第15回 ノーチラス最大の危機
これまでのあらすじ
マリーが灼熱病にかかってしまった。ナディアはマリーを助けてほしいとネモに懇願するが、拒絶されてしまう。人殺しと人助けとどっちが大切なのかと詰め寄るナディア。しかし彼女も灼熱病に倒れた。生と死の狭間をさまよう2人。だが、その2人を救ったのはなんとネモ船長だったのである。
ストーリー
今日も今日とてジャンとハンソンは発明に大忙し。発明したばかりの金属カッターでグラタンの修理をしていた二人だったが、事故でカッターが暴走。あわててジャンは電源を切るが、急いでいたため眼鏡を落としてしまった。そこへ騒ぎを聞きつけ入ってきたナディアは眼鏡を踏んで割ってしまう。父親の唯一の贈り物だった、とうなだれるジャン。そこへ来ていたノーチラス号の技師フェイトは、「人の命以外は取り返しがつくものさ」と眼鏡の修理を約束してくれた。
修理の終わった眼鏡を受け取りに来たジャンに、フェイトはナディアとの仲を取り持つための花束を渡す。この船で人工的に作られた花だという。お礼を言ってナディアに渡そうとするジャンだったが、ナディアは植物を人の手で作るなんて間違っているとそっぽを向いてしまう。
一方、ブリッジではガーフィッシュの追跡に移っていた。しかし、罠にはまり機雷の攻撃を受けてしまう。その隙を突いて魚雷攻撃を仕掛け、それがかわされたと見るや体当たりを敢行するガーフィッシュ。ノーチラスの装甲はなんとかそれをはじき返すが、損傷は大きく、一旦浮上して修理を行うことになった。
ところが、洋上に待ち構えていたのはアメリカ連合艦隊であった。ネオ・アトランティスの密告によりエイブラハム号の仇を討とうとやってきたのだ。激しい砲撃にさらされるノーチラス号。しかし、潜航装置も故障しており、海中に逃亡することも出来ない。ネモは圧搾空気を捨てることでどうにか海中に逃れたのだった。
海中で死んだふりをしつつ、応急処置にかかるノーチラスクルー。ところが、補助機関区で有毒原子ガスが発生。ガスが艦内に広がることを防止するため、ネモは修理に当たっていたフェイトたちを閉じ込めたまま、隔壁を閉鎖する。そのことを知り、隔壁前にやってくるジャンとナディア。ジャンは隔壁を開くように頼むが、ネモはそれを拒否。人殺し、とネモをなじるナディア。そんなナディアを隔壁の中からたしなめるフェイト。無常に時間だけがすぎていく。フェイトは自分の運命を知り、穏やかな口調で別れを告げる。
その時、隔壁内のガス濃度が致死レベルに達したことを告げる警報が鳴り響く。糸が切れたように叫び出すフェイト。俺はまだ死にたくない!という悲痛な声が艦内に響く。だが、その声はやがて聞こえなくなっていった…
アメリカ艦隊も引き上げ、応急修理も終了し、海面に浮上したノーチラス号。フェイトたちの死を悼むでもなく、黙々と作業を続けるクルーたち。それを見ながら、ジャンはこの船が戦争を―殺し合いをしていることをはじめて実感するのだった。
みどころ
- 【シナリオ構成】
企画段階では、前回と今回の間に、ノーチラス号でつまらなさそうなサンソンのために誕生会を開催する話が入る予定になっていた(その代わりに第10回の3人組が活躍する話が挿入されている)。ナディアが自分の誕生日を知らないことが明かされ、ジャンが誕生日を探しにナディアの生まれ故郷に行こうと励ます話だった。 - 【フェイト】
ノーチラス号機関部で、エンジンの整備や補修を担当している機関部員。CV:関俊彦。 - 【ジャン『形あるものはいつか壊れる、これも運命だよ』】
父親の形見という以外に、眼鏡という日常生活に不可欠なものを壊されてのこの台詞。ジャンの心は太平洋より広いなぁ。 - 【フェイト『こぼれた水は元に戻らないけど、また汲めばすむことだよ』】
ことわざ「覆水盆に返らず」から。同じような台詞をテレビアニメ「トップをねらえ!」4話でコーチことオオタ・コウイチロウも言っている。ちなみにコーチも作中で死亡した。 - 【フェイト『花で落ちない女はいない』】
この作中では割と信じられている名言。※効果には個人差があります - 【ナディア『何が便利な科学の船よ!ただの人殺しの道具じゃない!』】
ちょっとしおらしくしたと思ったらこの掌返し。ナディアの心は水たまりより狭いなぁ。 - 【ナディア『エルトリウム、恒星暦7962年進宙』】
伏線ですが、回収されるのは第37回です。 - 【機関長『この船の防御システムは完璧じゃからの』】
こんな過信してるからしょっちゅう罠にはまるんだよ。 - 【測的長『大戦艦が束になって来ない限り、やられはしないさ、この船は』】
ナイスフラグ。 - 【消磁爆薬カプセル】
ガーフィッシュの艦尾より大量に散布される小型爆弾。爆発により破壊するというより、ノーチラス号の超電磁推進機の磁場を狂わせ、航行不能に追いこむためのもの。 - 【ネモ『航行不能か…』】
この時もそうですし第10回でルメール海峡に追いこんだときもそうなんですけど、ここでありったけの魚雷でもぶつけておけばガー様は余裕で勝ってたと思う。というかネオ・アトランティスが勝ってるのは物量なんだからそれで押せよ。他人使ってないで。 - 【光るブルーウォーター】
3回ぶり6回目。今回は珍しく役に立ったような感じですね。 - 【測的長『左舷より魚雷接近!雷数4!目測で距離4000!』】
こんな事態にも冷静に対応するのはもちろん目測で魚雷の数と距離を測定するとかマジ優秀。 - 【突進するガーフィッシュ】
これまで登場したものとは違い、ガーフィッシュⅡ型。前方に張り出したラムと大型の吸水口が特徴。無印型と同じく水流ジェット推進。 - 【ネモ『いかん!逃げろ!』】
この具体性のない指示。ネモ船長も相当テンパっているようです。 - 【爆発するガーフィッシュ】
絵コンテによればノーチラスにはじき返されたので爆発したわけではなく、ガーフィッシュ側からの自爆攻撃。だから機関長が『ノーチラスと刺し違えるよう命令されていた』と感想を述べている。 - 【光るブルーウォーター】
続けて7回目。回避不能な状態に追いこまれてから警告しても意味ないんだよな… - 【水兵『初弾命中!』】
この距離で砲撃していきなり夾叉どころか命中とか腕よすぎでしょ。 - 【エアトン『ジャンとナディアの敵討ちだ!』】
第3回以来の懐かしのエアトン。今回に限りCV:堀内賢雄。 - 【ガス警報器】
警報機があるっていうことは有毒ガスが発生する可能性については考慮されていたわけで…ガスマスクとか備え付けてなかったんでしょうか。 - 【グランディスさん】
さりげなくお嬢様服。 - 【ナディア『人殺し!あなたも人間じゃないわ!』】
あなた「も」と言っているのは、自分が第8回でガーゴイルに言った「あなたは人間じゃないわ」を受けているからか。 - 【フェイトの叫び】
小説版では最後に「ミランダ…俺は君に…」という台詞があった。 - 【ジャン『この船はネオアトランティスと戦争を…殺し合いをしてるんだ』】
これまではノーチラス号が正義の味方だと信じて、ガーフィッシュを沈める姿をカッコイイと思っていたジャン。ここで初めて、戦争というものの持つ意味に気付きます。ネモが「この船は人殺しの道具だ」といい、エレクトラが「この船は大きな不幸を生んでいる」といい、サンソンが「戦争ってのはどちらかが負けるまでひたすら人を殺し合うことだ」といっていた、その本当の意味。この話はジャンの成長物語でもあります。と同時に、ノーチラスを正義と思いこんでいる視聴者にもぐさりと来る話でした。 - ということで子どもの頃見たらトラウマになること間違いなしです。僕もナディアの話の中では一二を争うくらい印象に残っている話でした。人死にをきちんと扱えるのも名作の証。
元ネタ
- 進水記念プレート
特撮映画「緯度0大作戦」に登場する万能潜水艦アルファー号の艦橋にある「アルファー号進水:1805年6月21日」というプレートから。 - バラクーダ号
アメリカ連合艦隊の旗艦。マンガ「オーロラの牙」(松本零士)に登場した、ドライゼ艦長のUボートと戦った英国の新造戦艦の名前から。 - 死が迫り、最初は平静を取り繕うものの間際に泣き叫ぶ登場人物
テレビアニメ「無敵超人ザンボット3」で主人公の友人が死亡するシーンから。
次回予告
ナディア
ジャン、ブルーウォーターを調べてほしいの。
ジャン
一体ブルーウォーターってなんでできてるんだろう…
ナディア
どうなの?
ジャン
中は、細かい模様でいっぱいだ…それも立体的に…
ナディア
こんなものが…こんなものがあるから、恐ろしいことが起きるのよ。
ジャン&ナディア
第16回『消えた大陸の秘密』見てね。
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