2019-02-05
【ゲーム】ゼノブレイド2 黄金の国イーラ レビュー
シナリオブックの発売きぼん。
ゼノブレイド2 黄金の国イーラ
プラットフォーム | Nintendo Switch | |
ジャンル | コンピュータRPG | |
価格 | パッケージ版 3,980円(税別) DLC版 2,770円(税別) |
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公式 | ゼノブレイド2 黄金の国イーラ | Nintendo Switch | Nintendo | |
プレイ時間 | 1周目:30時間 |
ストーリー
- アーケディアにより突如行われたシヤへの侵攻はアーケディアの勝利に終わり、巨神獣シヤは雲海へ沈んだ。その戦いの影には、天の聖杯と呼ばれるブレイド・メツの存在があった。世界を滅ぼそうとするメツに対し、古王国イーラの王子であるアデル・オルドーと、もう一人の天の聖杯・ヒカリが立ち上がる。気さくで人を引きつけるアデルの周りに人々は集っていく。その中に、イーラの至宝と呼ばれるブレイド・シンと、彼のドライバー・ラウラの姿もあった―
- ということで、2017年に発売されたRPG「ゼノブレイド2」(以下(本編)の外伝作品です。本編のDLCとして作成された本作ですが、パッケージ版も用意されており、本編をプレイしていなくても楽しむことができます。とはいえ、ストーリーはやはり本編をプレイしていることを前提に作られている(たとえば、最後に唐突に登場した赤髪のブレイド・ホムラの正体については本編を見ないとよくわかりません)ので、本編を先にプレイすること推奨です。
- ただ、人類の存亡を賭けた戦争中が舞台のため、ストーリー立てはやや暗めになっています。コミカルなシーンも合間合間ではありますが、本編のジークのようなギャグ要員もいないため、わりと真面目に話が進んでいきますね。個人的には明るいストーリーの方が好みですが、とはいえこの状況で脳天気な旅をしていたらそれはかなりおかしいわけで仕方ないかな。エンディングもかなり重いものでした。
- とはいえ、このくらいストーリーあってのゼノブレ2本編だと言うことは、本編のプレイヤーにはよくわかっているはずで、それを踏まえればこのシリアス展開は決して間違っていなかったことがわかります。シリアスだからこそ、戦闘終了時の掛け合いとか、相変わらずノポン族に振り回されるサブイベントなどのちょっと笑えるシーンが心にしみますね。
システム
- 本編同様、フィールド探索とシームレスバトルを主軸においたRPGです。ただし本編よりマップ数はもちろん少ないですし、構造もあまり複雑にはなっていません。フィールドで行う素材集めなども本編より簡略化されていて、ストレスなく楽しめました。これは好き好きだと思うんですが、本編でのマップ探索はやや面倒くさいと感じるところも多かったですからね。ただ相変わらずワープポイントは少し少なめのような気がします。
- 本編ではパーティメンバーを40人以上のブレイドから自由に選ぶことができましたが、本作ではパーティメンバーは固定されています。パーティをこまめに入れ替えながら、最強の組み合わせを探すのも面白かったのですが、限られたメンバーとリソースの中で最適化を目指していくのも楽しく、趣の違う良さがありましたね。また本編ではあまり活躍しなかったワダツミや、本編とは全く役回りの異なるミノチなどにスポットライトが当たるシーンも多く、よかったと思います。
- 攻略要素としては、本編同様に住民からの依頼を解決する「クエスト」があります。本編ではクエストログが使いにくく、クエストの進行状況がよくわからなくなりがちなのですが、今回はヒトノワシステムと関連付けることで比較的進行がわかりやすくなっており、また住民一人一人のキャラクターを立たせることにも成功していたと思います。これは初代ゼノブレに近い仕様です。初代では各住民がどこにいるのかが表示されず、人を探すのも一苦労だったのですが、今回は居場所も同時に表示されるので安心です。
- ただ、最初は任意のシステムとして登場するヒトノワですが、最終的には本編を攻略するためには避けて通れない(ヒトノワを一定数まで増やすことがメインシナリオのフラグになっている)ことが結構批判されているみたいです。yukkun20のように、サブイベントを完了するまでメインシナリオを進めないタイプの人間からすればこれは欠点でも何でもないんですが、気になる人は気になるかも知れませんね。でもヒトノワをきちんとこなしておいた方が、最終決戦でのヒカリの絶望により深く同調できますよ。
- ムービーの量も多く、またクオリティも非常に高かったです。特に最終決戦でのロボット対決は、動きが激しい割に何をしているのかがよくわかるように描かれており、そういうところもアニメっぽさを意識した演出のように感じました。登場人物の殺陣も見応えありましたね。
- 外伝でありながら、ボリュームも多く、クリアまでの時間は30時間ほどでした。とはいえまだ倒していない隠しボスなども多く、あと数時間は普通にやり込めますし、さらに2周目要素もありますので、価格を考えれば十分すぎる内容です。それなのにフィールド描写のエンジンがフラッシュアップされて、さらに美しくなっていたり、半分以上のフィールドが新規に作成されているなど、手抜き一切なしで、本当に採算がとれているのか心配になるレベルでした。
キャラクター
- PCは全部で9人ですが、フルメンバーになるのは終盤にさしかかった当たりです。
- 主人公であるラウラは、快活でありながら思いやりのある少女です。年齢もある程度高く、子供達に対しては大人として振る舞いますが、チームの中では比較的若手で、あまり出しゃばらないように振る舞っており、そのギャップが魅力的でした。
- パートナーであるシンは、本編とは異なる性格として描かれており、彼がどれほど人間という存在を、そしてラウラを大切に思っていたのかを垣間見ることができました。彼の絶望は期待の裏返しだったと言うことですね。
- また本編では謎に包まれた人物アデルも、カリスマがあってとても魅力的な人物として描かれていました。自分の立場をわきまえつつ、仲間や国民には親切に接し、いつも前向きでへこたれることはなく、ヒカリには保護者のように接しますがそれを嫌みに感じさせることのない好青年でした。別に超常能力があるわけではないのですが、彼が英雄と呼ばれていたのも納得です。
- そのほか、まだまだ若くて尖っているヒカリやカグツチ、ネフェル皇帝同様、他の人のために自分をなげうつことのできるユーゴ皇帝、渋い皮肉屋でありながら、ラウラが語り果たせなかった夢をさりげなく引き継いだミノチ、本編では落ち着いた挙措が目立っていましたが、元々は結構おてんばだったことが判明したカスミなど、そのほかのキャラクターも魅力的でしたね。
- そのほか、本編ではよくわからなかったマルベーニの思想が多少わかるようになったかな…それでもわからないことが多いんですが。個人的には、マルベーニはメツとヒカリを戦わせることで、神の意志は何なのかをつかもうとしたのではないかと思います。最終的にはヒカリは勝ったのですが、結局国は滅びてしまったわけで、人類滅亡が神の意志だと思い、そこから暗躍を始めた…という感じで解釈しています。
戦闘
- PC9人は、3人一組の3チームに分かれており、戦闘ではそのうちの1チームを選んで、チームに属する3人を切り替えながら戦います。本編ではドライバー一人にブレイド3人が紐付けされていましたが、操作するのはあくまでドライバーだけで、ブレイドはサポート役でした。しかし今作では、ドライバー1人と紐付けされたブレイド2人の3人全員を操作することが可能です。
- 戦闘システムは基本的に本編のものを踏襲していますが、大きく異なる点が2つあります。
- 1つはブレイドコンボで、本編ではブレイドコンボを3回つなげることで敵に属性玉がつき、チェインアタックでそれを破壊して大ダメージを与えることができました。ただ属性玉をつけるまでにかなりの時間がかかっていました。今作では、ブレイドコンボ1回で属性玉が付くようになったため、属性玉が増えるスピードが速く、戦闘全体の速度が上がっており、爽快感がありました。
- もう1つはドライバーコンボです。今作ではドライバーコンボをつなげる手段がかなり限定されており、一人でコンボをつなげることはできません。仲間との連携を意識する必要がありますが、思い通りに動いてくれないことも多くやきもきする場面も時にありました。とはいえ、事前準備を上手にやることでうまくかみ合わせることもできるようになり、決して不便と言うことはなかったです。
総評
- 本編のいいところはそのままに、問題点もかなり改善した状態でこれほどの大型DLCをプレイできたことは本当にうれしく思います。本編と合わせると300時間近くプレイしましたが、それでもやりこんだとはとても言えないほどの奥深さのあるゲームで、プレイ日記を書くのも楽しかったです。
- そしてあくまで外伝でありながら、ストーリー立てや戦闘システムなどは異なるテイストにすることで、単なる本編の焼き直しや使い回しではなく、新鮮なプレイ体験が持てるようになっていたこともとてもよかったと思います。はやくも3が楽しみですね。
- ただ、ホムラ(とニア)の出番が少なかったのが残念でした。ニアは仕方ないとして、ホムラが絡めるエピローグ部分もうちょっと尺があれば言うことなかったなぁ。yukkun20のなかではニア>>>(越えられない壁)>>ホムラ>ほむほむ>>>ヒカリくらいの位置づけなので。
- これまで足かけ3年にわたり、プレイ日記にお付き合いくださった皆さん、ありがとうございました!次はTOV-Rの予定です(ただしスクリーンショット機能が使えれば…ですが)。