2015-04-03
【ドラマCD】現存在のアポステリオリ レビュー
久々の「なんで今さら」シリーズです。今回は劇場版シュタゲ「負荷領域のデジャヴ」の限定版付属のドラマCD「現存在のアポステリオリ」のレビューです。まだ聞いてなかったのかよ!
現存在のアポステリオリ
あらすじ
岡部がいなくなったシュタインズ・ゲート世界線―
6歳になった鈴羽は、近くに住む科学者・紅莉栖の研究所にたびたび入り浸るようになっていた。紅莉栖は家事がまったくできないダメ人間に成長していたが、なにかの研究に没頭するその姿に鈴羽は好感を抱いていた。ある日鈴羽が紅莉栖になんのために研究しているのかを尋ねると、紅莉栖からは「ここにいない誰かに会うためだ」という答えが返ってきた。
それから6年後。小学校を卒業した鈴羽は、ある日紅莉栖から入室を禁じられていた「開かずの間」に入り込んでしまう。そこにあったのは、人工衛星のようなよく分からない機械。紅莉栖になにをしているのかを尋ねたが、紅莉栖は冷たく「ここはあなたの来る場所じゃない。帰りなさい」と鈴羽を追い出す。鈴羽が父である至に尋ねたところ、紅莉栖と至は共同でタイムマシンの開発をしているという驚くべき答えが返ってきた。しかし紅莉栖がなぜタイムマシンを作ろうとしているかは、ダルにも分からない様子だった。しかしその話から紅莉栖の深い孤独を感じた鈴羽は、大きくなったら紅莉栖の片腕となり、研究の手伝いをすることをひそかに誓うのだった。
さらに6年後。タイムマシンは完成し、鈴羽はそのテストパイロットとして実証実験を行っていた。実験は順調に回数を積み重ねていたが、鈴羽はタイムトラベルの直後、不思議な夢―自分がレジスタンスになり、紅莉栖の命を狙う夢―を見るようになっていた。そして5回目の実証実験。ついに鈴羽は、母が自分の身代わりとなって殺害される白昼夢を見てしまい、激しく錯乱する。その症状が、かつて岡部に教えられたリーディング・シュタイナーであることに気づく紅莉栖。紅莉栖は直ちに実験の永久凍結を決断した。
紅莉栖の決断に納得のいかない鈴羽は、紅莉栖が研究に用いていたパソコンをのぞき見てしまう。そこには紅莉栖が「岡部倫太郎」なる人物をこの世界に呼び戻すための計画書が収められていた。ダルに相談すると、ダルもかつてその計画書を盗み見たことがあること、岡部倫太郎なる人物の名にまゆりも自分もデジャヴを感じており、紅莉栖の妄想とも思えないこと、そのためタイムマシン開発に協力していたことを打ち明ける。そしてダルは、父親失格だといいながら、鈴羽に紅莉栖の計画を実行して欲しいと依頼する。鈴羽も、紅莉栖のため、危険のあるその計画に身を投じることを決めた。
2週間後。紅莉栖の研究所には、タイムマシンが解体されずに残っていた。それを見て、やはり紅莉栖が計画に未練を持っていることを悟る鈴羽。そこへ現れた紅莉栖は鈴羽に計画を中止するよう促すが、鈴羽にはそれが紅莉栖の本心では無いことは分かっていた。鈴羽は紅莉栖を振り切り、一人過去の秋葉原へ旅立つのだった―
感想
シュタゲ作品の中では珍しい、鈴羽視点の物語です。劇場版に至るまでのエピソードが、シリアスにドラマ化されています。
僕も劇場版を見た時に、こんな紅莉栖の私欲に近い計画でありながら、紅莉栖やダルが鈴羽に協力的(と思われる状況)だったことに疑問を抱いていたのですが、このドラマCDがその辺りをうまく消化してくれていたように思います。そしてなぜ鈴羽があそこまで紅莉栖の計画にこだわったのか、過去の紅莉栖にあそこまで激しく苛立ちをぶつけたのかなどについてもわかるようになっています。劇場版を深く知る上では良い資料ですね。
シリアス成分がかなり多めです。あのダルですら笑いに走るシーンがほぼないのでご注意を。魅惑の入浴シーンはあるお。…ダルのだけどな。
それにしても田村ゆかり女史大活躍ですよ。6歳鈴羽、12歳鈴羽、18歳鈴羽、由季と4通りの声を見事に使い分けて演技しておられました。声優さんってすげーな。
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23:14 | レビュー > ドラマCD | STEINS;GATE, 負荷領域のデジャヴ | (3)
今回のあらすじ、よかったです。
こりゃまたファン垂涎の物語ですね。この紅莉栖は執念紅莉栖?岡部がまゆりや紅莉栖を救うのは彼女らに好意を持ってたからだけではないと思いますが、紅莉栖はほぼ好意で行動してる気がする。そして鈴羽はええ娘や。
2015.04.04 06:30 | by Ivan
ありがとうございます。執念紅莉栖…ですかね。しかし鈴羽やダルにあっさり侵入を許している辺り、セキュリティに関する意識は乏しいと言わざるを得まい。まさに恋は盲目ということか。最後「私だって会いに行きたいわよ!でも拒絶されたらどうしようって思うとこわいの!」と泣くシーンはグッときました。
2015.04.05 23:57 | by yukkun20
>あっさり侵入を許している辺り
「侵入出来ない兵は情けなくて、侵入を許さない兵は頼もしい」言うてたのどこの誰でしたっけね!
>「私だって会いに行きたいわよ!でも拒絶されたらどうしようって思うとこわいの!」
やはり好意だけで動いてますね。友人としての縁が切れようとも、生きててくれただけで良かったと納得するオカリンとはだいぶ違う。
2015.04.06 02:56 | by Ivan