2014-04-09
星界の断章3「来遊」の時系列
星界の断章3「来遊」の時系列がよくわからなくなったので、簡易まとめ。
ネタバレそのものなので注意。
2014-03-11 戦旗読本を読み直して若干修正
- 帝国暦前98年
ビボースが平面宇宙航行理論を完成。「興味深い理論を手に入れた」と騒ぐ。
船王アブリアル・ドゥムイ、委員会を編成。 - ???
都市船アブリアル、マアト・カー・ラーと接触。(この時点ではユアノンの可能性に気づいているので、帝国暦前98年以降。また次の寄港地がヘルー・ネブーだったので、ラ・ゲルシスマに向かう前) - ???
都市船アブリアル、マアト・カー・ラーをイルト・スィア星系の惑星アペド軌道上まで曳航。
その後、ユアノンの回収に向かい、8つ目のユアノンを入手。 - 帝国暦前97年
委員会、ビボースの理論に問題がないことを船王に報告。ドゥムイ、理論の実用化を決断。
ビボース含めアーヴのほとんどは反対するが、ドゥムイは次の次の寄港地で資源採取と並行して実験を行うことを決定。
ラ・ゲルシスマへ向かう。 - ???
ロビート・ボイガ、誕生。 - ???
都市船アブリアル、ラ・ゲルシスマに寄航。交易後、次の寄港地である泊地四七へ移動。
この頃、船王アブリアル・ラムステューム即位。 - 帝国暦前52年
泊地四七に投錨、門を開く実験の開始 - ???(ラ・ゲルシスマ寄航から約半世紀後。通信速度から考えると、早くても帝国暦前44年以降)
ラ・ゲルシスマから宇宙船が飛来しているとの情報が入る。ラムステューム、乗員の収容をボイガに指示。 - ???(ラ・ゲルシスマからの通信が届いて約7年後。つまり早くても帝国暦前37年以降)
スネーシュ・フルーリア、高加速交通艇の建造を提案。 - ???(フルーリアの提案から7ヶ月後)
スロール872採掘基地で事故発生。救難艇が建造されるきっかけになる。 - ???(フルーリアの提案から約3年後。つまり早くても帝国暦前34年以降)
ラ・エディ・ポイ・ベブナの収容に成功。 - ???
エディ、委員会の助言役として頼りにされるようになる。 - ???
エディ、ドゥムイ委員会理論部会委員として正式に登用される。 - 帝国暦前19年
門を開く実験に成功。 - ???
ボイガ、ドゥムイ委員会から退任。
船王アブリアル・ドゥネー即位。
3個目の門が開かれる。 - 帝国暦前3年
最初の平面宇宙航行船セルドーが門をくぐり、帰還
ドゥネー、エディにエディリュアの姓を授ける。 - ???(有人実験成功から1年未満)
エディ、死亡。のちのクラベール・ソスに葬られる。 - 帝国暦前2年
平面宇宙側から門を開くことに成功。 - 帝国暦1年
建国帝ドゥネーが帝国の創建と帝国暦開始を宣言。
疑問
ラ・ゲルシスマと泊地四七は8.1光年離れているが、加速限界が現在の技術でも0.1光速程度(「出奔」参照)だとすると、80年以上はかかる計算。しかし長くとも40年程度で移動している。エディに至っては長くても30年程度(おそらく約20年)で移動している。
無理のある仮定ですが、平面宇宙航法がある「出奔」の時点では通常宇宙を渡る技術は逆に退化していたとは?(苦しい)
2014.04.10 07:51 | by Ivan
いや、それもあながち無理があるとはいえないところも…
大放浪時代のアーヴについて、「彼らは半径一光世紀に広がった人類社会をつなぐか細い、唯一の糸であった」という記載があります。が、半径一光世紀ということは、0.1光速の宇宙船だと縦断するのに2000年かかる計算です。大放浪時代は1000年弱なので、これは明らかに矛盾していると思います。とすると、かつての宇宙船の最高速は、もっと早かったと仮定するのが自然です。
あとソースがどこか忘れたのですが、以前森岡先生は、相対性理論の影響で、アーヴたちの時間の流れと、その他の人々の時間の流れが違うと言うようなことを言っていたと記憶しています。0.1光速だと、時間の縮みは0.5%くらいしか発生しないので、時間の流れの違いを実感できるところまではいかないと思います。
そう考えると、かつては光速にかなり近い速さでの移動が可能だったのではないか…という仮説も十分あり得ます。
ただ、平面宇宙航行理論確立後も、戦闘は通常宇宙内か時空泡内で行われることや、0.1光速が限界なのは船殻の強度上の問題であると解釈するのが筋であることを考えると、軍事力を重視しているアーヴがそういった加速性能や防御性能に直結する技術を易々と失ってしまうとも思えません。
結局、森岡先生が設定を忘れた…か変更されたかではないかと思っているのですが…いつかお会いする機会があったら直接お聞きしてみたいです。
2014.04.10 23:44 | by yukkun20
おお、これだけのレス頂けるとは、真の星界ファンですね。「半径一光世紀」は私も気になってたポイントです。
アーヴは時間の流れが違うとは気づいていませんでした。基本的に宇宙で定住しない人種だからそうなるのでしょう(ラクファカールなどに定住しているアーヴは時間変わらないのでは?)。
でもやはり軍事国家な帝国でそれほど大事な技術が衰退するとは考えにくいことですね。作者の説明はほしいですが、
>いつかお会いする機会があったら直接お聞きしてみたいです
高望みが過ぎます(笑)。でもファンなら当然の願望です(笑)。
2014.04.11 00:24 | by Ivan
>基本的に宇宙で定住しない人種だからそうなるのでしょう(ラクファカールなどに定住しているアーヴは時間変わらないのでは?)
これ書いた後、「平面宇宙航法」実現後のアーヴなら当てはまらないかと思ったのですが、改めて考えると、平面宇宙では相対性理論が全く当てはまらないのでしたっけ?ちょっと調べてみましたがそういう記述には当たりませんでした。「時空泡」の存在を考えても相対論は平面宇宙である程度通じるように考えられます。
多くのSFの超光速航法(あるいはタイムマシン)では相対論をいかに出し抜くかが肝心ですが、相対論そのものを無効化できた超光速ってあまりない。たとえば藤子F先生のマンガでタイムマシンに乗る際、タイムトラベル中でも時間が経過し、老化はするので老化防止薬を飲むのが必要、との作品を読んだことある…はず。
2014.04.11 20:11 | by Ivan
平面宇宙は一次元の時間と二次元の空間で構成されている(戦旗読本)なので、相対性理論は当てはまらないのだと思います(この辺理系の詳しい人ヘルプミー)。超光速航法の中でも亜空間航法と言われるものに分類されるのではないかなぁ。時空泡内では何ともいえませんが…
僕が言っている、アーヴの時間がずれているというのは、都市船時代は理論上無限に加速できるユアノン推進の宇宙船に乗っていたので、亜光速で移動した場合により生じる時間の縮みを体験できるレベルの速度で移動していたのではないか…という意味ですね。なので帝国が創設され、ユアノン推進がなくなってからは、どこに住んでいようと大きなずれは生じていないと思います。
…と書いていて思い出したんですけど、どこかで都市船アブリアルだったかレイフ・エリクスンだったかが亜光速で宇宙を飛び回っていたって言う記述があったんじゃなかったっけ。0.1光速は亜光速とはいえないよな。
> 相対論そのものを無効化できた超光速ってあまりない
これやっちゃうと完全に現代科学からはみ出してしまい、SFじゃなくてファンタジーになっちゃうからでしょうね。たとえばテレポーテーション魔法とかは、相対論を無視した超光速移動だと思います(その前に質量保存とかも無視してますけど)。
2014.04.12 01:18 | by yukkun20
>平面宇宙は一次元の時間と二次元の空間で構成されている(戦旗読本)なので、相対性理論は当てはまらないのだと思います
平面宇宙の物理法則がもっと明かされていればいいのですが…。私は物理苦手なので適当に言ってるのですが(汗)、時空泡がなぜ存在出来るかは理系の人でもよくわからないのでは?
>僕が言っている、アーヴの時間がずれているというのは、都市船時代は理論上無限に加速できるユアノン推進の宇宙船に乗っていたので、亜光速で移動した場合により生じる時間の縮みを体験できるレベルの速度で移動していたのではないか…という意味ですね
これはわかってましたが文章がくどくなると思って触れてなかったんです。触れた方が良かったですね、すみません。
>0.1光速は亜光速とはいえないよな
亜光速ってどのくらいの速度か調べましたが、光速の99%を言うようで0.1光速は亜光速とは言わないですね。
>たとえばテレポーテーション魔法とかは、相対論を無視した超光速移動だと思います(その前に質量保存とかも無視してますけど)
魔法というからには無から有を生み出すくらいでないと(最近の宇宙論では無から有が生まれてるようですが。宇宙誕生とか真空エネルギーが)。
2014.04.12 18:10 | by Ivan