2018-05-09
【ゲーム】英雄伝説 碧の軌跡 Evolution レビュー
そろそろプラチナ50個が見えてきた(現在47個)。
英雄伝説 碧の軌跡 Evolution
プラットフォーム | PlayStation®Vita | |
ジャンル | ストーリーRPG | |
価格 | 【PlayStation®Vitaカード版】5,800円(税込) 【ダウンロード】 4,800円(税込) |
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公式 | 英雄伝説 碧の軌跡 Evolution | |
プレイ時間 | 1周目:85時間(イージー) 2周目:27時間(ナイトメア) |
ストーリー
- 狂信的な宗教集団によるクロスベル自治州の危機を救ってから数ヵ月。ロイドたち特務支援課は一時解散となり、それぞれが別の場所に出向してさらなる研鑽を積んでいた。新たなメンバーを加え、再結成された特務支援課は再びクロスベルの平和を守るため奔走する。しかしクロスベルを挟んで対立する帝国と共和国からの圧力は高まり、また裏社会では新たな傭兵団の暗躍が始まる。そんな中、市長になったばかりのディーターは、自治州の行く末について考えていた―
- ということで、「零の軌跡」の正統続編です。前回は失った警察の信頼を取り戻すと言うところから始まりましたが、今回は特務支援課の評価は初めから高く、警察の中でも独立的なポジションになったので、どちらかというと遊撃士の活躍を描いた「空の軌跡」寄りのストーリーになっています。
- 今回もストーリーは秀逸でした。今回の敵の目的は、簡単に言うとタイムマシンを使った時空改変です。と言っても世界を自分たちの都合のいいように操ろうというより、この世界にはびこる悲劇をなくしたい、あるいはクロスベル自治州を救いたいという目的のために行動しています(あくまでそう主張しているだけで、真意は若干疑問ですが)。それにはロイドたちの仲間が犠牲になるんですけど、その犠牲も最小限にするための対策も一応取られてます。
こういうストーリー展開の場合、主人公側の主張としてありがちなのが「誰かの犠牲の上に得られた平和なんて価値がない!」的なものですけど、yukkun20はこういうの嫌いです。それは主人公の主観だろという。大局的見地からすればそっちの方が犠牲者は増えるでしょと思ってしまいます。しかし今作では、(あまり細かく言うと興ざめなのでぼかしますが)「人間の尊厳」「政治のあり方」といった正論をきちんと立て、ラスボスたちの主張を論理的に砕いてくれたのが良かったです。 - ただ、結局ラスボスたちはかなり好き勝手やった挙げ句、本当の黒幕達(零の軌跡を含めたすべての事件の黒幕、今回作中で大量虐殺を行った実行犯など)は逃げおおせているのがちょっと気になります。空の軌跡でも真の黒幕である「蛇」はあまりダメージを受けていないのでそこがモヤモヤしていたんですけど、今回は「蛇」よりももっと主人公達と深い関係の人間が黒幕なので余計そこが気になりました。結局蛇に加入したみたいですし、そのうち再登場するんでしょうか。
システム
- いつものEvolution仕様です。メインストーリーが完全フルボイスなのはいいですね。メインストーリーに登場するキャラはどんなモブでもきちんと声が付いています。
- フィールドの美しさは健在。Evolutionシリーズでは初期の作品なのでマップは回転できませんけど、視認性が損なわれないように組み立てられていたのも高評価。フィールドはほぼ全作の使い回しですけど、むしろ前作と整合性があって気になりません。また雨の描き方が非常にきれいでちょっと感動しました(ロイドたちを撮影しているカメラのレンズに雨粒が当たっているような演出がされている)
- 前作でも言いましたが、フィールドでもショートカットキーで、必要なデータベース(モンスター図鑑、捜査手帳、料理レシピ、マップ)にアクセスできるところや、いつでもセーブができる仕様は本当にいいですね。
- あいかわらず会話ログ機能自体がないのは残念。特に今回はデートイベントがいろいろ充実していたのでなおさら残念でした。
- あと、おなじみのギャラリーがあるのですが、今回はそこに「Sクラフト、コンビクラフト鑑賞機能」が付いたのはまさにGJ。Sクラやコンビクラフトはどうしても使用する技が偏りがちになるので、これはうれしい仕様ですね(ちなみに敵キャラのも見られます)。なんで空の軌跡Evoにこういう要素を引き継がなかったのか疑問だ。
キャラクター
- PCキャラは全部で9人。うち2人は最終盤で加入、2人はごく短い期間加入なので、基本的には4~6人パーティとなります。ゲストはほんとに短い期間しか加入しないので、基本的にパーティは固定です。回避型前衛になったロイド、火力型のランディ、射撃とアーツのエリィ、アーツ特化のティオ、雑魚殲滅力の高いノエル、準備は手間だが超高火力が出せるワジと役割分担が出来ていますし、また今回はアーツの性能が高いので、クォーツの組み合わせでどのようなパーティでも問題無く戦えるようになっています。
- 今回特務支援課の人数が増えましたけど、あまりひねたキャラがおらず、人間関係が本当に気持ちいいです。ワジがちょっとひねくれ者っぽいポジションかな?と思ったんですけどそんなこともなく、和気藹々とした掛け合いを楽しめます。その一方で、前作で伏線が張られたランディやリーシャの過去やワジの正体なども、しっかりとイベントで回収されていて大満足でした。
- 今回もティオは可愛かったですけど、ティオ関係のイベントは前作に固まっていたので若干影が薄かったのは否めません。しかし今回は、前作で密かに気になっていた「ノエル」がパーティインしてくれたので嬉しかったですね。最終決戦前の告白イベントも、ノエルが一番優遇されていたような気がします。
- 相変わらずモブキャラたちのセリフもしっかりしていて、町の人それぞれにドラマ性を感じます。この辺はすべてのRPGに見習ってほしいですね。モブがろくでもない会話しかしないゲームのなんと多いことか。
バトル
- シンボルエンカウント制。不意打ちがとりやすくなったのと、オートバトル(ただし2周目以降)が搭載されたおかげで大分楽になりました。とはいえ、今作は特にフィールド上の移動時間が長く、誤って敵に接触してバトルに引きずり込まれる…ということが何度もありました(特にyukkun20は逃走禁止縛りをしているので)。そろそろ敵とエンカウントしないための何らかのシステムがほしいところですね。
- 戦闘画面はマス目上のフィールドになっていて、行動順が回ってきた順番に、「移動」「攻撃」などのコマンドを選択して戦います。選んだコマンドによって次の行動順が回ってくるまでの時間も変わる、変則的なコマンド制+ターン制です。
- 攻撃には、威力が低く射程も狭いが連発しやすい「通常攻撃」、威力が高く射程もほぼ無制限だが発動まで時間がかかり、回復しにくいEPを消費する「アーツ」(テイルズでいうと術)、威力が高く即時発動するがCPを消費する「クラフト」、CPを全消費するが極めて威力が高く、ターンに関係なく割り込んで使用できる「Sクラフト」を使い分けて戦います。特にアーツは発動までに時間がかかり、その間に敵が動いてしまったり、あるいは詠唱をキャンセルする技を使われたりといいアクセントになっています。クラフトはキャラクター依存ですが、アーツはかなり自由に覚えさせることができるので、育成の自由度はまあまあ。この辺りは前作とほぼ同じですね。
- 戦闘バランス的には、空の軌跡に比べるとやや高いです。イージー→ナイトメアでプレイしましたが、ナイトメアはかなり戦略を練らないと、ボス戦で普通に全滅するレベルです。搦め手が効かず純粋に高ステータスで殴ってくるボスは特に強く感じました。とはいえ、敵に勝つためにレベル上げを延々やるようなゲームではなく、その時点で普通に入手できている装備とクォーツがあれば、その組み合わせで大抵何とかなる(つまり、ボスの前から引き返して雑魚を倒したり町で買物したりといったことを強いられることがない)のでむしろ高難易度も楽しめました。
総評
- いつも通り、がっつりした王道ファンタジーを楽しみたいなら文句なしに進められる作品です。バトルシステムは若干の古さが否めませんが、それを補ってあまりある魅力のあるシリーズに仕上がっていましたし、零の軌跡の完結編としても文句のない出来でした。あえて言うなら次回作はもうちょっとカタルシスのある展開を用意してほしいところです。
- トロコンの難易度は、他のEvolutionシリーズの中では一番楽です。特に宝箱取り逃しの可能性がかなり低下したのはありがたいところ。ただしミニゲーム(タイピングゲームと落ちものゲーム)をクリアしなければならないため、それが苦手だとかなり辛いかもしれません。特にタイピングの方はかなりの高難度ですので…yukkun20も一時停止を連発するというズルがなければクリアできませんでした…
- 次回作「閃の軌跡」もリメイクされましたね。近いうち(せめて今年中)にはプレイ始めたいところです。ただ零Evoから碧Evoと続けてプレイしたので、ちょっとお休みさせてください。