2015-01-03
【ゲーム】英雄伝説 空の軌跡FC:改 レビュー
ようやくブレイブリーセカンドの体験版をDLできました。なぜか自宅のLANにつながらず3回も再起動する羽目になりましたがとりあえず良かった。明日からプレイを始める予定です。
さて、エピローグまで見終わったのでこちらのレビューをば。
英雄伝説 空の軌跡FC:改
ジャンル:RPG
価格:4104円(パッケージ版・ダウンロード版)
公式:英雄伝説 空の軌跡FC:改HD EDITION
ストーリー
- 若き遊撃士(なんでも屋さんみたいなもの。テイルズでいうとギルド)見習いになったエステルとヨシュアの姉弟。そんなある日、とある事件の調査のため出かけた父が、乗っていた飛行船ごと行方不明になった。父を探すため、また各地で活動し正式な遊撃士としての資格を得るため、2人は旅に出る。旅先で困っている人々を助け、犯罪を暴き、多くの人との出会いと別れを繰り返しながらついに行方不明になった飛行船を見つけるエステルとヨシュア。しかしこれは王国に暗い影を落とす一連の事件の始まりに過ぎなかった
―というわかりやすいストーリー。 - 展開はいわゆる王道と呼ばれるものですが、世界観がきちんと構築されていること、また主人公たちが超人ではなく、能力的な、あるいは資格的な制限を課せられており、あくまで仲間や周囲の人たちの助けを借りながら事態に当たっていくという路線が貫かれていること、最終的には国家的な陰謀に巻き込まれることになるものの、そこに至るまでの過程に説得力があることなどから、陳腐な感じにはなっていません。
- 特に終章の展開は圧巻でした。久々にRPGで先が気になるストーリーに出会えた感じで、終章中盤からラスダン突入までは一気にプレイしてしまいました。
- ただし、FC(=First Chapter=第1章の意味)というタイトルの通り、エピローグで思いっきり次作SCにつなぐ作りなので(伏線を残すとかいう生やさしいものではなく、漫画で言うところの「引き」)、そういうつもりでプレイしてください。一応メインストーリーは最終戦で大団円を迎えています。
システム
- やや古いRPGであるものの、それを感じさせない優秀なシステムが構築されています。
- 特によかったのは、フィールドでもショートカットキーで、必要なデータベース(モンスター図鑑、依頼図鑑、料理レシピ、マップ)にアクセスできるところですね。比較的地図をよく開くゲームなのですが、それがストレスになっていないところはよかったです。
- また、どこでも(自由に行動できるときはの意味。戦闘中やイベント中は無理)セーブが出来る、戦闘中に敵のステータスや耐性をボタン一つで確認できる、戦闘から必ず逃走できるなど、「プレイの快適さ」が大事にされていました。隙間時間しか無くてもダンジョンに気軽に挑戦できるところはよかったですね。
- グラフィックはファルコムらしく、特に背景は精緻に書き込まれていてびっくり。情報量が多すぎてむしろキャラが目立たなくなるくらい。キャラデザはやや時代を感じますけど強く気になるほどではなく、ドット絵の出来も良かったのでしばらくすれば慣れました。キャラデザで敬遠している人はもったいないですよ(僕のことです
- いわゆる依頼システムがありますが、それぞれの依頼にもきちんとストーリーがつけられており、また依頼者たちの反応にじかに接することも出来るため、マンネリ化するのが避けられてます。主人公は遊撃士なので、依頼システムとの親和性も○。
キャラクター
- PCキャラは全部で8人。だんだん仲間が増えていく方式ではなく、エステルとヨシュアは固定で、他のメンバー(1~2人)がストーリー展開に応じて入れ替わっていく方式です。それぞれのキャラクターはかなり戦闘能力も違うのですが、エステルが万能型で、物理型、魔法型、回復型のいずれにもなれる(しかもどれでも強い)ため、パーティメンバーによって進行が大変になることはありませんでした。
- 周囲のキャラクターも皆いい人達でした。ボスキャラもそれなりの信念や想いを持っているキャラが多く、戦いも熱かったです。ただ客観的な善悪ははっきりしている作りなので、カタルシスも十分得られるものでした。主人公の父親は人格者なうえに戦闘能力も高すぎ、「これは序盤で死亡確定だな…」と思っていたのですが、行方不明になった状態でも「昔の無双伝説」がどんどん増えていき、最後は…な感じです。ここまでされたらもはや何も言えねぇよ!
- モブキャラにもほぼ全員名前がついていて、話す内容が切り替わる頻度も高いです。話す内容もどうでもいい話ではなく、それぞれのキャラの生活に関する内容が多いため、妙に存在感があるのもいいところ。話す内容もたいてい連続性があるので、こまめにチェックするのが楽しみでした。反面ストーリーを早く進めたい時はちょっと邪魔ですが。
戦闘
- シンボルエンカウント制。モンスターの後ろから接触すると先制でき、逆だと不意打ちされます。マップは比較的広いのですが、パーティの隊列が長く、背景が緻密すぎて敵シンボルが見えづらかったため、当初は不意打ちされることも結構あってかなりイラッとしました。しかし敵シンボルがマップ上に表示されるアイテムを手に入れてからはずいぶん楽になりました。近寄らなければ襲われることもないので、急いでいるときは敵を避けて進めばいいですし、経験値を稼ぎたいときはスムーズに戦闘に入れるので、問題なかったと思います。またセピス(キャラクターを強化するために必要なアイテム)や経験値を稼ぎやすいボーナスモンスターもいるなど、こちらも遊びやすさが重視されています。全滅してもすぐ再戦することが可能なので、ぬるゲーマーでも安心。
- 戦闘画面はスクエアになっていて、行動順が回ってきた順番に、「移動」「攻撃」などのコマンドを選択して戦います。選んだコマンドによって次の行動順が回ってくるまでの時間も変わる、変則的なコマンド制+ターン制です。
- 攻撃には、威力が低く射程も狭いが連発しやすい「通常攻撃」、威力が高く射程もほぼ無制限だが発動まで時間のかかり、回復しにくいEPを消費する「アーツ」(テイルズでいうと術)、威力が高く即時発動するがCPを消費する「クラフト」、CPを全消費するが極めて威力が高く、ターンに関係なく割り込んで使用できる「Sクラフト」を使い分けて戦います。特にアーツは発動までに時間がかかり、その間に敵が動いてしまったり、あるいは詠唱をキャンセルする技を使われたりといいアクセントになっています。クラフトはキャラクター依存ですが、アーツはかなり自由に覚えさせることができるので、育成の自由度はまあまあ。
- ただ戦闘フィールドは狭く、最終的に使いやすいアーツは絞られてくるため、すごく自由度が高い戦闘というわけではありません。またエフェクトをスキップできないため、人によってはイライラするかも。ただ戦闘回数がさほど多いゲームではないので(クリアまで大体400エンカウントくらいでした)、僕はあまりストレスを感じなかったです。
総評
- 終章までは、普通に良作のRPGだなと思ってプレイしていましたが、終章でかなり評価が上昇しましたね。パーティキャラたちは年齢が離れている人も多く、仲間意識が強くてべたべた、という感じではないんですけど、それでもそれぞれの友情物語は熱かったですし、ヨシュアを弟ではなく男として意識していくようになるエステルと、全くエステルの思いに気づかないヨシュアとの甘酸っぱい初恋物語は青春を感じさせました。そうだよ、こういう正しい冒険活劇が見たかったんだよ!という感じ。
- 世界観としては近代(産業革命時)あたりをベースに、魔法要素(あくまで機械的に発生させる現象で、神秘の力ではない)を乗っけた感じですね。王道ファンタジーではなく、癖のない設定だと思います。歴史設定もそれなりに充実しており、長期シリーズにしようというファルコムのもくろみがうかがえます。
- エピローグでの展開はなかなかショッキングで、思わず涙腺が緩んでしまいました。次回作もプレイしてみるつもりです。Evolutionが出るまで待つか、先に零の軌跡をプレイしてしまうかは思案中です。ただTOZが控えているので、そちらが一段落するまでは無理かな。
- ということで、非常に良質なJRPGを楽しませていただきました。VitaでRPGを探しておられる方、Evolutionが出るまで待ってもいいと思いますので、是非一度プレイしてみてください。