2016-10-18
【小説】キノの旅XX レビュー
今年もこの季節が来ましたね。それにしても3日連続でレビュー記事を上げるとか、自分に驚いてます。
キノの旅XX the Beautiful World
著者:時雨沢恵一
レーベル:電撃文庫
価格:610円(税別)
レビュー
帯には「みんなが異常者だと思っている人はみんなを異常者だと思っている」という言葉が書かれています。「自分の周りには変な人しかいない」と思っている人は自分を見直せってことですかね。
20巻に収録されているのは、キノがメインの「旅の話」「拘らない国」「海のない国」「ターニングポイント」「羊たちの草原」、シズがメインの「人間の国」、師匠がメインの「宝探しの話」、フォトがメインの「夫婦の話」、キノ、師匠、シズが登場する「仲の悪い国」でした。あと巻末にわかる人だけわかる「キノの旅・宇宙編」(わからない人は4巻を読むといいと思います)が掲載されてます。しかしこの形式で20巻とかすごいですね。今回は「~の国」というタイトルが少ないですが、ストーリーはいつも通りです。
今回面白かったのは「宝探しの話」ですね。師匠の話でこのタイトルというだけで概ね話の内容が予想できると思いますが、まさにその通りです。若干クローズドサークルものにも近いので、犯人を予想しながら読み進める楽しみもありました。でもそれ以外の話はあまり尖ったものはなく、割と普通な感じだったのはちょっと残念かな。プロローグの「旅の話」(※「キノの旅」のエピローグとプロローグは、同じ話の前半と後半が掲載されています(つまり話の後半部分がプロローグで、前半部分がエピローグに位置されている。後半部分は一読しても意味が分からない話になっており、最後に前半部分を読むことで意味が分かるようになる)も今回は比較的前半部分が予想しやすい内容でしたしね。
それから今回の後書きはあちこちのページに散らばっているので集めてみました。「20」「巻の」「本当」「のあ」「とが」「きは」「実は」「これ」「です!」「皆さ」「ん見」「つけ」「てく」「ださ」「って」「あり」「がと」「うご」「ざい」「ます!」ですね。
「恋愛犯罪とは、惚れた相手、または別れたがっている相手が嫌がっているのに、しつこく追いかけたり復縁を迫ったりする、サイコパスな行為のことだ。…そこで、昔の偉い人は考えた訳だ。”一人としか恋愛できないからこそ、『この人を逃したらオレは私はもうダメだ!』って思い詰めてしまう、って…だから法律を変えて、一対一の恋愛を禁止した。…だからこの国では、恋愛とは必ず複数の相手と同時進行で行うものであって、それが当たり前なんだ」
※第三話「拘らない国」より引用
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