第11回 ノーチラス号の新入生
これまでのあらすじ
時に西暦1889年。ジャンたちの乗った万能潜水艦ノーチラス号はガーゴイルの飛行船を追跡していたが、逆に罠にはまり、機雷に囲まれてしまった。
だが、その窮地を救ったのは、なんとジャンと3人組の活躍だったのである。
ストーリー
グラタンの活躍によってノーチラス号が生還した次の日、艦内では幹部会議が開かれていた。議題は3人組を乗組員として搭乗させ続けるかどうか。エレクトラが強硬に反対したものの、先日の活躍が認められ、3人組は見習いとして、ジャンたちは客員として正式に搭乗を許可されることとなった。ネモに惚れているグランディスや、科学者のジャン、ハンソンは大喜びである。
グランディスとその手伝いを命じられたナディアは早速夕食の調理にとりかかることに。愛するネモ船長に料理を作れるグランディスは一人で浮かれるが、ナディアは包丁は使えない、魚には触れないでほとんど戦力にならないのだった。
その晩、ネモの前に置かれた料理はとても料理とはいえないグロテスクな外見の魚のあんかけらしきものだった。いつもは寡黙なネモが明らかに狼狽し、フォークを持つ手も震えている。ネモは観念して口に運ぶが、意外にもその料理は驚くほどおいしいものだった。
一方、ナディアたちも晩御飯をとっていたが、キングが料理の余りの辛さに暴走してしまう。そのキングを追ったジャンは、エンジンルームへ迷い込んでしまった。そこへネモが現れる。ネモはそのエンジンが20世紀も超えるほどの科学で造られたもので、使い方によっては星の海を渡ることも出来ると言う。そのことに感動するジャン。しかしネモは、「この船は人殺しの道具で、科学は知恵の実を食べてしまった人間の罪を背負っているのだ」と語るのだった。
次の日、ジャンはエレクトラにその言葉の意味を尋ねる。「使いきれない大きな力は、それだけ大きな不幸を生むわ…この船のように」と自嘲気味に応えるエレクトラ。ジャンはこの船の意味について深く考えさせられるのだった。
みどころ
- 【作画】
ギャグ回だけあってちょっと崩れ気味のような… - 【科学部長『そうですね。この船の超科学は我々も完全に理解しているわけではありません』】
ノーチラス号の科学技術の開発・設計の担当者。CV:清川元夢。構想段階ではいろいろなエピソードが用意されていたが、尺の都合でまっさきに出番を削られてしまった悲劇の人。ドラマCDでのみその片鱗をのぞかせている。 - 【エレクトラ『子どものお仕事は勉強することなのよ』】
潜水艦の副長なんて激務のはずなのに、子どもの家庭教師までしちゃうエレクトラさんマジいい人。 - 【ナディア『だぼだぼだったから自分で切ったの』】
ヘソ出しはナディアの個性ですからね。 - 【料理長『ふぉふぉふぉ。氷で冷やすわけではないんじゃよ』】
ノーチラス号乗組員の食事を担当している。絵コンテによればノーチラス号で一番のじじい。 - 【グランディス『今日の仕事はあたし一人に任せて、年寄りと子どもは隅っこで休んでな』】
グランディスの格好と髪型って料理する状態じゃないよね…
それはさておきグランディスさんは料理、洗濯、裁縫と家事はなんでもできますね。いいお嫁さんになるわ。 - 【グランディス『チョウチンアンコウのグランディス風ラブコールと申しますの』】
今後もGAINAX作品に時折出てくるグロ料理。あのネモ船長ですらびびる代物。 - 【水準操作員『俺たちは水とスープだけってのはどういうことだよ』】
グランディスに2回も逆らった気骨のある人物(2回目は第19回)。 - 【グランディス『なにいってんだい。それは全部白身魚だよ』】
間違えたのは作画のせいだと信じたい。 - 【航海長『変な連中』】
航海長の唯一プライベートなセリフ。 - 【エレクトラ『なんですってぇ』】
井上喜久子さんの言い方を庵野総監督が気に入ったせいで、エレクトラさんの口癖に。 - 【グランディス『キング!キング!』ナディア『グランディスさん!』】
これ右上にいるクルーは庵野総監督ですよね…? - 【常温対消滅エンジン】
ノーチラス号の主機関。水素と反水素を常温で対消滅させ、発生したエネルギーをエネルギー・エリミネータで動力変換している。エネルギー効率は94%と極めて高い。単に対消滅機関とも。 - 【ネモ『ハハハ。日頃は本の虫の君もやはり科学の固まりの中よりは空の下の方がいいか』】
ネモが初めて笑ったシーン。いい顔してます。 - 科学の功罪という、この作品を貫くテーマの一つが出てきました。科学の可能性を純粋に信じていたジャンですが、ネオ・アトランティスやネモの言葉に少し心が揺れているみたいです。ジャンがその本当の意味を理解するのは、もう少し先のことです。
元ネタ
- グランディス『あとは…愛情!』
ワンタッチカレー(グリコ)TVCMでの榊原郁恵のセリフから。グランディスの料理はカレーには見えませんが… - 常温対消滅エンジン
オレンジ色の巨大な超科学エンジンと言えば、テレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」でヤマトが搭載している波動エンジン。 - 知恵の実
旧約聖書の創世記で、最初の人間が神に禁止されていたにも関わらず食べてしまったため、楽園から追い出される原因となった木の実。原罪の象徴。
次回予告
ジャン
ぼくたち、無人島でピクニックすることになったんだ。
ナディア
ジャン…あたし土を踏むのがこんなに楽しいなんて知らなかった。
ジャン
うん、ずっとノーチラス号の鉄の床だったからね。
ナディア
見て、ジャン!キレイな貝殻…。
ジャン
ナディア、君だってとっても…
ナディア
あら、グランディスが呼んでるわ。
ジャン&ナディア
第12回『グランディスの初恋』見てね。
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