2023-02-18
【ゲーム】星の欠片の物語。しかけ版 レビュー
5年越しに続編が発売された、名作VRゲーム。
星の欠片の物語。しかけ版
プラットフォーム | PlayStation VR / Steam VR / Oculus Rift / HTC Vive | |
ジャンル | コミュニケーション謎解きアドベンチャー | |
価格 | 4,800円(税込) | |
公式 | 「星の欠片の物語」特設サイト / “Tale of the Fragmented Star” special site | |
プレイ時間 | 1周目:17時間(+4時間) ※+4時間は前作のプレイ時間。 |
ストーリー
- 砕けた星の核に一人取り残されてしまった少女は、「他の世界を覗き見る事が出来る装置」を使うプレイヤーと運命の出逢いを果たす。二人は協力して、少女がこの星から脱出するための方法を模索し始める。―という感じです。
- みなさんは「脱出ゲーム」というジャンルをご存じでしょうか。主にウェブブラウザでプレイする、昔からあるゲームの一つです。部屋の中にあるアイテムを手に入れたり組み合わせたり、暗号を解いたりしながら、密室からの脱出を目指す(それ以外の目標が設定されていることもありますけど)というゲームですね。yukkun20はこれが大好きです。
- 本作はVRを使った脱出ゲームになっています。以前「ひとかけら版」というサブタイトルが付いた作品が発売されました。ヒロインのビジュアルやキャラクター、物語の導入などは似ていますが、謎解きは全く別になっています。とはいえストーリーは関連がありますし、前作の謎解きが今作のヒントにもなっているので、(もっと重要な理由もあるのですが)前作を先にプレイすることを強く強くおすすめします。
システム
- 「全てはVRの為の設定とシナリオとゲームデザイン」というキャッチコピーそのままに、VRの特性を上手にゲームに転化されたシステムが用意されています。
- ヒロインである少女は、星が砕けた際に知識や経験を欠片に持って行かれてしまったので、基本的に謎解きの戦力にはなりません。プレイヤー頼みです。一方プレイヤーは、VRでこの世界をのぞき見ているだけで、実際に存在しているわけではないので、あちらに干渉することは出来ません(設定上、歩き回るのも無理)。よって、プレイヤーの仕事は、状況から次に取るべき行動を考え、それを少女に指示することです。
- 指示すると言っても、干渉力がない以上声も届きません。幸い一定時間同じものを見ていると、そのアイテムを見つめていることが少女に伝わるようになっているので、プレイヤーが何に興味を持っているかは少女に伝わります。と言っても少女は思考力がないので、動くと言っても、「持ち運べるものであればプレイヤーのもとに持ってくる」「スイッチがあれば押す」「動きそうなところを動かす」くらいのことしか出来ません。
- そのためプレイヤーは時々もどかしく思うのですが、「このシステム××だな」ではなく、「少女のちょっとおつむが足りないところカワ(・∀・)イイ!!」の方向へうまく誘導されています。前作よりも謎解きの難易度は上がっていて、どうしても試行錯誤が多くなりがちなのですが、今作では一度した行動の演出を省略できる「行動圧縮」というコマンドが導入されたので、イライラさせられることはありませんでした。むしろ詰まっても、がんばって自力で切り抜けようという気持ちになれましたね。開発日記によればこのデバッグが大変だったそうですが、非常にありがたい機能です。
- 前作でも述べたとおり、「ものを触れない」「会話できない」「動き回れない」というVRの弱点を演出に昇華しているところがすばらしいと思いました。最近はコントローラーなどでVR世界に干渉できるゲームも多くなっていますが、5年前はこれが当たり前だったんだよなぁ。
- 謎解きも理不尽なものはなく、脱出ゲームとしても楽しめました。ただ前作はヒントによる誘導が強めにかけられていましたが(今回改めて前作もプレイしましたが、謎解きについてはほとんど忘れていたにもかかわらず、ほぼ詰まらずクリアできました)、今作は誘導が弱めなのでかなり苦戦しました。作者の方のご意向もあって攻略サイトとかもないので、詰まってしまったら作者のTwitterにDMするのも一つの方法だと思います。
あけましておめでとうございます
去年はようやく『星の欠片の物語、。』を完結させる事ができました
今年もよろしくお願いします
発売から1ヶ月経ちましたが彼女を救えましたでしょうか
もしどうしても謎が解けないという方がいましたら、DM頂ければさりげないヒントをお出ししますのでご連絡ください— 星の欠片の物語、。 (@star_anos_jp) January 3, 2023
キャラクター
- 登場するキャラは、スクショに登場している少女だけです(一応)。ツインテ、のじゃロリ、巨乳、チラリズム、エルフ耳と要素てんこ盛りですけど、あまりあざとくなりすぎているわけではなく、好感が持てました。前作でも登場した少女よりもさらにのじゃのじゃ言ってた気がしますw
- 今作の少女は前作の少女よりは賢さが上がっていて、より「一緒に謎を解いている」という感じが深まっていたのはよかったと思います(しばらく進行しないと、少女がヒントを示してくれる「ヒントモード」もあります)。ほぼこちらの指示通り動くだけだった前作とは異なり、向こうから時折哲学的なことを語りかけてくるようになったのも、少女との関係性を強めていた感じがしますね。
- 終盤には、あっと驚くようなしかけが用意されています。前作をクリアしていないと意味がないといっても過言ではありません。幸い前作は無償配布になっているので、お見逃しなく。
戦闘
- ないよ。
総評
- yukkun20は前作をPSVRでプレイしたのですが、今回はMetaQuest2を使ったOculus Linkで、SteamVR版をプレイしました。スペック差があるからなのか、画質もくっきりしていましたし、前作では読みにくかった文字もすっきり読めるようになりましたね。(↓左が前作のPSVR版、右が前作のMQ2版)
- 前作は、一定数売れれば続編を作ると明言されていて、実際あっという間に目標数に到達したのですが、その後続報も少なく、やきもきしていました。それだけに今回続編がプレイできたのは本当に嬉しかったですね。終盤の展開は、前作のプレイヤーには胸が熱くなりすぎる展開でした。そこそこのお値段がしますが、価格以上の体験が出来ることは保証しますので、脱出ゲーム好きやのじゃ子好きはぜひプレイしてみてください。