2015-02-19
【小説】マージナル・オペレーション F レビュー
このまま永遠に読み終えられないんじゃないかと思ったけどついに終わったー!
マージナル・オペレーション F
著者:芝村裕吏
レーベル:星海社FICTIONS
価格:1150円
あらすじ
アラタの護衛を務めるマフィアこと梶田。彼は今タイでアラタの護衛をしていた。ただ彼はビジネスとして戦っているわけではなくて―「マフィアの日」
最初にアラタが救った24人の子供の一人、イブン。彼の目から見たアラタの姿を描く「父について」
ラノベ作家と編集者が、ふと声をかけた赤毛の少女のためにひどい目に遭う「赤毛の君」
アラタの取材を申し込んだアメリカのジャーナリスト、イーヴァ・クロダが彼との接触を通して正義について考える「ミャンマー取材私記」
ジブリールと二人旅しながら、次なるビジネスを模索するアラタを描く「チッタゴンにて」
の5編からなる短編集です。
感想
本編はアラタ視点でおおむね展開していたのですが、今回は第三者視点で描かれていて、これまでとはまた違うアラタの姿が見られたのは良かったですね。
個人的に今回一番面白かったのは「ミャンマー取材私記」ですかね。思い込みで取材しようとするジャーナリストが事件に巻き込まれて真実の一端に触れる、というのは割とよくある話しではあるもののやはり王道のおもしろさがありますね。でもこれからもアラタは命を狙われ続けるんだろうなぁ。実際設定ではこの話のあと行方不明になっちゃったようですし。彼とジブリールの物語が再び描かれる日は来るんでしょうか。ちょっと寂しい。
そのジブリールですけど、今回は脇役が多く、唯一主役級の「チッタゴンにて」でもあまりアラタとの関係が進展しなかったのはちょっと残念。いや、アラタがジブリールに向ける視線がちょっと変わったのは分かるんですけど、ちょっと過ぎて物足りないんだよー。普通にキャッキャウフフしてもいいのよ。しかしそのオチが、傭兵業を配船したあとに始めようと思っている廃船の解体事業が赤字にならないようにするため、鉄鉱山と製鉄所を攻撃して鉄の値段をつり上げておく」という身もふたもない内容だったのはちょっと面白かった。子供のためなら何でもするのはさすが。
さて、これでマジオペは終わりなので、つぎは日露戦争時代を舞台にした同じ作者の「遙か凍土のカナン」でも読みますかね。こっちも既に4巻まで出ているので、実際読むのはいつになるやらですが。
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