第34回 いとしのナディア♥

これまでのあらすじ

 時に西暦1890年。数々の冒険ののち、やっとの思いでたどり着いたアフリカでしたが、そこで邂逅した男の子に失恋してしまったナディアは、二度と再び立ち上がる力を失ってしまったのです。
 ナディア、がんばって。残された話数はあとわずかしかありません。

ストーリー

 失恋してショックなナディアと、そんなナディアが気になるジャンを乗せて、グラタンはタルテソスへ向かっていた。ナディアを心配したジャンは、サンソンとハンソンにアドバイスを求める。サンソンに『愛を込めた歌で励ませ!』といわれたジャンは、一晩で「全自動ウクレレ演奏機」を完成させた。ナディアもジャンの気持ちがうれしい。
 早速演奏会が始まった。和やかに(そして部外者はしらけ気味に)始まったジャンの歌だったが、その単調なメロディーと歌詞という名の嫌味にナディアはとうとう切れてしまい、『もういいわ…へたくそ』という捨て台詞を残して出ていってしまう。呆然とするジャン。
 その夜、ナディアはグランディスに自分の気持ちを打ち明ける。ジャンが好きなのかどうかはわからない。ただ恥ずかしくて、胸が苦しいのだ、と。グランディスに『その気持ちが恋だ』といわれたナディアは、自分の気持ちにもう一度向き合おうとするのだった。

みどころ

  • 【ストーリー】
    例によって外部に発注した原画の出来がひどすぎたため、庵野総監督以下スタッフで一から作り直した(スケジュールに破綻を来さないようミュージックビデオ風になっている)。
  • 【絵コンテ】
    絵コンテの段階では、大筋(失恋で落ち込むナディアをジャンが発明と歌で励ます)は変わらないものの、サンソンが尿意を我慢するがトイレに誰か入っている、早く出ろと急かすと出てきたのはキング、切れそうになるがトイレが詰まっていることが発覚、結局我慢出来ずに甲板から空中放出、というエピソードと、エアトンが今回の旅の自伝を書いているが、あまりに自分に都合良く捏造していたためグランディスにぶっ飛ばされるというエピソードが入っていた。
  • 【ナレーション『時に西暦1890年』】
    第22回では1889年だったので、島にいる間に年を越したと思われる。
  • 【グランディス『キングはまだ赤ちゃんだもの。大きくなったら、ああなるんだよ』】
    二足歩行して、釣りをたしなみ、雨乞いができて、しりとりもできるライオンが成長してもああはならんだろう。
  • 【3人で歯磨き→体操】
    毎度お馴染みのナディアコンボ。
  • 【ハンソン『やれ、アッシーをしろ』】
    もはや死語(本放送当時でも微妙だが)。ちなみによい子のために説明しておくと、「アッシー」とは女性を自家用車で送り迎えしてくれる男性のこと(「足」から来てるわけだ)。惚れた弱みですね…
  • 【サンソン『歌で落ちない女はいない!』】
    サンソンの恋愛講座は成功したためしがないんですが、いつも自信まんまんなところが好評な理由でしょうか。
  • 【挿入歌「愛の3人組」】
    作詞が「HIDE&シンディ~♥」名義だが、これは庵野明氏と樋口真嗣氏のこと。
  • 【サンソン『♪愛する人なら 君の目の前にいるじゃないか♪』】
    サンソンとマリーのカットということはつまり…
  • 【ジャン『♪あふれる イマジネーション♪』】
    ナディアの下着に手を伸ばしているジャンのイマジネーションということは…
  • 【マリー『♪A、B、C 覚えられない~♪』】
    あっちの意味でのABCを連想させるカットになっている。
  • 【マリー『♪なぜ そうなのよ♪』】
    カットがヨガをする航海長だったのは、『僧なのよ』というギャグか。
  • 【ナディア『でもジャンったらいつも自分の発明ばかりで―』】
    この子ちょっとめんどくさいわ。
  • 【ジャン『グラタンの余ったパーツと僕の持っている近代科学の粋を凝らして建造された究極の全自動楽器さ』】
    【ハンソン『たった1日と1晩でよくできたな』】
    天才すぎるだろ。
  • 【ジャン自作の歌】
    実は設定上もタイトルは存在しない。
  • 【サンソン『オレは負ける戦はしない主義だ』】
    これは名台詞だと思う。
  • 【スタッフ】
    作り直しは庵野総監督のポケットマネーと個人的な伝で行われたため、エンディングのスタッフロールでみんな仮名になっている。
    絵コンテの「いぬまくら」はもりたけし氏、作画監督の「空母そ・そ・そ・そ」は庵野総監督(「そ・そ・そ・そ」は総監督の口癖)、原画の「木木木 人建」はもりたけし氏(おそらく「森健」から)、「マスオさん」は増尾昭一氏と思われる。
  • 次回からはついに最終回にむけてのラストエピソードが始まります。1話たりとも見逃すな!

元ネタ

  • これまでのあらすじ
    特撮テレビ映画「ウルトラマン」で戦闘シーンに流れるナレーション「もしカラータイマーが消えてしまったら…ウルトラマンは二度と再び立ち上がる力を失ってしまうのである。ウルトラマンがんばれ!残された時間はもうわずかなのだ!」のパロディ。

次回予告

ナディア
 ここが、あたしの故郷タルテソス…
ジャン
 でっかい湖だなぁ…でもほかにはなんにもないや。ここがナディアの故郷?
ナディア
 呼んでる…いかなきゃ!
ジャン
 ナディアーっ!行っちゃだめだ!
ジャンナディア
 ふしぎの海のナディア第35回『ブルーウォーターの秘密』見てね~

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