第3回 謎の大海獣
これまでのあらすじ
時に西暦1889年。パリの万国博覧会で出会ったジャンとナディアとキングは、ル・アーブルにあるジャンの家に向かう。
しかし、ブルーウォーターを狙う悪の三人組が、万能戦車グラタンで再び襲ってきたのである。ジャンたちは自作の飛行機に乗ってかろうじて脱出するが、エンジンが壊れて海に不時着してしまった。
一体ナディアのブルーウォーターにはどんな秘密があるのだろうか?
ストーリー
飛行機が墜落したせいで海上を漂流していたジャン、ナディア、キング。そこに偶然アメリカの戦艦が通りかかり、一行は救助される。
二人を助けたのはアメリカの最新鋭艦、エイブラハム号だった。最近数々の船を沈めたことで噂になっている謎の大海獣を退治するためにやってきたという。最新鋭の軍艦に乗れることに浮かれ気味のジャンだが、ナディアは『人殺しのための船にそんなに喜ぶなんて』と機嫌が悪い。
一方、2人を追跡してきた3人組は、今度こそブルーウォーターを手に入れようと戦艦に接近。しかしあえなく見つかってしまい、雨あられと砲撃を受ける。すかさず反撃するものの、グラタンと戦艦では勝負にならない。結局3人は降伏し、捕らわれの身となるのであった。
その日の晩御飯。ナディアは自分が動物を食べられないことを打ち明ける。動物を殺すことはいけないことだ。だから動物は食べない、と。いつしか話は海獣を殺すことへの非難に移っていった。
そんな話をしているところに海獣が現れる。信じられないほどの速度で移動し、戦艦による砲撃もやすやすとはね返してみせる海獣。迫ってくる海獣に戦艦はなすすべがない。やがて船底に衝突した海獣は、そこに大穴を開けてしまう。鉄で出来た装甲に穴を開けたことに驚きを隠せない一同。
そこへもう一頭の海獣が登場。それに追われるように最初の海獣は逃げていく。ところが最初の海獣から逃げざまに、エイブラハム号に対して魚雷が放たれる。予想外の事態にエイブラハム号は対抗できず、魚雷は直撃。その衝撃で船体は大きく傾き、ジャンとナディアとキングは海上に放り出されてしまう。こうして2人と1匹は、一緒に落ちたジャンの飛行機と共に再び海上を漂流することになったのであった。
コメンタリー
- 【乗組員『よーし、こっちへ来れるか』ジャン『はい、大丈夫です』】
あそこまで浸水しているとエンジンにも水が入っているような気がするんですが… - 【ハンソン『もうすぐ20世紀って世の中に何を下らないことを…』】
けっこう名言。僕も20世紀末にはよく使ってました。 - 【エアトン登場】
この話だけCV:山寺宏一。結局この人がなんでアメリカの軍艦に搭乗していたのかは最後まで分かりませんでしたね。 - 【サンソン・ハンソン『トホホー』】
これまた汎用性の高いセリフ。今回だけで3度。今後も多用されます。 - 【グラタンの砲戦能力】
グラタンがしょぼいわけではなく戦艦が強いのです。ノーチラスにやられるガーフィッシュにやられる戦艦にやられるグラタンというまさにかませ役なので諦めましょう。 - 【ナディアの食生活】
エアトンは菜食主義者と定義していますが、ナディアは牛乳・タマゴは大丈夫なので厳密に言うと乳卵菜食主義者(ラクト・オボ・ベジタリアン)。ベジタリアンなのは庵野総監督がそうだからです(エヴァンゲリオンの綾波がチャーシューを食べないのも同じ理由)。
しかし今回の菜食主義者ぶりなんてかわいいもんです。目の前で魚を食べてる人間がいても別に何か言うわけでもなく、ただ自分の皿に手をつけないだけですから。これが後半になったらもう… - 【3人組『ラッキー!』】
砲撃で開いた穴はちゃんと塞いでるんでしょうか。 - 【乗組員『第一砲塔旋回不能!』ホランド『艦長!』メイビル『見苦しいぞ!左舷の排水に全力を尽くせ!』】
メイビルのセリフが『見苦しいぞ!』だということに今絵コンテ集を読んで初めて気づいた。今までなんて言ってるか分からなかったもん。 - 唯一原作(「海底二万マイル」)の雰囲気を残した回でした。次回はいよいよノーチラス号の登場ですよ!
元ネタ
- ナレーション「時に西暦1889年~」
テレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」第1話のナレーション「時に西暦2199年~」のパロディ。 - エイブラハム号
怪獣退治のために出撃したアメリカ合衆国の最新鋭艦。艦長はメイビル。セーヌ湾をパトロール中にジャンたちを拾った。デザイン的には1910年頃の戦艦だが、これは総監督が見た目を重視したため。
次回予告
ナディア
私たち2人と1匹は、謎の大海獣の大きな口の中に吸い込まれてしまったの。
ジャン
海獣の正体は、世界最初の実用潜水艦だったんだ!
ナディア
ジャン、この船はきっと海賊船よ。
ジャン
そんな…こんなすばらしい発明をした人が悪い人のはずはないよ。
ジャン&ナディア
第4回『万能潜水艦ノーチラス号』見てね。
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