オーディンスフィアの神谷プロデューサーと大西ディレクターのインタビューが、ファミ通.comに掲載されています。
《公式サイト》
『オーディンスフィア レイヴスラシル』ヴァニラウェアの神谷盛治氏&大西憲太郎氏が語る、並々ならぬ思い入れとコダワリのポイント! – コミニー[Cominy]
色々興味深い話があります。
大西
オリジナル版は、神谷の当時の唯一の代表作でコアな人気のあった『プリンセスクラウン』を継承した作品というコンセプトで作ることになって、技術面では、『プリンセスクラウン』の最大の特徴である“アニメーションを美しく見せること”に、とにかくこだわりました。
開発ツールの試作品ができ上がってみると、これが思っていた以上にポテンシャルを感じられるもので、ハードもプレイステーション2になって解像度が上がっていたので、ドット絵ではなく塗りこんだ絵を使ってイラストが活き活きと動くようなゲームにしよう、背景も動かそう、という感じで欲が出ていきましたね。
プリンセスクラウンのドット絵アニメーションは本当にすばらしかったです。アクションにあまり興味ない自分もそれだけで購入。そしてその後PS2で登場したオーディンスフィアの映像にも度肝を抜かれたのを覚えています。あの美しい絵がそのままアニメーションしてアクションするとかもう。
大西
それから、これは神谷の特徴でもあると思うのですが、利便性よりもリチュアル(儀式)の楽しさを取るんですよ。『ドラゴンズクラウン』でも、宝箱を開けるのにわざわざ“盗賊のロニ”に指示を出して開けさせるという形になっていますが、「宝箱の前でボタンを押せば開くようにすればいいんじゃないの?」と、ふつうは思いますよね。(中略)ユーザビリティーとしては最悪ですが、それよりも見た目の美しさや雰囲気を優先する。『オーディンスフィア』というのはそういうものだ、という精神で全体が作られていました。
プリクラもそうでした。回復アイテム(食事)をとるのも、一口でのみこむのではなく、何口かに分けて食べるんですよね。今やヴァニラといえば食事シーンみたいになってますが、当時は画期的だったのです。
神谷
いまのアトラスさんは、私が見てきた中で、近年でいちばん純粋な“ゲームを作るための会社”になったと感じています。いろいろときつい状況を経て、本当にアトラスでゲームを作りたい人だけが残り、その部分がきれいにひと塊になった印象です。
アトラスの開発スタンスも本当にすばらしい。このご時世にこれだけの作品を、粗製濫造することなく定期的に世に送り出せているのは一つの奇跡ですよ。
神谷
旧作を踏まえつつも、あくまでヴァニラウェアの最新作としてもう一度再構築すべきだと思いました。一方、オリジナル版を大事にしてくださるお客様も必ずおられると思いましたので、完全保存版としてオリジナルもキッチリもとのままHD化して収録して、二本立てにすることも決めました。だからこそ、リファインモードは、いま作るならこうだろうという気持ちで、思い切って変えていけると考えました。
既に情報は出ていましたが、やはりリメイクとリマスター(リファイン)の二本立てなんですね。
大西
オリジナルでは入れられなかったモンスターを、新規で中ボスとして入れています。中ボスと言いつつも、旧作ボスより豪華な作りのものもいますよ。旧作からの敵も、技や攻撃バリエーションを増やし、思考ロジックも全部新規で組み直しましたので、旧作をやり込んだ方も新鮮な感覚で遊んでいただけると思います。(中略)ステージに関しては、マップを探索する要素を加えました。ヒントをもとに隠されたアイテムを探したり、特定の方法で隠し部屋に入ったりなど、少し懐かしい楽しさを加えています。
リメイクならではの新要素も満載。2Dの隠し要素は3Dにくらべてしらみつぶしになりづらいところが好きです。
多分時間の関係でリマスター版の方はプレイ出来ないような気がしますが、そんなことは気にせず予約しておこうと思います。来年が楽しみ。