第5回 マリーの島

これまでのあらすじ

 時に西暦1889年。謎の大海獣に襲われ、海の上に放り出されたジャンとナディアとキングは、ネモ船長の率いる万能潜水艦ノーチラス号に助けられる。その船は海獣と噂される謎の潜水艦を追っていた。ジャンはその中を見学したいと願うが、全て秘密のベールに閉ざされていたのだ。ついに謎の潜水艦を追いつめるノーチラス号。だが逆に攻撃を受け見失ってしまう。
 数日後、ジャンたちは水上機に改造された飛行機と共にノーチラス号から解放され、再び冒険の旅へ飛び立ったのである。

ストーリー

 改造された飛行機に乗って空中散歩を続けるジャンたち。ところが、向かった島の上空で何者かの砲撃をうけ、墜落してしまう。
 一方、戦艦大破のドサクサで脱出していたグランディスたちも、偶然この島に流れ着いていた。ブルーウォーターが向こうからやってきたことに喜ぶが、その目の前で飛行機が撃墜される。急いで墜落現場に向かう3人組。ところが墜落現場で、舞台で使うような嘆きの面をつけた謎の武装集団と遭遇。なすすべもなく3人は捕らわれてしまう。
 奇跡的に助かったジャンとナディアがはぐれてしまったキングを探して森の中を歩いていると、道の先に人が倒れているのを見つける。どうやら家族連れのようだ。だが、既に息はなく、体には多数の銃痕が残されていた。あまりのことに言葉を失う二人。ところが、父親に抱かれるようにして小さな女の子だけが生きていた。そこに3人組を捕まえた例の一行が通りかかる。あわてて女の子を抱えて茂みに隠れるジャンたち。どうやら少女の両親は彼らに殺されたらしい。キングと合流したジャンたちはとりあえず安全な場所を求めて、森の奥へ移動するのだった。
 気がついた少女はマリーと名乗った。昨晩仮面をつけた一行に突然襲われたのだという。両親の行方を尋ねるマリーに、真実を告げるかどうか迷うジャンとナディア。ところが、撃墜した飛行機の乗員を探索していた仮面の一団に見つかってしまう。ジャンの機転で辛くも脱出した一行は、そのまま森の奥にある洞窟に移るのだった。
 次の朝、自分たちが作った墓の前で両親が死んだことをマリーに告げる二人。幼いゆえに「死」という言葉の意味がわからず、ただもう会えないことに泣き出すマリー。二人は彼女を守っていこうと心に決めるのだった。

コメンタリー

  • 【グランディス『子どもの命とどっちが大事なんだい!』】
    ここらへんから3人組のお人好しさが徐々に出てきますね。この言葉が嬉しそうなサンソンとハンソンも良い。
  • 【墜落しかける飛行機】
    今まで遭遇したこともない飛行機の墜落という場面でも何とか不時着を成功させたジャンはすごいです。つーかあのシチュエーションで助かる絵が思い浮かばねえ。ちなみに翼があっさり壊れていますけど、これは翼が金属製や木製ではなく布製だから。
  • 【キングと戯れるマリー】
    回が進むにつれてそのハチャメチャぶりが印象に残るマリーですが、この頃はまだ普通の女の子だったんだよね…
  • 【隊長『ブルーウォーターはどこで知った?』 グランディス『…前に広告で見たんだよ』】
    おそらくこの組織はBWに懸賞金をかけていたと思われます。グランディスは懸賞金ではなくBWそのもの狙いだったようですけど。
  • 【マリーの両親との別れ】
    ナディアは遠い天国に行ってしまったのだと優しく語り、自分も行くと言い張るマリーにジャンは厳しい言葉で諭す。そして言葉の意味がわからず泣き出すマリー。ナディア屈指の感動ポイントだと思います。
  • 前回までがプロローグだとすれば、今回から本編に入った、という感じでしょうか。これから第8話までは『バベルの塔』編といった感じで、この島で話が動きます。ストーリーもこれまでとは違って一気にシリアスムードに。そして巨大な悪の存在も明らかに…。 

元ネタ

  • マリーの島
    第24回によると、大西洋のベルデ諸島にあるマハル島。
  • ムック
    マリーが飼っている犬ですぞ。セントバーナード犬。絵コンテの時点ではジョンという名前だった。

次回予告

ジャン
 島の侵略者たちも、実はナディアのブルーウォーターを狙ってることがわかったんだ。僕たち3人と1匹はマリーが教えてくれた洞窟で島の最初の夜を過ごすことになった。ところが…
マリー
 キャアアァ!ナディア!ジャン!助けて~!
ジャン
 捕らわれたマリーとキングを救い出そうと僕たちは島の秘密基地に向かった。
マリー
 ふしぎの海のナディア第6回『孤島の要塞』見てね。

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