2011-09-27
yukkun20はクレア派です
最近、積ん読になっていた「とある飛空士への恋歌」を読み直し始めました。
日記を見ると前回読んだのは…2010-02-01のようです。1年半以上前じゃねーか。
さて、この小説は、先日の日記でも言及した「とある飛空士への追憶」の続編として刊行された全5巻の小説です。最初はそれとは示されないのですが、実は追憶と世界観と時間軸を共有していることが中盤以降明らかになってきます。「追憶」がすごく好きだったので「恋歌」も発売直後に購入したのですが、2巻まで読んだあたりで仕事が忙しくなったりしてなかなか読む暇が取れず、その後も3巻、4巻は購入していたのですがまったく読まないまま1年半がすぎてしまいました。
先日東京に出かけるときに、空き時間に読むために持って行くことを思いついて、無事続きを読むことが出来ました。
もちろんストーリーは忘れてしまっていたので、1巻から読み直し、現在3巻まで読了。4巻を読み始めています。
「追憶」はなんといっても風景描写がすばらしい作品なのですが、こちらも負けず劣らず美しい文章が続きます。挿絵は決して多くないのに、文章を読むだけで情景が鮮明に思い描ける緻密な描写でありながら、それがストーリーを追う上で邪魔にならない位置にきちんと納まっていて、小説というよりは映画を見ているような気分にさせてくれます。特に今作は空戦メインのため、陸戦と違って航空機の三次元の動きもわかりやすく伝える必要があるのですが、そこもまったく不安はありません。
もちろん、肝心なストーリーの方も文句なしです。「追憶」は全1巻ですっと読めたため、逆に「恋歌」は長すぎてだれるのではないかと思いましたがまったくそんなことはありませんでした。こんなに続きが気になる小説は久しぶりです。特に登場人物の交流を1巻かけて丁寧に描いたため、3巻から始まる戦争による別れが悲劇的に描かれていて、目をウルウルさせながら読んでます。
で3巻ですけど、2巻でメインだった楽しい学園生活は影を潜めて、訓練と空戦を中心としたストーリーが描かれています。もちろん主人公たちの活躍もいいんですけど、こういうストーリーでは軽視されがちなモブ兵士たちも、全力で困難に立ち向かっていることがきちんと描写されていて、応援せずにはいられません。
また3巻では「追憶」に出て来たあの男らしき人物の勇姿が見られるのもポイント高いですね。といってももしあの男と同一人物なら、物語のエンディング後になにか状況の変化があったということになるので、別人という可能性も捨てられませんが…たぶん続刊で描かれるはずなので、それも楽しみにしています。
もしお暇があれば、ぜひ手に取ってみてください。
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