2016-11-02
【ゲーム】クロバラノワルキューレ レビュー
絶望した!売上が芳しくなく攻略本が出なかったことに絶望した!
クロバラノワルキューレ
公式:クロバラノワルキューレ Black Rose Valkyrie
価格:PS4版 7,776円(税込)
ジャンル:RPG
プラットフォーム:PS4
プレイ時間:88時間
レビュー
ストーリー
キメラウイルスと呼ばれる病原体により、人が次々とキメラと呼ばれる怪物に変化していく世界。この非常事態に対しシンヤマト帝国は国を閉ざし、特務機関ACIDによってキメラたちと戦う道を選んだ。
帝国軍の若き少尉白峰アサヒは、ACIDの中でも最前線でキメラと戦う特殊部隊・ワルキューレに配属される。ワルキューレは、対キメラ兵器T・C・Sの適合者のみで構成される少数精鋭の部隊だった。しかしT・C・Sは使い続けると、キメラウイルスの罹患者と同じような症状―人格分裂を起こすようになる。アサヒはキメラと戦いながら、人格分裂を起こす隊員たちにも気を配り、日々を過ごしていくのだが―
というわけで、帝都を脅かす謎の生命体に対抗すべく結成された組織の隊長が、新兵器を操って謎の生命体と戦いつつ、藤島先生の描く可愛い女の子たちとキャッキャウフフするという、それどこのサクラ大戦?というゲームです。といってもサクラ大戦とはだいぶ趣は違いましたので、気にしないでいいと思います(なら言うなよ
ストーリー自体は割と単純な筋立てになっていて、特筆すべき事はありません。実弥島先生らしくないといえばらしくないですが、とはいえ敵幹部はそれなりにキャラが立っており、単調ではありません。ラスボスの正体はちょっと驚きました。登場人物が非常に少ない(専用のグラフィックがあるキャラは10人強)にも関わらずよく出来ていると思います(もっとも、僕が伏線とかに気づかないタイプなのでそう感じたのかもしれません)。
キャラクター
パーティキャラは9人です。
主人公は誰からも好かれるタイプの主人公キャラですけど、仲間のためには体を張る勇気もあり、とはいえ情に流されすぎることもなく、人間関係にも心を砕いたりして、魅力のあるキャラに仕上がっていました。キャラが濃すぎることもなく、主人公に感情移入しやすくなっているのはギャルゲーだからか。
ヒロインは5人です。普通少女、お嬢様、クール、ボクっ娘、おどおどキャラと各種取りそろえております。自分はボクっ娘はあまり得意ではないのですが、本作はよかったですね。まあyukkun20は、途中加入するメガネっ娘推しですけど。
ただ、ヒロインたちは途中で人格分裂を起こし、高飛車、女王様、命令待ち、束縛、毒舌とこれまで隠されていた性格を見せ始めるのですが、そっちが上手く生かされてなかった気がします。人格分裂は作中では病気扱いなので仕方ないですが、途中で何度か「分裂後の人格も○○だ」と思えるかどうか選択を迫られることがあるのに、そこに明確な答えを出さずなんとなく終わっちゃったのは残念でした。もうちょっと美味しい味付けできたんじゃない?
あとキャライベントがちょっと足りないです。キャラゲーなんだからもうちょっとデートイベントとかあっても良かったんじゃないかな(各キャラ基本1回しかない)。あとメガネっ娘はイベントなさ過ぎだろー(血涙
戦闘
結構複雑なバトルシステムなんですけど、チュートリアルが貧弱なのと、最初からほとんどの機能が使えるせいで埋もれている感じがあります。
たとえば、通常攻撃は「コンボ」というシステムになっており、いくつかの動作を組み合わせて自分なりの連携を作ることができます。組み合わせによって別物の技に変化したりしてこれだけで面白いんですけど、説明が足りないからどういじればいいのかわからなくて、初期設定のままクリアした人も多いのでは。ちなみにコンボは3種類設定できますが、オートバトルだとどれが出るかはランダム?なので、1本に絞った方がいいと思います(低難易度ならコンボ3、高難易度ならコンボ1がおすすめ)。
ただ、バトル自体はかなり面白いです。ウェイトターン制をうまく使っています。いちいちコマンドを入力していると1バトルにすごく時間がかかるんですが、この作品はオートバトルのAIが極めて優秀で、ザコ戦はほぼそれで片が付きます(ただ時々手動入力しないとヤバイ敵が出ます)。一方ボスは非常に強く、オートバトルだと瞬殺なので、色々考えながら戦っていく必要があります。
ただ最終的には特殊攻撃(ミサイル)祭りになりがちです。基本的に範囲攻撃が出来るのはミサイルだけですからね…。そのためミサイルが使えるクーとカナ(とケンゴ)、必中必殺技が強いアサヒあたりはレギュラーにしておいた方がいいでしょう。
その他、システム上オーバーキルが多々発生するのですが、その間の攻撃モーションをスキップできない、状態異常に対する味方の抵抗力が低すぎる上に異常の効果自体が強いため、状態異常を多用するザコに先手を取られてそのまま全滅することがあり、ちょっとイラッとすることも。
システム
特徴的なのはやはり「面談システム」でしょう。シナリオの中盤からヒロインの中に、キメラウイルスに侵された裏切り者がいることがほのめかされるようになります。ウイルスの初期症状として「嘘をつく」という特徴があるので、面談によってこれを見抜かなければいけません。周回ごとに嘘をつくキャラは変わるという、なかなかに挑戦的なシステムですが…これの出来は不十分でした。
面談は5回あるのですが、嘘をつくキャラは毎回違います。つまり、誰か一人がウイルスに罹患していて、そのキャラが常に嘘をつくわけではないということ。物語の終盤で裏切り者は離脱するのですが、そのキャラはそれまでの面談の結果とは無関係に決まります(まあマスクデータなので本当に無関係かどうかは分かりませんが)。要するに、このシステムはメインシナリオには影響しないということです。
それから、各キャラには1つの話題につき4個の回答が用意されています(つまり全員で20個)が、そのうち実際に聞けるのは6~9個程度です(キャラとの好感度によって異なる)。嘘つきを特定するには、嘘をついている証言1つと、それと矛盾する他のキャラの証言2つ以上を探さなければならないので、初見で特定するのはほぼ不可能です。幸いロードし直しても嘘をつくキャラは固定なので、何度かリセットしながら裏切り者を特定していくことになります。…これ推理ゲームとしておかしくない?
それからキャラの強化ですが、6つあるパラメーターにボーナスポイントを振っていく形式です。ただレベルアップで手に入るポイントがあまりなく、少しずつ強化していくしかないのですが、一度振ったボーナスポイントはリセットできないので、途中でミスに気づいた場合はもうどうしようもないです。せめてリセット可能にして欲しかった。これからプレイを始める人のために、おすすめの振り方を書いておきます(これでPPをまったく振らず、1周目HARD、2周目VERYHARDでプラチナ取得してます)。
- アサヒ…必殺技習得(格闘30、体力21、技術15)→専用アーツ習得(格闘50、体力30)
- アイ…必殺技(格闘30、射撃21、技術15)→属性ミサイル(知識50)
- ルナ…必殺技(格闘30、技術21、俊敏15)→属性ミサイル(知識50)
- ユエ…必殺技(格闘30、射撃21、技術15)→属性ミサイル(知識50)
- アマル…必殺技(格闘30、射撃15、俊敏21)→専用アーツ(格闘50、体力30)
- クー…必殺技(知識30、射撃21、技術21)→属性ミサイル・リザレクションβ(知識60、技術50)
- ナオユキ…必殺技(格闘50、体力21)→専用アーツ(格闘50)
- ケンゴ…必殺技(格闘30、知識21、技術15)→属性ミサイル・リザレクションα(知識50、技術20)
- カナ…属性ミサイル・リカバリーワイドγ(知識60、技術60)
あとDLCが有料、無料共にめっちゃ充実しています。
なおVERYHARDはかなりの難易度ですが、DLCで新規プロテクターとアタッチメントを取得しておけばかなり楽に進められます。それによって解放されるストレスを考えると600円の価値は十分ありますのでおすすめですよ。また無料DLCでは非常に難易度の高い追加ダンジョンを楽しめます(僕はクリアはあきらめました)。
グラフィックはPS4とは思えない荒さですけど、そこが重要なゲームではないので許容範囲でした。
総評
良くも悪くもいつものコンパゲーです。コンパの戦闘システムやステータスをチクチク上げるシステムが好きなら十分楽しめると思います。
このゲームの評判が悪いのは、ひとえにヒロインの一人がキャラデザの藤島先生の奥様であり、しかもその演技が微妙というところにあると思います(いわゆる枕営業が疑われているわけです。藤島先生自重。)。確かにこの人は非常に特徴的な演技で気になる人は気になると思いますが、決して下手すぎて聞くに堪えないというわけではありません。まあ取り立ててうまくもないのですが、世の中には他にいくらでもダメな配役があったわけで、それに比べれば許容範囲です。
キャラゲーなので、声優の演技が評価に影響するのは仕方ないとは思います。しかしゲームの根幹はRPGですから,仮にこの演技が肌に合わなかったとしても、ゲーム自体を酷評する理由にはならないような気がします(ちなみにキャラのボイスは個別にOFFにできます)。ゲームとしては中の中か中の上くらいの出来に感じました。
でも攻略本はほしかったなぁ。プレイしている人が少ないのか、ネット上の攻略情報が乏しいんですよ…。とりあえず参考にしたサイトを紹介させてもらいます。
- クロバラノワルキューレ 攻略サイト Gametter
- グリム通信 クロバラノワルキューレ 攻略メニュー
- クロバラノワルキューレ ユウキのRPG日記(カテゴリNo.1050.1051)
- 電撃PlayStation Vol.620(好感度の変化表が載っているので価値は高い)
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23:09 | レビュー > ゲーム > その他のゲーム | クロバラノワルキューレ | (6)
お疲れ様でした。
結論は「悪くなかった」との事ですが、全体のトーンは「いささか不出来なゲームだった」という印象受けます。私もそういう論調のエントリはよく書いてしまいますが。
PS4の生配信では好印象持ったので、買う選択肢から外しませんが、年末年始にかけて大作続くからなー。
なにより私が勧めてしまったゲームなので、ワゴンであろうと買うのは義務かなと。値段と相談になりそう(もっとも、もうだいぶお得になってますけど)。
2016.11.02 23:44 | by Ivan
> 結論は「悪くなかった」との事ですが、全体のトーンは「いささか不出来なゲームだった」という印象受けます。
ちょっと期待値が高すぎましたかね。決して悪くはなかったですよ。レビューでいいとこ探しするのって難しいですよね…
> 密林でポチりました!(軽すぎるだろ!w)
早っ!でも自分の書いたレビューで一人でも購入してくれた方がいるというのはありがたいです。コンパの次回作に繋がりますように。
2016.11.04 00:43 | by yukkun20
密林でポチりました!(軽すぎるだろ!w)時間はないけどお金はあるので。
2016.11.02 23:52 | by Ivan
>レビューでいいとこ探しするのって難しいですよね…
褒めるつもりでDisってしまうの、私もよくある(汗)。
>自分の書いたレビューで一人でも購入してくれた方がいるというのはありがたいです
勧めて勧められるのは悪くない関係。どちらかというと私が買わせてますがw。
2016.11.04 18:38 | by Ivan
> 褒めるつもりでDisってしまうの、私もよくある(汗)。
僕の場合、ツッコミ体質なので余計そんな感じです。
> どちらかというと私が買わせてますがw。
いえいえ。Ivanさんのおすすめは当たりが多いので助かってます。
2016.11.06 00:37 | by yukkun20
>Ivanさんのおすすめは当たりが多いので助かってます
自慢ですが、目利きには自信があります。今まで触れた作品に良作が多かったから、センス磨かれたのだと考えてます。
2016.11.06 01:19 | by Ivan