楽しみたいなら文句なしに進められる作品です。ストーリー、バトル、キャラクターというRPG3大要素(あくまで私見です)にほとんど不満がなく、それでいてそれらがシステム的にもうまく結合されていて、全てのJRPGのお手本になるような作品でした。過去作で気になったバトルシステムの古さも概ね解消され、本当に隙のない作品になったと思います。
- トロコンの難易度は、これまでのシリーズと比べても蒼Evoに並んで楽でした。もちろん閃の軌跡らしく、期間限定要素満載なのですが、攻略本などできちんとチェックしながらプレイすれば、取得が難しいトロフィーはないと思います。戦闘回数1000回が作業になる位かな…
- 次回作「閃の軌跡Ⅱ:改」も旅行から帰ったらプレイするつもりです。
リィンって僕が思うに歴代主人公で一番強いと思うんですけど
軌跡シリーズがまだ続く以上 このリィンですら結社を叩き潰すまでには
至らないのでしょうね
そういう意味では閃の軌跡4ですらスッキリしない部分はあるかと
2018.09.12 18:18 | by sasa
エステルもロイドもあくまで普通の人間ですから、一応人外の力を持ってる(と思われる)リィンが最強というのは確かに(ケビンは微妙なところですが)。
といっても作中最強とはだいぶ力の差があるような気がしますし、そもそも蛇は未だに目的がよく分からないので、例によって次のシリーズに続くんでしょうね。
2018.09.13 01:03 | by yukkun20
僕は閃の軌跡から シリーズデビューだったから実感ないけど これ 軌跡シリーズ初の3D作品なんだよな・・
これまでとゲーム作りも違っただろうに完成度が高いRPGですよね てかこのシリーズ 一気にグラフィック 進化しすぎ!
2021.07.22 21:40 | by sasa
まだ古さの残るグラだった時代からプレイしている身としては隔世の感がありますね。軌跡シリーズの世界自体もすごい速さで進歩していますが、ファルコムの進歩はもっと早いのかも知れないw
2021.07.23 00:55 | by yukkun20