2015-03-09

【コミック】決してマネしないでください 1 レビュー

今月掲載された最新話のおもしろさに思わず電子書籍で衝動買い。そういえば電子コミックスのレビューは初めてだ。

決してマネしないでください 1

著者:蛇蔵
レーベル:モーニングKC
価格:605円

レビュー

モーニングで月1連載中の「科学史マンガ」です。作者は「日本人の知らない日本語」の作画でおなじみの蛇蔵先生。

【科学史】という分野については全然知りませんでしたが、巻末コラムによると、「自然科学の知識はどのようにして発見されたのか」を探求する学問だそうです。このマンガも「決してマネしないでください」というタイトルにあるとおり、ちょっと危ない科学実験がいくつか紹介されているのですが、話の中心は科学史です。

  • 空気が何で出来ているかということはどうやって分かってきたのか
  • なぜ酸素は「酸」素なのか(英語oxygenも「酸を生じさせる」という意味)
  • 消毒はどのようにして始まったのか
  • 医術はいつから医学になったのか
  • 家庭用電源が交流に決まったのはなぜか
  • なぜ2月は28日しかないのか

といった、普段は疑問にすら思わないような事を楽しく学べます。あぁ、これ学研マンガなんだ。だからか何か懐かしい感じがするのは。

決してマネをしないでください ※画像は87ページより引用

そうなんだよ、だって不思議じゃないですか?自然という人間が作ったわけじゃないものが、数学という人間が作った物差しで解明できるんですよ?ロマンあるじゃないですか。ラプラスの悪魔という中世以来人類を悩ませてきた存在を否定したのも物理学なんですよ?高校まで物理大好きっ子だった(学年で3人しかいない文系物理選択者で、センター試験も物理で受けた)自分の琴線にこのセリフは刺さる!

でもなんでこの話をリア友にするとどん引きされるんですか…。

とりあえずさっきの最初の2つの質問については、無料公開中の第1話で知る事が出来ますので、興味のある方は是非ご一読を。ああ、実際には物理というより科学ネタがほとんどなので、物理苦手な方でも大丈夫です。

決してマネしないでください。/蛇蔵 – モーニング・アフタヌーン・イブニング合同Webコミックサイト モアイ

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 先日吉本隆明さんの「『反原発』異論」を読みまして、その趣旨は「人類は科学の最先端たる原子力を放棄してはいけない、それは人類の存在意義の否定である」であって、とても楽しく読めました。吉本氏は科学者としても高いレベルにあったのだな。私の脱原発思想は変わりませんでしたが。

 私は物理も数学も英語もわからない人間なので、内容を理解はできませんが(このマンガの試し読みはなんとか)、
 「不思議じゃないですか?自然という人間が作ったわけじゃないものが、数学という人間が作った物差しで解明できるんですよ?ロマンあるじゃないですか」
 はわかるつもりです。「E=mc²」すげー美しい方程式じゃないすか!

 「ラプラスの悪魔」は初めて聞きましたが…。ん?これが否定されたとなるとシュタゲの半決定論的世界観は成立しないのかな?劇中でも語られてませんでしたし。

> 「E=mc²」すげー美しい方程式じゃないすか!
まったくです。
> これが否定されたとなるとシュタゲの半決定論的世界観は成立しないのかな?
シュタゲはエヴェレットの多世界解釈がベースになっているので、ラプラスの悪魔の不存在とは特に矛盾しないはず…です。ラプラスの悪魔のいう決定論というのは古典物理学に乗っかってますけど、多世界解釈はさらに進んだ量子力学に乗っかってるはず…だからです。多分。

 量子論はお手上げです…。初めて見ましたが、不確定性原理の式も美しいと感じた。

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