第17回 ジャンの新発明

これまでのあらすじ

 時に西暦1889年。ノーチラス号は戦いの犠牲者を葬るためアトランティスに上陸する。そこでジャンは、自分の父親がガーフィッシュに殺された事実を知った。
 だが、その悲しみを胸に秘め、ジャンは再びノーチラス号へ乗り込んだのである。

ストーリー

 アトランティスを出てからというもの、ジャンたちはノーチラスのクルーたちと親交を深めていた。みんなの気遣いが嬉しい反面、自分が子供扱いされていることがちょっと気になるジャン。
 そんなジャンは、思いきって前から暖めていた計画を実行に移すことにした。その計画とは、ノーチラス号の正式な乗組員になって、父親の仇を討つこと。手始めにネモに直談判を試みるが、ネモには『手を汚すのは我々だけで十分だ』と断られてしまう。その次に持ちかけたエレクトラの答えも同じだった。
 そこでジャンは、グランディスたちに、ネモ船長にお願いしてくれるように頼む。しかし、サンソンは『一人前なら自分のことは自分でけりをつけるもんだ』とそっけない。自分が子供であることを思い知らされることになって、落ちこむジャン。そんなジャンの姿を見たナディアは、ジャンにもう一度空を飛んでみたい、と告げる。その言葉に励まされ、ジャンは再び飛行機作りを始めるのだった。
 食事や寝る間を惜しんで設計を続けるジャン。しかし、どうしても稼動装置が決まらない。ハンソンは助けの手を差し伸べようとするが、ジャンは自分一人でするんだ、と意地になっている。しかし、大人になろうともがくジャンの脳裏に、ハンソンが投げた言葉がこだまする。『子供は素直に、大人を頼ればいいんだ。それが大人の仕事だからな』。子供ゆえの限界を感じ取ったジャンは、素直にハンソンに助けを求め、オートジャイロは無事完成するのだった。
 その初飛行の日、空を飛びながら、ジャンはナディアに気持ちを打ち明ける。この船でいろんなことを勉強して、君を守れる大人になったら、君を必ずアフリカに連れていく、と。そんなジャンの言葉に、ナディアは『うん、待ってる』と笑顔で答えるのだった。

コメンタリー

  • 【玉乗りをするナディア】
    ちなみにナディアは一輪車に乗った状態で玉乗りをすることも出来ます。
  • 【サンソン『愛を込めて自らの手でつくり出すんだ!』】
    サンソンはこの時点で既に花を自分が使ってやろうと思っています。ちょっとズルい。
  • 【イコリーナさんファンクラブ会員証】
    右半分にはイコリーナさんの写真が、左側には会員氏名、所属、発行日、会員番号が記されています。日高のり子さん(ジャンの中の人)のファンクラブ会員証がモデルになっている。会員証がフランス語で書かれているのは会長(エーコーさんのこと)特権か?
  • 【エーコー『それはそれ!!これはこれ!!』】
    超いい顔で言ってますが、言ってることはサイテーです。
  • 【ジャン『僕は僕で、ちゃんと考えていることがあるんだ』】
    絵コンテではこの後に、機関長と科学部長が二人の仲をからかうも、ナディアが「ただのお友達です」と答えてジャンががっかりするシーンが挟まっていた。これに限らず科学部長のシーンはカットが多い。
  • 【大人になるということ】
    この作品のテーマの一つ。今回はそれに関連した名言が多いです。大人が嫌いなナディアに対し、早く大人になりたいジャン。『一人前の大人なら自分のことは自分でケリをつけるもんだ』『子どもは素直に大人を頼ればいいんだ。それが大人の仕事なんだからな』『大人に勝てるのは大人だけだからさ』『子供じゃ夢は叶えられない…ただ追いかけてるだけなんだ』『自分に何が出来て、何が出来ないのか分かるようになりゃ、一人前だな』『愛する二人は、少しでも長く一緒にいたいものだものねぇ~(・∀・)ニヤニヤ』(最後のは関係ない
  • 【ナディア『また飛んでみたいなぁ』】
    ジャンを励ますつもりで言ったのか、それとも本当に空を飛びたいと思ったのか、どちらかはわかりませんがいいシーンです。
  • 【小型ヘリコプター】
    設定上の名称はオートジャイロ。直接動力でプロペラを駆動させているのではなく、エンジンで前方への推進力を生み出し、それにより発生する相対的な気流をプロペラに受けて回転させ、揚力を生み出している。史実ではスペイン人のフアン・デ・ラ・シエルバが開発し、1923年1月17日に初飛行を成功させた。(cf.Wikipedia)
  • 【イコリーナさん】
    今回はCV:水谷優子(マリーの中の人)。
  • 【サンソン『君の美しさに比べたら、こんな造花など紙くずに等しいが、僕のシャイなハートの代わりにあなたに捧げます』 イコリーナ『まぁ♥』】
    ドラマCDや今回のイコリーナさんを見ていると、彼女はちょっと電波が入っているセリフにクラッと来るみたいですね。そしてこうなることは分かっていたはずなのに全ての男たちを敵に回したサンソンの勇気ある行動に敬礼!(`・ω・´)ゞ
  • 【マリー『愛する二人は、少しでも長く一緒にいたいものだものねぇ~(・∀・)ニヤニヤ』】
    今回三人組がシリアス担当なので、マリーとキングが代わりに頑張っています。
  • 【サンソン『当たって砕けろの精神はどうした』】
    ギャグかと思ったらマジで負傷しているサンソンに笑った。
  • 父親の死を知って、目標を失ってしまったジャンが、新しい目標を手に再び立ち上がる、というヒーロー物お約束の話でした。あんまり熱血!とか感動!とかがなかったのは、この作品の雰囲気でしょうけど、イコリーナさんファンクラブや(ウワサではネモ船長も入ってるらしいですよ)、ぼこぼこにされるサンソン、ハンソンの失恋、エレクトラVSグランディスなどの面白エピソードをはさみつつスッキリ爽やかにまとめて来たのはさすがですね。
  • それに今回は作画に力が入ってましたな。特に女性陣(とジャン)。エレクトラさん、イコリーナさん、ナディア、マリー、グランディスあたりはかなり気合が入って描かれていたせいか、表情もよく出ていたと思います。その反動か、サンソンやハンソンの作画はちょっとかわいそうなところもあったけど…

元ネタ

  • アメリカンクラッカーのような涙
    テレビアニメ「いなかっぺ大将」の主人公風大佐衛門の流す涙。ドボチテ…

次回予告

ナディア
 ねぇ、ジャン。ノーチラスってどういう意味?
ジャン
 たしか…オーム貝のことだと思うんだけど…
ナディア
 オーム貝?
ジャン
 南極の秘密基地へ向かったノーチラス号は、大きなオーム貝を見つけたんだ。
ナディア
 これが本物のノーチラスなのね。
ジャンナディア
 第18回『ノーチラス対ノーチラス号』見てね!

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