2015-03-13
【映画】かぐや姫の物語 レビュー
久々に「映画を見に行かなかったジブリ作品」だったわけですが、今日はいろいろ偶然が重なって時間がとれたので、金曜ロードショーで視聴しました。
かぐや姫の物語
制作:スタジオジブリ
監督:高畑勲
上映時間:137分
公式:かぐや姫の物語 公式サイト
レビュー
ものすごく感想を書きづらい映画ですね-。
あらすじとしては、古典「竹取物語」にかなり忠実に作られています(といっても僕も高校の授業で習った程度の知識しかないのですが)。オリジナルの登場人物が出たり、おばあさん(媼)の出番が多かったりと多少のオリジナリティはあるのですが、最後ハッピーエンドになったりといった大きな改編はありませんでした。これをいいことととらえるかどうかは微妙なところです。
ただ、登場人物の心情を深く描いていることで、原作では疑問に思うことの一部が解消されており、そこはよかったと思います。原作はかなり理不尽な展開が待っていますし、姫も姿は美しいですが心はどうよ?みたいな描かれ方をしていますよね。でもこの映画では一人の等身大の少女として描かれていて、心情的にも十分感情移入できるものだったのでよかったと思います。
映像はきわめて特徴的な扱われ方をしています。この少ない線で画面構成をうまくまとめるのは見た目以上に大変なはずで、それを感じさせない造りになっていたのもさすが高畑監督。…ですが、最近のCGばりばりのアニメに慣れた自分にはもの足らなかったのもまた事実です。
あと心配だったキャストの演技ですが、これは全く不満はありませんでした。姫も翁も媼も、きちんと物語の雰囲気に沿った感じになっていました。ここまでされたら文句は言えませんわ。
…と、要素を分解してみると評価は高くなるのですが、個人的に楽しめたかと言われるとそうでもないです。結局いつもの話に戻るのですが、僕は映画にエンターテイメント性を求めているので、わかりやすく、かつハッピーエンドになるのが好きなんです。しかし出てきたのは原作を忠実になぞった話だったので、最後の大どんでん返しを期待した自分にはちょっと肩すかしでした。しかしだからといって、最後捨丸が月の使者と戦って、愛の力ですべて解決!みたいなオチにされたら台無しってレベルじゃないので、結局これは無い物ねだりなのかもしれません。
そんなわけで、良くも悪くも高畑監督の映画という感じでした。おもひでぽろぽろもぽんぽこも山田くんもそうなのですが、おそらくもう一度見返すことはないかな…。そういえばマーニーの米林監督も退社しちゃったみたいですし、ジブリ大丈夫なのかなぁ…。