2014-10-01
【コミック】信長の忍び外伝 尾張統一記 レビュー
人生50年という言葉の意味をかみしめる一冊でした。10月には「軍師 黒田官兵衛伝」2巻も出ますよ。
信長の忍び外伝 尾張統一記
著者:重野なおき
レーベル:ジェッツコミックス
価格:571円(税別)
あらすじ
特に西暦1546年。「尾張の大うつけ」と呼ばれる男が13歳で元服。その少年こそ、のちの織田信長だった。尾張の国の中ですら、有力者が乱立し、身内同士でも油断できないこの時代、信長はのちの徳川家康、妻となる帰蝶、頼れる部下森可成らとの出会いを通じて、人間的に成長していく。しかし父親が病に伏せると同時に、周囲はにわかにきな臭くなるのだった―
タイトルにあるとおり、「信長の忍び」の外伝に当たる作品です。13歳の信長が父の跡を継いで尾張を支配し、天下統一へ踏み出すまでを描いた漫画です。「信長の忍び」の主人公である千鳥は登場しませんが、そのギャグ描写にいささかの翳りなし!と言えるほど相変わらずの重野節で、笑いながら歴史の知識を増やしていけるところが最高です。
感想
信長がわずか15歳そこそこでかなり過酷な状況に放り込まれるところから物語が始まります。信長といえば確かに日本統一直前まで行ったわけですが、その意味をあまり深く考えたことはありませんでした。しかし応仁の乱以降日本はずっと内乱状態にあったわけで、その「乱世」を終わらせようと本気で戦い、実現したというのはやはり傑出した人物だったのだなぁといろいろ思い知らされる作品です。
しかしそういう真面目な部分を前面に押し出すことなく、ギャグに包み隠してストーリーを盛り上げていくところはさすが。特に「信長の忍び」でも自由に暴れている信長の妻・帰蝶や、後継者の地位を狙う信長の兄・信広、今川義元を支える参謀・太原雪斎あたりは本当にいいキャラしてます。以前重野先生は、「歴史的資料が少ない人はその分好きに書けるからいい」とおっしゃってましたが、まさにその通り。
ワシにもわからん…
可成「森可成 このたび正式に信長様の家臣に配属になりました!!」
信長「うむ…よくぞ来た と言いたい所だがお前はクビだー!!」
可成「いきなり何スかー?」
信長「我が妻・帰蝶の事は知っておろう… お前が来ると聞いたら『顔を合わせづらい』と逃げ出しおった!! 床下を抜け木の葉にまぎれ猪に乗り行方をくらました…」
可成「奥方 何者っスか?」
※79ページより引用
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