第35回 ブルーウォーターの秘密
これまでのあらすじ
誕生日も生まれ故郷も知らずに育ち、運命の石ブルーウォーターを持つ少女ナディアは、ジャンたちと出会い冒険の旅に出て、ついに故郷にたどり着きました。そう、彼女の長い自分を見つける旅は今、終わろうとしているのです。
ストーリー
ついに一行はタルテソスが沈む湖のほとりに到着した。ナディアが湖に近づくと、ブルーウォーターが光り湖面が分かれていく。ナディアとグラタンは開いた穴を湖底へ降りていった。
たどり着いた先は、レッドノア内部によく似た洞窟だった。ナディアによると、ここはレッドノアと同じアトランティス人の船、地球人がノアの方舟と呼んでいるものだという。さらに奥へ進んで行くうちに、ナディアにブルーウォーターを通してアトランティス人としての記憶が流れ込んでくる。その記憶と、ブルーウォーターの継承者が持つ破滅の力の重みに押しつぶされそうになるが、ジャンやグランディスの励ましに支えられ、一歩、また一歩と中心部へ近づいていく。ついに王宮へたどり着いたナディアは、ブルーウォーターの力でタルテソスを浮上させる。
そして王宮の中心部、バベルの塔の先でナディアはジャンたちに衝撃の事実を打ち明ける。タルテソスは277.5光年先の宇宙からやってきた、アトランティス人の子孫によって建てられた国なのだ。そして、自分がその王位継承者である、と。そしてナディアは叫ぶ。自分はブルーウォーターを使って、世界中に不幸を振りまく運命なのだ、と。その勢いに気圧されるジャンの前で、ナディアはバベルの塔の先端から身を投げる。ジャンとマリーの悲鳴が響く中、ナディアの体は地上に向かって落ちていく―
しかし、ブルーウォーターに守られたナディアは無事だった。自分はその運命から逃れられないのか、と涙するナディア。そのナディアにジャンは『ナディアはナディアだよ』と告げる。ナディアははじめて、本当に大事なものは自分の故郷や出自ではなく、ここまで自分を支えてくれた仲間だと気付き、涙を流すのだった。
それを祝福するように日の光が差し始め、その光に近くの石碑がきらめく。そこにはナディアが生まれたときの碑文が刻まれていた。そしてナディアは自分の誕生日が5月31日であり、今日が15歳の誕生日であることを知る。みんなは歌でそれを祝うのだった。
ところが、その空気を圧するように耳障りな音が響く。一同が見上げた空に浮かんでいたものは―
みどころ
- 【ジャン『でっかい湖だなぁ…』】
絵コンテによれば火口湖。いくらブルーノアが墜落したとはいえ、火山口に街を作るとか勇気あるな。 - 【サンソン『前々から変な奴とは思っていたが…こりゃ事によるってぇとホンマモン…』】
【サンソン『かーっ!熱い~!あお熱い~!!』】
今回のサンソンは全体的にデリカシーがないです。なおエアトンが後部座席でメモを取っていますが、これは自伝を書くための手控え。 - 【ナディア『これが…旧約聖書に出てくる方舟よ』】
方舟は全部で3つあり、それぞれ作中では「沈める寺院」(第16回) 、「レッドノア」(ひょうたん島のこと)、「ブルーノア」(タルテソス王国)と呼ばれています。 - 【ナディア『レッドノアからずっとあった頭の中のモヤモヤがはっきりしてきて…』】
前回までの錯乱振りがなかったかのようないい話。 - 【ナディア『タルテソスは消えてしまったんじゃない』】
ネオ・アトランティスはタルテソスの王子(ネオ皇帝)と宰相(ガーゴイル)の組織ですからね。そもそも「ネオ」っていうのは「新しい」っていう意味ですし。
王様が生きてたのだけが誤算でしたけど。 - 【ジャン『バベルの塔の本当の姿って何なのかな』 ナディア『…通信機よ』『光を使うのよ』】
277.5光年の向こうと話をするのに光速通信かよ!返事が来るまで555年。アトランティス人って気が長いんですね。 - 【ナディア『そう…宇宙から、ほかの星から来たの』】
でもタルテソスの住民すべてがアトランティス人というわけではなかったですよね。やはり混血が進んだのでしょうか。 - 【ナディア『火の竜と南面ンゴンデの月日は15回目の復活』】
絵コンテによれば、ンゴンデとはワニのこと。 - 【ナディア『西暦でいうと…1875年…5月31日』】
5月31日はジャン役の日高のりこさんの誕生日。 - 【マリー『ハッピーバースディ・トゥー・ユー♪』】
この曲にこの歌詞が付いたのは1920年頃のことなので、作中の時間軸ではちょっとおかしい。 - いよいよ最終回にむけてのエピソードが始まりましたね。パロディもなく、スタッフの真剣さが伝わってきます…と思ったら次回はあれだからな。
元ネタ
- ノアの方舟
旧約聖書に登場する船。詳しくはナディアが説明しているとおり。
次回予告
ガーゴイル
久しぶりだね、ナディアくん。ブルーウォーターを持って、おとなしく出てきたまえ。そうすれば君の友人たちは命を失わずにすむ。
ジャン
僕たちを救うために、ナディアはガーゴイルの前に出ていった。ところがガーゴイルは約束を破って攻撃してきたんだ。そして…次回『万能戦艦N-ノーチラス号』見てね。
ガーゴイル
フッフッフッフッフ…
トラックバック URL
コメント & トラックバック
コメントフィード
コメント