プラチナ獲得しました。さすがに最後の育成はだれたわー。
このゲーム、ネタバレがないようにレビューするのは至難の業なので、ネタバレありレビューになっています(ネタバレ部分は反転で隠しています)。ご注意を。
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ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期
公式:ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期 | スパイク・チュンソフト
価格:限定BOX:13,400/12,400円(税抜)(PS4版/PSV版)
ダウンロード版:6,660円/5,760円(税抜)
通常版:7,400円/6,400円(税抜)
ジャンル:ハイスピード推理アクション
プラットフォーム:PS4、PSV
プレイ時間:130時間
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ストーリー
極めて特殊な才能を持つ高校生達に、国から”超高校級”の称号と様々な特権を与える「ギフテッド制度」。「超高校級のピアニスト」の称号を持つ少女赤松楓は、ある日謎の男たちに拉致され、気がつけば他の「超高校級」15人と共に、「才囚学園」に監禁されていた。そこに現れた謎のぬいぐるみ?モノクマは、彼らにこの学園から脱出したければ、互いにコロシアイをするよう告げる。誰にも気づかれぬよう殺人を犯し、その後に開催される「学級裁判」でも犯人だと見抜かれなければ、学園を卒業できるというのだ。赤松は、みんなで生きて学園を脱出しようと、「超高校級の探偵」の称号を持つ最原終一と共に、学園の謎に挑んでいく―
というストーリーです。過去作同様、高校生16人が密室状態で行うデスゲームものです。
今回のストーリー(特にオチの部分)は賛否が分かれそうですが、個人的には印象は悪くないです。
(以下エンディングを迎えていない人には超ネタバレ)
黒幕の発言についても解釈は色々あると思うのですが、僕は基本的に、黒幕の発言は大筋で真実ではない(黒幕が意図的に嘘をついているのか、それともそういう役割を振られているのかは分かりませんが)と思っています。あれが事実だとすれば、いくら何でも道徳が退廃しすぎですし、その状態から主人公達がなにをしようが逆転することは出来なかったはずです。黒幕が言った中で事実なのは、このデスゲームが見世物であると言うあたりだけのような気がします。
そうすると、次に問題になるのが彼らがフィクションの存在なのかどうかですが、精神的にはともかく、肉体的には実在の人物だと思います。これはあまり根拠のない推測なのですが、伏線のまま放置された、「謎のヘッドセットを付けた」主人公達の姿が関係しているのではないかと。ただ、今作の舞台となった才囚学園は現実と言うにはあまりに現実離れしすぎているので、電脳世界なのではないかと。それをハッキリ言わなかったのは、ハッキリ言っちゃうと2と同じオチになっちゃうからではないかと邪推。
それから、「制作者はプレイヤー(現実世界にいる自分たちのこと)を揶揄しているのではないか」という見解もありますが、これもちょっと違うような気がします。我々がこの手の(人がバンバン死ぬ)ゲームを楽しめているのは、あくまで「フィクションと分かっているから」でしょう(でないと、推理小説も時代劇も存在できないでしょうし)。もちろん古代ローマのコロッセオの例を挙げるまでもなく、人間に一種の残虐性があることは否定しませんけど、それでも「フィクションをフィクションと知って楽しんでいる」人と、「ノンフィクションを(ノン)フィクションとして楽しんでいる」人との間には大きな差があるように思います。制作者は後者(V3の視聴者)のことは揶揄しているかも知れませんが、前者(プレイヤー)の方には触れてないと思います。わざと主人公達にああいうことを言わせることでプレイヤーの良心を軽く刺激し、フィクションの持つ力をダイレクトに(V3の視聴者にではなく)プレイヤーまで届けるための演出だったのではないかと。
それから、このオチはダンロン1~3を茶番にしているという見方もありますが、これも違うんじゃないでしょうか。というか最後の学級裁判の理論武装での最原のセリフは、フィクションに力があることを示しているわけで、そうであればその「フィクション」が劇だろうと劇中劇だろうと、現実にいる自分たちには同じ力を持っているはずだと思うんですよね。
なんか書いているうちによく分からなくなってきた。とにかく僕は今回のオチはダンロンらしいオチだと思い、肯定的に見てるということです。
ただ、トリックの方は、「物理トリックに力を入れている」という触れ込みだったのにあまり出来が良くなかったような…(まあ毎度のことですが)。特に第2話のトリックは物理的に無理がありすぎる気がしますし(あんな簡易なロープウェーを平衡を保った状態で滑空させるのは無理だし、犯人が手で減速をかけた理由も不明(被害者の帽子でも使えば良かったでしょうに)だし、モノクマにトリックが可能かについて聞きに行ったタイミングもないような気がする)。第5話に至っては、犯人(厳密には違うが)は偶然の事情を上手くトリックに組み込みましたが、あれがなかったらとても実現可能だったとは思えませんし…それに台本いつ書いたんだよ。
システム
3Dで描かれた学園内を歩き回りイベントを起こす日常パート、事件の手がかりを集める推理パート、集めた手がかりをもとに犯人とトリックを推理する学級裁判パートに別れています。
日常パートは普通のADVゲームに近いですね。推理パートと学級裁判パートは過去作のシステムとほぼ同じなので、シリーズファンなら自然にプレイできると思います。ただフルボイスじゃなくパートボイスなのは残念。声優陣も豪華ですし、皆さんの演技はすばらしかったので、もっと聞いていたかったですね。でも最終話の学級裁判のボイスはいろいろ胸熱だった。
推理パートは必要な手がかりを集めないと進行フラグが立ちませんから、捜査を抜かって裁判で詰んだ、ということはありません。また大抵は推理パートで集めた手がかりだけでは真相にたどり着くのは困難で、実際には学級裁判パートで判明する新たな事実なども付加して推理をしていかなければならないので、純粋な推理ものとも違います。推理要素の入ったADVと考えるのが妥当かと。
学級裁判パートはアクション性のあるミニゲームの集合体になっていて、それをこなしていくことで真相にたどり着けるようになっています。ブレインドライブのように一部面倒なものもありますが、全体としてはストーリー進行を削がない程度の内容になっており、過去作と比べても不満は感じませんでした。特に今回追加された議論スクラムは演出、音楽共に至高。また今回は過去作に比べて理不尽な推理をさせられる場面は少なくなっていたように思いました。裏ルートだけは攻略サイト見ないとたどり着くのは至難だと思いますが…。
本編クリア後に遊べるミニゲーム「育成計画」「モノクマの試練」はコンパクトながらなかなかの出来で面白かったです。基本的にどのキャラでもクリアは可能だと思いますので、好きなキャラを好きなように愛してあげればよいのではないでしょうか。効率だけ求めるなら、多分普通→才能→仲良しの順に鍛えた、物理型3人(無人斬り/熱意溜め/クリティカル威力アップ/スキル攻撃威力アップ/威勢アップ)と回復型1人(発言治療/闘魂注入/身代わり/超防御/異常治癒)の4人がいれば、ドロップアイテム集めしなくてもクリアできます。ただ育成キャラの数が多いので疲れる…いや、わざわざ人数水増ししてまで「あの」人数にしたのに訳があるのは分かりますよ。
キャラクター
相変わらず魅力的なキャラが多いですし、名前を一発で覚えられるくらいインパクトがあるのは○。
なにを言ってもネタバレになるのでここでは控えますけど、個人的に押していた夢野さんに大きな見せ場があったのでとりあえず満足です!あと喜久子さんの演技は最高。東条さん(喜久子さん)と星(大塚さん)の会話シーンではニヤニヤしっぱなしでした。ナディア的な意味で。
発売前からの情報開示を含め、スタッフの手の上で気持ちよく転がされた作品でした。毎回毎回衝撃的な展開を用意しつつ、次の作品でそれを上回った展開を用意しているのはさすがだと思います。これでこのシリーズは終わりかも…と思っていますが、それすらもスタッフに転がされているような気がする。
最後に一つ。第4章のサブタイが回文になってます。これ豆な。(ロボノアニメ視聴中)
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