2015-11-16
【ゲーム】うたわれるもの 偽りの仮面 レビュー
珍しく1ヶ月で一気にクリア。隠しダンジョンはまだですが、ひとまず感動が薄れないうちにレビューします。
※11/23にプラチナ獲得したので追記。
※12/23に前作をプレイしたのでさらに追記。
うたわれるもの 偽りの仮面
公式:うたわれるもの 偽りの仮面 PS4™/PS3®/PS Vita
価格:ダウンロード版:6,000円(税抜)、通常版:6,800円(税抜)
ジャンル:AVG+S・RPG
プラットフォーム:PS4、PS3、PSV
プレイ時間:62時間
ストーリー
全ての記憶を失い、雪の吹きすさぶ荒野に立ち尽くす男―巨大な昆虫、そして謎のスライムに襲われていた彼を助けたのは、見目麗しい、獣人の少女「クオン」だった。彼女は記憶を失った彼に「ハク」という名を与え、共に旅をすることになる。旅路を通じて知り合う仲間達。その果てにたどり着いた帝都で、ハクはその知識を生かし、右近衛大将オシュトルの密偵として働くことになる。奇しくも、その国ヤマトは大きな変革期を迎えようとしていた―
という感じです。
今作は3部作の第2部として位置づけられており、ストーリー的にも非常に良いところで終わるのですが(実際には第3部の前日譚という位置づけが正しいと思われます)、特にその点には不満はありません。僕は第1部のことは全く知りませんが、それでも十分楽しめました(一部伏線っぽいものは感じたので、その内第1作もプレイしようと思います)。
今回もっとも評価が高いのはストーリー面です。ジャンル名がAVG+S・RPGというだけあって、むしろADVパートの方に重点が置かれています。1時間くらいずっとADVパートが続くなんてことも。したがってそういうのが嫌いな人には合わないと思います。僕もどちらかと言えば、「早く戦わせろハァハァ」な感じなのですが、今回はストーリーが良かったので全然苦に感じませんでした。
まず世界観が優れています。和風なテイストとアイヌのテイストをうまく融合させて、単なる西洋ファンタジーとも和風ファンタジーとも違う独特な世界観が築けています。
そして物語もなかなか。記憶を失った主人公が、何故か知っている知識を使って大活躍―という、ラノベとかでよくある設定といえばそうなんですが、主人公の能力が超人的なものではなく(むしろ主人公は凡人で、周囲の人が超人)、その中で知恵と機転を使ってピンチをくぐり抜け、仲間を増やしていくというのは、読んでいてわくわくしました。セリフ回しもテンポが良く、日常パートのやりとりは軽妙で楽しかったです。メインストーリーは結構シリアスですが、それを重たく感じさせないものでした。
前作もプレイしたいとしっかり感じさせてくれる良作だったと思います。
システム
全体としてはADVで、合間合間にSRPG方式の戦闘が挟まれるという感じです。
ADVの方は特筆すべきシステムはなく、一本道です。多少イベントの発生する順序が変わるくらいで、分岐などはありません。エンディングもひとつだけですが、特に問題はないと思います。
バックログ確認、スキップ、オート既読モードなど、基本のシステムもきちんとしています。もちろんフルボイスです。声優さんは知らない方も多かったのですが、主人公の藤原さん、ヒロインの種田さん始め演技は皆さんすばらしかったです。オシュトルの件はすっかりだまされましたわ。早見さんや櫻井氏は声をよく知っているはずなのに、スタッフロール見るまで気づかなかった。
クリア後特典として、声優陣のコメントがあるのもうれしいところ。
あとはカーソルの移動方向を変更出来ればいうことなかった。
キャラクター
こちらも魅力的なキャラクター揃いだし、デザインも非常に好み。これについては後でじっくり語ろうと思います。しかし女性キャラも正統派、双子、姉御肌、ロリ、戦闘狂、姫、ちびっ子、軍人といろいろそろえて皆さんいいキャラだったんですが、最後にきっちり正ヒロインが全て持って行ってくれました。一本道ゲーはやっぱり正ヒロインの魅力が大きいので、これは本当に良かったです。
次に好きなキャラはネコネかな…。ハクをコントロールしているつもりで、うまく転がされるところに年齢相応のかわいさを感じます。彼女を戦犯扱いしている人、一発殴らせなさい。
戦闘
SRPGですが、システムとしては割と単純な部類に属するかと思います。スクエア制、個別ターン制のSRPGです。
特徴的なシステムとして「連撃」「錬技」というものがあります。これはタイミング良くボタンを押すことでダメージを底上げしたりダメージを軽減したりすることができるシステムです(苦手な人は自動判定にすることも可能)。これをうまく使うと戦闘がグッと有利になるので、単に眺めているだけになりがちなユニット同士の戦闘シーンにうまく緊張感を持たせています。
「難しい」でプレイしましたが、特にレベル上げすることなく、まんべんに全員を育てても最後までクリア出来ました。終盤になると敵も味方も火力が上がり、やられる前にやる感じになりますが、それも良い緊張感でした。特にデメリットなく50手手前まで戦闘を巻き戻すこともできますし、戦闘中にセーブも可能ですし、全滅しても経験値を引き継いだまま再戦出来ますし、難易度としては低めです。難易度上げたいなら、ノーデスでも狙えばいいんじゃないでしょうか。
戦闘画面は3Dですが、キャラのモデリングやアクションもかわいく出来ており、ドット絵派の自分でもあまり不満はありませんでした。同時出撃数は最大で10人。さすが据置機だけあって処理落ちなどもなく、快適にプレイ出来ました。あえて言えば、必殺技を習得する時期がかなり遅く、僕のようにレベル上げをしないプレイだとほぼ最終戦まで使えないってことですかね。隠しダンジョンをプレイするならそこで存分に活躍させられますが。
隠しダンジョンはなかなかに難易度が高く、歯ごたえのある戦闘が楽しめました。敵も味方も高火力で、先制を許すとこちらのターンには既に1~2人死んでることもあったりして、レベル上げしない前提だと(もっとも、最終面だけはBP稼ぎをしてから挑みましたが)戦略や装備をきっちり練らないといけません。逆に言うと、その辺りをきっちり練っていれば、レベル上げせずキャラをまんべんなく育てても(ただし、トロフィーコンプを狙う場合1人だけはレベルをカンストさせる必要があります。ハクかキウルをおすすめ)、十分クリア出来ます。クリアしてもギャラリーに登録されないスチル絵が見られるだけですけど、おまけなのでこれで十分でしょう。どのキャラにも役割があり、全く使えないキャラはいなかったので、好きなように楽しめばいいと思います。
ユニット雑感
※画像は公式サイトより引用
というわけで、最後まで楽しめたSRPGでした。今年のベストゲー候補かも(まだシュタゲがあるので「候補」にしておきます…)。
現在アニメも絶賛放送中ですし、隠しダンジョンも残っているしで、もう少し楽しめそうです。そしてこのゲームを勧めてくださったsasaさん、ありがとうございましたぁ!
ネタバレ
ここから先には、次回作のプレイに備え、現時点で未解決の伏線をメモっています。ネタバレを多く含みますので、気にする方はご注意を。
↓
↓
- 仮面とは一体何か。その力の源泉や喰われた魂の行方は。
アイスマンが装着していた仮面を元に旧人類が作り出したレプリカ?もっともアイスマンの仮面自体由来が不明(少なくとも人工物ではないらしい)ので詳細不明。 - 帝暗殺やヴライを操っていた黒幕は誰なのか。
おそらくウォシスと思われますが、ミスリードのような気もする。 - ヴライは最後死んだのか。
用語事典でも「谷底に落ちて消えた」とあるので生きてる可能性が高い? - 帝都に残ったオウギとキウルは脱出出来たのか。
- カルラやトウカは帝都でなにをしていたのか。またクオンとの関係は。
前作をプレイすればわかる? - クオンの正体は。
これも前作をプレイすれば分かるのかも。トゥスクルの王女だと思うのですが…エピローグで魅せた禍々しい能力も気になる。あと鉄扇の出所も。
おそらく前作の主人公ハクオロとユズハの娘。鉄扇はハクオロが使用していたもの。能力はウィツァルネミテア由来のものか。 - グトゥアルダル(ウズールッシャの刺客を操っていた怪物)の正体は。
最後塩になってしまったことから、仮面となんらかの関わりがある? - シノノンとヤクトワルトの関係は。
作中ではシノノンは養女になっており、実際の父母がいることもうかがわれるが、何故ヤクトワルトが引き取っているのかは不明。 - 「鋭い眼光の男」の正体は。
話を聞く限り、クオンの父親と思われるんですが(「永遠」という名を付けたって言ってたし)、なんか違う感じがする。
前作に登場したオボロ。「娘」というのは姪に当たると思われるクオンのことか。 - トゥスクル戦で殿を務めたムネチカとそれを待つソヤンケクル(アトゥイの父)はどうなったのか。
- タタリとは何か。
帝によると正体不明の奇病ということだが、単なる病気には思えない。
アイスマンがウィツァルネミテアの力で旧人類に不死の身体を与えた結果生まれた生命体。そのため不死。状況的にそのことを知っている者はいないため、帝も気づいていない。 - ホノカはどこへ行ったのか。
- ライコウはなにをしようとしているのか。
普通に考えて帝国の支配者になろうとしていると思われるが、今後の挙動が気になる。
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23:01 | レビュー > ゲーム > うたわれるものシリーズ | うたわれるもの 偽りの仮面 | (4)
マロロがただのイロモノじゃない…だと…?(人を見かけで判断してはいけないのです!)
2015.11.17 00:28 | by Ivan
見た目も声もしゃべりもイロモノなのに、何故か憎めない魅力のあるキャラでした。声優さんってすげーな。
2015.11.18 00:54 | by yukkun20
まずうたわれるものに興味を持ってくださり
ありがとうございました
タイトルの「偽りの仮面」ってこういうことかー
と感心してプレイしていました
私も黒幕はだれだろうと毎日考えていますが
実は帝本人ではないかと思っています
自分の死を偽装してヤマトの混乱を
ハクに解決させて英雄にしようと
しているのではないでしょうか
2015.12.20 07:06 | by sasa
こちらこそありがとうございました。sasaさんが勧めてくださらなかったら決してプレイしていないと思いますので、ホント感謝です。現在前作も絶賛プレイ中です。
> 私も黒幕はだれだろうと毎日考えていますが実は帝本人ではないかと思っています
おおぅ、その考えはなかった。なかったですが…確かにあり得ますね。ウォシスは策士っぽいけど、黒幕本人っていう感じじゃないんですよねぇ。しかしもしそうだとすると、これはヤマトの国内問題になっちゃいますので、ハクオロさんの方が次回作でどういう風に絡むのか気になります。
2015.12.21 01:21 | by yukkun20